二月六日、石原・横山東京都教育委員会の暴走をとめよう!ネットワークは、日本教育会館で「『日の丸・君が代』強制反対!『10・23通達』、不当処分、不当解雇を撤回せよ!2・6総決起集会」を行い、教育労働者、市民、学生など九百五十人が参加した。
自衛隊のイラク派兵の下で、小泉政権は、戦争ができる国家作りに向けて憲法改悪と教育基本法改悪攻撃を強めている。この動きと連動して都教育委員会は、二〇〇三年、「日の丸・君が代」強制に向けた「10・23通達」を出し、指導を強化してきた。だが、戦争国家化と人権侵害を許さない三百人の教員たちは、〇四年春の卒・入学式で不起立で抗議の意志表示を行った。その後、都教委による処分乱発や「服務事故再発防止研修」などによって転向を強要してきたが、闘う教員たちは、抗議し、さらに保護者、市民たちとともに裁判闘争、処分撤回、都教委包囲闘争などを展開してきた。
都教委は、今春の卒・入学式時に、教職員・生徒・保護者全員の「君が代」の起立・斉唱の完全実施をねらっている。すでに昨年十二月、町田市教委は、都教委の暴走を先取り的に代行し、「君が代斉唱にあたっての声量指導」の「通知」を出している。この集会において〇四年の闘争陣形を防衛し、今春の卒・入学式時での「日の丸・君が代」強制反対闘争を強化していった。
教育現場と地域
の団結の形成へ
集会の冒頭、昨年八月三十日に行われた都教委包囲闘争のビデオが上映された。主催者挨拶の後、高橋哲哉さん(東大)が「茶色い朝を迎えないためのたたかいを!」というテーマで「日の丸・君が代」強制反対闘争に向けた激励アピールを行った。
続いて、尾山宏弁護士が教育基本法の改悪反対について、伊沢けい子都議が都議会での与党右派系議員たちの教育破壊推進に向けた動きに対して厳しく批判した。
さらに上田埼玉県知事が高橋史朗(新しい歴史教科書をつくる会)を教育委員に任命したことに対する反対の取り組み報告を任命阻止ネット、一審無罪判決を勝ち取った立川自衛隊監視テント村の高田幸美さん、鉄建公団訴訟を闘う国労闘争団から連帯アピールが行われた。
次に、ピースリボン裁判原告、「君が代」伴奏強制裁判原告、高校生の保護者、権力と都教委が一体となった弾圧がかけられている元板橋高教員の藤田さんから闘う決意表明が行われた。
激励発言の第二番目は、三宅晶子さん(千葉大)から行われ、憲法改悪と教基法改悪を先取りした都教委の攻撃性格を明らかにし、教育現場と地域による広範な団結によってはね返していこうと訴えた。
闘いを継続し教
基法改悪阻止へ
集会の後半に入っても、次々と発言が行われた。
吉峯啓晴弁護士は処分撤回裁判などの取り組み報告。
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会の呼びかけ人の観点から大内裕和さんは、「不起立闘争の歴史的意義」と題して今後の闘う方針を具体的に提起した。また、教基法改悪法案が与党内部事情で今国会見送りと報道されていることに対して、「油断してはならない。同時に、われわれの闘いによって、ここまで追い込んでいる。五月七日、代々木公園全国集会に結集しよう」と強調した。
学校に自由の風を、都教育庁OB、千葉の高校教員、都立高卒業生、元都高教委員長からのメッセージがあった。
そして、「日の丸・君が代」強制に反対したことによって都教委から不当解雇、処分攻撃を受けている仲間たち、予防訴訟を取り組む仲間から闘う決意表明があった。
発言の集約として、小森陽一さん(東大)は、昨年の全国的な教基法改悪反対闘争の高揚の成果を確認し、より拡げていくために新たな組織化、運動化に向けた問題提起をした。
集会の最後に「『日の丸・君が代』強制に抵抗する闘いを継続する」集会決議を参加者全体で確認し、団結頑張ろう!を行いスクラム強化を誓い合った。(Y)
「女性国際戦犯法廷」番組改ざん問題
右翼の脅迫・NHKの上映不許可をはねのけ東大集会
NHKによる「女性国際戦犯法廷」の改ざん報道をめぐる一連の流れのなか、法廷の日本側の主催団体である「VAWW―NETジャパン」が二月五日、法廷の実際の記録映像を上映する集会を開催した。会場は東京・本郷の東大経済学研究科棟。「NHK問題を考える東京大学教員の会」と共催した。
「VAWW―NET」はこのかん、事態の推移に即応して数々の緊急集会を呼びかけてきた。この日も会場を埋めつくす四百五十人が参加した。
主催者は当初、自民党安倍らのデマ宣伝を暴くために、問題の「改ざんビデオ」との比較併映を計画した。しかし「番組の著作権」を盾にNHKは上映を認めなかった。司会者と主催者からこうした経過の説明を受けたあと、オリジナル記録ビデオの上映が始まった。カメラは次々と証言に立つ被害者の怒りや悲しみ、そしてそれに熱心に耳を傾ける世界各国の判事や検事、専門家らの姿を映し出す。思わず目頭が熱くなる。
