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ロシア左翼のウクライナ訪問記――            かけはし2005.1.31号

変革を求める民衆の反乱

アレクサンドル・ブズガーリン


 ウクライナ大統領選挙では、やり直し投票の結果、西側の後押しするユーシェンコ元首相がロシア・プーチン政権の支持を受けるヤヌコヴィッチ首相を破って、当選した。この選挙をめぐっては、西側報道とプーチン寄りのロシア側報道との間にまったく相反する評価がなされている。以下に紹介するのは、ロシアの『オールターナティブ』誌編集長であり、マルクス主義者であるアレクサンドル・ブズガーリンのウクライナの選挙に関する見解である。ブズガーリンは、現地ウクライナを訪れ、ウクライナのさまざまな人々と討論を紹介している。


われわれはもう
だまされないぞ

 ウクライナを訪れたなら、キエフであなた方を迎えるのはオレンジ色の渦である。オレンジ色のスカーフ、オレンジ色の帽子、かばんに付けられているオレンジ色のリボン、車の上に掲げられたオレンジ色の旗といった具合だ……。
 現地で私はまずドネツクの何人かの住民とあった。私が最初に会ったのは、ドネツクの金属コンビナートでの設備の保守の仕事をしている人であった。この地は、かつては一〇〇%与党候補ヤヌコヴィッチ支持だとみなされていた地域であった。私がその人に、どうして与党支持から野党支持へと移ったのかと尋ねると、彼はこう答えた。
 「もはや私は公然とわれわれをだましてきたこの盗人一味を信用しないのだ。われわれが望んでいるのは、真の変革であり、人間的な生活であり、まっとうな給料だ。そして、最後に、ウクライナで拡大している貧困に終止符を打つことだ」。
 それでは、野党候補のユーシェンコが今後人々をだまそうとすることになったらどうするのかと質問すると、彼は「もしユーシェンコがわれわれをだまそうとするなら、われわれは再び(キエフの)独立広場に再び戻る(抗議行動を行う)だろう」と答えた。
 次に、私は(抗議行動のために)テント村に数日間泊り込んできた実業家と討論した。彼は、私がウクライナで何度も繰り返し聴くことになる観点を表明した。「われわれは何か特別なことを望んでいるわけではない。人間的な生活を送ることができるようにするために、当局がわれわれに押し付けたがっている大統領ではなくて、われわれが望む大統領を選択できるようにするために、この抗議集会の場にやって来たんだ。マフィアのギャングどもと結びついた政権に従属して生きるのはもうたくさんなのだ」。
 私はまた、キエフとチェルニゴフの学生、ヴィニツアの失業者、マーケティング部門やニューテクノロジー部門で働いていた裕福な人々とも討論した。事実上すべての人が同じ立場を表明した。「われわれが望んでいるのは、われわれの利益を代表する正直な政府なのだ」と。これらの人々の大部分は、野党のユーシェンコ候補に希望を託していた。だが、一部の人々はより攻勢的だった。
 「独立広場はわれわれを覚醒させた。われわれはもはやいかなる善良なる皇帝をも信用しない。だから、われわれは自らが必要だと思うことを自身で実現していくのだ。もしユーシェンコがわれわれと同じことを望んでいない場合には、われわれは彼を追放するだろう」と。

誰にも買収され
てなんかいない

 私が話をした人々の大部分は、明確な政治的・社会的立場をもっていなかった。これらの人々は、政治生活が誠実に展開されることを、そしてそれと同時に福祉国家の社会的保障を利用できることを、望んでいた。人々が賛成しているウクライナの将来に関する唯一のビジョンとは、人民の統制にもとにある正直な政府であった。
 多数の人々は、ユーシェンコ候補に信頼を寄せていたが、ユーシェンコの背後に少数者による寡頭支配体制が存在していることを理解している人も一部にはいた。そうした人々はこう言っていた。「だが、この寡頭支配体制なしでどうやっていけるというのか?」と。しかしながら、いずれにせよ、この問題は、人々の現在の主要な関心事ではないのである。
 人々は、あなた方は買収されているのではないかという質問に何度も繰り返し「いや、われわれは誰にも買収されていない」と答えるのに、明らかにうんざりしていた。独立広場に詰めかけていた人々はくたびれており、寒さと睡眠不足に陥っていた。だが、そこには大きな熱気があった。カーニバルというものが、上の人々に対する下からの人々のお祭り的な抗議の伝統であるという意味において、そこではカーニバルの雰囲気が支配していた。

