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                           かけはし2004.01.19号

イラク派兵に反対する連続行動に全力をあげよう

アクション111全国で1万人が「派兵反対の音」

東京では日比谷公会堂を一杯に

 一月十一日午後一時十一分、「一」がずらりと並ぶこの時、イラク派兵に反対する意志を一分間の音で表現する「111アクション」が行われた。
 この行動は、東京・国立市長の上原公子さん、評論家の佐高信さん、北大教員の山口二郎さんの三人が発起人となり、ジャーナリストの今井一さん、画家の黒田征太郎さん、シンガーソングライターの横井久美子さん、平和を実現するキリスト者ネットの飯島信さん、許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さんなど、百二十三人の平和運動活動家や学者や文化人が呼びかけ人となって取り組まれ、全国二十一カ所で一万人(主催者発表)が、声や楽器などさまざまな音で派兵反対の強い思いをそれぞれに表現した。

市民一人一人の手作りの運動で

 東京・日比谷公会堂の会場には、一階も二階もほぼ一杯の二千人近い人々が集まった。「いま、何かしなければ、ということで始まったこの行動は、市民一人一人の手作りの運動で、政党や労働組合などの団体にはあえて呼びかけませんでした。呼びかけ人も発起人も出演する人も全員、会場費を払って参加しています」。最初に、アクション111実行委員会事務局を代表して今井一さんが経過報告、講談師の神田香織さんが開会宣言を行い、発起人の山口二郎さんと佐高信さんがあいさつした。
 山口さんは、北海道の陸上自衛隊第十一師団長が札幌雪祭りの作業開始に当たって、派兵反対のデモなどが起きて「協力できる環境ではない」と判断すれば雪像作りの作業から撤退すると脅迫する暴言を吐いたことを紹介、「市民の意見表明を自衛隊が抑圧するものだ。軍事優先の社会を造ろうとしている」と糾弾した。
 「小泉という人物は底が浅い。入口に入るとすぐ出口。それだけに危険だ」。こう述べた佐高さんは、あるフォークソング歌手の「命は一つ、人生は一回、だから命を捨てないで」「命にスペアはない、青くなってしりごみなさい、逃げなさい、隠れなさい」という歌詞を読みあげて、「いまこそノーモアブラッドの声を上げよう」と訴えた。
 俳優の米倉斉加年さん、吉永小百合さん、岸恵子さんからの反戦の思いを込めたメッセージが紹介された。
 呼びかけに答えて、集会やデモなどでこの111アクション行動が行われるのは、那覇市、鳥取市、大阪市、京都市、松山市、高松市、徳島市、小樽市、札幌市、呉市、福岡市、北九州市、大分市、東京都板橋区、墨田区、江東区、秋田市、郡山市、いわき市、鶴岡市、兵庫県加古郡、そしてロサンゼルス市。事務局からは、「一時十一分には車椅子で仏壇の鐘をたたきます」という仙台の障害を持つ人からのメールや、高松市でのピースウォークやミニコンサートなどの元気な行動の状況が伝えられた。

会場総立ちになって「派兵反対の音」

 一時十一分、全体が立ち上がって一分間の「音による派兵反対の意思表示」。笛を鳴らす人、太鼓をたたく人、ハーモニカを吹く人、カスタネットを鳴らす人、そして声を出す人。「自衛隊行くな!」「イラクへ行くな!」のコールが繰り返された。
 ♪「同じ空 同じ子ども」「これ以上殺さないで 子どもたちに平和な日々を」「これ以上奪わないで 子どもたちに輝く瞳を」。横井久美子さんのリードで会場が一つになって平和への思いを歌う。
 七人からのリレースピーチの後、ニューヨーク在住の黒田征太郎さんが高田みどりさんのパーカッション演奏にあわせて絵を描く三十分近くのパフォーマンス。最初に、大きな白いキャンバスに緑で「イノチ」と書いた黒田さんは、黄色でたくさんの鳩を描き、そこに次々に赤や黒の絵の具がたたきつけるように重ねられ、手のひらで伸ばされ、白かったキャンバス全体は暗く混沌とした状態になっていく。最後に、たたきつけられた赤の反対側に白い渦が大きくなり、そこに花が描かれて「非戦」の文字が重ねられた。
 発起人の一人である上原公子さんが、「今日は出会いの日です。日本を『戦争する国』にしないために、今日を起点にネットワークをどんどん広げよう」と閉会あいさつ、デモ行進の説明を行った高田健さんは、一月二十五日に日比谷野外音楽堂で開かれるワールド・ピース・ナウの行動をはじめとする行動への参加を呼びかけた。
 集会を終え、発起人を先頭にデモに出発、新橋から銀座、東京駅前を通って常盤橋公園まで、「ここであきらめず、『派兵反対、戦争するな』のうねりを作り出そう」と呼びかけた。(I)


