| 韓国はいま いまこそ韓米同盟の論理を脱すべき時 かけはし2002.4.8号より |
米軍基地が立地している地域の住民や米軍基地で働いている韓国人労働者など幾つかのケースを除けば、大多数の韓国人にとって駐韓米軍は日常の暮らしにおいて「いるような、いないような」形で存在しているのが実体だ。自主平和統一民族会議キム・ハンムク氏の言葉は、わが心の中に駐屯している駐韓米軍を正確に言いえている。「プライベートな場で話すときには(駐韓米軍が)このままではダメだ、と言いながらも公的な場では触れてはならないこととして身を固くしてきた」。「駐韓米軍の撤収は取りも直さず国家利益に反すること」との心理が根深く内面化してきた、ということだ。
韓米同盟の鳥カゴに入った国防部
その結果、駐韓米軍は「研究の対象」というよりは「動かすことのできない現実」として受けとめられてきた。「動かすことのできない現実」は改めて言えば駐韓米軍に対する一方的な主張や宣伝だけが幅を利かせ、真剣な論争のない現実ということを意味する。
慶南大極東問題研究所ハム・テギョン教授は「駐韓米軍に関する限り国防部(省)、米国政府部署から流れてきた一方的な資料を引用し、かつそのまま書き写すというやり方で駐屯を支える論理が拡大再生産されてきた」「いまや真剣な論議を通じて駐韓米軍を冷静に見つめ、その対案を模索していくべき時」だと語った。駐韓米軍に対する「熾烈な論議の不在」の中で現状維持論ばかりが繰り返されてきたというのだ。
それでは駐韓米軍をどのような観点から新たに省察するのか。専門家らは一様に「安保を無条件に米国に依存する態度から脱け出さなければならない」と語る。駐韓米軍が撤収すれば軍事的空白が生じ韓半島が不安になるだろうという主張には、南北が平和秩序をともに構築していくという「独立的思考」が抜け落ちているということだ。
平和問題研究所ソ・ボヒョク会長は「米国は駐韓米軍の駐屯継続を前提にして統一以後の韓半島および東北アジアの軍事戦略をち密に研究している反面、国防部は今日の韓米同盟関係を継続して維持するのが上策だという安易な態度を持っている」と指摘した。米国にもたれかかる安保観から脱皮し南北韓が軍事的信頼の構築を通じて駐韓米軍問題を解決していく戦略的なアプローチが必要だ、ということだ。
平和ネットワークのチョン・ウクシク代表は、さらに踏み込んでいまや「駐韓米軍なき二十一世紀の韓半島を企画して進むべき時」だと強調する。彼は「駐韓米軍を押し立てて米国が追求している軍事戦略が、われわれの生存権や韓半島の平和にどんな緊張を生じていることか、国民個々人の安保を犠牲としながら追求する国家安保が望ましいことなのかを注意深く推し測ってみるべき時」であり「誇張された北韓の南侵の脅威から生じた冷戦的思考から脱し、平和指向的思考へと転換すべきだ」と語った。
「駐韓米軍のいない見慣れない(?)韓国」は、駐韓米軍が韓半島の軍事的葛藤から生じただけに南北が和解関係に踏み込めば踏み込むほど、その存在が揺らがざるを得ないという点から、決して遠い未来のことではない。実際に北韓の総体的国力沈滞および韓国の国防現代化の中で、駐韓米軍の機能は対北抑止力から北韓を緩衝地帯とし中国を抑止する方へと転換している。米国は駐韓米軍の性格を韓半島を通り越して東北アジアの勢力バランスを維持する役割へと移行させつつ永久駐屯論を展開しているのだ。
それにもかかわらず国防部は依然として韓米同盟関係の中にとらわれたまま、韓半島の未来や安全保障を米軍に委託しているというのが現実だ。これは「韓半島周辺の脅威は過去と変わったことが全くない。したがって駐韓米軍は依然として駐屯すべきだ。米軍が出て行けば当然にも膨大な国防費を注ぎ込まなければならない」という国防部関係者の言葉から確認できる。もちろん、ここには「駐韓米軍なき韓半島」についての主権国家としての苦悩は、はなから入り込む余地さえない。
