【静岡】空港に反対する静岡県民の会(以下県民の会)や反対地権者など八団体が十月、国交省に対して強制収用に静岡県が踏み切らないように関与することを要請し、この空港についての認識、判断を問う質問書を提出し、十月二十六日、衆院国交委員会で大臣答弁があった(本紙11月15日号既報)ことを受けて、十一月十一日、国交省への質問書に対する回答を求めて、反対地権者と県民の会は交渉を持った。その交渉で、国交省は「成田の教訓」を生かすからこそ「円満な話し合い解決を望み、県にも伝えてある」として、責任は静岡県にあるとする回答に終始した。
将来展望のない
県の方針決定
十二日、知事は緊急記者会見を行い、事業認定申請=強制収用の方針決定を発表した。
これまで、二度、三度と土地収用申請に踏み切ると言明して二年近くが経過したが、この決定によって、事態は新しい局面に入った。もとより、将来展望があって方針決定したわけでもなく、もっぱら、官僚的権力の自己保身と延命、県議会与党多数派の支配と利権維持のために選択したことは明らかだ。
これを報じたマスコミ各社は共通して、批判的論調であり、県知事御用達新聞と言われる「静岡新聞」でさえそうなのだ。もちろん、われわれはこれにすぐさま対抗して、同日、反対地権者四世帯の代表者とともに、抗議の緊急記者会見を行い、それぞれが将来とも決して土地を売らず、これまでの立場、意志を貫くという決意を表明した。また、県が強制収用に踏み切った場合、そこで生じる抗争の責任はあげて県知事石川嘉延にあることを強調し、あえて「第二の成田」を望まないが、いかなる状況になろうと抵抗しぬくことを表明した。
十一月十三日・十四日には名古屋で反空港全国連絡会による交流集会があり、そこへも参加し、新聞(静岡版)各紙のコピーを配布し、あわせて、強制収用を許さない闘いを訴え、交流集会では特別の決議も採択した。
回答拒否する
石川知事糾弾
事前に県民の会の行動方針として申請決定と関係人(共有地権者など)への通知があった次の日に、抗議と要求書(別掲)を持って県庁へ出向くことが確認されていたため、翌十五日には、これを実行に移した。
朝の九時、県庁正面玄関に三十人程が集まり、抗議の横断幕を広げ、ゼッケン、ハチマキで、知事室へ行き、抗議と要求の文書をつきつけた。
県庁知事室はうろたえ、われわれを押し出そうとするが、毅然として、文書を読み上げ、要求に直ちに回答するよう求めたが、応対した空港建設局の推進室長は「知事は会えない」「回答できない」を繰り返し、「知事は四世帯――本来からの地権者――となら会うがその他とは会わない」と逃げ回るが、抗議団はこれをはねつけ、「庁舎内のどこかにいる知事から回答があるまで、ここで座り込む」と言い渡した。
知事室前座り込みに入った。この行動には三人の地権者も参加し、正午ごろには約五十人の人数になった。報道各社が取り巻き、庁舎管理の役人が退去を迫る中、推進室長が空港建設局の「考え」を持ってきた。いわく、「知事は会えない」「四人となら会う」というものであり、全く話にならない。われわれの要求は明確だ。回答できない内容では全くない。
こうして、再び回答ならぬ回答を持ち帰った室長に、二十四日九時、知事室に再度出向くので、その時までに、明確な回答をするよう通告して午後一時すぎ、この日の行動を終わった。
石川知事の土地収用申請を阻み、収用そのものを阻止すべく奮闘しよう。 11・28の大成功へ!(S)
静岡県知事 石川 嘉延 殿
抗議および要求書
2004年11月15日
石川嘉延静岡県知事は事業認定申請準備の最後手続きとして「事前説明会」開催を記者発表し、通知した。
われわれはこれに断固反対し抗議する。
この事業認定申請について石川知事は自ら「緊急の必要性がない」ことを認め、県議会「平成二十一」の質問に「今申請しても〇七年三月開港には間に合わない」と答えた。そして、今や県の描く空港の将来図は「公設・民営」のもとで「貨物空港化」や「小型飛行機路線」などという途方もなく愚劣な姿に変わり果てている。しかも、百六万人というデタラメの需要予測が象徴するように、県や国交省が「事業継続」を妥当とした数値や理由の全ては宙に浮き、消し飛んでしまった。
県民合意のないこの空港には、いかなる必要性も事業認定の要件たる公益性もない。まして、「土地の合理的利用」は全く該当せず、ムダな公共事業そのものであることはますます明白となっている。
それにもかかわらず、石川官僚知事は強権発動にまで踏み切ろうとしている。だが、この卑劣な暴挙は断じて許されてはならない。石川知事自らが責任者であるプール金、裏金問題を含め不正、腐敗を極める県政の大暴走は県民世論と民主主義へのこの上なく悪質な挑戦である。われわれはこれを断固阻止するため、あらゆる闘いを継続しさらに強化する。
以下、われわれは当面、次の通り要求する。
1. 事業認定申請の方針を直ちに撤回すること。
