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フランス                       かけはし2004.01.26号

LCR第15回全国大会─開かれた「100%左翼」へ

資本の支配を終わらせる組織と運動のために

                            フランソワ・デュヴァル

 昨年十月三十日から十一月二日、革命的共産主義者同盟(LCR│第四インターナショナル・フランス支部)の第十五回全国大会が開かれた。フランスのテレビ各局が大会会場にテレビカメラをすえ、主要新聞がこぞって一面でこの大会を報じたことが示すように、LCRは文字通り社共にかわる左翼政治勢力としての位置を獲得しつつある。以下はLCRの政治新聞「ルージュ」(11月9日号)に掲載されたもの。

 大統領選挙から十八カ月後、二〇〇三年春の社会運動から五カ月後、LCR第十五大会を通じて、代議員は前大会以降の組織の活動の総括について討論し、政治・社会情勢の分析に関する討論を深め、とりわけ、来るべき年の路線を定めることができた。
 十月三十日から十一月二日まで、しばしば今大会が初めての大会である代議員や前指導機関のメンバーによる二百回近くの発言が行われた。それは、同盟の活動家の発言と活動と考察の大きな豊かさを立証するものであった。
 LCRによって数年来、発展させられてきた路線を引き続き追求し、深めることを提案する「政治テーゼ」にもとづいて、大きな多数派が生れた。とりわけ二〇〇二年四月二十一日によって例証された政治的、社会的危機の持続とそれ以降発展した抵抗の闘いとともに、革命的左翼、そしてとりわけ、LCRは政治的論争の中で新しい位置を占めるようになったが、他方において体制左翼は、自らと民衆の大きな層との間に作り出された離反を埋めることがほとんどできていない。
 異なるさまざまな「政綱」によって擁護されているさまざまな提案を超えて、各代議員は挑戦課題の大きさ、すなわち、何万にも男女に対して闘争と政治への参加の意欲を再び与えるための急進的なオルタナティブを構築するという課題、を十分に意識していた。社会運動の活動家や新しい世代の闘争や願望に見合った、新しい急進的な反資本主義的党に向けて前進するために、「反資本主義的左翼の結集を」という大会のアピールが表わしているのはまさにこの展望である。
 当然にも、二〇〇四年の選挙に向けてどう進めるべきかが討論の中心であった。「労働者の闘争派」との協定を追求すべきか否か? いかなる政治的条件によってか? 「多元主義元左翼」諸政党に対してどのような態度を取るべきか? 経団連によって後押しされている戦闘的右翼といかに闘うべきか? 極右国民戦線の新たな躍進という脅威に対してLCRの反ファシスト闘争を選挙の面でも変わりなくいかに表現すべきか?
 このように、多くの問題が熱烈な討論の対象になった。さらに、大きな多数派が、地方選挙と欧州議会選挙での共同候補者名簿に達するために「労働者の闘争派」との討論でLCR代表の態度を承認した。こうして、代議員の六九%が、提出された共同政見発表と協定書を承認した。大会が明確にした大きな望みは、二〇〇四年に、有権者の中の民衆的層に、自由主義的右翼と社会自由主義的左翼との間の「論争」の中で、極右国民戦線とは異なるもうひとつのオルタナティブを提供することである。
 大会が最高潮に達したもうひとつの局面は、新しい規約の採択である。旧規約は、一九九〇年代初めに書かれたもので、それ以降小さな修正を受けたのみで、この時期の軌跡を留めていた。今回の新しい規約は、改良主義への順応ではなく、われわれを頼りに思っている人々に「語りかける」言葉で、とりわけわれわれの根本的目的――社会主義社会をめざす革命的闘い、金融資本と株主の独裁に終止符を打つための最大多数の人々の民主主義、反資本主義的でフェミニスト的でエコロジスト的な組織の建設――を改めて定式化し直したのである。それと同時にまた、組織の中で「ともに生活する」決まりを定めたこの文書で、LCRの組織運営のあり方である民主的で開かれた機能をも定式化したのである。
 それぞれの「政綱」(「政綱1」が五七・八%、「政綱2」が一二・七%、「政綱3」二九・五%)の支持票に比例して選ばれた新しい全国指導部(かつての中央委員会)は、今日から規約に明記された原則となった男女の平等を尊重したものとなった。
b前全国指導部多数派が提出した政治テーゼ 賛成二八四票(八一%)、反対一六票、保留四六票、棄権四票。
b大会アピール「反資本主義左翼の結集を」(本紙掲載) 賛成二九二票(八三%)、反対四〇票、保留一五票、棄権三票。
b前全国指導部多数派が提出した「選挙二〇〇四年」 賛成二四九票(七一%)、反対九九票、保留二票、棄権二票。
b「労働者の闘争派」との協定書と共同政見発表案 賛成二四一票(六九%)、反対九九票、保留九票、棄権一票。
bLCRの新規約 賛成二八二票(八五・二%)、反対二四票、保留二五票、棄権二票。
b大会はまた、組織に関する決議を採択し、新全国指導部に、フェミニズム問題、青年の中での活動の問題、LCRの建設と運営の問題、への取組みを委ねた。
 われわれが行っている討論がわれわれの隊列を大きく超えた関心を呼び起こすことを考えて、われわれはLCR大会に出席するよう、フランスと外国の多くの政治組織や労働組合組織や社会運動団体を招待した。実際、多くの団体がこの招待に肯定的な反応を示した。その中にとりわけ次のような団体が含まれていた。
 フランス共産党、オブセルバトワール・デ・ムーブマン・ソシオ(社会運動観測所)、サンパピエ共闘委員会、ア・ゴーシュ・オトルマン(もうひとつの左翼へ)、アルテルナティフ、Speb(下からの社会主義)、Mrap(人種差別主義に反対する団体)、ラ・ル・フロン(国民戦線に反対する闘争協会)、緑の党、労働者の闘争派、イタリア共産主義再建党、イギリスの社会主義労働者党(SWP)、スコットランド社会党(SSP)、ギリシャのDEAとDiktio、スイスの社会主義のための運動(MPS)、オーストラリアの民主社会主義党(DSP)などが出席した。第四インターナショナルのヨーロッパのいくつかの支部もまた出席した。
 さらに、Speb、アルテルナティフ、CNT(フランスのアナーキスト系組合のナショナルセンター)、人権連盟(LDH)、カタロニアのオールターナティブ左翼手帳(CEA)、デンマークの赤と緑の連合(RGA)、コルシカのマンカ・ナジュナルはメッセージを送ってきた。
 全国自治組合連合(UNSA)の書記長は、別の任務のための出席できないと知らせてきた。最後に、アニク・クペはわれわれに、連帯労組連合(SUD系組合の連合)が原則として政治組織のいかなる大会にも参加できないと指摘する一方で、われわれの討論の結論について意見を交換するために大会後に会う用意があると表明した。『ルージュ』(二〇三八号、二〇〇三年一一月九日)


