かけはし重要記事

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1047人の解雇撤回・国鉄闘争に勝利する共闘会議4.16結成集会へ                                かけはし2002.4.15号より

国労本部による「闘う闘争団」への兵糧攻めを許さない!

不当解雇撤回までともに闘い続けよう


敵意をむき出しにする本部

 二月三日、国労の中央委員会が開催された。中央委員会では、闘争団切捨てを強力に進められない国労本部に見切りをつけて右分裂しJR東日本ユニオンを結成してJR連合に参加した元国労中執や元地本指導部の査問委員会設置を決定すると同時に、鉄建公団訴訟原告闘争団員への査問委員会の設置も決定した(「かけはし」2月11日号)。寺内書記長は、鉄建公団訴訟原告闘争団員に対して、「除名を考えている」とか「JR東日本ユニオンより悪質」などと述べ、査問委員会の開催前から敵意をむき出しにしている。
 しかし本部の査問の根拠としている「闘う闘争団=四党合意による解決の妨害者」とか「訴訟は利敵行為」(国労の討議資料)という悪意に満ちた宣伝は至る所でほころび始めている。
 二月十三日に開催された東日本本部委員会の壇上で、国労弁護団の海渡弁護士は「最高裁の判決が下されて政治解決の道も閉ざされてしまった場合には、国労弁護団としても鉄建公団に対する訴訟という道しか残されていないというアドバイスを差し上げることになる」「この訴訟が仮になくても四党合意にもとづく解決は非常に困難になりつつある」「その人たちを排除すれば解決できるなどというのはある意味主観的な思い込みの危険があると思う」などと発言、同委員会は査問委員会設置を議題にあげることさえできなかった。

四党合意の破綻を自己暴露

 また二月十五日に本部がILO結社の自由委員会に送付した文書の中で、「全国大会後に行われる与党のJR各社に対しての人道的見地からの雇用の要請が行われていない」「JR各社は四党合意に基づく解決の意思表示を行っていない」「社民党からの国労に対する訴訟取り下げ要請が今日までなされてないにもかかわらず、取り下げないことを理由に与党は具体的作業に入っていない」など自ら四党合意が破綻している事を弱々しく暴露している。昨年十月の「歯車は回りだしている」(高嶋委員長)などの発言は全くのウソであり、政府与党・JRこそが解決する気がないことを本部自身が認めざるを得なくなっているのだ。
 そのため本部は、「こちらが四党合意を放棄しない以上四党合意は生きている」(寺内書記長)と絵に描いたモチにしがみつきながら、裁判の取り降しをはじめとして民営化に伴う係争案件を清算し、政府与党・JRと平和共存を図るために、解雇撤回、JR復帰闘争の暴力的解体のために奔走しているのだ。

援助金も物販も止める暴挙

 二月二十五日に開催された中央執行委員会は、三月十一日に第一回の査問委員会の設置を決めると同時に、処分の基準を@鉄建公団訴訟A採用差別裁判への第三者訴訟参加B「闘う闘争団」の三点とした。そして社民党との折衝の中で鉄建公団訴訟原告を「四党合意の救済対象者」からはずすこと闘争団に通告。その上で闘う闘争団については@三月から一人月二万五千円の生活援助金の支給を打ち切るA全国統一物販のアルバ(国労生活事業センター)のカタログから闘う闘争団事業体が生産また取り扱う製品をはずすB国労機関に対しオルグ、物販の受け入れ中止などを決定、順次進めていく事を通告すると決定した。
 大会で承認もされていない実力行使を伴うこの許せない決定は、三月二十五日の全国代表者会議でも一方的に通告された。この処置によって売掛金数百万が凍結中という地本も出てきた。この通告の背景には、統制処分を行っても郵政4・28被処分者が全逓本部からの組合員権利資格剥奪に対し地位確認訴訟で勝利したように、裁判を維持できず実効性がないと判断したということがある。本部は排除と兵糧攻めで屈服させようとしているのだ。「統制処分を受けるまでもなく自らこの組織を離れるべき」(「公益企業レポート」2月15日)という寺内発言がそれを表している。
 この本部の腐敗しきった闘争団排除の姿勢に、末端職場では「解雇者への任意カンパ(組合員一人年間にして一万六千円)を闘う闘争団へは一方的に不支給とすることは、労働組合としてはしてはならないことだ」「やむにやまれず鉄建公団訴訟に訴えた闘争団を締めだそうとするのは間違い」との抗議の声が増大している。しかし一方では、本部のかたよった情報の洪水によって、「別組織を作るなら生活援助資金不支給も当たり前」といった本部発言を鵜呑みにする反動的言葉も生み出している。組合員間に混乱と分断と拡散を増大させる本部の責任は重大である。
 この本部による国鉄闘争からの撤退の動きに乗じて、JR会社はJR労働者に対する攻撃を強めている。春闘では、三月二十七日までのJR旅客会社は軒並みゼロ回答だった(JR貨物の回答はまだない)。しかし国労はストを構えないばかりか抗議の声一つあげることさえできなかった。
 国労本部と東京地本の右旋回と闘争放棄に乗じて、JR東日本では三月二十日にベンディング職場を狙い撃ちした服務規律違反とバッチ処分の二重処分の上に立って、今後ベンディング職場以外も含むバッチ着用については処分の懲戒上げと回数を増大させるとして、不当労働行為を宣言するどう喝的支社長文を三月二十八日に掲示した。
 JR資本は闘争団とJR労働者の間にくさびを打ち込み、そしてJR労働者間には国労差別の亀裂を持ち込み、そのうえで国労組合員の間をも分断する目的で不当労働行為を仕かけている。このような、国労組合員を差別分断して命令と服従の関係を強化することは、JRが労働者に対して「会社の命令は法律以上で絶対という」労使関係を強めていることと一体である。

