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二百人を超える大量処分を撤回せよ           かけはし2004.05.31号

「日の丸・君が代」強制と大量不当処分を打ち破れ

都教委包囲ネット結成集会

 石原・横山都教委の暴走を止めよう

 五月二十二日、学校現場での「日の丸・君が代」強制に反対する教職員への大量処分に反撃する闘いを広げるために、「石原・横山都教委の暴走を止めよう!都教委包囲ネットワーク結成集会」が開かれた。会場の永田町・星陵会館には、不当処分と闘う教育労働者など約二百人が参加した。

憲法踏みにじる
都教委の大量処分

 都教委は、今春の卒業式での「君が代」斉唱時の不起立などを理由に、約二百人の教職員に昇給や勤勉手当カットなどの実損がともなう「戒告」処分を行った。さらに、すでに勤務校と受け持ちクラスまで決まっていた十人の嘱託員合格者を「合格取り消し=解雇」した。たった一度、わずか四十秒、立たなかっただけで、一方的に雇用を奪い去ったのだ。
 生徒への強制も始まっている。都議会では民主党極右都議・土屋の質問に答える形で、横山教育長が「起立しない、歌わない生徒の多いクラスの担任は不適切な指導をしているか、指導力不足とみなして処分する」と答弁し、生徒自身の主体性や決定権を踏みにじり、教育内容への権力的介入と弾圧を公言している。
 都教委は処分に先立つ「事情聴取」に当たって、弁護士の立ち会いを求める多くの教職員の要求を拒否し、本人にメモさえ取らせなかった。処分手続きに必要な「告知聴聞」の機会さえ与えないという、不当極まりない処分を強行したのだ。
 この不当処分に対して、現在までに百三十人以上の教職員が「被処分者の会」に結集し、人事委員会に不服申し立てを行った。この「被処分者の会」の闘いを軸に、石原・横山時用意の暴走に反撃するために、この「都教委包囲ネットワーク結成集会」が開かれた。
 賛同団体は、教育基本法改悪に反対する教職員と市民の会、「日の丸・君が代」の強制反対予防訴訟の会、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会、「君が代不起立嘱託員・講師被解雇者の会」(被解雇者の会)、東京・ココロ裁判を進める会、国立の教育を守る市民の会、アイム89東京教育労働組合、東京都障害児学校労働者組合、「良心の自由を!」声を上げる会、「ピースリボン」裁判を支える会、武蔵野学習指導要領を考える会、「日の丸・君が代」強制に反対する市民ネットワーク、千葉高教祖「日の丸・君が代」対策委員会、神奈川教育労働問題研究会の計十四団体。

「これはファシズ
ムとの闘いだ!」

 経過報告に続いて、広島県教祖の被処分者と北九州ココロ裁判を進める会からの連帯のあいさつ。広島も北九州も、東京に先駆けて「日の丸・君が代」をめぐる不当処分が行われてきた。
 一九四五年の敗戦を中学三年で迎えたという予防訴訟の小山弁護団長は、かつての軍国主義教育や自ら関わった三十二年にわたる家永教科書裁判を振り返りつつ述べた。「民主主義の根幹は、精神の自由が実在することだ。戦後、精神の自由がこれほど蹂りんされたことはかつてない。刑事弾圧まで始まっている。いまやファシズムと言わざるを得ない。皆さんの闘いは日本の民主主義を根底から支える、高い歴史的意義ある闘いだ。日本を救う行為だという確信を持って闘ってほしい」。

「予防訴訟は
陣地を作った」

 続いて弁護団の加藤文也さんが、二百二十八人で第一次提訴を行った国歌斉唱義務不存在確認訴訟について報告した。百三十人を超える人数で第二次提訴を行い、さらに第三次提訴が準備されている。
 予防訴訟事務局の永井さんは、板橋高校の元教員の自宅に家宅捜索が入った弾圧について報告した。
 「彼は卒業式に来賓として招かれ、『日の丸・君が代』強制反対の行動をとりあげたサンデー毎日のコピーを配った。それで卒業式を五分遅らせたとして威力業務妨害をでっち上げられた。なぜ板橋高校なのか。それはあの土屋都議が来賓として来ていたからだ。生徒の多くが『君が代』で起立しなかった。土屋は壇上から『立て!』とわめいた。生徒からは『内心の自由がある』という答えが返ってきた。教頭は『信念のあるやつ以外は立て』と言ったが、生徒たちは立たなかった。翌日から十校に調査が入るという異常事態になっている。土屋・都教委・石原一体の攻撃だ」。
 「土屋は『日の丸の赤は血の色、白は骨の色と言うやつらとの闘争だ。東京から始まった闘いに全国で勝ち抜こう』と叫んでいる。文字通り『勤評以来の闘い』が必要だが、都高教は全く闘おうとしない。しかし『職場では一人だが予防訴訟の仲間がいるから座ることができる』と言ってくれた仲間がいる。予防訴訟は闘いの陣地を作った。こちらも負けることができない闘いだ。全国ネットワークを作って闘おう」。
 続いて都立高校被処分者、都立高校被解雇者、周年行事被処分者、養護学校被処分者、小中学校で処分と闘う教職員、連帯して闘う保護者と市民運動、神奈川、千葉、埼玉の闘う教職員からの報告や決意表明、連帯のあいさつが続いた。
 ネットワーク結成についての報告を受け、当面の行動提起が行われた。第一に、六月十二日、中野ゼロ大ホール(千二百人)で開かれる「学校に自由の風を」集会への大結集、第二に都教委への抗議のFax、電話、手紙の集中、第三に10・23通達撤回の申し入れと八月三十日の都教委包囲デモ、第四に抗議署名運動――。
 「戦争国家体制」を支える教育を許さず、不当大量処分を許さず、石原と都教委の暴走を止めるために闘い抜こう。    (I)
★都教委に抗議を集中しよう 抗議先〒163―8001 新宿区西新宿2―8―1 横山洋吉教育長殿 Fax03―5388―1725 Tel03―5320―6710 都民の声相談窓口eメールkoe@metro.tokyoe.jp


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