ブレア政権の戦争政策に対して非妥協的に反対し、ついに昨年十月に労働党を除名されたジョージ・ギャロウェー下院議員は、二〇〇四年六月の欧州議会選挙とロンドン市議会選挙をブレアの「ニュー労働党」に反対する左派の広範な選挙リストで闘おうというアピールを行っている。以下は昨年十月二十九日に千五百人を結集してロンドンで開催された集会でギャロウェー上院議員が行った演説の抜粋である。なお昨年八月、ジョージ・ギャロウェーは原水禁の招きで来日し、広島・長崎での集会で報告している。(本紙編集部)
今夜、私は、われわれすべてが、今日の段階では一つの党の党員ではなく、民衆の統一した運動のメンバーになることを望んでいる。その統一した運動とは、異なった諸要素からなる左翼、労働組合員、反戦活動家、ムスリム、そしていわゆる「文明の衝突」に反対する他の宗教信徒を団結させるものである。
その運動は、グローバリゼーションや統制することのできない企業権力の成長に反対する人びと、われわれの基本的サービス、戦略的産業、公益事業、国有財産――かつてわが国に属していたものの、その社会的結果や長期的な経済的コストについて何の考えもないまま売却された――の民営化に反対する人びとを団結させるものである。
個人的生活の基礎のところでわれわれ民衆を分裂させ、民族をおたがいに対立させ、宗教をおたがいに対立させる考え方を、この統一した連合は拒否する。
この連合は、ブッシュ・ブレアの枢軸と、帝国の征服・占領のための終わりなき戦争という彼らの計画に反対する。
この連合は、われわれが経済を運営する唯一の道は、他人を搾取し、環境を破壊して死に至らしめることにもとづいたものであるという考えに反対する。
この運動は、労働党を乗っ取り、それを破滅に追いやり、実際のところ労働党を「反労働党」に変えてしまった連中に対決して、選挙戦の場に登場するだろう。
この連合は、イングランドとウエールズの全体で立候補する。ここロンドンではきたる六月の欧州議会選挙とロンドン市議会選挙に立候補するだろう。これらの選挙は、この国では滅多にないことだが、わが国の民衆の感覚を正しく反映することのできる公正な選挙制度、すなわち比例代表制によって行われる。
われわれは、この二年間に戦争と占領に反対する闘いの中で示したのと同様の決意をもって、この闘いに臨まなければならない。この戦争とイラク占領は、来るべき世代にとって、世界の相貌に大きな傷痕を残した。
私は以前、この犯罪と恐るべき大失敗は、トニー・ブレアの政治的死をもたらすだろうと述べた。私は彼がロープに追い詰められていると信じている。私は、来年(二〇〇四年)には、われわれが彼をノックアウトできると信じている。鐘を鳴らし、闘いに打って出ようではないか。
私は独立した労働党下院議員として残り、他の人びとともにわれわれの運動の声を下院に届け、政府に彼らのウソ、欺瞞、裏切りの責任を取らせようとするだろう。
ロンドンで、バーミンガムで、ブラッドフォードで、ノースウエストで、そして欧州議会選挙で、ブレアとブッシュに対して、銀行家たちに対して、ユーロや欧州憲法に対して闘い、また環境や公共的善をめぐる住民投票に転化するために私の立候補が有益だと思われている所ではどこでも、私は統一リストで立候補する用意をしている。
それは初めから巨大な課題である。そして時間は九カ月しかない。しかし九カ月のうちに大きなことが起こりうる。それを、私のように考える人びと、そして確信を抱いた人びとにとっての希望の再生としようではないか。話しあったり、くだらない喧嘩をしたり、われわれのイデオロギー的核心について瞑想にふけったりする時間は終わった。行動こそが明確に物事を伝える。今こそイギリスで街頭でわれわれの闘いを繰り広げよう。想像力を獲得しよう。この大きな挑戦の中で、すべての民衆の希望を引き出そう。
団結のために、人民の団結のために、わが国のすべての進歩的勢力の団結のために。団結した人民は決して敗北しない。
(英「ソーシャリストレジスタンス」03年冬号)
欧州フォーラム
EU憲法反対!女性とともにもう一つのヨーロッパを