2. 空港建設工事を直ちに中止すること。
3. 「誠心誠意の交渉による全用地取得」の知事『確約書』の完全履行及び反対地権者が示している話し合いのための三条件を受け入れること。
空港はいらない静岡県民の会/榛原オオタカの森トラストの会/空港に反対する共有地権者の会/「空港ノー」吉田町民の会/空港に反対する地権者住民の会/空港に反対する地権者・自治体議員の会/空港をかんがえる周辺住民の会/空港予定地の自然を守る会
反空港全国連絡会交流会
空港建設=巨大開発に未来はない
【名古屋】十一月十三〜十四日、反空港全国連絡会第四回全国交流集会が愛知県で開催され、全国各地で反空港を闘う仲間が八十人参加した。
十三日昼、名古屋駅からバスで名古屋空港へ向かい現地調査を行った。
名古屋空港は、来年二月の中部新空港開港後、県営名古屋飛行場として運営される。愛知県が、二百六十一億円で国から滑走路・誘導路部分を買い上げ、航空自衛隊小牧基地と三菱重工小牧南工場維持のために赤字覚悟で運営する。現在、小牧基地からはC130がイラク戦争に「参戦」し、小牧南工場は自衛隊の戦闘機製造・修理工場。
さらに再来年には、小牧基地に空中給油機の配備が予定されており、地元自治体の要望に基づき防衛施設庁は、周辺三自治体に六億円の金をばらまき給油機配備を強行しようとしている。中部新空港建設の裏で小牧基地を強化し、その空港を県が運営するという暴挙が進行している。小型旅客機就航だけでごまかせるものではない。また、二百億をかけ建設した国際線ターミナルは、十年も使用しないまま今後の用途が決まっていない。
夕方からは場所を名古屋市内に移し交流集会を行った。十二日、静岡県知事が事業認定申請を表明したことに対して直ちに反撃を開始した静岡の仲間の力強い発言と、十一月二十八日の現地集会への参加要請。白保をはじめ福岡、神戸、関西、羽田、中部、各地の反空港を闘う仲間が闘いの現状を報告した。
恣意的な利用予測に基づく無計画な建設。巨額の投資と環境破壊。白保では、何度も計画が変更されるものの、結局海を破壊しようとしている。羽田では、四本目の滑走路の一部が多摩川の河口にかかるため浮体構造での建設。一方で三里塚の「暫定滑走路」の延伸。
神戸空港は、狭い大阪湾に近畿圏三つ目の空港として建設される市営空港。地盤沈下を不均等に続ける関空も二期工事を継続している。
三里塚からは、柳川秀夫さんが駆けつけた。柳川さんは、「闘いの中で、新しい価値観を考え創っていきたい」と訴えた。
集会の最後に、「静岡空港建設に反対し土地収用を阻止するアピール」を全体で確認し、この日の行動を終えた。
十四日、常滑(とこなめ)沖に建設された中部新空港の現地調査を行なった。常滑焼で有名な常滑は、人口が減少傾向にあり、市への競艇場のあがりが激減状態。空港建設は地域活性化に「不可欠」なのか、地元での空港反対運動は盛り上がらなかったという。そして、海苔を育んだ豊かな海は確実に失われた。
強制収用までして建設している空港道路も黒字は見込めず、県も市も財政負担がひっ迫している。
関空で失敗したのに、ここでも造成した前島は一件のみの契約。前島駅は利用が見込めないので、無人駅となっている。
空き地が広がる先に空港島が見える。高くそびえる管制塔。
二月十七日、中部新空港開港。三月十五日愛知万博開催。これで終わりではない。全国の仲間とともに、空港建設という巨大開発との闘いを継続しよう。来年の反空港連絡会全国交流集会は福岡で開催される。(G)
APPFが渋谷デモ
香田さん追悼・自衛隊撤兵を訴える
十一月七日午後一時、アジア太平洋平和フォーラム(APPF)の呼びかけで、「香田さん追悼 イラクからの自衛隊撤退を求める市民集会」が渋谷の宮下公園で行われ、五十人が参加した。この日の集会は、「人質」として拘束され、殺害された青年・香田証生さんを悼み、香田さんの死をもたらした責任者である小泉首相が推し進める自衛隊イラク派兵に反対するとともに、十二月十四日の派兵期限切れをもってきっぱりと自衛隊を撤退させるために緊急に設定されたもの。
集まった人はみな個人としての参加だったが、それぞれにファルージャでの米軍の包囲・総攻撃の開始に怒りを燃やし、これ以上の人殺しと不法な占領をやめさせ、自衛隊を撤退させようという思いを語った。十二月十四日にWORLD PEACE NOW実行委員会が開催する「派兵1年期限切れ、撤退させよう自衛隊」12・14ピースバレードへの成功を確認し、休日でにぎわう渋谷の街を行進した。 (K)
【訂正】本紙前号1面左上写真説明の日付(110・10東京)を(11・16)を(11・13)に、1面4段2行目「抗議」を「攻撃」、3行目「ファルージャ攻撃をやめむ」を「……攻撃をやめろ」に訂正いたします。
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