| イラクにも朝鮮半島にも平和を！ かけはし2004.06.21号 |
六月十三日、東京・南池袋公園で「イラクにも朝鮮半島にも平和を！６・13日韓共同行動」（主催・実行委員会 協力・ＷＯＲＬＤ ＰＥＡＣＥ ＮＯＷ）が行われ、二百五十人が参加した。
東アジア経済フォ
ーラムに反対して
二〇〇二年六月十三日、韓国で米軍装甲車によって二人の中学生がひき殺された。この事件に抗議して、韓国の民衆は、米軍に対する抗議の運動を持続的に広げてきた。今年も十二日、ひき殺されたヒョスンさんとミソンさんをしのぶキャンドルナイト、イラク派兵撤回および朝鮮半島の平和を求める汎国民集会がソウルの光化門で行われ約三千人が集まった。日本から百人近くの仲間たちも駆けつけた。
他方、十三日～十五日にかけてソウルで新自由主義と資本のグローバリゼーションの拡大をめざした世界経済フォーラム東アジア会議が開催される。ＫｏＰＡ（自由貿易協定・ＷＴＯ反対国民行動）は、東アジア会議に対する抗議行動を世界の仲間たちに呼びかけた。十四日から十五日には、高麗大学でアジア民衆／社会運動会議が開催される。十五日に南北共同宣言四周年・南北統一大会が行われる。
日本の６・13実行委員会は、韓国における一連の行動に連帯し、ともに軍事と新自由主義のグローバリゼーションに反対していく国際共同行動として開催した。
米軍を東アジア
から追い出そう
集会は、在日韓国青年同盟有志によるチャンゴ演奏から始まった。
渡辺健樹さん（日韓民衆連帯全国ネットワーク）は主催者あいさつを行い、「米軍はイラクで虐殺を続け、多国籍軍と名前を変えても米軍主導による占領を続けていく。そこに日本は、自衛隊を派兵し参戦している。韓国は民衆の反米闘争によって駐韓米軍の一部を削減するという動きを作り出したが同時に、米軍は日本を戦略的拠点化していこうとねらっている。米軍基地建設に向けた沖縄・辺野古ボーリング調査阻止に向けた座り込み闘争が行われている。韓国、沖縄の人々と固く連帯して、米軍を沖縄・日本・韓国から撤退させていこう。有事関連法案の強行採決に反対していこう」と発言した。
辺野古のボーリング調査阻止座り込み闘争に参加していた上原成信さん（沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック）は、沖縄の「命を守る会」、ヘリ基地反対協議会、平和市民連絡会などによって二カ月近くにおよぶ長期座り込み闘争の現地状況、オジー・オバーたちの思いなどの報告や運動資金カンパ、防衛庁・防衛施設庁に対する抗議行動を呼びかけた。
次に韓国からのゲストであるチョン・ヨヌクさん（民主労働党ソウル龍山地区委員長）は、「国会進出を果たした民主労働党の国会議員が日本の七月四日の集会に参加する予定です。九十人近くの議員がイラク派兵に反対しています。米国は、米軍削減をしつつ、イージス艦やミサイルを売りつけようとしています。米軍の軍拡につながる沖縄の基地強化に反対です。イラクの戦争が終わることを、韓国と日本、沖縄から米軍が撤収することをめざしてともに闘っていこう」とアピールした。
続いて、太田武二さん（命どぅ宝ネットワーク）が沖縄の歌による反戦アピール、西野瑠美子さん（ＶＡＷＷ│ＮＥＴ）はアジアの戦争被害者に補償を求める「国際連帯協議会」ソウル大会について報告をした。さらに、国富建治さん（戦争反対・有事を作るな市民緊急行動）が有事法制反対国会行動と七・四ワールドピースナウの行動への参加呼びかけ、小野さん（新しい反安保実Ⅷ）は有事法制│戦争動員法を批判した。在日韓国青年同盟は、在日に対する人権弾圧が強まっていることを批判し、朝鮮半島の平和をともに作っていこうとアピールした。最後に、特別アピールとして立川自衛隊監視テント村の大洞俊之さんが立川ビラ入れ弾圧を糾弾し、無罪判決をかちとると力強く決意表明した。
集会終了後、デモに移り、池袋一帯に「虐殺するな！占領やめろ！自衛隊撤退！」「米軍は沖縄・日本、韓国から撤退しろ！」とシュプレヒコールを響かせた。（Ｙ）
ＳＴＯＰ！有事法制
４５０人が結集し最後まであきらめずに闘う決意
六月十日、東京・赤坂区民センターで「自衛隊の即時撤退！ ＳＴＯＰ！有事法制 守ろう！ 平和といのち６・10集会」が開催され、四百五十人が集まった。この日の集会を呼びかけたのは、陸・海・空・港湾労組二十団体、平和をつくり出す宗教者ネット、平和を実現するキリスト者ネット、戦争反対・有事をつくるな！市民緊急行動の四団体。六月十六日の国会会期末を目前に控えて、有事７法案・３条約協定を駆け込み的に強行成立しようとする目論見を許さない労働者、市民が会場を埋めた。
