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                           かけはし2004.02.09号

自衛隊派兵反対! 即時撤退を求める2-3月連続行動を全国で作り出そう

イラクから即時撤退せよ


 一月三十一日未明、野党三党の欠席のまま衆院本会議が自民・公明両党によって強行開催され、自衛隊イラク派兵承認案が承認された。この強行採決に対して、自民党内からもイラク派兵反対を表明していた加藤紘一、古賀誠両元幹事長が採決を前に退席し、亀井静香元政調会長が欠席する、という「大物議員」の公然たる「造反」が起こった。
 二月三日には、一月二十六日の石破防衛庁長官の陸上自衛隊本隊と海上自衛隊に対する「派遣命令」を受けて、旭川駐屯地の施設部隊九十人が陸自本隊派遣の第一陣としてイラクに向かう。一月二十二日に出発した空自本隊はすでにクウェート入りしており、一月二十六日に小牧基地を飛び立ったC130輸送機三機も一月三十日にクウェートに到着した。小泉政権は、今後、二月から三月にかけて陸自本隊を次々にイラクに送り込もうとしている。
 反米勢力による武力攻撃と、大衆的反軍政闘争がますます拡大しているイラクの地に、不法占領を続けるアメリカを中心とする「連合軍」の一部として自衛隊が派兵され、イラクの民衆に銃を向ける事態が、ついに現実のものとなろうとしているのだ。
 自衛隊のイラク派兵期間は十年に及ぶことを政府・防衛庁は想定している。今年末の「防衛計画大綱見直し」では、自衛隊の「主任務」として「海外での国際貢献業務」が位置づけられ、国連PKO活動以外の自衛隊の「恒常的派兵」をも可能にする立法も、すでに構想されている。自衛隊はまさしくグローバル帝国主義の新たな植民地的支配を共同して担う「外征軍」として登場しようとしている。日本帝国主義の支配階級にとっては、自衛隊イラク派兵こそ、そうした長期戦略の成否をかけた突破口なのだ。
 この二月から三月、自衛隊派兵反対の行動を全国各地で、労働者・市民の総力を結集して作り上げていこう。アメリカ帝国主義の「反テロ」戦争戦略の忠実なパートナーとして、いつでもどこでも自衛隊を海外に派兵し、侵略戦争への参加を常態化させようとする小泉政権の歴史を画する攻撃を阻止する時は、まさに今である。
 小泉首相は、一月十九日に衆参両院本会議で行った施政方針演説で、憲法前文の「国際社会において名誉ある地位」を実現する、という文言を引用しつつ、「平和は唱えるだけでは実現できません。国際社会が力を合わせて築き上げるものであります。……日本も行動によって国際社会の一員としての責任を果たさなければなりません」と打ち上げた。
 そして「日本が国際社会の一員として行うべき任務を、多くの自衛官が国民を代表して遂行しています」と強調した。イラクでの自衛隊の活動についても「武力行使は致しません」「戦闘行動が行われていない地域で活動」すると繰り返し、もっぱら「人道復興支援活動」に従事するのだ、と述べた。
 しかし質疑の中で小泉や石破が答えたことは「テロに対する正当防衛は武力行使にはあたらない」という強弁であった。イラク現地での自衛隊の活動に対する厳重な報道規制は、自衛隊の活動が米英軍と一体となった国際法的にも正当化されない軍事占領行為であることを、あらためて確証するものである。
 どのような侵略戦争においても長期にわたる軍事占領には、被占領地域の支配を円滑にするための「治安維持」と一体となった食糧支援・インフラ再建などの「復興」が伴うものである。イラクでは米軍支配下で、電気・水道などの基本的インフラの再建は進んでおらず、「復興」ももっぱらアメリカの大企業の利害に従属したものとなっている。自衛隊の「人道復興支援活動」とは、米英軍の占領支配を補完するためであって、イラク民衆の要求に応える「復興支援」のために自衛隊が赴くわけではない。
 従来の政府見解では「占領行政への参加は憲法で禁止された武力行使に当たる」というものだった。そして暫定占領当局(CPA)は、派兵された自衛隊がCPAの指揮下に入ることを明言している。すなわち、イラク派兵は政府見解に照らしても「武力行使」そのものなのであり、公然たる憲法違反の暴挙なのである。
