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イラク侵略戦争開戦から1年             かけはし2004.03.29号

全世界で反戦のうねり

WORLD PEACE NOW 3・20

自衛隊はイラクから撤退せよ
雨の中、日比谷公園に3万人が集う

 三月二十日、冷たい雨が朝から降りしきる中、世界一斉反戦デーの一環として「WORLD PEACE NOW 3・20」が開催され三万人が結集した。
 市民を中心とした日比谷野外音楽堂、野音外側のかもめの広場の全労協と平和フォーラム、「陸海空港湾労組二十団体」が呼びかけた小音楽堂と噴水前の三カ所を中心に、公園の中は集会場に入れない人も含めてあふれかえった。
 野音の集会では、正午の開場とともに六団体によるリレースピーチや音楽で一挙に盛り上がった。
 集会では実行委員会を代表して星野ゆかさんが「昨年の三月二十日のイラク戦争が始まって以来、発表されているだけで一万四百三十人ものイラク市民が殺され、実際にはその二倍とも三倍とも言われる死者が出ている。アメリカのやり方は許せない。スペインの犠牲者に哀悼の意を送るとともに、軍の撤退を決めたスペインの人々に連帯し、戦争のない平和な、たがいに助けあえる世界を作っていきたい」とあいさつした。
 沖縄からのメッセージを届けるために登壇した喜納昌吉さんは「ハイサイおじさん」「花」を熱唱した。
 二〇〇二年よりイラクで医療活動などの支援を続けているJVCの熊岡路矢さんは、「ブッシュが主張していた大量破壊兵器の脅威というのは口実にすぎなかった。実際はアメリカの『国益』でさえなく、一部の企業の私益であり、人道支援とは言っているが実体は支援ビジネスであり復興ビジネスだ。軍服を着たアメリカがイラクの収奪を続けている。自衛隊が復興には適していないことは明白であり、復興支援とは自衛隊の海外派兵の口実に過ぎないことはイラク現地からみると明白である」と報告した。
 神奈川県在住の「米軍人家族の会」のロバート・スミスさんは、「私は一九九一年の湾岸戦争をこの目で見たが、戦争は長い間人々の中に深い傷を残し、痛手を与える。若い人を戦争に送るようなことをしてはいけない。自衛隊の派遣は日本のためではなく、アメリカの間違いの犠牲である」と述べた。
 集会カンパの後に登壇した日弁連の藤原真由美さんは、「イラク派兵は憲法にも、国際法にも反している可能性がある。第一に先制攻撃は許されないし、大量破壊兵器はまるで根拠がない。第二に、自衛隊のイラク派兵は、憲法で言っている専守防衛にあたらないし、国連の要請もない。第三に、いまのイラクはイラク人の統治ではなく、米英の占領行政であり、非戦闘的地域などどこにもない。自衛隊の即時撤退がなければ、大使館員や良心的NGOが巻き込まれることは明らかである」と報告した。
 最後に「もう戦争はいらない! イラク占領を終わらせましょう! 自衛隊を撤退させましょう!」という連帯メッセージを採択してデモ・パレードに出発。
 デモ・パレードは雨の中、日比谷公園から数寄屋橋交差点、東京駅、解散地の常磐橋公園までの三キロのコースを約二時間をかけて抗議行動を行った。(D)


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