前進する共闘会議とともに

 一方、「一〇四七名の解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議準備会」(以下共闘会議)は二月十九日労働スクエアーに七百人を結集し、鉄建公団訴訟の意思統一を図る大衆集会を開催(「かけはし」3月4日号)、その中で@採用差別裁判の最高裁闘争を強化するAILOへの取り組み強化B鉄建公団訴訟の取り組みの三本柱を軸として、「一〇四七名の解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議」(仮称)を正式発足することを宣言した。
 その後の結成相談会では、結成集会(総会)を四月十六日大井町きゅりあん「大ホール」で開催することを決定し、講演者にはルポライターの鎌田慧さんを招くことも決定した。また結成準備委員長にオリジン電気労組の二瓶さん、事務局長には闘争団の内田さんを選出し、新たな体制も作られた。
 二瓶さんはこの間、国労本部と本部に無批判的に追随する中央共闘議長を徹底批判し、「現在の中央共闘では国鉄闘争を勝利するための運動はできない」として事務局長を辞任し、本格的に共闘会議に合流した。三月九日には中央共闘副議長の東京清掃労組委員長の星野さんも辞任、共闘会議に合流することによって国鉄闘争支援を中心的に担った共闘部分は共闘会議に結集する状況になってきている。
 結成集会を前に共闘会議の運動は大きく前進している。採用差別裁判では、最高裁への第三者参加申し立てを一月二十八日の二百十二人から五十八人増やして本部の裁判取り降しと反動判決の動きを牽制している。またILOへの取り組みについては全統一の鳥井さん、二瓶さん、闘争団の内田さんの三人で、三月五日にILOを訪問して要請し、重要な関係が作られている。
 「人らしく生きよう国労冬物語」の全国百カ所上映運動は、若い観客を多数動員して感動と新鮮な共感を生み出し、成功的に開催されている。マスコミも上映運動や闘争団の闘いを時代を反映した象徴的な社会的事象と運動として好意的にとらえ、また本部の対応を批判的に報道する状況も生み出している。「国労が一部組合員を救済対象からはずす行為は労働組合の存在意義を失わせる自殺行為」(西日本新聞)。本部は、マスコミからさえあきれ果てられる存在となっているのだ(朝日新聞や西日本新聞)。
 各地で取り組まれている「守る会」の運動も進み、国労闘争団の田島さんは「守る会については……地域でリストラと闘っている人たちの課題も含めて共闘できる組織にしていただければと考えています。『守る会』を全国的につなげて、国鉄闘争だけではない首切り反対の一斉行動やキャラバン行動ができないかということです」とその願いを語っている。
 反失業・反リストラの旗の下に、共闘会議は闘う闘争団とともに解雇撤回・JR復帰を目指し、本部に代わって自らの闘いとして大きく踏み出している。闘争団の内田さんは「不当労働行為の事実を否定するような武装解除を許してはならず、政府・JRに責任をとらせ、解雇撤回・地元JR復帰・JR内の不当労働行為根絶をめざす闘いに決起した」「単に解雇された当事者の問題としてだけでなく、反失業、反リストラの旗印の下、労働基本権、労働組合法、労働委員会制度を擁護する広範な大衆闘争を実践していきたい」と結成相談会で述べている。四党合意が破綻し、本部や東京地本などが大衆闘争を放棄している以上、闘う闘争団と共闘会議の闘いの進展が解雇撤回闘争の帰趨を決定するのは明らかである。
 反リストラ、反失業、規制緩和反対・「聖域なき構造改革」阻止、小泉政権打倒の闘いの一翼として共闘会議結成集会を成功させよう。(4月4日 蒲田 宏)


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