| 新自由主義と戦争に反対する労働者市民の意志を突きつけよう |
六月十八日、小泉内閣は国会の会期が終了した二日後に、従来の政府見解をも覆して自衛隊のイラク多国籍軍参加を閣議決定するという違憲・違法の暴挙を行った。当初、小泉政権は六月三十日のイラク暫定政権への「主権移譲」に合わせて、二十九日の閣議で「政権承認」の手続きを行い、イラクに派遣された自衛隊の多国籍軍に編入するシナリオを想定していた。しかし「主権移譲」が二日間繰り上げて実施されるという米政府からの「寝耳に水」の通告によって、小泉政権は六月二十八日夜に緊急閣議を持ち回りで開き、「主権移譲」の前倒しにともなう二日間の「不法在留」状態を解消しなければならないというドタバタ劇を演じなければならなかった。
国際法や国連を踏みにじるブッシュ米政権のグローバル戦争戦略にあくまでも追随する小泉政権が、憲法や法律をも無視した「無法統治」状況を作りだし、その既成事実の上に憲法を初めとする法体系全体の改悪に進んでいる現実が、この多国籍軍参加強行によってはしなくも再び暴露されることになった。
われわれは、今回の参院選で、このイラク侵略戦争・占領に参加し、カイライ「暫定政権」の下で自衛隊の「多国籍軍」=占領軍への移行を決定した小泉政権との闘いを、第一の課題とするよう訴える。
小泉政権は、二〇〇一年のテロ特措法、二〇〇三年のイラク特措法によって、ブッシュ政権の「対テロ」先制攻撃戦争を支援して自衛隊をインド洋とイラクに派兵し、二〇〇三年の「武力攻撃事態対処法」など有事3法、今年の「国民保護法」、「米軍行動円滑化法」、「特定公共施設利用法」など有事7法・3条約によって「戦争国家体制」の法的基盤の整備を完成段階にまで進めた。さらにいついかなる時にもアメリカ帝国主義と協力して自衛隊を侵略戦争に参加させる「恒常的派兵法案」も画策されている。
言うまでもなくこれらの戦争法は、憲法改悪過程の加速化と軌を一にしたものである。二〇〇五年中に「新憲法草案」をまとめることを「政権公約」としている自民党は、六月十五日に憲法改悪草案のたたき台となる「論点整理」を、党「憲法改正プロジェクトチーム」の手でまとめた。
同「論点整理」によれば、憲法前文に「わが国の歴史、伝統、文化等を踏まえた『国柄』を盛り込む」「社会を構成する重要な単位である家族に関する文言を盛り込む」としており、国家主義・伝統主義的価値観で国民を統合する主張が前面に突き出されている。また「天皇」については「皇室祭祀」などを「公的任務」と位置づけ、天皇制のイデオロギー強化を図るとともに、「安全保障」分野では「集団的安全保障」や「非常事態全般」についての規定を明記し、「国力に見合った防衛力を強化し、平和への貢献を行う国家となるべき」と主張し、グローバルな軍事力の行使を正当化するものになっている。
さらに「国民の権利及び義務」に関しては「国の防衛及び非常事態における国民の協力義務」や「政教分離規定」の伝統主義的観点からの見直し、また「家族や共同体の価値を重視する観点」からの「婚姻・家族における両性平等規定の見直し」などを主張し、基本的人権の制約、国防義務、ジェンダー平等の否定に踏み込んだ。また改憲発議に必要な国会議員数についても各院の「三分の二」から「二分の一」へ、あるいは各院で三分の二以上の賛成が得られた場合には国民投票を必要としないなど、憲法改悪を容易に可能とする措置の導入がもくろまれている。
衆院憲法調査会長の中山太郎は六月八日に大阪府岸和田市で開かれた自民党決起大会で、「今回改選される方々は、憲法改正の発議権を持つことになる。皆さんの投票が、国のあり方を決める重要な選挙だ」とアジった。
一方、民主党も「9条改憲」の方向に大きくシフトしている。民主党はすでに二〇〇六年までに「独自憲法案」をまとめるとしているが、その内容として「国連の集団的安全保障への参加」が明確にされている。民主党の中でも鳩山由紀夫元代表などのグループは、改憲問題をテーマに中曾根元首相などとのブロックで、新たな保守再編を見すえた動きをすでに開始している。
自民・民主の「二大政党」をつらぬく憲法改悪方針の具体化は、教育基本法改悪とセットであり、それは小泉政権の下で既成事実化している、民主主義的諸権利の剥奪を含んだ「超憲法」的警察監視国家体制を土台に進められている。