中国脅威論を口実とする米国の戦略
米軍なき韓国を準備するとすれば直ちに発される問いは「はたして何のために米軍が駐屯しているのか」だ。このときには韓米駐屯軍地位協定(SOFA)の不平等、基地周辺の環境汚染、米軍による犯罪ばかりでなく軍事的に、さらには南北統一と関連づけて駐韓米軍を包括的に理解しなければならない。
慶南大ハム・テギョン教授は「過去には韓国が脅威を受けたとき米国が助けてくれたが、いまの韓米同盟は、むしろ米国が他の国をたたく時にわれわれが巻き込まれて米国を助けなければならない状況へと変わっている」「したがって韓米同盟はわれわれにとって大きな負担となっている」と指摘した。
駐韓米軍は、南北韓の信頼構築や軍縮などの平和政策へと進むことをむしろ阻み、北韓の大量殺傷兵器開発の誘惑をあおりつつ分断の現状維持を強化するとの批判も提起されている。駐韓米軍が米軍の軍事兵器販売体制の通路として作用していることは既に常識だ。
外国語大イ・チャンヒ教授(法学)は「南北関係改善によって駐韓米軍駐屯の名分は弱まっている」し「冷戦時代に米国が東北アジアに築いておいた橋頭堡を日本、中国に奪われまいとして北韓を口実にして米軍駐屯の必要性を宣伝している」と語った。中国脅威論を口実にして米国の東北アジアでの覇権戦略を正当化させているのが駐韓米軍だ、ということだ。
駐韓米軍駐屯のもう一つの名分である東北アジアの勢力均衡者としての役割も問いつめてみるべきところだ。駐韓米軍が出ていったとしたら、はたして力のバランスは崩れて韓半島において中日間の軍備競争が加速化され軍事覇権主義が登場するのだろうか。キム・スングク博士(軍事問題研究者)は「一部に、統一以後も駐韓米軍の駐屯を語る傾向があるが、いまは東北アジアも国境と関係なしに資本が出入りしている時代」であり「これを考えるとき、米軍なき東北アジアで軍事的緊張が高まる可能性は大きくないだろう」と見通している。米軍撤収以後の東北アジアの不安は米国が作り出した一種の「神話」と言える、というのだ。このような米軍の駐屯を正当化する論理を批判的に認識するためにも駐韓米軍に対する深みのある研究を本格化しなければならない。
親米と反米の対立を超える道
米国が、われわれとの合意なしに自国の世界戦略によって米軍の駐屯や撤収を決定するだろうという点に注目すべきだとの主張も、あなどれない。延世大・ノ・ジョンソン教授は「米国は韓国自体の状況と関係なしに駐韓米軍を増やしたり減らしたりするだろう」し「これは米国が『韓国が要求すれば、われわれは存在し続けるが、要求しなければ出ていくだろう』と、常々圧迫してきたことに、そのまま現われている」と語った。もちろん、われわれの側が残ってくれと要求すればするほど米国が適切な状況を「作り出す」との批判もついている。だが、このような米国の一方的な脚本通りに、わが当局は米軍が去ってはならないとの主張を、より積極的に展開しているというのが現実だ。
南北韓の軍事的信頼構築の途中で、駐韓米軍問題は必然的に前面に浮上するだろう。もちろん、この過程で駐韓米軍と韓半島が葛藤関係に置かれる可能性も大きい。いまから「駐韓米軍なき韓半島」についての準備が必要なのは、このためだ。
チョン・ウクシク代表は「当局が駐韓米軍駐屯の是非など根本問題についての公論化自体を遮断していることが最大の問題」であり「当局と市民社会の境界を超えて多様な意見が自由に行き交い、駐韓米軍の問題を解決していかなければならないだろう」と語った。これは、これまで親米対反米の二分法的ワクの中で駐韓米軍の問題をめぐって極端な対立だけ繰り返してきた現実を克服する道でもある。(「ハンギョレ21」第400号、02年3月21日付、チョ・ゲワン記者)
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