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WORLD PEACE NOWが官邸前で抗議           かけはし2004.12.13号

これ以上イラク派兵を続けるな!いますぐ撤退を


 十二月三日、「イラク派兵延長を企てる小泉首相に怒りを込めて」抗議する行動を、WORLD PEACE NOWが主催して、衆議院議員面会所、その後首相官邸前で行い、百人が参加した。
 議面集会で、糸数慶子参議院議員は「イラク・ファルージャの人々を見ると、沖縄戦のことを思い出す。犠牲者はいつも一般民衆だ。沖縄の米海兵隊がファルージャ戦のために五千人が送られた。沖縄は間接的に加害者になっている。こうした沖縄のあり方に怒りの声をあげていきたい」と訴えた。佐々木憲昭議員(共産党)は「自衛隊派兵問題で、国会の会期を十四日まで延期して論議しようと提案したが拒否された。ファルージャでは、六千人が虐殺されたという報道もある。絶対に許せない」と小泉政権に強く抗議した。稲見哲男議員(民主党)は「イラクに非常事態宣言が出されている。どこが安全というのか。横須賀の空母母港化などアメリカと運命共同体となろうとしている。これを阻止していかなければならない」と提起した。
 続いて、参加した市民団体のちょうちんデモの会、憲法を愛する女性ネット、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、憲法を生かす会、婦人民主クラブ、キリスト者平和ネット、日本山妙法寺などから次々に、ファルージャでの米軍の虐殺に抗議し、自衛隊の派兵を中止し、即時撤退するように発言があった。
 最後に、高田健さんが「十二月十日に、小泉政権は派兵延長を閣議決定するという情報が入っている。都内各地での情宣活動などを通じて、12・14日比谷野音集会に集まり、あくまで自衛隊撤退を要求していこう」と今後の行動を提起した。
 こののち、首相官邸前に移動しローソクを灯しながら、抗議行動を続けた。12・14集会に集まろう。(M)



自衛隊はもどってこい市民と議員が院内集会

 十一月二十九日十二時半から参院議員会館で「イラクからの自衛隊撤退をめざす市民と国会議員の緊急院内集会」が開かれた。この集会は、十一月十五日の衆院院内集会に続くもので、呼びかけは戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動、宗教者平和ネット、キリスト者平和ネットの三団体。集会には百五十人が集まった。
 宗教者平和ネットの武田隆雄さんが主催者あいさつを行い、JVC(日本国際ボランティアセンター)の熊岡路矢代表が、ファルージャに救援物資を届ける活動をしているイラク赤新月社スタッフの話として、米軍の総攻撃によって市民六千人が虐殺されたことを報告するとともに、「イラクでの公正な選挙のための条件はすでに失われている。自衛隊の派兵によって人道支援にとって必要な公平性、中立性が崩れている。外国人が占領、戦闘している地域で復興支援などできない」と自衛隊派兵に反対した。
 共産党の志位和夫委員長、社民党の福島瑞穂党首、民主党の今野東衆院議員、無所属の黒岩宇洋参院議員などは、それぞれ臨時国会の会期を十二月十四日まで延長し、イラク派兵延長の是非を徹底して討論すべき、と訴えた。
 市民からは、戦争への道を許さない女たちの連絡会の吉武輝子さん、国際問題評論家の北沢洋子さん、自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の会の大野さん、キリスト者平和ネットの上原神父、安保破棄中央実行委員会の早坂さん、市民緊急行動の国富建治さんなどが、イラク派兵延長反対と即時撤退をアピールした。(K)                

