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                           かけはし2004.02.02号

「さてどうやってイラク派兵と憲法改悪を止めるか」

「運動の質」めぐりシンポジウム


 一月二十三日、東京・文京区民センターで「さてどうやってイラク派兵と憲法改悪を止めるか 1・23 シンポジウム」が、イラクへの自衛隊派遣と憲法改悪に反対し、戦争への非協力を宣言する意見広告運動、戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国Fax通信、市民の意見30の会・東京、の主催で行われ、二百五十人が集まった。
 司会を井上澄夫さん(意見広告運動事務局)が行い、パネリストとして、吉川勇一さん(市民の意見30の会・東京)、ダグラス・ラミスさん(政治学者)、天野恵一(全国Fax通信)の三人が問題提起した。
 最初に、吉川さんは「昨年のイラク反戦運動が日本でも盛り上がったが、新しい質の運動はまだ出来ていないのではないか」と問題提起した(別掲)。次に、ラミスさんは「憲法9条の交戦権放棄だけが守られている。軍隊が人を殺しても罪にならない。殺人がヒーローになる。これが交戦権だ。第二次大戦後、日本は一度も交戦権を行使して、人を殺したことがない。憲法はまだ生きている。自衛隊がイラクで人を殺し、その罪が免除されれば交戦権が発動されたことになる。いま、発動の準備があり、ギリギリの状況だ」と指摘した。そしてどうしたら止められるかについて、ラミスさんは「自衛隊自身に訴えることが一番効果があるのではないか」と提起した。
 天野さんは、「日本国憲法は日の丸が振られる中、大日本帝国憲法の手続きによって昭和天皇が発布した。日本国憲法と大日本帝国憲法は継続している。天皇の戦争責任が問われることがなかったことにより、国民は被害者となりえた。平和主義・人権主義・民主主義は天皇制デモクラシーとして始まった。知識人は、天皇制をたいしたことがないと認識したし、マルクス主義者は、前近代的な歴史的遺物ととらえ、社会が進めばなくなってしまうととらえた」と指摘した。そして、天野さんは「天皇制に反対することは人権・平和・民主主義を育てることであり、反天皇制運動は改憲に反対する人々といっしょにできる」と提起した。
 井上さんは、「今回の意見広告に、たいへんな反響が続いているのは、全国の運動と意見広告が結びついたからだろう。どうすればいいのか。アメリカや日本政府もいままでやったことがないことをやっている。われわれもいままでやったことのないことをやってみよう。今回の意見広告で近所の人々のところをまわって十人から二千円ずつ集めてきた人がいる。マンションからシーツを垂らして、意見を表現した人もいる」と指摘した。                                       (M)


1・23シンポ 吉川勇一さんの発言から
切断された運動経験を若い世代にどうつなげるか


 昨年の運動はデモとは言わず、ピースアクションとか「パレード」と言われた。それは運動の連続性が切れたなかで、新しい運動を作ろうとする意欲の表われではあるが、新しい運動を作れていない。私たちがベ平連を作ってベトナム反戦運動を起こした時、それまでの唯一の被爆国にという被害者意識にもとづく運動から、アメリカのベトナム戦争に加担する日本国家のあり方を問題にした。それまで、国民運動や平和運動としか言わなかったのを「反戦運動」「国家に従わない市民の運動」と表現した。
 日本の加害性を問題にすると若者にソッポを向かれる現状がある。運動に積極的に参加している小林正弥さん(千葉大憲法学)は「自衛隊のイラク派兵によって、国内でも危険性が増している。危険から安全を守ってくれるのが平和憲法だ。これが戦後の本質・原点だ」と提起している。しかし、私は「われわれが世界の安全を危なくしている」と言いたい。
 ある若者グループが出しているパンフは、イラクの女性、アメリカ、韓国は出てくるが、小泉や自衛隊は出てこない。「あなたは安全ですか?」というタイトルでアメリカ政府の政策だけを批判している。これでは、新しい革袋に古い酒が入っているとしか思えない。運動の経験が切れてしまっている。どうしてつなげるか、絶望してはいけない。若い人に期待している。
 朝日新聞にイラク反戦の意見広告を載せたら、事務所の電話は鳴りっぱなしで全国からたいへんな反響があった。「ぜひやらしてもらいたい」「よくやってくれた」「次はいつやるのか」などの意見が寄せられている。この層との結びつきをどうするか、憲法改悪反対へとつなげる必要がある。討論の機会をもっと作り、次の集会とデモに行くというように行動に結びつけていきたい。(発言要旨、文責編集部)



自衛隊イラク派兵中止を!

