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                           かけはし2004.03.01号

イラク派兵を認めない

北海道から平和発信!札幌で反派兵結ぶ全国交流集会

生き生きと広がる各地の運動

 【札幌】二月十四日、札幌市で「北海道から平和発信!イラク派兵を認めない!全国交流集会」が開催され、北海道各地と全国から二百五十人が参加した。折しも北海道では、陸上自衛隊本隊の派遣が開始され、道内すべての師団からの派兵が現実化する中で、全道を結ぶ「ほっかいどうピースネット」が結成され、イラク派兵に反対するネットワークが立ち上げられてきた。また、全国各地においても派兵状況に対応した陣形が追求されてきた。

全道7地域から多数の運動報告

 これらの集約点として、北海道で全国交流会が企画された。花崎皋平さんの主催者あいさつの後、第一部「地域からの平和作り」は「アイヌアートプロジェクト」による〈ウポポ・リムセ(歌と踊り)で始まった。最初に提言として、林炳澤(イム・ピョンテク)さんから派兵を受け入れる日本の社会状況への危機感について提起を受けた。北海道各地の報告アピールに移り、札幌、函館、小樽、帯広、室蘭、(釧路、旭川はアピール代読)から取り組みが報告された。室蘭の富盛さんは、呉から出航する「おおすみ」が横須賀を経由して入港することに対し、陸と海から抗議する行動に参加を訴えた。
 札幌からは山口たかさんが、雪祭りの雪像建設で、十一師団長が派兵反対運動に敵対し、雪像協力をしないと脅す、また、「テロ対策」の名目で会場に監視カメラや金属探知器を設置するなど、まさに「戦時下の統制管理」の先取り状況が現れたことに強く注意を喚起した。
 また「札幌郷土を掘る会」は、強制連行の歴史を認めず北朝鮮への制裁を煽り排外主義テロが横行する状況を厳しく批判した。「地球村」「カトリック青年労働者連盟」「子どもと教科書北海道ネット21」から、各テーマについての提起が行われた。

世界の反グローバリズム運動と現状

 続く第二部「世界とつながる平和づくり」は、金時江さんによる詩の朗読から開始。まず、インドのムンバイで行われた世界社会フォーラムの参加者である、北海道AALAの影山あさ子さん、アジア平和連合の武藤一羊さんから、世界的な反戦運動の結合と、反グローバリズム運動の息吹が報告された。
 影山さんは「お金持ちはだれかの分を盗っているから」と「資源、環境などすべてをお金に換える巨大資本」との闘いを訴え、インドのスラムから見た世界の実感とイラク戦争への注目が最も高かった全体の雰囲気を、生き生きとレポート。武藤さんは、「地核の底から何かが起こっている」と提起。米軍の世界的展開によって世界中同じ状況になっている中で、反軍事基地闘争を世界的文脈に置き直し、日本と世界が響き合う運動の構築を訴えた。
 さらに、「第9条の会オーバー北海道」、劣化ウラン弾使用の犯罪性について「No!!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」の高校生大西さん、学びと実践を模索する「さっぽろ自由学校「遊」の都築さん、戦時ではなく平時にこそ対抗する主体を作ろうとJVCの高橋さんからアピールを受けた。