女性の権利のためのヨーロッパ集会アピール
十一月十二日、ボビニーに集まった女性の権利のためのヨーロッパ集会は、女性の権利のためのヨーロッパ集会のアピール「女性とともに、もうひとつのヨーロッパをめざして」を採択した。ここに紹介するのは、この「社会運動の主役たちの集会」のアピールである。
全ヨーロッパからさらには他の大陸からやって来た三千人以上の女性が十一月十二日、ボビニーに結集し、自分たちの生活条件について討論し、闘いと抵抗についての自分たちの経験を交換した。
われわれは、男性優位主義的、性差別主義的、父権制的、差別的ヨーロッパに反対する。われわれはヨーロッパ憲法条約を告発する。
b憲法条約は男女の平等を無視している。憲法条約は同一価値の存在として男女の平等を認めなければならない。
bキリスト教的遺産は前世紀を通じて弱体化してきたのに、憲法条約はこのキリスト教的遺産の導入を目指す攻撃を受け入れている。脅かされているもの、それは、自由の領域、そしてとりわけ選択と離婚と労働の権利の領域に対する女性の既得権全体である。この圧力に屈すれば、父権制の重圧が強められることになろう。
b憲法条約は「競争が自由に展開される市場経済の尊重」にもとづく自由主義的立場をはっきりと刻印している。それは、福祉国家の消滅を意味し、公共サービスを見直すことになる。
b憲法条約はNATOとの緊密な協力のもとで共同防衛政策を発展させると主張している。これはEUをさらによりいっそう軍国主義的政策へと導いていくことだろう。
われわれは以下のものに反対する。
b安全保障上の選択によって人の移動を禁止し、移民、とりわけ女性を罰し、追放し、再び地下へ追いやる政策を展開するシェンゲン協定のヨーロッパ要塞。
b一貫して女性をよりいっそう窮乏化させ、職業上の不平等やパートタイム勤務の押付けや解雇を強化し、女性が取るに足りない存在でないのに、女性の年金や退職金がきわめて不十分なヨーロッパ。
b女性に対して振るわれる暴力と身体の商品化と近代奴隷制に対して沈黙するヨーロッパ。
b全世界で展開されている戦争に加わったり、支持したりしているヨーロッパ。
ヨーロッパ社会フォーラムの開始日の十一月十二日に結集したわれわれ女性は、次のようなもうひとつのヨーロッパが可能であると主張するものである。
b非武装化され、国際紛争を解決する手段としての戦争を拒否する平和のヨーロッパ。
b人権と経済的、社会的諸権利のヨーロッパ。
b公共サービス全体、とりわけその多数が女性によって担われている、対人サービスを発展させるヨーロッパ。
b女性が自らの意見を表明し、意思決定に平等に参加するヨーロッパ。
bその領域内で生活するすべての人々に完全で十分な市民権を認める、人の自由な移動が可能なヨーロッパ。
b費用が補償される自由な妊娠中絶と避妊を通じて、女性が自由に自分の身体を意志のままにできるヨーロッパ。
b性的志向性を尊重するヨーロッパ。
b宗教的原理主義の台頭に反対し、女性の基本的人権の実施と前進を保障する、非宗教的ヨーロッパ。
b副産物としてパートタイムを生み出していくような政策を停止するとともに、雇用の権利とまともな賃金を保障するヨーロッパ。
このヨーロッパを受け入れさせるために、われわれは、「女性と戦争」、「労働、不安定、貧困」、「暴力」、「性と生殖に関する諸権利」、「もうひとつのヨーロッパの主役、移民女性」、「女性と権力:もうひとつのヨーロッパのための分岐点」という6つの分科会で定められた基軸を中心とするキャンペーンを展開するよう提案する。
これらのキャンペーンは、社会的諸権利と平等のヨーロッパに向けて社会運動全体によって展開される闘争の一環としてなされる。
女性の闘争と要求は「特殊な」ものではない。さまにそれとは反対に、それは自由主義的グローバリゼーションに反対する闘いの中心に位置している。
なぜなら、それは女性と男性の全体に関わる問題であるからである。
なぜなら、それは父権制や資本主義の組織の基盤そのものに対する疑問を提示するからである。
欧州フォーラム
社会運動総会のアピール
