| 多国籍企業のやりたい放題はごめんだ かけはし2004.03.08号 |
日韓FTA交渉に異議あり!
外務省での第2回政府間交渉に反対して1日行動
二月二十三日〜二十五日まで日韓自由貿易協定第二回政府間交渉が日本外務省庁舎で開催された。これに対し、脱WTO草の根キャンペーン実行委委員会と「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーン共催で抗議行動が闘われた。
反対気運の広がり
にあせる両国政府
日韓自由貿易協定(以下FTA)は、その準備段階として二〇〇二年七月から政財学界からの代表で日韓FTA共同研究会を重ね、昨年十月「共同研究会報告書」をまとめ、最終段階として政府間交渉を昨年末第一回交渉をソウルで開始し、今回第二回を東京で開き、以降二カ月に一回日韓相互の地で開催しながら、一年余かけて協定を締結していく局面にきている。
しかし、昨年九月WTO第五回閣僚会議が、世界の民衆と途上国の反対により破局し、メキシコ―日本とのFTA交渉も頓挫している中、日本政府・財界は、中国―ASEANとの農作物自由化に危機感を抱き、FTA反対運動が大きくならないうちに何としても日韓FTA締結を成功させようと焦りを見せている。
それは、私たちの外務省前抗議・宣伝行動に対する警察権力の異様なまでの妨害と介入にも表れていた。昼休み外務省前正門に到着した二十五人ほどの仲間は、麹町警察署の不当な執拗な妨害――正門前ではやるな、宣伝カーの音量が高すぎる、宣伝カーを停車して情宣はできないなど、仲間の数を倍する制服・私服警官、外務省職員を介入させ、暴力的に正門前から後退させようと繰り返した。
しかし、韓国代表(FTA・WTO反対国民行動=以下KOPA)のチェ・ジュニョンさんはじめ、一日行動参加者はビラまきとFTA反対の情宣を貫徹した。その後、外務省では七人という制限付きながら日本政府への申し入れを行い、「賛成派ばかりで政府間交渉を進めるな!政府交渉の開催場所を明らかにしろ!」など外務省FTA室に申し入れた。
FTAに反対するものとは会わないと申し入れを拒否した日本経団連には、抗議行動を行う予定だった。日本経団連は、ソウル・ジャパンクラブを通して、韓国の強力な労働運動を抑制しないと投資しないなど、公然と韓国政府に圧力をかけており、日本でも、財・学・スポーツ界の著名人を呼びかけ人とし、財界の意向を粉飾する「日本活性化のための経済連携を推進する国民会議」を準備している張本人。
そのためか、日本経団連前ビル前は、丸の内警察署など制服・私服警官五十人以上が占有しており、日本経団連はビル管理担当者が対応することで面会拒否について、あいまい化しようとしていた。これに対して、日本経団連が誠実に市民側と対応しなければ国際的にも問題にすると強調して引き上げた。
韓国KOPA代
表迎え討論集会
夕方から、一日行動の締めくくりとして「異議あり!日韓FTA交渉」討論会が文京シビック・センターで開催され、一日行動の経過報告の後、「日韓FTA徹底批判」と題して、「異議あり!日韓FTA」キャンペーンの大畑さんが分かりやすく日韓FTAの問題を解説した。
続いて、韓国KOPA代表の崔俊榮(チェ・ジュニョン)さんが韓国からのゲスト報告を行った(別掲)。
質疑応答で、チェさんは、FTAに向けた韓国国内法の整備状況への質問に対して、以下のように深刻な現状を報告した。
「経済自由区域法案が成立し、メキシコのマキラドーラ同様の外国資本を誘致する特区を設けた(仁川、釜山、浦項)。この中では、誘致企業は法人税・所得税が免除され、労働者には有給休暇も退職金もなく団結権が制約され労働権が侵害されることが多く、派遣労働も野放しとなる。また海外企業の子ども教育のための特別教育法も国会上程され、外国資本による教育機関は、韓国国内法を遵守しなくても良く、しかも韓国人の入学も認められ、得られた利益は海外持ち出しも認められる内容だ。その上、地域特化発展特区法が準備され、経済自由区域を全国化するための法案となる。例えば、ある自治体が観光特区について認可されたならば、山地管理法や国土計画法など既成法体系を平気で無視し、企業活動ができる法律で、すでに海外資本の招致を希望する四百四十八地区が名乗り出ている」。
「日本はFTAを通じて、海外派兵と一体となってアジア経済侵略・支配に再度踏み出した。韓国は、日本のアジアに対する緩衝財として使われている」との意見が出された。チェさんは「韓国政府・資本も同じ意図がある。韓―シンガポールFTA推進も、シンガポールがアジアの金融ビジネスのハブとなっていることを模倣して、韓国を東アジアの金融取引のハブとする計画からだ。また、日本と違って中国の参与も独自的に重要視していることを忘れてはならない」と明確に答えた。
同様に、「IMF危機の時に韓国は金融資本など外国資本のやりたい放題にされてきた。それが分かっていながらなぜ、対日貿易赤字が拡大する日韓FTAを韓国政府は進めるのか」との質問にも「逆に、IMF改革の時の苦しみを政府は利用している。もう二度と危機を招かないためにも、どんどん構造改革進めるしかないと、外国資本の誘致を実施している」と韓国サイドからのFTAの導因を簡潔にまとめた。