今後の闘いへ全国から9つの報告

 休憩をはさんで、第三部は「非戦のネットワーク作りを」と題して、全国からの提言報告を受けた。
 最初は派兵チェック編集委員会の天野恵一さん。派兵チェックの事務所へ脅迫電話をかけた右翼まで「復興支援」を言い、マスコミもこぞって支持しCPA軍事占領の本質的枠組みを覆い隠す現状を糾弾した。
 市民意見広告運動の井上澄夫さんは、朝日や北海道新聞などへの意見広告が呼び起こした大きな反響から、「根拠のある希望を語りたい」と。自信を持って今後も頑張ろうと檄。
 ワールド・ピース・ナウの中島浩さんは、四十七団体の力=ワールド・ピース・ナウのユニークさを説明。WSFから発信されたように、国際反戦運動の同時行動が大きな力になると、3・20も東京日比谷への結集を訴えた。
 北九州かわら版の村田久さんは、強制連行されたサハリン残留韓国・朝鮮人戦後補償運動、ブキメラへ公害輸出した三菱化成での運動、上野英信・谷川雁・森崎和江が結成した機関誌『サークル村』の復刊などを紹介した。
 福生市議の遠藤洋一さんは、日常的に米軍物資の輸送を自衛隊が下請けしている状況を指摘。一九四八年生まれの自分の人生と憲法とのかかわりをユーモラスに展開。浜松のNO!AWACSの竹内泰人さんは、カラフルな自作横断幕や歌などで、ユーモアたっぷりに会場をわかせた。
 名古屋・小牧の山本みはぎさんは、道内発言者の女性優位に対し、全国からは男性ばかりということで登場。空自・小牧基地の人間の鎖や連続座り込み、自衛官ホットラインなどについて報告。名古屋の派兵差し止め訴訟の原告募集もアピールした。
 ピースリンク広島・呉・岩国から久野成章さんが報告。「おおすみ」が抗議の嵐の中で出港したことを報告した。「おおすみ」は強襲揚陸艦だが、ヘリ発着可能艦船として空母に近い脅威に注意を喚起した。報道規制により、出航日も室蘭から逆算して突き止めた状況を指弾した。「復興」は枝葉であり、軍事占領という「幹」を見なくてはならないと訴えた。

自衛官の命を9条が守っている

 発言の最後は、非核市民宣言運動ヨコスカの新倉裕史さん。「インド洋に派遣されている自衛官六十人が配置転換―事実上の拒否―を希望し受け入れられており、平和運動が助けられている現状がある。軍隊の中にこそ本気の反戦の気持ちがある。運動の側がもっとやれることをやろう」と訴えた。黄色いハンカチ運動そのものと対峙するより、自衛官や家族の心に踏み込む質をもって「九条があなたたちを守っている」と対話していこうと提起した。
 交流集会の後、全体で大通公園に移動し、全国から参加のピースウォーク。各地のバナーやマイク、横須賀のミュージックテープも登場。タンバリンや太鼓の鳴り物もにぎやかに、夜のススキノを通ってJR札幌駅前へ、最後は道庁前で解散した。
 さらに翌日十五日には、千歳市でのピースアクションとして、山本隆司さんに北海道の基地について聞く集いと、自衛隊宿舎へのビラ入れ行動が行われた。
(樹村)


「日の丸・君が代」強制にNO!
「都教委の暴走を止めよう!」集会とデモ
教員10人への不当処分に抗議

 二月二十一日、石原都政のもとで強権的に学校現場に「日の丸・君が代」を強制しようとする都教委の、憲法違反の暴走に反対する集会とデモが行われた。主催は「日の丸・君が代」強制に反対する市民運動ネットワーク。
 渋谷区勤労福祉会館で開かれた集会には、石原と都教委の暴挙に抗して頑張っている教育労働者や市民、学生など百四十人が集まった。集会では、ジャーナリストの斉藤貴男さんの講演や教育労働者からの訴えを受け、「君が代」斉唱の際に起立しなかったり退場した教員に対する不当処分の撤回と「日の丸・君が代」強制の中止を求める集会アピールを拍手で採択し、人権無視の都教委に対する不服従を呼びかけて渋谷の街をデモ行進した。

大きく広がり始
めた反撃の闘い

 集会では最初に、昨年十月の都教委の通達から周年行事への介入と二月十七日の教員十人に対する不当処分、一月三十日の「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟提訴などの経過についての報告を受け、続いてジャーナリストの斉藤貴男さんが「日の丸・君が代」強制や教育基本法改悪のねらいについて講演した。
 斉藤さんは今日の「教育改革」のねらいが、新自由主義グローバリゼーションの進行のなかで、命令する一部のエリートを除く実直に働くだけの労働力、命令のまま戦地に赴く兵力を育てる「国民学校」作りにほかならないことを強調した。そして「多国籍企業の利益のために奴隷のように生きる社会がいやなら、闘うしかない」と訴えた。
 集会ではこのほか、「国旗・国歌法」制定前の九九年に「君が代」ピアノ伴奏を拒否して不当処分を受けた教員、「日の丸・君が代」強制に反対する意思表示の会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、つぶせ!派兵国家の昭和天皇記念館春季実行委員会などからアピールを受けた。
 このなかで「日の丸・君が代強制反対予防訴訟を進める会」からは、原告二百二十八人で提訴したが参加者が続々増え、三百人を超えると予想しているとの報告があった。弁護団も三十五人という大規模なものとなっている。
 最後に当面の行動提起が行われ、渋谷の街へデモに出発、「『日の丸・君が代』を強制するな!」とアピールした。     (I)

