こう着状態の打開に向け、労組側は四月二日から全国的な規模のゼネストを用意、それに対して政府側は警察力の投入や法的対応などで正面から対立することになった。
しかし労組側が予告したゼネスト突入の直前、最悪の事態を回避すべくぎりぎりの交渉が続けられ、ゼネスト突入の直前になって発電労使の交渉が妥結、合意案が発表された。
しかし、今回の妥結内容は長い闘争を続けてきた組合員にとっては敗北を意味する内容であり、合意内容に対して民主労総内部からも非常に激しい批判が相次ぎ、民主労総は合意案を廃棄、指導部全員が辞意を表明して、対組合員謝罪文を発表した。なお発電労組側の合意案の受け入れの可否は、四月八日に、組合員の投票により決定することになった。(レイバーネット日本のホームページから)
合意文全文
労使は今回のストライキにより国民におよぼした被害に対して丁重に謝罪を申し上げ、今後このような不幸な事態がまた発生しないように法と原則を遵守し、労使和合を基礎に発電産業の未来のために共同で努力することに約束し、次の通り合意する。
1、労組は二〇〇二年三月八日付中央労働委員会仲裁裁定を尊重して、発電所民営化関連交渉は議論対象から除外する。
2、会社は、組合員に対する民事・刑事上の責任と懲戒が適正な水準で解決できるように努力し、必要な場合これを関係当局に建議する。
3、労組はストライキを中断して即刻会社に復帰する。
民主労総組合員同志に差し上げる謝罪文
組合員同志の皆様、さる二月二十五日の発電、ガス、鉄道の国家基幹産業三社連帯ストライキ闘争で、資本と政権の新自由主義政策に対する闘争の火がまた燃え上がりました。ここに二月二十六日、誇らしい民主労総組合員同志が即刻連帯ゼネスト闘争で立ち上がりました。そして三十八日間にわたった発電労組組合員などの奇跡のような散開闘争が続きました。
一つの国の政府を相手にした発電労組組合員の散開闘争は、発電所民営化を決して容認できないという発電組合員の強硬な闘争意志がなければ不可能です。これとともに、全国津々浦々から、発電労組組合員を精一杯迎えて宿泊を提供し、討論し、闘争意志を培ってくれた民主労総組合員同志がいたからこそ可能な闘争でした。
資本と政権の弾圧が極に達した三月二十五日、発電労組組合員が復帰時限を突破して、続く三月二十六日、民主労総代議員同志は四月二日のゼネスト闘争を力強く決議しました。四月二日のゼネスト闘争に参加するために、組合員同志は現場の困難をかえりみずにストライキを決議し、早退闘争を決議し、それが難しい組織は総会闘争を決議するなど、いつよりも高い闘争意志で四・二ゼネスト闘争を力強く準備しました。民主労総組合員同志のこのような闘争は、この四年間、労働者たちの首根っこを押さえ続けてきた金大中政権の新自由主義政策を今回は必ず粉砕しなければならないという意志の表現でした。
しかし、民主労総ゼネスト突入時点の四月二日、民主労総指導部は元に戻せない過誤をおかしました。まず、政府との暫定合意案の内容において、たとえ前文とはいえ、労使和合宣言と誤解される表現があり、不法云々という政府側の内容が露骨に現れているなど、これまでの民主労組運動で実直に守ってきた原則が攻撃される余地がありました。次に、発電組合員をはじめとする民主労総の各級組織の数十人の拘束・手配、数百人の解雇、損害賠償訴訟など、被害を最小化することにより組合員を保護することも、この部分では不十分でした。
発電所民営化部分に対し、交渉団は暫定合意書で民主労総が発電所の民営化に決して同意しないことを表現しようと主に努力したのは事実です。しかし、その文句のあいまいさにより、政府が即刻「民主労総が民営化に同意した」と歪曲する口実を与えたのも事実です。
このような内容の交渉が四月二日の午前十一時二十分頃にまた始まり、交渉団の暫定合意が十二時四十分頃になされたことによって、ストライキ突入まで十分も残さない時点でストライキ待機(留保)指針を出し、組合員同志が困難な条件で組織したストライキ闘争に途方もない混乱を招きました。一千余組合、六十万の組合員が動く民主労総ゼネスト突入を控えて交渉中断の最終時限を固守できない執行上の誤謬があり、暫定合意した時点でのストライキ留保決定は、既に多くの現場でストライキに突入した状態という現場条件を勘案できないものでした。
このような問題の背景は、闘争本部代表者会議の決定通り、組合員同志が四月二日から四月四日までのゼネスト第一段階闘争を力強く展開できることについての信頼の不足でした。
民主労総指導部は、現事態の深刻性と過誤を自ら認めます。四月二日の常任執行委員会決定で役員総辞職を中央執行委員会に表明しました。組合員同志のいかなる批判と問責も謙虚に受け入れ、事態収拾に最善を尽くします。
組合員同志の皆様、たとえ指導部の過誤にもかかわらず、二月二十五日から始まった発電労組ストライキ闘争、民主労総ゼネスト闘争は、金大中政権の国家基幹産業民営化に制約を加え、政府を相手としたゼネスト闘争を組織できたということを見せてくれました。これらすべてのものは、組合員同志の闘争の力で成し遂げられた成果です。同志の闘争と努力に感謝を差し上げ、組合員同志の闘争を民主労総の誇らしい闘争と受け止めなかった過誤に対して、もう一度心より謝罪申し上げます。
二〇〇二年四月四日
全国民主労働組合総連盟常任執行委員会
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