鉄建公団訴訟に必ず勝利を

闘争団・争議団の総団結で解雇撤回させるぞ


 十二月一日、日比谷野外音楽堂で「国鉄労働者1047名の解雇撤回 政府はILO条約を守れ! 鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」が12・1全国集会実行委員会の主催で開かれ、会場を一杯にする四千三百人が集まった。十一月三十日、九人の国労闘争団が新たに鉄建公団訴訟に加わり、全動労争議団も十二月中に訴訟を起こすと表明したことで、大きな盛り上がりをみせた。
 最初に呼びかけ人代表の下山房雄さん(九州大学名誉教授)が主催者あいさつを述べた。
 「労働組合運動が国家により弾圧されるということは、民主主義が危ういということだ。労働運動の衰退の中で、この鉄建公団訴訟原告団と全動労争議団の闘いが労働運動に勝利の一ページを加えることを強く望んでいる。四党合意以降、闘争団、争議団はゆるぎなく努力し、困難を乗り越えてきた。千四十七人の団結に発展している。これをさらに発展することで勝利することができる」。

9人の国労闘争
団が訴訟に合流

 次に壇上に闘争団・争議団が登壇した。司会者から、昨日、新たに九人の国労闘争団が鉄建公団訴訟に立ち上がったことが報告された。
 全動労争議団の梅木副団長は「全動労争議団が鉄建公団訴訟に加わることが、解決への最善で最良の選択であると判断し、十二月中に提訴することを決定した」と報告した。

200人の組合員
・家族が口頭弁論

 鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭団長は「鉄建公団訴訟には、二百人以上の組合員・家族が口頭弁論に参加し、JR・国の責任を追及する大衆的な闘いを押しすすめてきた。国労闘争団からも訴訟に参加するようになった。この集会には北海道から九州まで日本全国から動員してもらっている。勝利判決まで最後まで闘う」と決意表明をした。
 連帯・激励のあいさつで伊藤誠さん(経済学者)は「反動的な動きが強まる中で、この運動に勝利して、世界の流れをかえていこうではありませんか」と激励した。佐高信さん(評論家)は「闘わない組合は組合ではない」と檄をとばした。芹澤寿良さん(高知短期大学名誉教授)は「総団結で闘う」と訴えた。戸塚秀夫さん(東京大学名誉教授)は「一九八〇年代から労働運動に対する弾圧が世界的に広がった。自分が生きている間に、この闘争に勝利してほしい」と強い連帯の激励をした。
 続いて、四国ブロック共闘会議、新潟の闘う闘争団と共に闘う会より連帯のあいさつがあった。全動労争議団家族の渡部雅子さんが集会アピールを読み上げ、中村宗一さん(国労高崎地方本部)が集約と団結ガンバローを行った。その後、都内をデモした。 (M)


教育基本法改悪と「つくる会教科書」にNO

子どもはお国のためにあるんじゃない

 【大阪】十一月二十一日、大阪市北区民センターで「『教育基本法改悪』と『つくる会教科書』を許さない!11・21大阪集会」が今年四月三日に続いて開かれた。この集会は、十一月六日に東京日比谷野音で開かれたものに連帯する集会で、四百人が集まった。
戦前の教科書と
まるでそっくり

 主催者を代表して、吉岡和子さん(平和人権子どもセンター教科書資料館長)があいさつをした。吉岡さんは、国民学校の時、国定教科書を暗記させられ、戦後は理由もなくその教科書に墨を塗らされた経験をもっている。
 「戦争はいやだけど、すり込まれたことは正しいと思ってしまう。それは戦前の教育の結果だ。つくる会の教科書は戦前の『修身』と驚くほど似ているし、国民学校生の時、毎日先生に提出した日記は、今の『こころのノート』と同じだ」と吉岡さんは語った。
 続いて、姜尚中さん(東大教授)と、高嶋伸欣さん(琉球大学教授)が講演をした。
 姜さんは、イラク戦争と北朝鮮の情勢に焦点を当てて話した。
 「新しい歴史教科書をつくる会のアキレス腱は日米関係だ。彼らは、原爆投下国と、原爆の犠牲になり占領され、その後世界第二位の経済大国になった国とが同盟をくむことに意味があり、そのことを子どもに教えるべきだという。朝鮮戦争の時も原爆投下は、マッカーサーによって計画された。投下はされなかったが、その後北朝鮮は、核の脅威の下で半世紀を過ごした。一九四五年からベトナム戦争終結までの三十年間は、東アジア三十年戦争であったと言う人もいる。戦争だらけの戦後史であった」。