 解説
「日の丸・君が代」強制に反撃する予防訴訟

 極右知事石原が率いる東京都教育委員会は、「東京は事実上、教育基本法を改定した」「東京から国を変える」と呼号し、教育現場に暴力的に「日の丸・君が代」を強制する施策を押し進めてきた。昨年十月二十三日には「日の丸」の掲揚場所や教員の「君が代」の歌い方まで細かく指示した通達「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について」を出した。通達は、「校長の職務命令に従わない場合は服務上の責任を問われる」として、処分で教員を脅迫している。
 その直後から、創立記念日など都内各校の周年行事に多数の都教委職員を派遣して監視するという異常な事態が始まった。都教委職員は教員席にまで入り込み、教員の座席配置表を見ながら教頭などと「起立しなかったかどうか」を点検し、「君が代」斉唱の際に起立しなかったと認めた教師を呼び出して問いただしたりした。
 都教委は、フロアで卒業生と在校生が向かい合う形式で行われてきた対面式の卒業式を否定し、介助の必要な車椅子などの養護学校生徒にも壇上での卒業証書授与や「君が代」の際に起立や正座をさせようとするという、驚くべき強権的な態度を貫いた。
 そして集会直前の二月十七日、東京都教育庁は都立高校教員八人と都立養護学校教員二人に対して、「日の丸」に向かって起立し「君が代」を斉唱せよという校長の職務命令に従わなかったとして、不当な「戒告処分」を出したのである。「三回やれば免職だ」と言われた者もいる。ただ座っているだけ、静かに退場するだけの、極めてささやかな「異端」も許さず、教育現場から「思想・信条の自由」「表現の自由」を一掃しようとしているのだ。
 このような都教委の暴走に対して一月三十日、都立学校教員二百二十八人が都と都教委を相手取り、式典での「君が代」斉唱の際に教員に起立・斉唱・ピアノ伴奏する義務がないことの確認を求めるとともに、通達により精神的苦痛を被ったとして原告一人当たり三万円の慰謝料の支払いを求める「予防訴訟」を起こしている。     (I)


