かけはし重要記事

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許さない!住民の頭上40mをジェット機が飛ぶなんて   かけはし2002.4.1号より

暫定滑走路供用開始STOP!

人権破壊・農業破壊に抗し東峰現地デモ

 三月二十一日、三里塚・東峰出荷場で「許さない! 住民の頭上四〇mをジェット機が飛ぶなんて! 東峰現地デモ」が三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会の主催で行われ、百三十人が参加した。
 政府・空港公団は、暫定滑走路供用(四月十八日)に向けたジェット機テスト飛行を日本航空B七六七型機、全日空A三二〇型機を使って四月二日に強行しようとしている。公団は、空港推進派から「実際に暫定滑走路で使うジェット機で騒音テスト飛行を行ってほしい」という要望に答える態度を表向きとりながら、東峰住民に対する追い出し攻撃の一環として暫定滑走路飛行コースにジェット機を飛ばし、百デシベル以上の騒音を叩きつけようとしているのが本当のねらいだ。人権侵害・生活・環境破壊のテスト飛行と暫定滑走路供用を中止せよ。この日の集会で三里塚芝山連合空港反対同盟は、「四・一八暫定滑走路供用開始を断じて許すな! 東峰現地に結集し共に闘おう!」という全国アピールを明らかにした(別掲参照)。反対同盟、東峰住民の闘う決意に応え四・一八に結集しよう。
 集会は、連絡会議の高橋千代司さんの司会で始まった。高橋さんは、「今日は凄い風が吹いています。三里塚名物の赤っ風です。自然の力です。しかし、四月十八日供用開始がされてしまったら、空からジェットブラストが吹きつけ住民の生活、農業、自然を破壊する。絶対に供用開始を許してはならないという気持を込めて、今日の闘いを最後まで頑張ろう」と訴えた。
 次に反対同盟世話人の石井武さんは、十七〜十八日連続で供用反対闘争を闘いぬく決意を表明した(要旨別掲)。
 東峰らっきょう工場の平野靖識さんは、「シンポジウムで政府は、話し合いでやっていくと約束したが、供用開始を強行しようとしている。東峰の人達は民主主義のために尽した功労者だ。だが一歩外に出ると非国民みたいに言われる。私たちはそのような風圧に耐えて、ここで反対を続けていきたい」と発言した。
 三里塚闘争現地支援連絡会議の山崎宏さんは、「石井武さんから、デモをやるなら開拓道路まで行って暫定滑走路に肉薄したらどうかという提起がありました。今日のデモは、東峰十字路、開拓道路、東峰地区というコースでやります。公団は四月二日にテスト飛行をやると言っているが、これも東峰住民に対する攻撃だ。許してはならない」と述べ、さらに十七日〜十八日の行動提起を行った。

 デモに移り、暫定滑走路南側にある開拓組合道路に到着。山崎さんは、暫定滑走路が空港反対派による闘いによってジャンボ機が使えない二千百八十メートル滑走路であることや、誘導路が「への字」に曲がっていて離着陸時において危険であり、さらに島村昭治さん宅の十メートルの立ち木の存在などによって飛行障害が発生することなどについて明らかにし、欠陥空港であることを暴き出した。参加者全体で空港に向けて「暫定滑走路供用阻止!空港廃港!反対同盟、東峰住民と連帯して闘うぞ!」とシュプレヒコールを上げていった。
 デモは東峰に戻り、石井紀子さんが作った「鳥汁」を食べてから出荷場で交流会が行われた。
 石井紀子さんは、東峰の畑、木、草の生命力を紹介しながら空港や公団への批判を行い、四・一八供用に反対して闘う決意を述べた(要旨別掲)。
 釜ケ崎日雇労働組合代表派遣の藤井さんは、三里塚闘争とともに関西空港反対の取り組みを行ってきたことや大失業時代に抗する労働運動を作り出していこうと訴えた。
 東峰団結小屋の岩村嘉尚さんは、空港によって東峰の環境が破壊され続けていることを糾弾し、十七日の一番機飛行と十八日の抗議闘争をともに闘おうとアピールした。
 続いて、関西・東峰団結小屋維持会、「成田空港の暫定滑走路の供用の中止を訴える運動」の林治さん、ATTAC・Japan、田んぼくらぶ、じゃがいも運動、アジア連帯講座、明治大学駿台文学会などから暫定滑走路供用阻止にむけた決意表明が行われた。最後に全体で闘うシュプレヒコールを行い、四月十八日に再会することを誓い合った。       (Y)



石井武さんの発言から

公団と警察の強盗行為許さず供用開始阻止へ闘いぬく


 「供用開始されればジェット機が飛んでしまうが、負けたのかというとそうじゃない。三十六年たっても空港が完成していないように、私たちがいるかぎりこの状態は続く。また、法律を駆使しながら闘いぬくこともやっていけば二千五百メートル平行滑走路はできない。シンポジウムで政府は、住民の同意なくして二期を着工しないと言っていたがこれを反古にし、公団は昨年六月十六日に東峰神社の立ち木を抜き打ち伐採した。あの日だけではなく、ずっと前から強盗をやってきた。これからの運動は、警察官でも強盗をするということを多くの人々に知ってもらうようなことをめざすべきだ。公団は二千五百メートルをねらっているが、私たちと皆さんとの闘いによって止めることができます。
 十七日に地元の商工会議所の人たちを乗せて飛ぶという。しかし空港に反対する者がいるのだということをなんとか知ってもらうために色々と考えています。平日ですが、十七日から来れる人は来てほしい。弁護士さんたちにも十七日と十八日にぜひ来てほしいと言ってあります。最後まで闘いぬきます」。(発言要旨、文責編集部)

石井紀子さんの発言から

草木の生命力に元気づけられながら頑張っていきたい

 「昔にも増して赤っ風がこの間吹き続けています。地球の温暖化と空港のせいかと思います。しかし、飛行機が飛んでも畑があり、鶏舎があるかぎり仕事をしていこうと思っています。出荷場の回りに梅の木、桃の木がありますが、公団がフェンスを張り巡らそうとした時、全部引き抜かれてしまうところだったのです。私たちが植えたものだからと、私たちが埋め直したのです。それがきちんと根づき、花が咲いている。だからどんなに引き抜かれて、ひどいめにあっても根づいていくという生命力に元気づけられています。どういうふうになっても生きていこうと思えば生きていけるんだし、人間も生き物も同じです。命はすごいなと思います。木、草、全部仲間だと思っています。四月十八日には、抗議に向けて色々と考えています。どんなことがあっても野菜は生き続けますから、私たちも頑張って生きていきたい」。 (発言要旨、文責編集部)


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