今回の参院選で、こうした憲法改悪・戦争国家体制への流れを逆転させる政党・候補を一人でも多く当選させ、支配階級のもくろみにストップをかけよう。
各政党によって参院選の「最大争点」とされた「年金改革」は、何よりも新自由主義的グローバリゼーションの下で、労働者・市民の生活権が決定的に破壊されている現実にどう闘うのか、という課題である。しかし自民党も民主党も「年金財源の危機」を労働者・市民への犠牲の押しつけによって乗り切ろうとする点で一致している。われわれは「全額国庫負担で生存権を保障する基礎年金制度」を要求していかなければならない。
その財源は、軍事費の大幅削減、道路特定財源の一般財源化、大企業・金持ちへの大減税政策の見直しと累進課税の強化によって十分に可能である。この課題を「市場万能主義」による公共サービスの民営化、公的福祉の切り捨て、雇用破壊と規制緩和政策などの新自由主義的グローバリゼーションに対する、労働者・農民と市民の大衆的抵抗闘争の構築へとつなげることによってのみ、争点を明確にすることができる。
戦争国家化と憲法改悪は、新自由主義的グローバリゼーションと表裏一体の関係にある。われわれは、有事法制・イラク派兵・憲法改悪に対する労働者・市民の反対運動を、資本の新自由主義的独裁による雇用と生活の破壊・権利剥奪に対する抵抗闘争の復権と結びつけていかなければならない。
今回の参院選で新自由主義と戦争に反対する労働者・市民の意思を鮮明に突きつけよう。
小泉政権への世論の支持率は、参院選を前にして急速に低下する動きを見せている。しかし同時にマスメディアは、「年金・イラク」での小泉政権に対する世論の疑問と批判を民主党への支持に誘導しようとしている。
昨年十一月の総選挙を契機に、日本経団連は「安定した二大政党制」システムの構築をめざした直接的な介入を行ってきた。日本経団連は、各政党の政策をチェックして「採点」し、その評価にもとづいて政治献金を再開する方針を明らかにしている。自民・民主の「二大政党ブロック」とは、グローバルな資本の市場競争に生き残る体制を政治的に保証していくためのブルジョア二大政党制以外のなにものでもない。そこでは戦争と新自由主義に反対する鮮明な選択肢は、当初から排除されている。共産党や社民党のように「資本主義の枠組みを前提とした改革」の立場は、この支配階級の攻勢に対する鮮明な対抗軸・オルタナティブを提示しえない。
労働者・市民の抵抗の闘い、グローバルな「平和・人権・公正・民主主義」のための闘いを広範に築き上げることを通じて、労働者・市民の新たな政治的結集を構想する必要がある。
自民・民主の「ブルジョア二大政党制」にくさびを打ち込む投票は、そのための第一歩である。「自衛隊のイラクからの即時撤退を求め、戦争ができる国家体制と憲法改悪に反対する政党・候補」への投票を! 各地での創意的な闘いを通じて、労働者と市民の共同を前進させよう。(6月29日、平井純一)
参院選大阪選挙区――辻元清美さんが立候補
憲法改悪阻止めざし勝利しよう
【大阪】第二十回参議院選挙の大阪選挙区に、元衆議院議員(政策秘書給与問題で辞任)辻元清美さんが立候補することになった。
辻元さんは社民党を離党し無所属での立候補となったが、大阪の社民党は実際上の選挙活動を担い、新社会党も支持している。ユニオンネットおおさかを構成している全港湾、全日建、大阪全労協なども推せん・支持している。市民運動は、それぞれの立場で選挙運動にかかわっている。
辻元さんは、政策秘書給与問題では謝罪しながらも、小泉政権を厳しく批判し、自衛隊のイラクからの撤退、憲法9条の改悪反対を訴えて、精力的に選挙活動している。
全国の参院選の取り組みの一環として、イラク戦争反対、憲法改悪阻止を掲げて闘う辻元さんの勝利をめざそう。 (H)
投書
提案、参院選に向けて。こんなことをやってくれる団体はないだろうか
参院選で、イラクと年金で民意を無視しつづけた小泉政府にNOを共同で、意思表示するような運動を起こしてくれる団体はないだろうかと考えました。これは、各政党がばらばらで行っては意味がない。政党、無所属に限らず、小泉政府にNOを言いたい選挙民の意思を代表する候補であることを、選挙ポスターに表示してもらう。たとえば、選挙ポスターに簡単な共通のスローガンを入れてもらう。
「私は、『民意を無視した年金法の執行停止。国会無視のイラク多国籍軍参加決定の撤回』を要求する『小泉政府にNO候補』です」みたいなもの。その一方で、私達は小泉政府にNOの候補を支持しますという運動を広げていく。