戦争国家の踏み絵は踏ませない!
横浜で「日の丸・君が代」と対決して集会とデモ

 【神奈川】「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会の呼びかけで「日の丸・君が代」強制反対2・14デモと集会が約百人の参加者をえて行われた。
 二〇〇〇年二月の横浜駅前、桜木町駅前で右翼団体の執拗な妨害と神奈川県警の警備の混乱のために、デモの中止に追い込まれてから四年、この日も桜木町界隈でのデモ行進を貫徹し、伊勢佐木町モールを三線の音にのって歌ったりしながら、アピールを行った。右翼の妨害についてはデモ進行路に平行して街宣車が二台姿をあらわしたが、団体員の突撃などはなかった。
 集会は開港記念館で行われ、まず神高組の富山さんが、各校で卒業式が準備される中、県教委による巧妙な掲揚、斉唱押しつけについて現状を報告。横須賀市では愛国心評価の通知表が使用されているなどの現状も報告された。
 そして、弁護士の和久田修さんが講演。東京都で都議土屋などにキャンペーンを張られて「指導力不足」教員とのレッテルを貼られ、「処分」を受けている東京都の増田さん、根津さんの弁護などを引き受けている。その経過報告とともに、「教育委員会はもともと、戦争時の反省を踏まえて国の教育への介入を許さないために設立された機関であるのでその意義を見直していこう」「増田さんの誹謗を行っている書籍刊行に際して、明らかになった都教委の機密漏洩を追及していこう」と訴えた。
 その上で根津さんを処分に追い込む過程で、教員だけでなく父母までもが動員されて生徒同士の関係が解体されていく様子が生々しく報告され、「まず大人が変わっていかなければならない、という点にこそ子どもに対する希望が見出せるのであり、学校現場での闘争の意義がある」と締めくくった。
 アピールは都教委に対する予防訴訟の原告団、昭和天皇記念館阻止団、「日の丸・君が代」強制反対意思表示の会、「日の丸・君が代」強制に反対する市民ネットワークなどから行われた。ファイト・神奈川の木元さんからは、横須賀港から十六日の午後に出港する海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」に対して、平和船団も抗議活動を行うというアピールがあり、出港日には右翼側も二艘の激励船を出すということが明らかにされた。
 街宣右翼も含め、日本の戦争国家化を扇動する勢力にとって、関心は学校現場でいかに旗と歌を押し付けるかということから、実際に国外へ一歩を踏み出した日本の軍隊に旗をどう振らせるかということに移り始めてきている。
 「むらさめ」は現在、同基地を出港したあと、十八日に室蘭港に到着、輸送艦とともに二十日にクウェートへ向かい、車両などの物資を陸上自衛隊に届けることになっている。
 集会は学校現場で教育の本旨を外れて侵略の血にまみれた旗と歌を子どもたちが押しつけられることを断固拒否し、実際にその第一波を送り出しているなか、学校だけでなく、至る所で「日の丸・君が代」の踏み絵を踏ませようという状況に抗していくことを確認して終了した。   (海)



「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪集会
教育現場で強まる弾圧を打ち破ろう

 【大阪】二月十一日、「建国記念の日」、「日の丸・君が代」強制や自衛隊のイラク派兵に反対する集会が大阪市北区民センターで開かれた。この「2・11『建国記念の日』反対!、許すな!自衛隊イラク派兵、教育基本法改悪反対!『日の丸・君が代』強制反対ホットライン2004大阪集会」には、百五十人以上が参加者した。主催したのは、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン・大阪で、ホットライン主催の二・一一集会としては五回目となる。
 「日の丸・君が代」強制反対ホットライン・大阪は、「国旗・国歌法」が国会で制定された翌春の二〇〇〇年に発足(注1)し、「日の丸・君が代」強制による思想・良心の自由への侵害行為に対して、電話相談や教育委員会・校長らへの申し入れ行動、二・一一集会やホットライン報告集会の開催などに取り組んできた。今年の二・一一集会は、自衛隊のイラク派兵部隊が「日の丸」の小旗で送り出されるという緊迫した状況の中で開かれることになった。

新たな「国体の本
義」作りを許すな

 集会は、ホットライン事務局の伊賀さんの司会で始められ、冒頭にホットライン呼びかけ人の井上二郎さん(弁護士)が主催者を代表してあいさつした。その中で、井上さんは「最近の憲法論議では論憲とか、創憲とか、加憲とか言われているが、私は減憲を主張したい。減らしたいのは天皇条項だ」と述べ、さらに「『思想・良心の自由』は民主主義の根幹をなしている。これを守るために、間近になった卒・入学式で闘っていこう」と訴えた。
 続いて、黒田伊彦さん(「日の丸・君が代」に反対する関西ネットワーク代表)が演壇に立ち、「『建国神話と現代の天皇制』批判〜『八紘一宇』の聖戦思想の到来を許すな」と題して問題提起を行った。黒田さんは、「建国記念の日」がいかにいいかげんな根拠で制定されたのか述べるとともに、現在の天皇制が「癒し」と「和」を前面に押し出すことで支持を得ようとしていることを指摘した。そして、新たな「国体の本義」作りを拒否していこうと訴えた。
 集会のメイン企画である川田えつこさんの講演は、参加者に大きな勇気を与えてくれる内容だった。川田さんは、製薬会社、医療専門家や厚生省官僚に対して、非加熱血液製剤によるHIV感染の責任を追求してきた経験を語りながら、同じ構造が今日の自衛隊イラク派兵にもあることを指摘した。
 さらに、自衛隊員の家族が「家族は言えないので、ぜひ反対の声を上げ続けて欲しい」と話した例を紹介して、「薬害AIDSのときも『今からでも止めよう』『感染拡大を食い止めよう』という考えがなかった。『どうせ感染させてしまったのだから仕方ない』として危険な非加熱製剤が使い続けられた。イラク派兵が危険であるにもかかわらず、そのことをみんなが知っているにもかかわらず、止めることができないのは私たちの責任だ」と訴えた。

