| 強制収用阻止へ石川県政を追いつめよう かけはし2004.02.23号 |
全県・全国の力で闘う方針を確認
【静岡】二月八日、静岡市で「空港はいらない県民の会」第九回総会が開催され、例年を上回る百人余の会員が参加し、一年間の活動の総括と向こう一年間の活動方針などについて討議が行われた。
今年から来年にかけて、県が「強制収用」方針を撤回しない限り石川県政との全面的な激突が避けられない文字どおりの「天王山」ともいえる局面に差しかかり、張りつめた雰囲気の中で総会は行われた。
石川知事は公開討論に応じよ!
開会あいさつに立った吉本建一共同代表は、数日前の静岡県による新聞一面を使った空港宣伝に触れ、ブッシュによるイラク開戦の根拠とされた「大量破壊兵器」存在のウソを引き合いに、バブルの時代のようなバラ色の夢で「県民をたぶらかす大ウソ」をうち破ろうと訴えた。
活動報告・総括提案に立った桜井事務局長は、昨年四月に県が「土地収用手続き開始」方針を明らかにし、八月あるいは十二月に事業認定申請の見通しのもとで、県事業再評価監視委員会にお手盛りの結論を出させ、一気にこう着状態の突破をはかろうとしたが、事業認定を想定した法廷闘争の準備や大看板の設置、大衆集会、二度にわたる国会議員署名と国土交通省交渉の闘いを通じて押し返し、逆に追い込んでいることを確認し、今後の闘いを一層活発に展開しようと提案した。
基調報告に立った島野房巳共同代表は、活動・総括提案を詳細に補足した上で、この間の国土交通省交渉で明らかとなった事業再評価のために、同省が掲げる検討項目のうち「三種空港としての必要性」「航空ネットワークにおける静岡空港の位置づけ」について、その評価基準が再評価期限の三月が迫っているにも未だに明らかにされないこと、このまま推移すれば、再評価そのものの公正さや、透明性を疑わせるものであると指弾した。
したがって国の事業再評価はポーズだけで、国は来年度も惰性的になにがしかの補助金を付け、結局、土地収用に道を開く事業認定に応じる可能性が高いことを指摘し、これと徹底的に闘うことを明らかにした。さらに、この上に立って県民に対する三つの提案として、マスコミ、自治体などの公開討論要請から逃げ回る県知事に石川に対する「公開討論提案」、空港用地を県民にとって真に有益な用途に転用するための県民会議の設置、知事石川をその座から追放する県民運動を提唱した。
国土交通省に対する3つの要求
今年度の活動方針の提案では、第一に国土交通省に対する再度の交渉設定を実現し、その中で県の「利活用」案=絵空事を審議対象から除外させ、その上で航空会社の路線開設計画の有無を明確にさせること、第二に地権者をはじめとする利害関係者の意見聴取の期日、実施方法の確認を迫り、「設置許可要件」を浮き彫りにし、この空港事業が事業認定の対象事業たり得ないことを明確に迫ること。第三に、「話し合い解決を見守る」とする国土交通省に対して、その期限、条件の有無を明確に迫ること、以上三点の回答を国会質問に反映させる取り組みを行うこと。
「強制収用」=事業認定申請を阻止するために、県下自治体と議会に対して「強制収用」の是非を問う取り組みや石川知事に対する公開討論の準備、併行して県下での大量宣伝・大署名活動を通して「立木トラスト」会員の倍増をはかること。また、「強制収用」が一人静岡だけの問題ではなく、全国の運動の関心事であり、これに対しては全国の仲間と結んで阻止する「全国集会」を実現すること。
事業認定申請から「認定」決定に対しては、大原告団と大弁護団を結成し、歴史的訴訟を準備して闘うこと。