上映が終わると、各界からの発言。弁護士の東澤靖さんは、法廷が開かれた動機について説明した。「なぜこれだけの戦争犯罪が起き、半世紀以上も闇に葬られてきたのか。私たちは歴史を忘れるしかないのか。そうではない。時代の流れのなかで、国際社会が法廷を求めていたのだ。国際刑事裁判の水準で、国際的な討論を長いあいだ積み重ねて準備してきた。NHKは法廷の本質を理解していない。批判者たちは非本質的な論議のすり替えで法廷を貶めている」。
VAWW―NETジャパンの中原道子さんは、「私たちがたたき込まれたのは男性の歴史である。私たちは経済的に非常に貧しいなかで法廷を準備した。この法廷の実現は、九〇年代のフェミニズム運動の成果のひとつである。法廷はジェンダーの視点に貫かれている」と淡々と語った。
「政治とメディア」というテーマでは、東大教員の姜尚中さんと吉見俊哉さんが登壇。姜さんは、「私自身はこの運動にかかわってこなかったが」と前置きして話した。「これは過去の問題ではない。東北アジア諸国の人々に対する憎悪をかきたてる排外主義・歴史修正主義が、九〇年代以降顕著に現れてきた。日本を取り巻く構造的変化にどう対応するか。渦中の政治家Aは、日本の次期リーダーになるかもしれない人物だ」「NHKは『大本営発表』に落ちぶれた。メディアの危機が進行している」。
吉見俊哉さんは、この集会に向けて発した「東大教員有志」の声明について解説。「おおきな声では言えないが、NHKはこの事件をきっかけに、自民党とヨリを戻そうとしているのではないか。この問題は、NHKの組織内部に厳然として存在する何重もの抑圧構造の結果だ。日本の公共放送のひどさを考えるいい機会である」。
右翼学者のケチ
つけを論破する
日本の検事団として法廷に参加した川口和子さんは、「法廷開催当時、日本のメディアはほとんど黙殺した。今回四年ぶりに日の目を見た」と力強く語り、番組のなかで誹謗中傷を繰り広げた右派歴史学者秦郁彦への批判を展開した。
秦は、@一事不再理A時効B被害者証人の不在C被告弁護人の不在、など事実に反する思い込みで今なお法廷を非難し続けている。川口さんは秦の主張をゆっくりと、ひとつひとつ論破していった。最後に、「『まず結論ありきの裁判だ』なんてとんでもない言いがかりだ。私たち日本検事団は、もし有罪判決が出なかったら、世界中の女性たちの運動全体の後退につながると心配してすらいた。当時私は連日胃が痛くなるほどの緊張を強いられながら、告発の準備を進めていったのです」と振り返った。
VAWW―NETジャパンの西野瑠美子さんと金富子さんは、何度も演壇に立ち、集会ごとに更新される膨大な資料を駆使して、番組改ざんの事実関係を精緻に追っていった。司会団の醍醐聰東大教授は、「受信料支払い停止運動」が全国で広がっていることを紹介した。「法廷と右翼の妨害」という演題で横田雄一さん(弁護士)の発言が予定されていたが、時間の関係で残念ながら辞退された。
闇に葬られた戦争被害者の救済のために、十年にも及ぶ時間をかけ、専門家と市民運動が国際的な討論を繰り返して実現した画期的な民衆法廷。その輝かしい成果を歪曲する卑劣な右派言論。彼らは最新号の雑誌類でもこの問題を大きく取り上げ、罵詈雑言を繰り返している。エスカレートする彼らの言動を、圧倒的な攻勢で包囲・粉砕していこう。(S)
「女性国際戦犯法廷」
冒とくと誹謗許さない日朝女性集会
「『女性国際戦犯法廷』に対する冒とくと誹謗中傷を許さない日・朝女性たちの緊急集会」が二月一日、開催された。主催は同実行委。平日にもかかわらず衆議院第二議員会館の会議室は、二百人近い女性たちで埋めつくされた。
集会は「VAWW―NETジャパン」の西野瑠美子さんの経過説明で始まり、「朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会」の清水澄子さん、「在日本朝鮮民主女性同盟」の金昭子さんら、各女性団体からの発言で構成された。一連の事態の推移について、さまざまな視点から提起があった。この問題の本質について、「A級戦犯の子孫」としての経歴に触れるものや、日本の朝鮮半島に対する植民地政策に原因を求めるものなど、広範な論議があった。
本紙既報のとおり、「VAWW―NETジャパン」はこのかん、連続して緊急集会を開催しているが、そのどれにも実に多くの参加者が集う。「NHK番組改ざん問題」への関心の深さがうかがえる。
NHKと、関係した自民党議員は、番組改ざんの真相を明らかにせよ。そして「法廷」主催者や関係者に真摯に謝罪し、主催者の要求する形での再放送を企画せよ。(S)
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