 ブッシュ米大統領が一月二十日に行った「一般教書演説」は、「9・11」以後の「対テロ戦争」の「成果」を強調するとともに、「フセイン体制のいない世界はより好ましく、より安全な場所になっている」と不法なイラク侵略戦争を居直った。そして「ボイス・オブ・アメリカ」などのアメリカの放送活動をアラビア語やペルシャ語で普及させ、中東をアメリカの支配領域として改めて確保する決意を述べ立てた。
 ブッシュは演説の中で、「アメリカは国民の安全を守るために許可証を求めることなど絶対にない」とごう慢な姿勢で語り、国連や国際法がどうであろうと、アメリカは自国の利益のために「神」の名において「自由と民主主義」をもたらすための戦争を単独ででも行う遂行する決意を確認した。
 しかしブッシュが「一般教書演説」で「イラクの脅威」を証拠だてるために引用した「ケイ報告」の当事者であるCIA特別顧問のデビッド・ケイが、「イラクには大量破壊兵器は存在しなかった」ことを明言してCIA特別顧問を辞任したことは、対イラク開戦の口実がまったくの虚構であったことを最終的に確認するものとなった。昨年二月の国連安保理で「サダム・フセイン政権の大量破壊兵器保有の証拠」なるものを力説したパウエル国務長官も「イラクが大量破壊兵器を保有していたか否かは未解決の問題」と、逃げ口上を述べるに至った。
 千四百人の「大量破壊兵器捜索チーム」を指揮したケイは、一月二十九日米上院軍事委員会の公聴会で証言し、「イラクに生物化学兵器の大量備蓄は存在しない」だけでなく、ごく少量の備蓄が発見される可能性も「極めて低い」と語ったのである。
 ここに至っても、小泉首相や政府首脳は「まだ捜索中であり、発見される可能性がある」と、すでにデタラメが暴露された「大量破壊兵器の脅威」にしがみついている。「サダム・フセインは保有していないという証拠を示さなかった」とか、「ケイも開戦は正しかったと述べている」というのが、彼らの苦しい言い逃れだ。
 昨年十二月九日に閣議決定された自衛隊イラク派兵「基本計画」は、冒頭の「基本方針」で「米国をはじめとする国々は、イラクが国際社会の平和と安全に与えている脅威を取り除くための最後の手段として、イラクに対する武力行使を開始した」と書いている。この「平和と安全に与えている脅威」とは何よりも「大量破壊兵器の保有」ではなかったのか。すなわち自衛隊派兵の「基本計画」を貫く根本認識そのものが誤りなのであり、それに基づくイラク派兵は、その根拠そのものが存在しない、違法・不当な侵略行為なのである。
 一月十六日から二十一日にインドのムンバイで開催された第四回世界社会フォーラムのグローバル反戦総会は、一月十九日の全日をかけた討論によって、三月二十日にイラク占領の中止を求める全世界同日行動を行うことを呼びかけた。この日の行動は、イスラエルによるパレスチナ占領の中止をも求めるものとなる。世界社会フォーラムに参加した社会運動団体も、そのアピールの中で三月二十日の全世界反戦行動を訴えている。世界社会フォーラムに参加した日本と韓国の仲間たちは、一月十八日、フォーラム会場内て日韓共催のイラク派兵反対集会・デモを行うとともに、一月二十一日の反戦デモの中で「3・20」の成功を誓った。
 昨年二月十五日、全世界で千三百万人を街頭に動員した反戦のパワーをふたたび登場させ、イラク、パレスチナの民衆と連帯して「ブッシュの戦争」に抗議し、占領軍の即時撤退を実現させよう。
 とりわけ戦後憲法の下で、初めて戦地に侵略軍を派兵させる日本の労働者・市民の責任はきわめて重大である。二月から三月、北海道をはじめ全国で準備されているイラク派兵反対行動を拡大し、三月二十日への大結集を実現しよう。すでに「ワールド・ピース・ナウ」実行委員会は、三月二十日の日比谷集会を呼びかけている。さらに「ワールド・ピース・ナウ」の枠をも超えた広範な参加をはかる構想も進められている。イラク派兵を止め、自衛隊のイラクからの即時撤退を実現する闘いの上に、小泉政府が今国会で成立を狙っている「国民保護法制」など一連の有事関連法案や、改憲のための「国民投票法案」を阻止しよう! 三・二〇日比谷集会の大結集に向けて、全国各地で創意あふれる行動を!
  (2月3日 平井純一)

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