 ここに紹介するのは、LCR第一五回大会の代議員の八三・四%によって採択されたアピールである。大会は、二〇〇三年の十月三十日から十一月二日までパリ地域のラ・ペンヌ・サンドニで開催された。

 われわれはともに、二〇〇三年春、労働者の諸権利を非妥協的に防衛するために闘って来た。われわれはともに、帝国主義の終わりなき戦争に反対して闘って来た。われわれはともに、資本主義のグローバリゼーションに反対し、世界の商品化に反対し、もうひとつのグローバリゼーションが掲げる新しい国際主義をめざして闘ってきた。
 われわれは、民衆と労働者の権利に対する攻撃、とりわけ地球資源の破壊をもたらす不況脱出政策、ヨーロッパやアメリカの大国の覇権を保障するための永続的な戦争状態に対して、フランスでも国際的レベルでも、対決してきた。
 二〇〇二年四月二十一日は、かつてない社会的危機と伝統的諸政党の後退を露呈させた。極右の国民戦線が新たにこの社会的危機を糧に増大したのだが、伝統的政党のそれぞれには、それなりのやり方で新自由主義の攻勢と社会的不安定の増大をもたらした責任がある。革命派が、伝統的左翼政党に対するオルタナティブな回答を与える勢力として登場し始めた。年金改革のフィヨン法に反対する二〇〇三年春の運動は、労働者が利潤の法則に従うのとは別の道を、すなわち最大多数の人々の利益になるような富の分配や社会的必要を満たすことを中心にすえた社会の道を歩めることを示した。
 われわれはともに、社会自由主義的左翼との新しい政府連合や資本主義的な経済や制度の中に組み込まれた一切の展望の中で、われわれの闘いや希望があっさりと放棄されてしまうことを拒否する。右翼勢力と極右国民戦線と経団連に反対する政治的オルタナティブは、大衆動員と民衆の民主的な組織化に支えられた政府、社会の緊急の要請によって構成された綱領を実施する政府しかありえない。
 LCRは、政権に就いた社会自由主義的左翼や右翼によって展開されてきた一切の政策と決別し、そうした左翼に対するオルタナティブを求めているすべての人々に呼びかけ、もちろん闘争と大衆動員を発展させるためだけでなく、根本的に反資本主義的で強固に民主主義的で多元主義的な広範な新しい政治勢力を打ち立てるためにも、そのつもりがあるすべての人々と手を組む用意がある、と表明するものである。
 われわれの観点からする以下のいくつかの点にまとめられる大きな機軸のもとに、ともに行動することが必要であり、そのためには同じひとつの党に結集することが必要であり、緊急の課題となっている。
b帝国主義、戦争、資本主義的グローバリゼーションに反対するするとともに、民主的諸権利を嘲笑するだけでなく、最も不安定な諸条件の中で生活している人々を保安処分のもとにおき続ける暴力の制度化という治安政策に反対すること。
bもうひとつのグローバリゼーションをめざす運動の中に、労働者の社会闘争の中に、経営者と政府に反対する失業者と青年の闘争の中に根を降ろすこと。人類と地球を危機に陥れる生産第一主義的開発方式と闘い、開発と生産に関する選択に対する民主的管理を強く要求する運動の中に、職業生活と個人生活において女性が受けている日常的な差別と暴力に反対する運動の中に根を降ろすこと。
b社会自由主義への服従、少数の有産階級の利益に従う管理という諸機関の政策への屈服、資本主義的ヨーロッパとその条約ならびに憲法案への屈服――を拒否すること。
b資本主義との決別という展望を掲げて、民衆の動員に支えられた労働者政府をめざすこと。この政府は、社会的必要の充足を可能にする根本的な社会変革を約束し、経済が私的なものであることをやめて万人の資産になるようにするための政府である。
 この計画は、労働界のためのオルタナティブを追求しているすべての人々に、二〇〇二年五月に革命派に票を投じた三百万人の有権者に、社会運動や労働組合運動やアソシエーション団体の活動家に、共産党、社会党、エコロジストの有権者や活動家に、伝統的左翼に起源をもつ潮流に、あるいはもうひとつの回答――社会民主主義派がその名誉を傷つけている――を望んでいる地区や地域のグループに、革命派の組織、とりわけ、われわれが来るべき地方選挙と欧州議会選挙で共同の選挙戦を展開するよう提案している「労働者の闘争派」に、訴えかける。
 われわれがこの一年来イニシアティブを取って開催してきたフォーラムの一貫した流れの中で、われわれは、いまから、可能なところでは至る所で、町や県や地域レベルで、反資本主義的左翼のための会議を組織するよう提案する。
 われわれは、これらの会議を、それを望むすべての人、すなわち、広範で多元主義的な結集の展望を明確に示すアピールにもとづいて、資本主義と決別した新しい政治勢力を目指して形成された反資本主義的な個人や団体や潮流、によって共同で組織するよう提案する。討論と行動の会議、それは、共同の政治的回答や資本主義的論理と決別する政策、社会と民主主義のために緊急の政策、を前進させるための支点となり得るだろう。
 最後に、われわれはこれらのイニシアティブを二〇〇四年末の全国的会議に収れんさせるよう提案する。この全国会議は、反資本主義的で、フェミニスト的で、環境保護の立場に立つ、新しい政治勢力、いっさいの抑圧と闘う勢力、への一歩前進とならなければならない。