戦争と新自由主義のEU憲法に反対する
第二回ヨーロッパ社会フォーラムは、十一月十六日にサン・ドニで開催された社会運動総会の閉会時に「社会運動の主役たちの訴え」を発した。以下は、そのアピールである。
われわれは、東から西、北から南に及ぶヨーロッパのすべての地域の社会運動と市民運動を代表してここに集まって来た。フィレンツェとポルトアレグレを受けて、われわれは、ヨーロッパの多くの国々での新自由主義のモデルに反対する一年間の大衆動員――年金改革に反対し、公共サービスを防衛し、農業政策に反対し、女性の諸権利を防衛し、極右勢力や民族差別主義や排外主義ならびに治安政策に反対し、さらにはイラク戦争に反対する大衆動員、そしてとりわけ二〇〇三年二月十五日の反戦デモ――を経て、第二回ヨーロッパ社会フォーラムに再び結集した。われわれは多様で多元的であり、われわれの長所となっているものはまさにこの点なのである。
現在、市民社会の参加のない形で、ヨーロッパ憲法案が作成されつつある。それは、EUの公式ドクトリンとして新自由主義に「合憲的意味」を付与するものである。憲法草案は、競争を共同体法とすべての人間社会の基礎であると認めており、環境と経済との均衡ある開発という目的をまったく考慮に入れていない。それは対外政策に関わる役割と欧州防衛の役割をNATOに対して与えており、これはEUの軍国主義化へとつながっていく。
最後に、この憲法草案は、社会問題を市場優先の欧州建設によって生み出された余計な問題としての地位に留め続けるものであり、実際にはすでに計画されている公共サービスの解体を認めるものである。この憲法草案はわれわれの願望に応えるものではない。
われわれはもうひとつのヨーロッパを目指して闘う。われわれの大衆動員はヨーロッパの希望を体現している。それは、失業も不安定雇用もない、食糧主権を保障して雇用と環境と食品の質を守る農民の農業を備えたヨーロッパであり、各人の自由な移動を許し、そこに住むすべての外国人に居住市民権を認め、亡命権を尊重するヨーロッパであり、男女の真の平等を実行に移し、文化的多様性と民族自決権――民主的方法で自らの将来を決定する権利――を促進するヨーロッパである。
われわれは、戦争を拒否するだけでなく、国際連帯とエコロジーを尊重した持続可能な成長をも促進するヨーロッパのために闘う。われわれは、人類の権利ならびに社会的、経済的、政治的、文化的、エコロジー的権利が競争の権利や利潤の論理や債務による隷属よりも優先されるようにするために闘う。
われわれが、新自由主義と戦争に反対して大衆動員を行うようヨーロッパの民衆にアピールを発するのは、まさに以上のすべての理由のためである。われわれは、イラクを占領している軍隊の撤退を求め、主権をイラク民衆に返還するよう求めて闘う。
われわれは、イスラエルの占領地域からの撤退ならびに壁の建設の中止や破壊行為の中止を求めて闘う。われわれは、公正で持続的な和平のために闘っているイスラエルとパレスチナの運動を支持する。われわれはチェチェンからのロシア占領軍の撤退を求めて闘う。反戦運動による国際的なアピールにわれわれが加わるのは、このためである。
社会的、政治的、経済的、文化的、エコロジー的諸権利、女と男の個人的、集団的な諸権利の承認に基礎を置くひとつのヨーロッパに達するために、われわれは、いたるところでイニシアティブを取ることを決意している。
われわれは、ヨーロッパのすべての民衆を包含し得る大衆動員の過程を一歩、一歩建設していかなければならない。われわれは、社会運動によって組織されるすべての行動に参加する決意である。特に、社会運動が、とりわけヨーロッパの労働組合が支持している、共同行動日に参加するつもりである。すべての社会運動に訴える。この大衆動員の発展力学の頂点を、市民と民衆の権利を保障するもうひとつのヨーロッパを目指す行動日に、すなわちヨーロッパ憲法の批准が予定されている五月九日に、もってくるようにしようではないか、と。
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