石川県政との全面対決と県政改革の新しいプランを獲得するために、とりわけ七月参院選挙では、われわれの主張と闘いを支持する候補を押して闘うこと、二年後の知事選挙を見据えた闘いとしてこの闘いをすすめることが提起された。
質疑・討議では県下各地での活動が紹介された。東部の伊東市伊豆高原で遠方のためなかなか現地や静岡市での行動に参加できないが、地域の人々の空港問題に対する思いを集め、それをまた地域に返していく活動を進めている女性。静岡で毎週金曜日に署名活動を続ける中で若者や若いお母さんたちとの間に着実に広がりを作りだしているオリーブの会の女性たちの取り組み。また、県が言うところの「県民民営空港」に名乗りをあげた静岡銀行など三社の株主総会対策を求める意見など参考や励みになる活動、意見が紹介された。
特別報告を行った松谷清県会議員は、国土交通省の事業再評価委員会を軸に動いている事態(再評価の結論や、審議内容、評価委員会に対する圧力、県議会自民党による空港推進議員連盟の提唱)をどう考えるか、あるいは参院選・知事選への対応について提案した。
来賓として登壇した海野とおる参議院議員は、JALやJASとの話し合いの中で静岡空港は「作ってくれるな」というのが航空会社の本音であること、また自分の参院選に触れて、民主党が政権交代への対応から二議席独占を目指そうとしていること、「空港反対」が支持母体(連合静岡は県政では石川支持)との間で微妙であるが、ともに闘うことを表明した。
4人の地権者が闘う決意を表明
決意表明に立った四人の地権者(桧林、松本、大井、村田四氏)と共有地権者会の今井さん、それぞれから決意が表明されたが、桧林さんは「運動をやっていけるのも皆さんと出会ったからで、今後とも精一杯闘っていきます。平穏な生活を乱す者とは闘っていきます」と述べられたことが印象深かった。
総会の最後に「ゆるぎない県民の意思と全国世論とを結集し、この空港の廃絶を目指して闘いぬく」ことを総会決議して採択した。(M)
当面の行動
b2月中に国交省事業再評価審議
b3月7日(日)桃の花見会(現地・松本宅)現地視察は午前10時〜*静岡からマイクロバス運行します。・出発:7日午前9時静岡駅南口(申し込みは先着29名)・桜井携帯まで:09099494595
b3月10日ころ、国交省交渉予定
b3月末ころ、国交省事業再評価結果
資料
県民の会第9回総会総会決議
昨年四月、静岡県知事石川嘉延は、静岡空港建設の「用地取得」が絶望的となった状況を打開すべく強権発動方針を公表しました。以来、静岡空港間遠は全国的な性格を一段と顕わにするに至りました。
私たちは、空港建設中止・凍結を求める国会議員百五十九名の署名を背景に、国土交通省との交渉を重ねつつ、県当局を追い詰めてきています。一方、国交省がこの三月末にも静岡空港事業再評価の結論を「事業継続=補助金交付」にまとめた場合、静岡県はいつでも「事業認定申請」に踏み出すことが可能になります。
国と県とが省益と既成事実の確保という共通の立場に立って、「用地の強制収用」を仕掛けてくることは間違いありません。
いま、国と地方のいずれもが壊滅的な財政破綻に直面しているとき、血税浪費の、合理性のかけらもないこの公共事業を続けさせることは、静岡県民のみならず、国民の将来を大きく左右することを意味します。もちろん、現代の社会常識からかけ離れた土地収用は許されるべくもありません。まさに天王山のたたかいを目の前にして、空港はいらない静岡県民の会第9回総会は、ゆるぎない県民の意思と全国世論とを結集し、この空港の廃絶を目指してたたかい抜くことをここに宣言します。
右、決議します。
二〇〇四年二月八日 第九回総会参加者一同
話し合うことが罪になる!