各地・各校での攻
撃と反撃の闘い

 休憩の後、大阪各地からの報告に移り、枚方、高槻、吹田、大阪市内での取り組みや人事委員会闘争の報告が行われた。枚方の福山さん(スミ塗り裁判をすすめる会)は、枚方市教委が「君が代斉唱」時に不起立を貫いた教員の思想調査を行ったことに対して、裁判で闘っていることを報告した。また、「日の丸・君が代」に反対したことで、一年で強制配転させられたり、教員に対する評価システムでDランクをつけられ「不適格教員」とされている事実を明らかにした。
 高槻市民ネットワークの黒瀬さん、押しつけないで「日の丸」「君が代」吹田市民の会の武井さんがそれぞれ地域でのとりくみを紹介した後、東淀川「教育と人権・平和・環境」を考える会の藤井さんが、昨年十一月の大阪市立柴島中学校の新校舎竣工式で床田大阪市議が「教育勅語」を暗唱し、さらに生徒たちを戦場に駆り立てるような発言を行った問題に対する取り組みを報告した。不当な「君が代」処分に対して人事委員会で闘っている中野さんは、人事委員会での審理状況とともに、大阪府教委との交渉内容について発言した。
 そして、ホットライン事務局の井前さんが、「東京の養護学校では、立つことができない子どもたちを介助をつけてでも壇上に上がらせて、卒業証書を受け取らせようとしている。また、『君が代』の時だけでも無理に子どもを立たせようとしている」などの全国的な「日の丸・君が代」強制の実態を報告した。
 その中には、福岡の県立高校における教員に従業時のスーツ・ネクタイ・革靴着用義務づけなど、「日の丸・君が代」強制と教員への管理強化がセットになっていることも明らかにされた。発言の最後に、靖国アジア訴訟団の菱木さん、しない・させない戦争協力関西ネットの和田さんがそれぞれ、二月二七日の靖国大阪訴訟の判決、三月二十日のイラク反戦行動への結集を訴えた。

2月から4月まで
ホットライン開設

 集会の最後にはホットライン事務局から、電話・ファックスによる相談日が紹介され(注2)、ポスター・リーフレット配布の協力要請があった。このリーフレットは、卒・入学式に向けて校門などで配布できるように作成されたもので、一万枚用意されており希望者は電話・ファックスで申し込んで欲しいとのことである。
 集会終了後、参加者は宣伝カーと横断幕を先頭に梅田までデモ行進した。デモの途中では、「なんだろう?卒業式バージョン」の替え歌も登場し、元気よく「日の丸・君が代強制反対!」「自衛隊のイラク派兵反対!」を訴えた。(O)

(注1)「日の丸・君が代」強制反対ホットライン・大阪呼びかけ人池田直樹(弁護士・アドボカシー法律事務所)、井上二郎(弁護士)、上原康夫(弁護士)、岡村達雄(関西大学教授)、空野佳弘(弁護士)、武村二三夫(弁護士)、菱木政晴(真宗大谷派・反靖国全国連絡会事務局長)、松浦悟郎(カトリック司教)(敬称略)
(注2)電話相談設置期間:2月2日(月)〜4月12日(月)相談員常駐期間:以下の日の午後6時から8時まで2月24日(火)、25日(水)、26日(木)、27日(金)、3月10日(水)、11日(木)、12日(金)、18日(木)、19日(金)、4月5日(月)、6日(火)、7日(水)、8日(木)
 それ以外の期間は、ファックスでの相談に応じています。また、弁護士をまじえた相談会も予定しています。電話06―4793―1313 FAX:06―4793―1314