集会行動提起として、日本経団連への公開質問状を送り、返答次第では、自らの「企業行動憲章」にも背く行為として世界的に日本の経営者の姿勢を糾弾し、不買運動なども行っていくことが提起され、また、KOPAから提案された六月アジア版ダボス会議阻止行動とアジア社会運動会議に全力で取り組みながら、日韓FTA締結を阻止していく闘いを積み上げていくことも提起された。
KOPAのような運動が日本に存在せず、しかも「推進国民会議」発足などで日本国内でのFTA反対運動は非常な困難さを伴う。しかし、チェさんの話のように国益にからめ取られない、民衆レベルの連帯のあり方を求めながら、WTO・FTAに反対する大きな運動を目指したい。闘いをグローバルに展開しよう! (北野はじめ)
チェ・ジュニョンさん(韓国KOPA代表)の報告から
日韓自由貿易協定は何をねらっているのか
まず、KOPAは、全国農民会総連盟(全農)や全国民主労働組合総連盟(民主労総)など五十四団体で構成される階層横断的な国民運動体である。FTAめぐる韓国国内状況は、韓−チリFTA協定批准の国会通過は結局、二月十六日同意案が国会可決されてしまったが、この批准反対闘争のために、地方からの農民上京闘争が昨年一一四回、のべ五十万人を動員して激しく闘われた。
今後の焦点は、韓日と韓―シンガポールFTA締結に積極化すると政府はコメントした。しかし、自分たち社会運動団体からみると次の四点が問題と指摘できる。
@日本への従属性の深化――FTAは外資の国内留置拡大路線からくるが、外国投機資本にさらなる自由な活動を与えるもの。
A労働権の解体――韓国の経済界=全国経済人連合会(全経連)の対応では、FTA早期締結のため、労働運動対策を求めてきた。また、「非関税的障壁小委員会」では、「無労働・無賃金」原則の遵守、退職金算出の柔軟化、休暇手当に対する使用者義務の撤廃など突きつけているが、正当な労働者の要求・闘争を弾圧するものだ。韓国では、この共同研究会報告書すら公表されていない!
B必須公共サービスの商業化――共同研究会報告書では、WTO交渉より強力な投資・サービスの自由化が目論まれている。これは教育・医療など必須公共サービスへの民衆のアクセス権を剥奪するものだ。
C相互承認協定は、安全や健康の低位平準化につながるおそれがある。
日韓FTA問題では、農業部門の問題とすると本質が見抜けない、産別論・国益論で見ていくと資本・企業に絡め取られてしまう。現に韓国政府は、農民に対して、韓―チリ協定では被害を受けるが、韓日FTAでは利益を得られるとキャンペーンしている。日韓民衆における国際連帯で大切な点は、分野別の損得勘定に走らず、「国益」は民衆のものではなく、資本・企業のものであると理解することだ。
最後に、六月十三日〜十五日に世界経済フォーラム(ダボス会議)東アジア経済閣僚会議がソウルで開催される。アジア各国六百人以上の政財界代表が参加する。これを阻止する国際的な共同闘争を展開したい。同時に、アジア社会運動総会も開催し、第六回WTO香港閣僚会議反対の対応戦略、アジア地域でのFTAに対抗する戦略、アジア社会運動団体宣言文採択など討論したいと考えている。
NTT不当配転取り消し訴訟
経営的にも不必要な一方的不利益強要を告発
NTTの十一万人リストラ、みせしめと嫌がらせの不当配転取り消しを求めた裁判の第三回口頭弁論が二月二十六日午後、東京地裁で行われた。
電通労組九名の訴えに対して、具体的な反論をせず、のらりくらりと時間稼ぎをねらう被告NTTに対して、さらに主張を行い、争点を明確にするため、原告側が準備書面を提出した。
被告NTTの主張は、競争が激化しリストラが必要であり、「退職・再雇用」はNTT労組とも合意し九割以上の社員が同意しているというもの。
これに対し原告側の準備書面は、@世界一の利益を上げる超優良企業のNTTに、労働者に犠牲を強いるリストラの必要性がないことA企業の分社化・企業分割にあったはずの労働者保護が、国会でも議論され国際的な原則であるにもかかわらず、被告は無視していることB遠距離単身赴任配転は、「職業生活と家庭生活の両立」という流れに逆行するものであり、いかなる場合にも許されないことなどを明快に主張している。次回は被告側の反論書の提出である。
NTTはリストラ効果で、昨年九月期中間決算で過去最高の八千四百二十六億円の利益を計上した。しかし、社員にはベアゼロ、五十歳定昇ストップ、各種手当の廃止、退職・再雇用で生活を破壊している。
「退職・再雇用」を拒否した人々で構成されるIP販売プロジェクト職場では、年末の特別手当(ボーナス)で最低ランクのD評価が乱発された。会社は通常の業務をしていればD評価はありえないと主張してきたにもかかわず、成果主義を利用した差別を行っている。
また、原告の一人に対して管理者による執拗なイジメが繰り返されてきた。終始つきまとい、一挙手一投足にケチをつけ、「馬鹿・お前!」と罵声を浴びせ、業務上必要なことを話しに行けば「君とは話さない」と突っぱねるなど、パワーハラスメントそののもの人権侵害を行ってきた。このイジメに対して電通労組は会社に抗議し、謝罪を引き出している。
原告は、「世界一の金持ち企業で人権侵害を許すならば、あらゆる企業に広まってしまう。何としても裁判に勝ちたい」と述べている。多くの支援で、裁判に勝利しよう。次回期日は、四月十五日(木)午後四時三十分から710号法廷で。 (T)
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