「国民保護法制」など有事関連法案に反対し市民と国会議員の集会

 一月十九日、通常国会が開会された。この日、衆院第二議員会館で「自衛隊のイラク派兵中止を!『国民保護法制』など有事関連法案反対」市民と国会議員の集会が開かれ、会場に入り切れない三百人が参加した。戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動、平和をつくり出す宗教者ネット、平和を実現するキリスト者ネット、陸海空港湾労組二十団体が主催した。
 主催者を代表して、宗教者ネットの木津博充さん(日本山妙法寺)は「小泉首相は自衛隊派兵を『超大国について行ってなにが悪いのか』と合理化しているが、『心、命、国を殺さないでくれ』ということで、お互いに協力しあって行動すれば、必ず良い芽が出るだろう」と呼びかけた。
 市田忠義共産党書記局長、又市征治社民党幹事長、円より子民主党副代表がそれぞれ「自衛隊イラク派兵を絶対に止めさせよう」と力強く訴えた。
 二十労組の大野則行さん(航空安全会議議長)は、「国際線の機長をしているが、ヒヤヒヤして飛んでいる。アメリカは飛行機に『武装警官をのせろ』と言っているが、武力で安全は守れない」と、アメリカのイラク占領政策が「危険を増していること」を批判した。大野さんは「二〜三月ともに首都東京で大きな動きを作ろう」と呼びかけた。
 新聞労連委員長の明珍美紀さんは「石破防衛庁長官がイラク取材の自粛を要請した。戦前の大本営発表と同じだ」と情報統制を批判した。韓統連国際部長のソン・セイルさん、なだいなださんなどがアピールした。
 市民緊急行動の富山洋子さん(日消連)が3・20に向けた行動を提起した。最後に海員組合の藤丸さんが「ペルシャ湾に、日本の船は毎日百隻入港している。自衛隊のイラク派兵によって、危険が増大している。自衛隊は帰ってもらって、米軍も撤退してほしい」と語り、私たちは運動の接着剤になり、大集会を実現しよう」と訴えた。  (M)



憲法改悪阻止へ!「国民投票法案」に反対し院内集会
5・3憲法集会実行委8団体が共催

 一月二十三日、衆院第二議員会館で「『憲法改正国民投票法案』に反対する院内集会」が開かれた。
 小泉政権が今国会で成立をねらう「憲法改正国民投票法案」は、文字通り憲法改悪の突破口として位置づけられている。この院内集会は、今年五月三日に日比谷野外音楽堂で5・3憲法集会を準備している実行委員会八団体(憲法改悪阻止各界連絡会議、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、女性の憲法年連絡会、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会)が呼びかけたもの。
 会場には百五十人以上の市民運動活動家や社民党、共産党の国会議員が参加し、社民党の土井たか子衆院議員、福島瑞穂参議議員、共産党の小泉親司参院議員、宮本岳志参院議員の国会報告や、出されようとしている法案についての専修大学教員の隅野隆徳さんの講演を受けた。
 参加者からの質問や実行委参加団体からのあいさつを受け、最後に八団体連名のアピール「憲法改悪のための『国民投票法案』に反対します」(別掲)が読み上げられ、全体の拍手で確認された。
 小泉政権はイラク派兵で憲法を踏み破り、九条を改悪して「戦争する国家」に向けて突き進んでいる。すでに小泉は「二〇〇五年までに自民党改憲案を作る」と述べ、「創憲」を叫ぶ民主党は「二〇〇六年まで」に自分たちの改憲案を打ち出そうとしている。
 平和憲法を破壊して「戦争のできる国家体制」を作り出そうとする与野党の国会議員約三百人で作る「憲法調査推進議員連盟」(改憲議連)には民主党の一部も参加しており、今通常国会にも提出されようとしている「憲法改正国民投票法案」は、この改憲議連が二〇〇一年に発表した「憲法改正国民投票法案要綱」がもとになるとされている。
 「国民投票法案」阻止の闘いは、憲法改悪阻止の闘いの前哨戦として極めて重要である。集会では、イラク派兵阻止の闘いとともに「国民投票法案」を作らせないための全力を挙げた行動が呼びかけられた。(I)


憲法改悪のための「国民投票法案」に反対します
5・3集会実行委8団体アピール

 自民党は今度の通常国会に、「憲法改正国民投票法案」と改憲の発議を定める「国会法改正案」を提出しようとしています。この両法案は、憲法九条をはじめとする日本国憲法の改悪にいつでも着手できるようにするためのものであり、私たちは強く反対します。
 自民党は、「憲法が予定している法律をこれまで制定してこなかったのは政治家の怠慢」と言っていますが、国民のなかにいま急いで改憲手続き法を作れという声はありません。法案提出の本当の意図は、小泉内閣が有事法制の制定や自衛隊のイラク派兵、国民の生活と権利の侵害など憲法を踏みにじる政治、とりわけ九条を破壊する政策を進め、さらに本格的に「戦争のできる国」をめざして憲法の改悪に突き進もうとしていることにあります。小泉首相が自民党に「〇五年までに改憲案を作れ」と指示し、先の総選挙で「憲法改正」を公約に掲げた動きと密接に連動していることは明らかです。
 自民党が提出しようとしている法案は、二〇〇一年十一月に憲法調査推進議員連盟(改憲議連)がまとめた「憲法改正国民投票法案」と「国会法改正案」をもとにすると言われています。その「国民投票法案」は、国会による改憲案の発議から六十〜九十日間で国民投票という短期間に限り、複数の条項を変える時も賛否を一括にするか条項ごとにするかを国会の多数決にゆだね、承認に必要な「国民投票の過半数」(憲法九十六条)を「有効投票の過半数」に狭め、改憲案に対する開かれた批判・検討は封じるなど、改憲に有利な条件がいくつも盛り込まれています。
 私たちは、日本国憲法、特に第九条を守り、生かす立場から、憲法改悪手続き法案の国会上程に強く反対します。
二〇〇四年一月二十三
憲法改悪阻止各界連絡会議、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、女性の憲法年連絡会、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会


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