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韓国はいま                      かけはし2004.05.17号

汎国民請願運動を開始

派兵撤回のためにいまこそ全力を

 
 「わが国の軍人たちがイラクから空しく引き揚げてくるのは分かっているのだから、最初から行かない方がいい。戦争の悪循環に陥らせる、取り返しのつかない間違った選択を阻むために国民がともに踏み出さなければならない」。
 参与連帯、環境運動連合、民主労働党など370余の市民社会団体や政党が結集したイラク派兵反対非常国民行動(派兵反対国民行動)関係者の言葉だ。イラクへの追加派兵に反対する側は総選挙以後の政局の変化やイラクに派兵していた国々がぞろぞろと撤収しているいまを派兵撤回の最後のチャンスと見ている。
 派兵反対国民行動は4月21日に拡大運営委員会を開き、派兵撤回の活動計画などを論議した。この場で参加者たちは、総選挙以前には弾劾の事態に市民社会が総力を集中して対処したように、総選挙以後の最大の懸案として考えようということで意見の一致をみたと言う。派兵反対国民行動は第17代国会が開かれる前の5月まで政治圏を説得し、世論に訴える計画だ。総選挙以後の政治状況などを考慮して、集会やデモよりは討論会、派兵決定までの過程の監査請求、第17代議員当選者との面談、各界各層のリレー非常時局宣言運動などを繰り広げる方針だ。
 まずもって派兵反対国民行動は国防部に対する監査院による監査を請求した。「国防部は充分な現地調査や国民世論の集約もなしに追加派兵を急ぎ、さまざまな問題点を生み出した。派兵予定地域が二転三転するなど国防部は派兵の決定や推進過程において信頼を失った。政府が今日まで示してきた虚偽の報告、情報の歪曲、派兵の既成事実化のための変則的な試図などについての監査を請求していく」。監査請求は国防部が時間に追われて「問答無用の派兵」を強行することに対して警告し、けん制するとの意味だ。
 第17代国会議員に当選した改革傾向の当選者たちに会い、各党別の当選者の討論会を開くなど、派兵反対の動きを編み上げる計画だ。派兵の方針を曲げていない開かれたウリ党とハンナラ党に派兵の党方針の撤回を要求し、新たに招集される第17代国会が派兵撤回の決議案を採択することを要求する汎国民請願運動を始める計画だ。
 総選挙にうずめられて市民らの関心から遠ざかっていた派兵撤回についての関心を集めるために各界各層1万人の非常政局宣言を準備している。社会の元老、市民社会運動の指導者、労働者や農民、政治人、経済人、文化芸術人など各界の専門家や宗教界、知識人、青年学生、女性などが相次いで平和・派兵撤回宣言をする計画だ。各界各層のリレー声明発表は2002年の大統領選挙の際や今回の総選挙の時にノ・ムヒョン候補や民主労働党がそれぞれ活用した方法だ。
 1万人時局宣言の発起人であるパク・ウォンスン「アルムダウン財団」常任理事は「昨年、追加派兵を決定したときの派兵の論理は、戦争は終わったのでわが軍隊はイラクの人々と戦争を展開するのではなく、イラクの人々を助け平和の再建をしにいく、というものだった。だが現在の状況は、このような主張の前提が間違っていたことを示している。戦争は終わってはおらず、わが軍隊が派遣されればイラクの抵抗勢力との交戦が不可避だ。戦闘によって両者が死んだり傷ついたりすればイラクとわれわれの政治的衝突へとつながるだろうし、国家の利益に深刻な損傷が予想される。派兵決定の過程とは全く異なった状況が展開されているのだから、いまからでも派兵の決定を撤回するのが当然だ」と語った。(「ハンギョレ21」第507号、04年5月6日付、クォン・ヒョクチョル記者)

 注 韓国は米国、英国に次ぐ3千余人の兵力派遣を予定しており、韓国の選択いかんによって撤収のドミノ現象は広がるだろう。国会での当初の派兵決議は賛成155、反対50だった。4月の総選挙後「ハンギョレ新聞」が調査した結果によれば17第国会議員当選者の46・1%がイラク追加派兵を「再検討すべきだ」との意見を表明し、当初の決定通りに派兵すべきだとする当選者は44・2%だった。



