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イギリス                       かけはし2004.03.29号

RESPECT欧州議会選と大ロンドン議会選に挑戦

労働党にかわる左派の大衆的登場

 一月下旬のRESPECT(労働党にかわる左派の選挙連合組織、本紙2月23日号7面の浅見和彦氏の投稿参照)の発足以後、新たな執行委員会は手に余るほど巨大な課題に直面している。すなわち、新しい組織を建設すると同時に、六月十日の三大選挙(欧州議会選挙、ロンドン市議会選挙、ロンドン市長選挙)への立候補準備を進めることである。
 またRESPECTは、その詳細についてはいまだ合意していないが、地方議会選挙にも限定された数の候補者を擁立することになるだろう。これらの選挙への挑戦は、われわれが百万ポンド(約二億円)近い資金を調達し、数百万枚のリーフレットを配付する必要があることを意味する。欧州選挙の選挙区はきわめて広く、五百万人から八百万人の有権者を持つ九選挙区がある。
 執行委員会は二度の会議を行ったが、それぞれの会議で、議題は緊急課題についての承認問題となった。幸いなことに、政治的展開はわれわれの側に有利である。RESPECTの各支部会議は、ストップ戦争連合(STWC)の活動家基盤のかなりの部分がRESPECTに関心を示し、あるいはそれに参加することを示した。
 そのことは会議の規模――一般的に言って、戦争の際のSTWCの会議の規模とほぼ同じ――だけからではなく、社会主義連盟(SA)が実現したよりも若く、より多様な人びとが参加としていた、ということからも言えることである。
 労働組合内部の状況も急速に動いている。スコットランドでRMT(鉄道・海運・運輸労組)がスコットランド社会党(SSP)に参加するという決定をし、その結果、同労組が労働党から除名されたこと(訳注:イギリスの労働党は労組自体を構成団体としている)は、歴史的出来事であるだけではなく、イングランドにおいてニュー労働党へのオルタナティブを構築する上での重要な展開である。
 五月に開催される消防士組合の大会は、この問題に関する労組の分岐点になりそうである。郵政労働組合(CWU)スコットランド東部支部は、SSPへの加盟を決めた。これはイングランドにおいても、政治資金や労働党への加盟問題に関して反響をもたらしうる。
 執行委員会は多くの重要な決定を行った。RESPECTはイングランドのみの組織になるだろう。執行委員会は、RESPECTがロンドン市長選に立候補する決定を行った。それは市議会選挙のあり方にとっても重要である。またRESPECTは、市長選の選択投票(訳注:候補者に順位を付けて投票する方式)の第二位にはケン・リビングストン(現ロンドン市長)を記載するよう呼びかけるだろう。
 RESPECTと緑の党との関係を発展させるために多くのエネルギーが注がれた。緑の党とRESPECTが、ともに反戦の投票を訴えることは明らかであり、多くの人びとが反戦運動を通じて急進化してきた。いくつかの課題で、われわれの政策は似通ったものである。
 しかしこの関係を発展させるというRESPECTの試みは、なんらかの成果をおさめてはいない。緑の党は、自分たちはすでに確立された党であるという態度を取っているようであり、すでに彼らの候補者を選出している。したがってRESPECTは消え去るべきであり、さもなくば沈黙して分裂投票をやめろというのだ。
 この問題は、サウスイースト選挙区で最も先鋭なものになっている。ここでは反戦運動や多くの進歩的課題で傑出しているキャロライン・ルーカスが、緑の党の欧州議会議席の座についている。
 RESPECTは最初から、彼女に対決して立候補することには消極的であり、なんらかの調整作業をすることを願ってきた。全国的な調整に失敗して以後、「特別措置」を取り、サウスイーストではキャロライン・ルーカスをトップに据えた共同候補者名簿を作ることを提案するという合意がなされた。しかし、それは全国レベルで緑の党によって拒否された。RESPECTはなお、緑の党に方針を変えさせるよう努力している。
 RESPECTにとっては、この選挙区でまったく立候補しないということはきわめて困難であった。それはちRESPECTが選挙放送の資格を失うことを意味するからである。選挙放送の資格は、イングランドのすべての選挙区で立候補することが条件なのである。
 私は、やはり六月十日に行われる地方選挙について、適切な討論が行われたとは思わない。RESPECTが限定された数の議席で選挙戦を行うことは一般的に受け入れられているが、その基準や範囲についてはいっそうの検討が必要である。
 RESPECTの選挙運動を発展させる次の段階は、一連の選挙区を基盤とした集会(欧州議会ならびにロンドン市議会)であり、それは一回の集会あるいは二段階のプロセスであるが、いずれも選挙区でRESPECTを立ち上げ、候補者を選択することになる。それは三月いっぱいをかけて行われ、三月末までに候補者の完全リストを作成する。
 欧州議会選挙ではロンドンは単一選挙区となる。したがって、ロンドンでの会合は、欧州議会選挙と市議会選挙の二つの候補者リストを選び、なおかつ市長候補を選ぶという困難を抱えている。
 この全プロセスは政治的かつ実践的に複雑である。RESPECTはこのプロセスの最後に、多様で、かつわれわれが選挙戦と運動に参加させたいと思う人びとを引きつけるような候補者を作り上げなければならない。
 執行委員会は、選挙区それ自身を反映するような、女性やエスニック的混在性の数値などを対象にした、幾つかの基本的基準について論議してきた。選択は選挙区レベルで行われるが、正しい全体的なバランスの実現を保証するために執行部と事務局によるなんらかの調整がなされるだろう。
 こうした集会を組織するために、包括的組織委員会が地域レベルで設立されることが決定的に重要である。それはできるだけ多くの人びとが当初から参加するようにし、実際の集会に先立って諸問題を解決することを保証できる。
 今やRESPECTにはもっと強力な組織構造が必要である。RESPECTはニック・ラックを議長としジョン・リーズを招請委員長とする主要な役員を選出してきた。幹事委員会は執行委員会の間に会議を行っており、基本的なスタッフを持つ事務所が存在する。報道・広報グループは毎週会議を行っている。
 しかしそのどれもが、選挙キャンペーンがスタートすれば十分なものではなくなるだろう。全国レベルでのより強力な構造が必要になるし、選挙区それ自体でのキャンペーンと組織化の構造が必要になる。
 RESPECTは、これから六月十日の投票日までの間の最大の左翼イベントになる三月二十日の反戦デモで、目立った登場を計画している。RESPECTは、大規模な登場が必要だと論議されてきた。こうしたデモで社会主義連盟が実現できたよりも、さらに大規模な登場である。
 RESPECTは、当日に何百人、何千人ものその推進者を登場させる必要がある、と議論されている。それはきわめて良い発展をもたらすだろう。
(英「ソーシャリスト・レジスタンス」04年3月号)                

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