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WORLD PEACE NOW            かけはし2004.02.02号

「戦争する国」にするな!

反戦訴え6000人が東京・銀座を行進


 一月二十五日、東京・日比谷野音で「WORLD PEACE NOW 1・25 もう戦争はいらない 私たちは自衛隊のイラク派兵中止を求めます」が行われ、六千人(主催者発表)が参加した。
 集会は、小泉政権による自衛隊イラク派兵の強行に抗議するとともに、自衛隊員とイラクの人々が「殺し、殺される」関係に反対し、派兵「基本計画」、「派遣準備命令」「派遣命令」をただちに撤回することを強く求めるものとして行われた。会場は、派兵に抗議するゼッケン、ノボリとプラカードを掲げている人たち、ブッシュ政権と小泉政権と戦争死神の仮装姿、パフォーマンス衣装の仲間たちなど、創意工夫をこらしてアピールしていこうとする熱気に満ちている。
 集会の前段として反戦プレマイクスピーチを皮切りに、プレコンサートが始まった。「輪」の演奏、二月にイラク訪問を予定し表現者交流を準備している反戦アート集団「桃色ゲリラ」のパフォーマンス、ヤスミン植月さんがアラブ民衆との連帯の思いを込めてカーヌーン演奏を行った。

米英軍も自衛隊も即時撤兵せよ

 富山洋子さん(日本消費者連盟)が主催者あいさつを行った。「憲法違反のイラク派兵法によって航空自衛隊先遣隊と陸自先遣隊を派兵させ、明日、陸自本隊派兵命令を出そうとしています。私たちは、国家の命令によって自衛隊員が殺されたり、殺したりする立場に追い込むことに反対です。イラクの人々は、軍隊を望んでいません。侵略に加担する自衛隊派兵は、イラクの人々を愚弄した行為です。イラクの復興は、イラクの人々の主導によって行うべきです。米英軍などの軍事占領をやめさ、即刻の撤兵を強く求めます」という力強いアピールが発せられた。
 さらに、三月二十日の反戦世界一斉同時アクションに触れて、「インド・ムンバイで世界社会フォーラムが行われた。その中の反戦・平和セッションでは、世界同時行動を取り組もうと確認された。ワールド・ピース・ナウも三月二十日アクションを全国の仲間に呼びかけます」と発言した。

9・11テロ被害者家族から訴え

 続いて、 九・一一テロの被害者家族(約百家族)によって設立されたピースフル・トゥモローズ(平和な明日)のロバート・ダウさんがアピールした。この団体の正式名称は、「平和な明日のための九月十一日家族」(二〇〇二年二月十四日に設立)で、テロリズムに反対し、非暴力を求めてアフガニスタンやイラクを訪問し反戦アピールを続けている。ロバートさんのパートナーは、九・一一テロ当時、第二世界貿易センタービルの九十四階で勤務していた。ロバートさんは一九七〇年から七二年の間、米国海兵隊員だった。
 ロバートさんは、「私たちは、戦争、征服、貧困、テロリズムに反対しています。どんな時にも、どんな事態でも人を殺すことに反対しています。九・一一テロによってパートナーが亡くなり、怒りとともになぜ殺されなければならないのかと何度も考えました。私は信じています。彼女もこのような悲しみを増やす戦争を望んではいなかった。人間の生活に対する終わりのない暴力に対して一緒に闘い立ち上がろう」と訴えた。そして、この団体の名称に使われた故マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を引用しながら米国のイラク戦争を厳しく批判した。

全世界の反戦運動の連帯の力で

 反戦ロックグループTHE NEWSの演奏後、東京・国立市長の上原公子さんが発言し、「自衛隊イラク派兵に抗議して全国二十数カ所で一月十一日一時十一分に一斉に音を出しました。二十日間の準備でしたが、二千人の人々が日比谷公会堂に集まりました」と報告した。また、民間人の戦争協力の可能性が強まっている危険性を明らかにし、「市長という立場から皆さんとともに頑張っていきたい」と決意を表明した。
 坪井主税さん(自衛官と市民をつなぐ人権ホットラインほっかいどう)は、「明日、札幌でピースウォークを行います。創価学会の一部の方は、この状況に耐えきれずイラクに自衛隊を派遣することに反対する署名活動を行いました。さらにイラク派兵が違法行為であるとして政府閣僚を提訴する準備が進められています」と報告した。また、ホットラインや派遣反対署名活動などの取り組みなどを紹介し、「世界的な反戦のネットワークによって、非暴力的な手段によってもう一つの世界を築ける」とアピールした。
 豊田直巳さん(フォトジャーナリスト)は、十二月のイラク・サマワでの取材活動を報告し、「米軍の銃口は、民衆に向けられている。当然、支持されていない。占領軍に加担する形で自衛隊が行けば、住民に反発される。米軍、多国籍軍の即時撤退を求めていこう」と発言した。
 最後に司会から「声を上げる軍人家族の会」共同代表のジェフリー・マッケンジーさんからの連帯メッセージが紹介され、アジア太平洋平和フォーラムによる公明党本部に対する自衛隊イラク派兵反対要請行動(パレード後)への参加が呼びかけられた。集会後、参加者は銀座に向けてパレードに移り、「自衛隊のイラク派兵反対! もう戦争はいらない!」とシュプレヒコールを繰り返していった。       (Y)


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