アクション111に連帯

ピース・アクションin呉
海上自衛隊基地前の陸と海で

 【広島】一月十一日、呉海上自衛隊潜水艦基地前で、被爆県・呉からイラクに自衛隊を送らせないためのピース・アクションin呉が百五十人で開催された。よびかけは、ピースリンク広島・呉・岩国と有事立法はイケン(違憲)!広島県市民連絡会のよびかけに賛同した個人七十数人。

「ブッシュ、ブレア、小泉をメシとれ!」

 まず、午後一時十一分、基地前の公園で、音を出して派兵NOの意思表示を示す全国の「ACTION111」に連帯して、一斉音だしをカウントダウンから行った。宮島名産杓子のしゃもじや太鼓、ギター、ジャンべ、チャンゴ、タンバリン、笛、オールなどで賑やかに。そこにブッシュ、ブレア、小泉のお面三人組が現れた。クモの糸係りの青年二人が事前に用意したクモの巣で三悪人生け捕りのパフォーマンス。
 「戦争犯罪人のブッシュ、ブレアをメシとれ!」「憲法違反の小泉首相をメシとれ!」と一段と大きな音がこだました。

陸と海から派兵反対の意思表示

 そして、平和船団のゴムボート十五隻を次々と海上に浮かべた後、午後二時、陸と海の集会が始まった。湯浅さんが海上から「今日は、札幌、浜松、名古屋、大阪、兵庫、愛媛、山口、北九州からの参加者を含めて、目の前の『おおすみ』『くにさき』をイラクに派兵させない取り組みを強化しよう」と開会のあいさつをした。次に、広島の平和公園を出発してきたピースサイクルの面々が公園内に入場してきた。大きな拍手で迎えてから、陸上自衛隊海田基地の官舎でのビラ入れ宣伝行動などの報告を聞き、リレーアピールに入った。
 札幌の七尾寿子さん、今治の阿部悦子県議の海上からのアピールを受けて、シュプレヒコールをしてから、平和船団はFバースに向かった。陸では呉YWCAの人たちのピースアクションダンス、北九州の村田久さん、浜松の竹内康人さん、大阪の和田喜太郎さん、広島の森滝春子さん、横原由紀夫さんのアピールを受けた。
 森滝さんは、イラクに戦前と「戦後」に入った者として、「人道復興支援だとどのように言いくるめても、その欺瞞を私たちは知っている」と派兵の本質が占領支援にほかならないことを訴えた。
 海上のメンバーが「上陸」すると、ピースウォークに出発。呉地方総監部まで反戦歌やコールで楽しく行進した。総監部前では福山市、三原市からの参加者のアピールを受けて、要請書を読み上げて当直官に手渡した。七尾さん、竹内さん、阿部さんも要請をした。竹内さんは「平和公園に行ってきましたが、折鶴を燃やしているのはこの国の政府ではないのか」と訴えた。最後にシュプレヒコールで締めくくった。  (K)



東京の下町からもアクション111
亀戸駅でアピール


 【東京東部】一月十一日正午から、JR亀戸駅北口の歩行者天国で「イラク派兵反対!全国一斉行動に東京下町からつながろう!! 1・11江東アクション」が、東京江東区でイラク反戦運動を行ってきた仲間たちによって行われた。
 アクション111は、イラク派兵に対する全国一斉の同時反対行動の一環として取り組まれた。正午から、亀戸駅前の歩行者天国にのぼりや署名などを用意した。
 中村まさ子江東区議会議員が最初に、「日本政府は『人道復興支援』と『安全確保支援』を名目に、千人規模の自衛隊員をイラクへ派兵しようとしている。イラク派兵は米英の占領政策に加担する行為だ。憲法違反に他ならない自衛隊のイラク派兵に反対しよう」と行動の主旨を述べた。さらに、中村さんは「派遣される自衛隊員の家族の派兵反対の気持ち」を訴える手紙を紹介した。
 すぺいす江東、東京労働安全衛生センター、東水労、清掃労組、江東部落解放研究会、ふれあい江東ユニオンなどの仲間がイラク派兵反対のアピールを行った。一時十一分になると、持ち寄った楽器などを鳴らして反戦の意志を訴えた。(M)