選挙は、いままで投票権だけは行使してきたが、それ以上のことが出来ないかと、今回の参院選に対しては特別な思いを持つ。とにかく、今回の国会ほど政治家無力で、その政策立案が民意を無視していると感じたことはない。
また、選挙で政党選択を変えるということだけでは、政治家の民意無視を止めさせることが出来ないのではという気がする。イラクと年金で反対したからとして一人一人が選択を変えるだけでは、追いつかない。反対した政治家も、今国会の無力さを反省し、再出発する意思を示せなければ、小泉政府の民意無視に、怒る選挙民に答えることは出来ない。
こんな緊張感を持った選挙民の連帯運動が生まれないか。とにかく今回の参院選は、イラクと年金で民意に従う政治家を選ぶことでいい。民意は操作誘導でどうにでもできるという、政府支持の政治家を再選させないための選挙民の連帯運動が必要だと考える(公選法のこととか何も考えずの発言ですが、どうでしょう)。 (群馬 S・T)
三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会が横堀で作業と現調
強行され続ける工事で激変する光景
六月二十日、三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会による横堀作業・現地調査が行われた。
午前十時に労農研修センターに集合。午前中の作業は、熱田一さんの新畑に向かい、じゃがいも運動の土寄せ・草取りだ。じゃがいも運動の大原さんによると、じゃがいもは連作がきかず、一年やるとその後三年はさつまいもをやるそうで、今年はさつまいもの年だそうだ。この日は十六人が参加したが、さつまいもの作業によっては、大原さん一人で行うこともあるそうで、敬服する限りである。
また、大原さんからこの新畑がどういう経過でじゃがいも運動が熱田さんから借り受けることになったかの説明があった。
九〇年、戦旗・共産主義者同盟(当時)が、「横堀団結の砦」にたてこもったことを契機に、警察・機動隊が「砦」つぶしのために隣接した熱田さんの畑で、大根を抜き、野積みされた落花生をひっくり返し、麦を踏みつけ、砂利を入れるという暴挙を働いた。
警察がその砂利を撤去する際、肥えた表土を根こそぎ持って行ってしまい、土地がやせてしまった。その後、裁判には勝利したが、裁判支援運動の過程で畑をよみがえらせようという思いから、じゃがいも運動は始まったということだ。
なお新畑は、熱田さんのお父さんの代に開墾した土地を、新畑と呼ぶようになったということだ。
作業は炎天下の中、なんとか一時には終了し、横堀の飛行直下を調査した。新畑から谷津の方へ足を踏み入れると、木々がほとんど伐採され、いきなり谷津を見下ろせる崖上に出る。正確に言うと崖ではなく、造成した土地なのだが、谷津との落差(あるいは谷津の深さ)がものすごく、空港を作るということは、山をならし、谷を埋めるということが如実に実にわかる光景で、谷津を見下ろすと目もくらむ高さだ。遠景としては、旅客ターミナルがいきなり見え、まだ未造成の森も多少は残ってはいるが、それも時間の問題で、横堀要塞のあった土地も、もうどの辺だかよくわからなくなってしまっている。あまりの光景に驚いてしまった。
新畑の手前(研修センター側)には、ターミナル工事の残土が炭坑のボタ山のごとく積まれており、「これから谷津を埋めるのだ」とばかりごうぜんとそびえている。
研修センターで昼食後、横堀現闘本部裏に横堀開拓百年を記念して植樹した梅やさくらの育ち具合をチェック、さらに田んぼくらぶが取り組む熱田さんの田んぼを見て解散した。また、横堀団結小屋維持会は、現地調査の後、鉄塔下別棟の屋根の修理を行った。
全国の皆さん。いま一度三里塚に来て、東峰部落に続く横堀部落のすさまじい変わり様をぜひ見てほしい。そしてじゃがいも運動や、田んぼくらぶといった活動が、三里塚空港反対闘争の中で最も重要な運動の一つであることを理解し、三里塚空港反対闘争は「思い出」ではなく、現代の闘いであることにいま一度思いをはせてほしい。八月七日、土、横堀研修センターで横堀開拓百年祭と横堀盆踊りが行われる。全国の皆さん、一品持参で駆けつけよう。 (沢)
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