開会あいさつに立った市民緊急行動の高田健さんは、フランスでベストセラーになった『茶色の朝』を紹介した。この本は気づかないうちに自分のまわりや社会が「茶色」に塗りかえられていくさまを描いているが、「茶色」とはファシズムの隠喩である。高田さんは、立川でのビラ入れ弾圧や、社会保険庁の労働者が休日に政党ビラをまいたことを理由にした逮捕、「日の丸・君が代」処分の乱発、駅への警官の常駐、町の監視カメラなどを例に挙げながら、確実に「社会の軍事化」が進んでいることを指摘した。
基調報告は、航空連副議長の村中哲也さんが行った。村中さんは有事法制が現実のものとなった政治的プロセスを一九九六年の「日米安保共同宣言」からたどり、一九九九年の周辺事態法を経て、二〇〇一年「９・11」以後、情勢が一変して有事法制、イラク派兵、憲法改悪が現実のものとなっていく動きを概観した。
村中さんは、同時に一九九九年の周辺事態法反対５・21明治公園集会以来の闘いを通じて、共闘の枠組みやテーマが拡大していった成果を確認するとともに、今後は連合の大労組をもふくんだ全面的統一の実現に向けていっそう努力すること、大メディアの戦争加担という障害を克服していくこと、文化人や研究者への戦線の拡大と国際的連帯の発展を追求していくことを訴えた。村中さんは最後に、「労働者・市民に根づいた平和主義、人権思想、民主主義は支配階級の思うように簡単には崩せない。憲法改悪を阻止する闘いを強化しよう」と力強く訴えた。
つづいて各界からの決意表明。日弁連有事法対策本部の内田雅敏弁護士、都内の中学三年生のＭさん、韓統連の宋世一（ソンセイル）さん、「成田空港の軍事利用反対」を訴える「成田空港から郷土と暮らしを守る会」の木内昭博さん、ＪＶＣ（日本国際ボランティアセンター）イラク現地調査員の原文次郎さん、東交労組・鈴木前青年部長、全日赤労組の中小路さん、川崎市職港湾支部の仲間、新聞労連の明珍美紀委員長が発言した。
労働組合の仲間からの発言は、職場から戦争動員を拒否する力強い決意に満ちたものだった。閉会のあいさつをキリスト者平和ネットの大津建一さんが行い、有事７法案・３条約協定を廃案にするために最後まで全力をふりしぼり、翌日からの国会前昼休み行動に立ち上がるよう提起した。（Ｋ）
有事７法案阻止へ国会前で連続行動
陸・海・空・港湾労組二十団体、宗教者平和ネット、キリスト者平和ネット、戦争反対・有事をつくるな！市民緊急行動は、有事７法案・３条約の参院での可決・成立に反対するために六月十一日と十四日に、参院議員会館前で昼休みの路上集会を行った。
六月十一日には約百人が参加した。国会議員からは共産党の赤嶺政賢衆院議員、社民党の照屋寛徳衆院議員が激励のあいさつ。照屋さんは六月六日投票の沖縄県議選で社民党公認候補が四人全員、推薦候補が九人中八人当選して議席を大きく前進させたと報告し、沖縄県民の平和への危機感が高まっている、と述べた。
陸・海・空・港湾二十労組から発言した航空連の村中哲也副議長は、自衛隊員だった自らの経験を語り、「自衛官も侵略戦争で他国の民衆に銃を向けることは望まないはずだ。労働者は戦争への協力を拒否する」と強調した。午後の武力攻撃事態特別委員会の傍聴に向かう「戦争への道を許さない北・板橋・豊島の女たちの会」の岩瀬房子さんは、戦争中に小学校教師として学童疎開の子どもたちと暮らした体験を語り、あの悲しみを繰り返してはならないと訴えた。
海員組合、全気象労組、キリスト者平和ネット、市民緊急行動などからの発言を受けて、参議院に向けたシュプレヒコールで「自衛隊の多国籍軍参加反対！ 自衛隊は即時イラクから撤退を！ 有事７法案を廃案へ！」と繰り返した。
可決・成立強行に
怒りの抗議行動
六月十四日の行動には、十一日を上回る人びとが参加した。この日は、午後からの委員会で有事７法案・３条約の採決が行われ、つづいて本会議での可決・成立が予想されていた。共産党、社民党の国会議員からのあいさつ、宗教者平和ネット、キリスト者平和ネット、海員組合、ふぇみん婦人民主クラブ、明治大学駿台文学会などからの発言を受けて昼休み集会をいったんしめくくった後、市民緊急行動や日本山妙法寺などは委員会採決と本会議での可決に抗議する座り込み行動を続行する。
委員会での討議では、共産党の小泉親司議員の「自衛隊多国籍軍参加」についての追及に対して、小泉首相は午前中の法制局長官の答弁とも矛盾した、従来の「多国籍軍参加否定」の政府見解を否定する居直りに終始した。
ついに午後四時過ぎに、委員会で有事７法案・３条約が可決され、ただちに開かれた参院本会議で午後五時四十五分にこの戦争法案が可決・成立してしまった。座り込みを続けていた仲間たちは抗議の集会を開き、戦争動員を拒否し、自衛隊のイラク多国籍軍参加を阻止するとともに、憲法改悪を許さない意思を打ち固めた。 （Ｋ）
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