主要な投票結果
●前全国指導部多数派が提出した政治テーゼ 賛成二八四票(八一%)、反対一六票、保留四六票、棄権四票。
●大会アピール「反資本主義左翼の結集を」(本紙掲載) 賛成二九二票(八三%)、反対四〇票、保留一五票、棄権三票。
●前全国指導部多数派が提出した「選挙二〇〇四年」 賛成二四九票(七一%)、反対九九票、保留二票、棄権二票。
●「労働者の闘争派」との協定書と共同政見発表案 賛成二四一票(六九%)、反対九九票、保留九票、棄権一票。
●LCRの新規約 賛成二八二票(八五・二%)、反対二四票、保留二五票、棄権二票。
●大会はまた、組織に関する決議を採択し、新全国指導部に、フェミニズム問題、青年の中での活動の問題、LCRの建設と運営の問題、への取組みを委ねた。

LCR大会への招待者の顔ぶれ

 われわれが行っている討論がわれわれの隊列を大きく超えた関心を呼び起こすことを考えて、われわれはLCR大会に出席するよう、フランスと外国の多くの政治組織や労働組合組織や社会運動団体を招待した。実際、多くの団体がこの招待に肯定的な反応を示した。その中にとりわけ次のような団体が含まれていた。
 フランス共産党、オブセルバトワール・デ・ムーブマン・ソシオ(社会運動観測所)、サンパピエ共闘委員会、ア・ゴーシュ・オトルマン(もうひとつの左翼へ)、アルテルナティフ、Speb(下からの社会主義)、Mrap(人種差別主義に反対する団体)、ラ・ル・フロン(国民戦線に反対する闘争協会)、緑の党、労働者の闘争派、イタリア共産主義再建党、イギリスの社会主義労働者党(SWP)、スコットランド社会党(SSP)、ギリシャのDEAとDiktio、スイスの社会主義のための運動(MPS)、オーストラリアの民主社会主義党(DSP)など。第四インターナショナルのヨーロッパのいくつかの支部もまた出席した。
 さらに、Speb、アルテルナティフ、CNT(フランスのアナーキスト系組合のナショナルセンター)、人権連盟(LDH)、カタロニアのオールターナティブ左翼手帳(CEA)、デンマークの赤と緑の連合(RGA)、コルシカのマンカ・ナジュナルはメッセージを送ってきた。
 全国自治組合連合(UNSA)の書記長は、別の任務のための出席できないと知らせてきた。最後に、アニク・クペはわれわれに、連帯労組連合(SUD系組合の連合)が原則として政治組織のいかなる大会にも参加できないと指摘する一方で、われわれの討論の結論について意見を交換するために大会後に会う用意があると表明した。


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