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                           かけはし2004.05.24号

辺野古現地の座り込みに連帯し防衛施設庁に抗議

ボーリング調査を中止せよ!


 五月十五日、那覇防衛施設局が名護市・辺野古住民の中止要求を踏みにじって、四月十九日に突如開始した米軍新基地建設のためのボーリング調査の即時中止を求めて、防衛施設庁に抗議する集会とデモが行われた。
 主催は沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック。集会の開かれた東京・牛込箪笥区民センターには約百人が集まり、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団副団長・土田武信さんの現地報告を受け、集会後、防衛庁・防衛施設庁に向けてデモと申し入れ行動を行った。
 那覇防衛施設局は四月十九日、住民のほとんどがまだ就寝中の午前五時過ぎ、辺野古の海を破壊する米軍新基地建設のためのボーリング調査のための資材置き場建設を強行しようとした。(本紙5月3日号既報)。
 急を聞いて駆けつけた辺野古住民、命を守る会、ヘリ基地反対協などが体を張ってこれに抗議して工事中断に追い込み、その後も一カ月近くにわたって阻止し続けている。しかし先頭で奮闘している八十代、九十代のオジィ、オバァたちの心労は激しくなり、精神的にも肉体的にも限界に達し、体調を崩す人が増え始めている。現地住民をこれ以上、苦しめないためにも、一刻も早く工事を中止させなければならない。
 集会では最初に、主催者を代表して上原成信さんがこの間の経過を報告、続いて土田武信さんが現地状況と、四月二十八日に公告・縦覧が開始された「米軍普天間基地代替施設(米軍新基地)」建設に向けた環境影響評価(アセスメント)の「方法書」をめぐって報告した。
 沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団は、昨年十二月に公害紛争処理法にもとづく公害調停を申請した。県の公害審査会は、新基地が民間飛行場との共用という建前になっているにもかかわらず、「軍事基地だから公害紛争処理法は適用されない」として申請を却下してしまった。
 政府は国会で、辺野古の海が絶滅の恐れがあるジュゴンの生息地であり沖縄本島最大級の海草藻場であるため、米軍は環境管理基準に従うべきであると述べていた。もちろん、ジュゴンを追い出す恐れのあるような事業は環境管理基準に反する。
 ところが政府は、完成するまでは基地ではないから環境管理基準は適用されないと主張し、環境アセスメントより先に大規模なボーリング調査と弾性波調査を行うという。ボーリング調査は、なんとアセスメントの対象外になっているのである。海底に多数の穴を掘削し、調査の影響でジュゴンがいなくなってからジュゴンの生態系をめぐる環境アセスメントを行っても意味はない。
 方法書は、検討しなければならない重要な環境要素である航空機騒音について、機種、飛行ルート、飛行回数、飛行時間帯などの検討のために必要な基本情報さえほとんど何も記していない。既存の米軍基地では、PCB問題など廃棄物による深刻な環境汚染が問題になっているが、これについてもただ「ゴミ等」と記されているだけで、どんな有害廃棄物が排出されるのかも全く明らかにされていない。
 極度にいいかげんな内容であるにもかかわらず、分量だけはやたらに多く四百四十余ページにも及び、しかも閲覧のみでコピーは不可とされている。多数の住民に検討してもらおうという姿勢はかけらもない。
 土田さんは、沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟と昨年九月に米国カリフォルニア州オークランド連邦地裁に提訴した「米国文化財保護法」にもとづく訴訟や、いまも続く辺野古現地座り込み闘争、そして県議選や名護市長選、国政選挙での取り組みなど、今後の闘いの課題について提起して報告を締めくくった。
 続いて、アジア共同行動、新しい反安保実[、駿台文学会、反戦反差別荒川区実行委員会、北限のジュゴンを見守る会、沖縄県人会青年部が連帯のあいさつを行い、宝永町長官と防衛施設庁長官に対してボーリング調査強行に抗議する申し入れ文を全体の拍手で確認した。集会を終えてデモに出発、防衛庁前では抗議文を読み上げて担当者に手渡した。
                                    (I)