6.12〜15ソウル

経済と軍事のグローバリゼーションはごめんだ

世界経済フォーラム東アジア会議への対抗行動に集まろう

 昨年九月カンクンでの第五回WTO閣僚会議が頓挫してから、日本政府は東アジア規模の自由貿易協定(FTA)を進めようとしています。FTAはWTOルール以上に私たちの生活といのちに大きな影響をもたらしますが、その問題性、危険性に異議申し立てをし、また各国の労働者、農民、消費者が分断・競争させられ対立しないために、市民・社会運動団体どうしの連帯と共同行動が求められています。
 また、今日経済のグローバル化を進めるWTOやFTAの問題性と並んで、米国や英国のイラク侵略・占領に現れているように軍事のグローバリゼーションが危機的段階に達しています。アジアでは朝鮮半島をめぐって現れています。私たちは米英軍ならびにそれに加担している日本自衛隊のイラクからの撤退を求めるとともに、朝鮮半島の非核・平和のための行動、南北統一を求める運動との連帯を強化していきたいと思います。
 こうした中、昨年末からの日韓FTA政府間交渉に対し、日本と韓国の市民・社会運動団体が共同して反対の声明を上げ行動に取り組んできました。その韓国側の団体であるKoPA(自由貿易協定・WTO反対国民行動)から、この二月に次のような提案が寄せられました。それは、六月十三日から十五日かけて、韓国ソウルで「世界経済フォーラム東アジア会議」が行われるが、これに対抗しての抗議行動(13日、12日に前夜祭)と「アジア社会運動の総会」(14〜15日)を開催したいというものです。
 世界経済フォーラムとは通称ダボス会議といわれ、経済のグローバリゼーションを推進するため経済界や政治家のエリートたちが集うフォーラムです。その東アジア会議ということで、各国から六百人もの閣僚クラスの政治家や経済界のトップなどが集まる予定となっています。
 ところで、同期間のうち六月十三日は、駐韓米軍の装甲車によって韓国のふたりの女子中学生が轢殺された事件の二周年、六月十五日は二〇〇〇年に南北共同宣言が発表されて四周年に当たります。したがいまして、この期間韓国では反戦平和と南北統一、そして経済のグローバル化に異議申し立てする運動などが合流し、大規模な社会運動として盛り上がることが予想されます。
 さて、十四日、十五日両日開催される「アジア社会運動総会」については、KoPAなど韓国の反グローバル化団体側から、大くくりですが次の三項目の提案がされています。@香港で開催予定の第六回WTO閣僚会議に対抗するためのアジアにおける活動と戦略、Aアジアでの経済のグローバリゼーションに対する社会運動の活動と戦略、Bアジアにおける反戦・平和の運動と戦略、というものです。
 この提案を受け、四月二十日、日本のNGOや社会運動団体は六月の「世界経済フォーラム東アジア会議への対抗行動とアジア社会運動総会」(通称、「六月ソウル行動」)への参加を決定し、そのための実行委員会を立ち上げました。その取り組みですが、@ソウルへの派遣団を日本の多くの市民・社会運動団体から募る(またソウルに実際行けなくても趣旨に賛同する団体も募る)、Aこの間WTO問題や国際協力等で連絡が取れるアジアの市民・社会運動団体へも参加を呼びかける、Bその過程で韓国側提起の総会内容を中心に論議を進める、などを考えています。
 経済と軍事のグローバリゼーションに異議申し立てをしている諸団体の参加・賛同をよろしくお願いします。

〈「6月ソウル行動」実行委員会賛同団体〉脱WTO草の根キャンペーン実行委員会、「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーン(以上、事務局団体)、アジア農民交流センター、ATTAC・Japan、ATTAC関西グループ、(株)オルター・トレード・ジャパン、在日韓国民主統一連合、全日本農民組合連合会、特活AMネット
(AdvocacyandMonitoringNetworkonSustainableDevelopment)、中小労組政策ネットワーク、日韓民衆連帯全国ネットワーク、日本消費者連盟、ピープルズプラン研究所、山谷労働者福祉会館、フォーラム平和・人権・環境(4月20日現在)
《脱WTO草の根キャンペーンの連絡先》〒113-0001東京都文京区白山1-31-9小林ビル3アタック・ジャパン内Tel:03‐3813‐6492Fax:03-5684-5870
Eメール:
owner-derail_wto@freeml.com
ウェッブサイト;
http://www.angel.ne.jp/~globalmarch/
《「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーンの連絡先》日韓民衆連帯全国ネットワークTel/Fax:03-5684-0194全統一労働組合Tel:03-3836-9061Fax:03-3836-9077


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