官僚的寡頭支配
体制に対する闘い

 キエフでの十二月の出来事については三つの解釈が存在している。
 社会党の若い活動家のように、そこに官僚的で犯罪的な政権に対する市民の決起、すなわち、民衆の民主的な革命を見るという見解もあり得る。
 また、少数寡頭支配勢力の一部が民衆の不満を自分の目的のために利用することを決定したのであるから、そこには権力の再分配がなされているにすぎないと見ることもできる。これは、ウクライナの左翼政治学者や共産党の活動家の観点である。
 最後に、それは、一方における専門家に支持されアメリカやEUの資金に支援される親西欧の西ウクライナと他方における親ロシアの東ウクライナとの間の対立であると見る見解もあり得る。これは、ロシアびいきの知識人やスターリニスト的共産党の好む解釈である。
 この出来事の過程で、社会主義者――基本的に、ウクライナ語を話す知識人――は、民主主義を求め、官僚的寡頭支配体制に反対して闘う必要があるとする立場から野党のユーシェンコ候補を支持した。(『ルージュ』、05年1月6日)



4人を不当逮捕 30カ所以上に家宅捜索

大阪府警による関生労組への大弾圧を許さない!

 【大阪】一月十三日、大阪府警は、全日建連帯労組関西生コン支部の武建一委員長ら四人の執行委員を逮捕し、事務所など三十カ所を家宅捜索した。ゼネコンや大手セメント会社などによる業界支配に反対し、労働者、中小業者を守るための連帯労組、関西生コン支部の闘いの圧殺を目論む大弾圧である。
 不当逮捕直後から、全日建を中心に反撃の闘いがとりくまれている。一月二十三日にも、生コン政策協議会(生コン産労・全港湾大阪支部・連帯労組関生支部)と連帯労組近畿地本の主催で「関西地区生コン支部にかけられた業種別運動つぶしを目的とした不当弾圧に対する緊急抗議決起集会が開かれ、千人以上の労働者・市民などがかけつけた。集会では朝鮮総連、韓統連、南大阪平和人権連帯会議や全労協、国労熊本闘争団、港合同、動労千葉など労働組合が支援、激励の発言を行った。
 集会後、大阪府警に向けて、抗議と釈放を要求するデモを行った。  (H)