拷問をやめろ!STOP占領!イラクに平和と自由を
アメリカ大使館に緊急抗議行動

 五月十三日午後六時から、アメリカ大使館に向けて「『正義』と『人権』はどこにある! イラクの人びとへの拷問・虐待・虐殺に抗議します。 STOP!占領 イラクに平和と自由を5・13アクション」が行われた。二十以上の市民団体が呼びかけ、WORLD PEACE NOW実行委員会が協賛したこの行動には、緊急の呼びかけにもかかわらず百五十人が参加した。
 米大使館近くのJTビル前に集まった仲間たちは、米英占領軍によるアブグレイブ収容所などでのイラクの人びとへのおぞましい虐待、拷問、虐殺に抗議し、被収容者がかぶせられていた頭巾を模した袋を新聞紙で作り、それを頭にかぶって占領軍の無法な人権無視への怒りをアピールした。
 経過報告を行った「戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国Fax通信」の国富建治さんは、「イラクに『民主主義と自由』をもたらすとされた戦争と占領の本当の姿が明らかになった。ジュネーブ条約も人権規約も無視した占領軍による拷問・虐殺は、けっして『一部の人間』の行為ではなく、米軍やCIAの組織的・計画的戦争犯罪だ。責任者を法廷で裁くとともに、占領を今すぐやめさせよう。この戦争犯罪を知った上で占領に加担する小泉内閣は許せない。自衛隊もただちに撤退させよう」と訴えた。
 アムネスティー・インタナショナル日本の川上園子さんは、「現在、イラク国内の収容所には一万五千人もの人びとが不当に拘留されている。アムネスティーや国際赤十字が昨年から占領下の収容所内での人権抑圧・拷問に警告を発していたにもかかわらず事態はいっこうに改善されなかった。同様のことはキューバにあるグアンタナモ米軍基地内に収容されている人びとに対してもなされている。こうした犯罪行為の責任者を裁きにかけなければならない」と語った。
 ここで代表がブッシュ米大統領宛の申し入れ文を提出するためにアメリカ大使館に向かった。しかし抗議行動への参加者を威圧して取り囲んだ赤坂警察署と第二機動隊は、「スピーカーを持っていくな。人数は三人だ」と言いがかりをつけ、代表の通行を阻止する。アメリカ大使館には六人で申し入れ文を持っていくとアポイントメントを取っていたにもかかわらずである。
 仲間たちはこの不当な弾圧に厳しく抗議し、ついに阻止線は解かれた。代表を送り出した後、参加した仲間たちの発言が続き、米大使館への抗議のシュプレヒコールが繰り返された。ATTAC・Japan、日教組、労学舎、劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク、日本山妙法寺、明治大学駿台文学会の仲間の発言の後、自衛隊官舎へのビラ入れで令状逮捕・起訴された立川自衛隊監視テント村の三人が、二カ月半の不当拘留の後、ついに五月十一日に保釈されたことを古荘斗糸子さんが報告した。
 申し入れ団を代表して許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健さんが発言した後、抗議行動参加者は全体で再度米大使館に向けて「虐殺をやめろ! 拷問をやめろ! 虐待をやめろ! 占領をやめろ!」のシュプレヒコールを力いっぱいに行った。 (K)



自衛隊即時撤退!国民保護法案・有事法制をつぶそう    

普天間包囲に連帯し銀座デモ

 五月十六日、東京・水谷橋公園で自衛隊の海外派兵と戦争協力に反対する実行委員会のよびかけによる「今すぐイラク占領をやめ、自衛隊は即時撤退を!つぶそう国民保護法案! 許すな有事法制! 普天間基地包囲行動に連帯する5・16行動」が行われた。
 この日、沖縄現地では、普天間基地の早期全面返還を実現させる県民大行動(主催・実行委)が行われ一万六千人が参加し、普天間基地の周囲十一・五キロメートルを「人間の鎖」で包囲しぬいた。米ブッシュ政権のイラク占領支配の破綻と泥沼化、グローバル戦争戦略による在日米軍の再編強化が推し進められているなか、沖縄民衆による反基地・イラク戦争反対を掲げた「人間の鎖」行動は、大きな痛打となったはずだ。
 他方、有事関連法案をめぐる国会状況は、すでに自民、公明、民主が「共同修正案」を十九日に衆院有事特別委員会での強行採決、二十日の本会議強行採決というスケジュールで合意している。与党と民主党による有事関連法案衆院強行採決の直前という緊迫したなか、沖縄行動と連帯し、有事法制反対の集会とデモに百人の仲間たちが駆けつけた。
 集会の開始にあたって実行委の仲間は、沖縄現地の「人間の鎖」行動の取り組みや、那覇防衛施設局による米海兵隊の新たな出撃基地建設のためのボーリング調査強行に対する沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの仲間の防衛施設庁抗議行動を報告した。
 戦争に協力しない・させない練馬アクションの池田五律さんは、自衛隊朝霞駐屯地、北町駐屯地に対する反基地運動の取り組みを紹介し、「二つの自衛隊基地を抱える中で、練馬区は自衛官募集の拡大を進めている。国民保護法は、地方自治を否定し、動員する仕組みが入っている。すでに防犯、防災という形で実質的に地域管理が進み、地域の戦争動員体制が着々と進んでいる」と述べ、国民保護法反対の地方議会に対する申し入れ、署名運動を取り組んでいこうと強調した。
 次に、天野恵一さん(派兵チェック)は、「共同声明 ファルージャの虐殺とイラク全土の戦場化のなかで、米軍の武力行使の即時中止と日本政府の戦争支持撤回、自衛隊の撤退を訴えます」運動の紹介と「日本政府の戦争支持撤回・自衛隊撤退を訴える5・22討論集会│ファルージャの虐殺とイラク全土の戦場化のなかで│」の参加を呼びかけた。
 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの仲間は、「普天間基地包囲の『人間の鎖』が午後三回行われる予定だ。普天間基地は、八年前に日米の間で五〜七年で返還すると約束したが、まだ実現されていない。だがそのためには名護の辺野古で新たな基地を作ってからという条件つきだった。だが、いっこうに進展せず米も見直し案も出ている。そういうこともあって那覇防衛施設局は、四月十九日、午前五時早朝からボーリング調査を強行しようとしたが、実力阻止した。毎日、七十人ぐらいが座り込みをしている。辺野古の仲間たちと連帯し、共に闘っていこう。辺野古闘争百万円カンパに協力してください」とアピールした。
 日韓ネットは、「イラクにも朝鮮半島にも平和を!6・13日韓共同実行委員会」の取り組み、韓国・ソウル(6月13〜15日)「世界経済フォーラム東アジア会議」に対抗する行動が韓国の仲間から呼びかけられていることが報告された。
 続いて、グループ武器をつくるな!売るな!、立川反戦ビラ弾圧救援会、たんぽぽ舎からアピールが行われた。
 集会終了後、デモに移り、銀座一帯にわたって「イラクから自衛隊は即時撤退を!国民保護法案反対!有事法制反対!米軍基地を撤去!沖縄民衆と連帯するぞ!」とシュプレヒコールで訴えていった。  (Y)


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