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戦争のできる思想教育を許すな                    かけはし2004.9.6号

「つくる会」歴史教科書―都教委による採択を糾弾する!

石原都政はただちに撤回し、採択をやりなおせ!


「つくる会」教科書採択の暴挙

 八月二十六日、東京都教育委員会は侵略戦争を美化し、神話の復活をねらう「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)が執筆した扶桑社の歴史教科書を、来春新設の中高一貫校(台東区の都立白鴎高校付属中学校)で使う教科書として採択するという暴挙を行った。
 さらに、都教委は二〇一〇年までに、同校を含む十校の開校を計画しており、他の中学でも採択しようとしている。今回の石原都政の暴挙は、「日の丸・君が代」の生徒への強制、反対する教師への処分と一体となって、「思想信条の自由」を犯し、戦争のできる思想教育を目論む許しがたいものだ。

神話の復活や侵略戦争を肯定

 「つくる会」は、一九九七年に中学校の歴史教科書から「従軍慰安婦」の削除を求める学者、文化人、財界人、マスコミ、右翼が「戦後の歴史教育は自虐的」として、日本の侵略戦争を美化する「自由主義史観」を打ち出し結成した極反動グループだ。
 同会がつくった中学校用歴史教科書は、天皇賛美の神話教育のために神話に九ページもさいたり、明治以降の一連の日本の侵略戦争を肯定的に描き、一九四一年の日米英開戦以後は「大東亜戦争」と表記、「日本の戦争目的は、自存自衛とアジアを欧米の支配から解放し」としている。さらに、住民投票の問題点として、「原子力発電所、産業廃棄物処理施設、米軍基地」などに反対し、「ノー」が突きつけられると、「国家は機能しなくなる」と露骨に住民運動に敵対するものとなっている。

石原と一体の採択の策動

 二〇〇一年度の教科書採択の際、「つくる会」は大量採択をねらって全国的に策動した。しかし、全国での根強い反対によって採用は、公立校では都立の一部の養護学校のほか、愛媛県立の中高一貫校三校と養護、ろう学校の一部だけで、私立を含めた採用率は〇・〇九七%にとどまっている。
 「つくる会」は二〇〇三年に中高一貫校対策委員会を設置し、「つくる会」発足当初の賛同人である石原慎太郎が知事の、東京の中高一貫校で採択させようとしてきた。
 この「つくる会」と連動し、〇一年に強い反対を受けて、一部養護学校でしか「つくる会」教科書を採用できなかった石原都政は、採用に向けた動きを着々と進めてきた。
 東京都は一九九七年から統廃合して新たな学校を作るということで、昼間の高校を二百校から百八十校に、定時制を百校から五十五校へそれぞれ減らした。こうして、中高一貫校が作られることになった。白鴎中高一貫校では「日本の伝統文化の教育に力を入れる」ことを特色として掲げた。
 石原は「東京都はやりましたぞ。もう徹底して元の線に戻した。だから幾つかの学校は扶桑社の教科書の採択もした。これはやはり一点突破になるでしょう」(03年4月20日、日本会議総会での記念講演)と述べた。これを受けて、横山洋吉都教育長は扶桑社版教科書を支援する集会に教育長の肩書をもってパネリストとして参加するなどして、「つくる会」教科書の採用にむけた策動を行った。

「東京ネット」などが反対運動

 五月に結成された「都立中高一貫校での『つくる会』教科書採択を阻止する東京ネットワーク」と「子どもと教科書全国ネットワーク21」などは反対署名を集め集会・宣伝活動など勢力に活動行ってきた。
 「東京ネットワーク」などは八月二十六日に都教委で採択される可能性が高まる中、都庁前で採択阻止に向けた宣伝活動を早朝から行った。
 在日本大韓民国青年会は「在日コリアンの子ども日本の学校に通っている。侵略戦争を肯定するような教科書での教育を許すことはできない」と訴えた。全教の中山さんは「教科書には、指導書がついてくる。そこには『有色人種が白色人種を駆逐した戦争。その戦争がアジアの解放に果たして役割について、生徒に書かせることになっている』。こんな教科書をどうして使うことができるか」と批判した。
 ネットワーク代表の吉田さんは「ネットワークは二カ月前に七十六団体で立ち上げ、集会や三万人の反対署名を集めた。この活動に、白鴎高校の卒業生が積極的に参加し、インターネットなどを通じて、運動の輪を広げた。都教委は私たちとの話し合いを一貫して拒否した。十時から教育委員会が始まるが、採択をやめさせるためにがんばろう」と訴えた。
 採択が伝えられると、ソウル市長やソウル教育委員会から、採択を憂慮する声明が出された。「つくる会」教科書については中国、韓国などアジア諸国が「侵略戦争の本質を隠している」などと厳しく批判し、日本政府に修正を要求した。今回の採択はアジア民衆への敵対でもある。

改憲と一体の反動攻勢だ!

 六月十四日、安倍晋三自民党幹事長は、自民党の国会議員がつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が主催したシンポジウムに出席し、「歴史教育の問題は憲法改正、教育基本法改正の問題と表裏一体の重要問題」と述べた。「つくる会」は今後〇五年度の教科書採択での一〇%達成に向けてさらに活動を強めている。
 「つくる会」教科書での歴史教育は憲法改悪・教育基本法改悪の先取りであり、侵略戦争のできる人間づくりだ。憲法改悪・教育基本法改悪阻止の一環として、「つくる会」教科書を採用させない全国運動を作り上げよう。石原都政は「つくる会」教科書採用を撤回せよ!    (滝)


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