かけはし重要記事

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フランス大統領第1回投票の結果について        かけはし2002.4.29号より

ファシズムと資本主義に対決する共同行動を

LCR大統領候補オリビエ・ブザンスノーが声明

 四月二十一日のフランス大統領選第一回投票は、右派共和国連合のシラクと決選投票で争うと見られていた社会党のジョスパンが三位となって脱落し、極右国民戦線のルペンが二位に浮上するという、予想外の結果となった。シラクは得票率一九・六五%で五百五十一万百八十票、ルペンは一七・〇六%で四百七十八万三千四百四十票、ジョスパンは一六・〇五%で四百五十万千八百四十三票であった。
 LCR(革命的共産主義者同盟・第四インターナショナルフランス支部)は、革命的オルタナティブを登場させることをめざし、LO(労働者の闘争)との統一候補を最後まで追求した。しかしLOのセクト主義的拒否によって、二つの有力トロツキスト勢力が別々の候補を立てて闘わざるを得ない状況になったのである。
 LOのラギエは数々の選挙戦を闘って極めて知名度が高く、五・七八%で百六十二万千九十六票を獲得した。LCRのブザンスノーは二十八歳で全く無名の郵便労働者だったが反グローバリゼーション運動の強力な支援を受けて急速に支持を拡大し、四・二九%、百二十万三千四百八十五票を獲得した。二人の革命的左翼候補が一〇%を超える票を獲得したのである。これに対して共産党のユは前回の半分以下のわずか三・四一%で、百万票にも達しなかった。緑の党のマメールは五・二七%、百四十七万八千四百七十票であった。
 ルペンの進出は、資本のグローバリゼーションに屈服した社会・共産・緑政権に対する排外主義的いらだちが高まっていることの表現である。しかしこの選挙結果は、資本主義の危機の中で、革命的左翼が労働者人民の現実的選択肢として力強く登場し始めていることをもまた、はっきりと示したのである。(「かけはし」編集部)


 今夜、フランスではひとつの政治的大変動が起こった。労働者と青年にとって最悪の敵が勝利したからである。国民戦線、それは、ヴィシー政権の直接の流れをくんで、ファシズムと第二次大戦におけるナチの犯罪を体現する潮流である。今夜、私は、極右勢力のこの躍進の中で、多数の人びと、とりわけこの国で生活する多くの「移民」とともにこの事態を悲しむものである。これこそ、シラクと右翼陣営が開始し、社会党のジョスパンが受けて立った治安問題を焦点にした選挙戦の結果なのである。これはまた、労働者階級から決定的に切り離された左翼連合政府の政策の結果でもある。
 同時に、今回の選挙は左翼内部の力関係を革命派にとって有利なものにすることとなり、LO(「労働者の闘争派」)とLCR(革命的共産主義者同盟)の得票率を合わせると一〇%を超えた。ここで、私自身に投票してくれた四・三%の有権者に対して感謝の意を表明したい。それは、自らの不安と希望を共有する人びとの票である。
 左翼陣営の多くの候補者は、極右勢力の躍進に責任を負おうとしていない。左翼の候補者の数多くの立候補が極右勢力の進出をもたらしたわけでもない。その進出に責任があるのは歴代政府の政策なのである。今や左翼の希望を再建しなければならない。
 まず第一に、LOとLCRの両候補への投票に表現された刷新の勢力に依拠する必要がある。両組織は、とりわけこの新しい情勢の中での責任を引き受けなければならない。希望はまた、資本主義的グローバリゼーションとファシズムに反対して大衆的に闘っている青年の中にも存在する。私は、左翼、社会党支持者、共産党支持者、エコロジストの有権者に、そしてまた社会運動団体や労働組合の活動家に呼びかける。極右勢力の台頭に反対し、ファシズムと経営者に反対して、すべての人びとがいっしょになって民衆の抵抗を組織しよう。
 オリビエ・ブザンスノー
 二〇〇二年四月二十一日夜

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