「共謀罪」はごめんだ
「冗談も言えない時代にするな!」と市民の集い開く
一月三十日、渋谷区勤労福祉会館で「話し合うことが罪になる!1・30共謀罪に反対する市民の集い」が開かれた。
国連越境犯罪防止
条約と「共謀罪」
二〇〇〇年十二月に国連で、「国連越境犯罪防止条約」が採択された。この条約は、国際的な組織犯罪を防止するという名目で、各国の刑事司法制度を変え、市民の人権を著しく侵害するという極めて危険な内容を持っているため、日弁連などからも強い疑義が出されていたが、政府与党に加え民主党と共産党も賛成し、社民党だけが反対して〇三年の通常国会で条約締結が承認されてしまった。
小泉政権は、この条約批准にもとづく国内法整備のためとして、九九年に盗聴法(通信傍受法)とともに制定された「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の一部改定案として、〇三年の通常国会に「共謀罪」を提案したが、審議に入れないまま廃案になった。小泉政権は今国会への再上程をねらっている。
法案は、長期四年以上の刑を定める犯罪(合計約五百六十)について、犯罪が行われていなくても、犯罪の具体的準備さえ行われていなくても、何らかの「団体」に所属しているものが、これらの「犯罪」について相談し合意しただけで「共謀罪」が成立し、二年以下の懲役に処すというものだ。死刑・無期・十年以上の犯罪の「共謀」は懲役五年以下の刑ということになっている。
この五百六十の犯罪には、窃盗、恐喝、脱税、背任、逮捕監禁、選挙妨害から商標侵害、特許侵害、酒の密造にいたるまで、ほとんどすべての刑法犯罪が含まれる。「越境犯罪防止条約」のための国内法とされながら、「越境」とは何の関係もない通常の犯罪ばかりが並んでいる。また、ここに言う「団体」とは、ヤクザのような「組織犯罪集団」だけでなく、通常の株式会社、労働組合、市民団体やサークルまで含まれる。
この間、労働争議に対する不当な刑事弾圧が強まっているが、たとえば労働組合が徹夜団交で悪質経営者をとっちめようと相談しただけで、「逮捕監禁の共謀」として不当逮捕され、懲役二年ということになりかねない。しかも自首すれば罪を減免するとされており、スパイが自分で挑発し、それをテープで録音し自首するなどのでっち上げも容易になってしまうのだ。
今国会への再上
程を阻止しよう
集会では最初に実行委員会から、第二次大戦直後から今日までの犯罪統計の推移をもとにした解説が行われ、盛んに宣伝されている「治安の危機」が事実ではないと指摘された。
続いて、日弁連組織犯罪立法対策ワーキンググループ事務局長代行の海渡雄一さんが、「共謀罪規定の問題点」と題して報告した。
海渡さんは、日本政府が条約制定過程では共謀罪の制定に反対し、「このような広範な処罰化は国内法の原則とあいいれない」という意見を述べていたこと、また法務省が法制審議会での説明のなかで、「いま国内には『立法事実』(このような処罰規定を必要とする状況)はない」と述べていたことを紹介した。今日の「治安」にとって必要であるとは法務省ですら考えていない悪法が作られようとしているのだ。
海渡さんは、「該当するすべての犯罪について、本当にやる気はないのにちょっと冗談で話したり相談したりし、その相手が録音して密告すればたちまち逮捕。『冗談だったんだ』と言ってもなかなか通らない。だから私は『冗談も言えない共謀罪』と言っている」と述べた。
そして共謀罪新設によって、人々の会話や電話・メールの内容そのものが犯罪とされるようになり、そのために必要だということで警察による盗聴が現在の「盗聴法」の制限を超えて無制限に広げられ、「共犯者の自白」だけでどんどんでっち上げ逮捕することができるような状況が作られる危険性があることを指摘した。
現在国会では、社民党と共産党が反対、民主党は党内の意見がまとまらず未定という状況になっている。参院選を控えて審議日程が限られており、民主党がこの法案を本会議での法案趣旨説明が必要な「対決法案」に指定すれば、今国会での成立は難しいと見られている。
海渡さんは、「弁護士会と主要な法律家団体の反対意見はそろい、市民運動にもかなり広がった。連合と民主党が反対の立場に立てるかどうかが、今後の試金石と言える。審議日程のタイトな今国会を乗り切れば、反対運動をさらに広げる可能性が広がる」と訴えた。
続いて、一橋大学教員の渡辺治さんが、「二〇〇〇年代警察のめざすもの−−緊急治安対策プログラムのねらい」と題して講演した。渡辺さんは、第二次大戦後の混乱時代、高度成長以降の企業社会の安定を基盤とした「日本は世界一安全」という「神話」の確立した時期、そしてグローバル化と新自由主義改革による社会統合の解体の時期をたどり、九〇年代の「警察不祥事」による威信の崩壊を経た今日の状況を詳しく分析した。
そしていま、グローバル戦争のなかで「犯罪の防止」「テロ対策」などを口実に「犯罪に強い社会の実現」をうたって警察主導の治安弾圧体制が作られようとしていることに注意を促した。「共謀罪」もその流れのなかにある。最後に実行委員会から、今国会での成立を阻止するために闘いをさらに強化しようと呼びかけられた。 (I)
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