日本と米国が相
互にもたれあい

 「日米安保は世界化され、日本は米国の下請けをして、軍事的にも大きな役割を担おうとしている。日本は米国にパラサイトし、米国も日本にパラサイトしている。米国を支えている日本版ネオコンがいて、米国のネオコンとのネットワークができつつある。新しい歴史教科書をつくる会は、日米共同で行くか、反米で行くかで分裂したが、アジアとの和解を阻むことでは共通している」。
 「北朝鮮は、歴史上まれに見る異様な体制の国だが、戦前の日本の天皇専制国家とそっくりである。締め付ければ日本の要求を呑むなどと考えるのは、歴史を知らない者の言うことだ。戦前の日本を考えればわかることだ。拉致問題は解決しなければならないが、そのためにも国交回復に向けた和解のステップが必要である」
 「つくる会の歴史教科書にあらがうことは、単に子どもによりよい環境をつくるだけのことではなく、殴る立場の側にある日本人が、殴ることに手を貸さないことだ。それがイラクと北朝鮮で試されている。そして、あらためて東アジアの戦後史を考えてみよう」。

戦争を知らない
政治家の危険性

 高嶋さんは、シンガポールのリー前首相が、日本がペルシャ湾に掃海艇を派遣することに強い懸念を表明し「アルコール中毒者にウイスキー入りのチョコレートを与えるようなものだ」と、語ったことから話を始めた。
 「リー首相はその一年前にも現地の新聞で『日本の戦争体験を持つ政治家は、保革を問わず戦争に反対だったが、戦争を知らない世代は何をするかわからない』、と対日警戒心を強調していたが、その予想は見事に的中している。アジアに安心を与えるためには、日本に天皇制を残す代わりに9条が必要だった。9条をかえるとなれば、天皇制が問題になる。『日の丸・君が代』は天皇制と軍国主義の問題、アジアへの戦争責任と一体だ」
 「教育基本法の与党改悪案では、『伝統文化を尊重し、郷土と国を愛し(愛国心教育)……』となっている。伝統とは中曽根康弘によれば、天皇制のことである。与党改悪案では、家庭も強調されている。家庭の拡張が国家であると言う論理だ。改悪派は、憲法24条(男女平等)も崩そうとしている」。
 「十月二十八日の園遊会で、東京都教委の米長に対し『強制でない方が望ましい』と語った天皇発言には、天皇が政治・政策に関した発言をしてよいのかという戸惑いもあるが、『君が代・日の丸』の強制・定着を推進しようとする側には大打撃の状況が生まれようとしている」
 「今回の検定では、検定結果が出るまで白表紙本は出してはならないとなった。しかし、つくる会は会報『史』で新しい教科書の特徴を宣伝している。これについて検定調査審議会に質問書を出した人がいる。それについての回答で文科省は、『史』の記事程度では『内容の流出』には当たらないと擁護している。しかし、学習指導要領通りでないといけないという見解は、教科書採択では使えると思う。なぜなら、つくる会教科書は、覚える学習ではなく考える学習という教育課程審議会による方針転換に逆行しているからだ」。
 講演の後、韓青同大阪、教科書問題に取り組んでいる団体や労働組合、子どもの権利に取り組んでいる団体、心の教育に反対している団体、日本軍「慰安婦」問題に取り組んでいる団体など十二団体の人たちによるリレートークが続き、〇五年の中学校教科書採択に向けた取り組みが表明され、最後に「教育基本法の改悪を止めよう!」全国連絡会から、改悪案の国会上程を阻止するための国会行動などの呼びかけがあった。   (T・T)


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