緊急声明
関西地区生コン支部に対する1・13不当弾圧に抗議する

全日本建設運輸連帯労働組合中央執行委員長 長谷川 武久

全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部
執行委員長 戸田ひさよし

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
執行委員長 武 建一

 本日一月十三日早朝、大阪府警は連帯労組(全日本建設運輸連帯労働組合)関西地区生コン支部に権力弾圧を加え、武建一委員長をはじめ、片山好史、武谷新吾、福島聡の各支部執行委員の計四人を不当逮捕したほか、支部事務所や自宅など三十カ所余りを家宅捜索した。
 警察が被疑事実にあげているのは、第一に、関西地区生コン支部が生コン産業再建闘争の一環としてとりくんできたアウトサイダー業者の協同組合加盟促進活動が、強要未遂および威力業務妨害罪にあたるというものである。第二に、武委員長が機関決定を経ずに組合資金を知人の生コン会社に貸し付けたことが背任にあたる、というもののようである。
 これらはいずれも、連帯労組関西地区生コン支部が、労働者の雇用安定と中小企業の経営安定の実現を目的としてとりくんできた正当な組合活動のイメージダウンをねらう、卑劣なでっちあげというほかない。
 連帯労組関西地区生コン支部は一九九四年以降、交通労連生コン産業労働組合や全港湾大阪支部とともに生コン産業政策協議会を結成。建設工事の激減下に、慢性的な業界の過当競争状態が原因となって進行する生コン販売価格の値崩れ=業界共倒れの危機を打開し、大多数が中小企業で構成される生コン産業再建と労働者の雇用安定をめざす業界再建政策を立案、推進してきた。
 具体的には、経済的弱者である中小企業=生コン業者が法律で認められた協同組合の下に団結することで、生コン産業を支配するセメントメーカーとゼネコンに対抗して、採算のとれる適正価格や適正取引条件を実現すること、これによって、倒産寸前に追い込まれた中小企業の経営を安定させると同時に、そこではたらく労働者の雇用と労働条件を守ること、併せて、過当競争が温床となって後を絶たない欠陥生コンを追放して、消費者の安全と安心を保障できる高品質な生コンを提供する社会的役割をはたすこと、などをめざして活動をすすめてきたのである。
 この政策活動は、大阪、兵庫をはじめ近畿一円の生コン業者・業者団体の強い支持の下で大きな成果と実績をあげたにとどまらず、いまや全国的規模で生コン業界再建のモデルとして中小企業と労働者の共感を集めるに至っている。
 しかしながら、労働者と中小企業の大同団結で健全な業界に作り直そうという、この大きな流れに背を向けて、いぜんとして個別企業の私的利益を優先するアウト業者(協同組合未加盟業者)が存在しており、セメントメーカーやゼネコンは、これらアウト業者を不当な利益追求の手段として利用してきたのである。こうしたアウト業者に対して協同組合への結集をよびかけ、同調を求める活動は、労働者と中小企業の利益にかなった大義ある正当な労働組合活動以外の何者でもない。
 他方、この正当な活動が威力業務妨害事件に仕立て上げられたことで、大きな成果をあげつつある業界再建活動が停滞、そして後退するのを誰よりも望んでいるのは、この間、中小企業と労働者が団結して大企業支配に対抗する新たな産業秩序づくりがすすむのを快く思わず、すきあらばこれを妨害、破壊しようと画策してきたセメントメーカーであり、ゼネコンである。
 正当な組合活動を強要未遂や威力業務妨害にでっちあげた今回の大阪府警の弾圧は、まさに労働者と中小企業が十数年間にわたって血みどろで進めてきた業界再建活動を国家権力の手で破壊する一方で、大企業であるセメントやゼネコンの利害を代弁する暴挙にほかならない。
 さらに大阪府警は、今回の権力弾圧を最大限効果的にするために、関西地区生コン支部を代表する武建一委員長が、あたかも組織の利益に反するやり方で組合費を私的目的のために流用しているかのように描く背任容疑があるとして、意のままになるマスコミと一部の堕落した労組幹部を利用して、武委員長と関西地区生コン支部の社会的信用を貶(おとし)めようとしている。
 しかし、いうまでもなく、連帯労組関西地区生コン支部の財政活動は、毎年の定期大会をはじめとする機関会議に公認会計士の厳格な監査を経て会計報告がなされており、何ら問題があるはずはない。それにもかかわらず、大阪府警が背任などと主張すること自体、今回の弾圧の本質が、国家権力による前代未聞の組合つぶし攻撃にほかならないことを示している。
 以上みたとおり、今回の弾圧は、中小企業と労働者の団結にくさびを打ち込み、大企業支配に代わる新たな産業秩序をつくる大義ある政策活動を破壊することを本質的な目的としている。
 「嵐は樹を鍛え育てる」とのたとえのとおり、四十年にわたる闘いの歴史をもつわれわれは、過去にも幾度かの権力弾圧を受ける都度、それを反面教師として受け止め、より一層団結を強化して運動を発展させてきた。われわれは、これまですすめてきた我々の政策活動こそが、未来を失った大企業中心の経済・産業秩序に代わって、労働者と中小企業のあるべき未来を切り開く道であり、これ以外に現在の危機を打開する方法はないとあらためて確信する。
 そうした確信を全組合員、そして、中小企業家と分かち合いながら、われわれは、不当な権力弾圧をはね返し、不当に拘束された仲間を早期に奪還する闘い、そして組織に加えられたいわれなき汚名を見事に晴らす闘いに立ち上がることを表明するものである。
 さらに、われわれは、これまでにもまして政策活動を強化し、〇五春闘期間中により大きな成果を達成する決意であることをも表明するものである。  2005年1月13日


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