イラク派兵と「靖国」問う反「紀元節」集会

天皇主義右翼の挑発をはねのけて

 二月十一日、東京・渋谷勤労福祉会館で「イラク派兵と靖国を問う 2・11反『紀元節』集会」が行われ、百三十六人が参加者した。集会は、ねばり強く反天皇制やイラク反戦運動に取り組んできた仲間、団体によって構成する「紀元節」・靖国参拝・「みどりの日」に反対する連続行動実行委員会(準)の主催で行われた。実行委はこの日の闘いをスタートに、自衛隊イラク派兵反対とともに憲法改悪・天皇制強化を許さず、四月二十九日の昭和天皇誕生日「みどりの日」に抗議していく闘いを展開していこうとする。
 集会は、実行委の池田五律さんの基調提起から始まった。池田さんは、@小泉首相靖国参拝と慰霊追悼問題A二・一一「紀元節」と右派動向B「昭和」との対決C「日の丸・君が代」強制と教育基本法「改正」に反対D天皇、皇后の沖縄訪問の抗議と「皇室外交」反対E天皇制と戦争、改憲反対闘争││などについて提起し、「長期化するアメリカのイラク占領と、戦後最大規模となる日本の自衛隊イラク派兵という時代状況の中、靖国と日本の戦争、日本の戦争責任、憲法改悪の問題をともにつくりあげよう」とアピールした。
 次に問題提起のコーナーに移った。南守夫さん(愛知教育大教員)は、「近代欧米戦没者追悼史と靖国問題│国立追悼施設問題をめぐって│」というテーマで問題提起した。南さんは、ドイツの国立戦争犠牲者追悼所「ノイエ・バァッヘ」の歴史的変遷と意味、小泉政権による国立追悼施設の取り組みに対する靖国神社支持派による批判や反対運動について紹介しながら、「靖国神社的な国粋主義的排外主義の戦争観を否定し、反戦・平和主義の立場を明確にした国立追悼施設の建設は、そのための一つの必要なステップとなるだろう。靖国神社的な追悼のあり方を否定する国立追悼所の建設は、中国を始めとしたアジア諸国等との真の信頼関係を形成するためにも貢献するだろう」という立場を提起した。
 南さんは、実行委の派兵国家化の動きを背景とした新追悼施設反対の立場への異論と「国家による追悼」の是非について見解を述べながら、「国立戦没者追悼施設に関するアンケート」の協力を要請した。
 森一敏さん(変えよう〈金沢〉ネットワーク)は、「二〇〇〇年八月四日、金沢市の護国神社境内に反共右翼らが中心となった実行委によって『大東亜聖戦大碑』を建立した。この建立に関する石川県行政の関与などが次々と明らかになる中で、反戦運動を取り組む仲間たちによって『大東亜聖戦大碑』の撤去を求め、戦争の美化を許さない会の取り組みが始まった」と報告した。
 さらに、自衛隊イラク派兵下で、「靖国が、全国の護国神社が、そして、石川の『大東亜聖戦大碑』がまたしても権力者たちの犯罪を隠蔽する装置となろうとしている。撤去の闘いは、全国の反戦反天皇制運動とつながり勝利していきたい」とアピールした。
 続いて連帯アピール発言i入り、命どぅ宝ネットワーク、自衛隊はイラクへ行くな!殺すな!殺されるな!│即時撤退を求める2・15と3・13行動実行委、「日の丸・君が代」反対を取り組む各団体などから報告と闘う決意を表明した。集会後、デモが行われ、渋谷一帯に向けて「自衛隊イラク派兵反対!紀元節反対!天皇制の強化を許さないぞ!」とシュプレヒコールを繰り返していった。
 天皇主義右翼団体などが中心に参加している建国を祝う会が明治神宮会館で開かれたが、この「奉祝式典」に小泉が祝電を届けている。なお、この日に集結した天皇主義右翼たちは、任務分担して午後からの反紀元節集会に対して妨害挑発行動を行った。渋谷勤福周辺には、日本青年社、大吼社、菊守青年同盟のバスが徘徊し、天皇制讃美と排外主義宣伝を行った。デモ隊列に対しても突撃を繰り返してきた。
 小泉政権の自衛隊イラク派兵を許さず、戦争讃美運動に抗議していかなければならない。派兵下における反天皇制闘争の重要性を確認し、強化していこう。(Y)


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