「小牧基地からC130を飛ばすな」の意志を!
名古屋で250人が集会とデモ


 【名古屋】一月十日、陸上自衛隊先遣隊、航空自衛隊本隊に対する派遣命令の出た翌日、小牧基地から今月下旬にもC130がイラクへ向け出発という緊迫した状況の中、自衛隊をイラクに出すな!小泉やめろ!集会が名古屋市栄の矢場公園で開催された。集会、デモには主催者発表で二百五十人が参加した。
 集会の冒頭、主催団体であるピースアクションの共同代表の一人、寺尾さんが発言した。小泉が戦争をできる国家体制へ推進している中で、派兵や改憲の動きに対して、反撃し、市民に戦争を許さないことを訴え、抵抗運動への参加を促し、反対の声を広げていこうと訴えた。
 五十八年間被爆後遺症に苦しんできた男性は、「劣化ウラン弾が大量に使用されたイラクに自衛隊員が派兵されれば、必ず被曝する。被曝して苦しむのは本人だけではない。戦争、憲法改悪を許さない」と発言した。
 十二月二十日から四日間、栄で座り込み行動を行い、イラク派兵の賛否を市民に問う行動をした若者は、派兵反対の意見が八割を超えた中で、思考をそこで止めるのではなく、イラクの人たちに何ができるか考えることが明日につながると、発言した。
 昨年の二月、イラク戦争の始まろうとする中ハンストを行い、戦争反対を訴えた松本牧師は、現在の状況を人の命が選別されている事態と分析し、すべての命を大切にしそれを破壊する人たちに抵抗し、命の選別を許さない。と語った。
 徳山ダム建設に反対する近藤さんは、工事凍結まで闘い続けると発言。十一日に、音を出すことでイラク派兵反対の意思表示をしましょうと提起した。
 社民党の大島さんは、国民保護法制の問題点を指摘し、派兵の既成事実の積み重ねで改憲を許してはいけないと発言した。共産党の堀さんは、空中給油機配備など小牧基地の強化を許してはいけないと訴えた。
 最後に集会アピールを確認した後、十七日に予定されている小牧基地に対する「人間の鎖」への行動提起が行われ、集会参加者は、恒例の栄一帯のデモに出発。「自衛隊はイラクに行くな」「殺すな、殺されるな」の声は、名古屋の繁華街に響き渡った。 (K)



イラク派兵反対!中国ブロック呉集会には3000人
陸と海で派兵反対をアピール

 【広島】一月十二日呉市中央公園で、「自衛隊のイラク派兵反対!1・12中国ブロック呉集会」が中国五県の労働者・市民三千人で開催された。各県大型バスを繰り出しての結集だ。
 開会あいさつ、主催者あいさつのあと、広島平和運動センター議長、連合広島会長、平和フォーラム事務局長・福山真劫さんのあいさつに続いて、非核平和行進呉実行員会の湯浅一郎さんが現地報告をした。
 「今週にも陸自先遣隊が出ようとしている。連動して、海自が呉から室蘭ヘ、そしてイラクに出ようとしている。すでに対テロ特措法で計十三回、のべ五千六百人が派兵されており、もし、今回許せば、同時に二つの作戦を被爆県の呉基地が担うことになる。しかも強襲揚陸艦が行こうとしている。一九四五年三月から七月までの米軍空襲の後、廃墟の中から、憲法第九条と『旧軍港市転換法』という特別法を選択して復興したというのに、いま、連合軍、占領軍の一員として呉から加担している。アラブの『ヒロシマ』への信頼を裏切るような愚かな選択をしようとしている。まだ、時間はある。精一杯各自が努力しよう」。湯浅さんはこのように檄を飛ばした。
 その後、私たちは海上に移動し、七隻の平和船団で長蛇のデモ隊列を迎え、派兵予定の強襲揚陸艦「くにさき」や「おおすみ」の目前で陸と海からアピールをした。次は1・17、全労連系と市民のブロックでの集会だ。       (K)



自衛隊を戦場へ送るな!
2000人が全国集会を開き旭川駐屯地へ派兵反対のデモ


 【札幌】十二月十四日、旭川市において、「もう戦争はいらない!自衛隊を戦場へ送るな! 12・14全国集会」が開催され、二千人の労働者市民がイラク派兵反対を訴えた。
 今回のイラク派兵部隊となる北部方面隊の中でも、第一陣となり主力を担う「第2師団」が司令部を置く陸上自衛隊旭川駐屯地にむけた、初めての大規模な抗議デモが展開された。
 市内で行われた集会では、平和フォーラムをはじめ、民主党横路副代表、社民党山内恵子前衆院議員、市民ネットの佐藤典子札幌市議などのあいさつのあと、「自衛官と市民をつなぐ人権ホットライン」の代表から、自衛官の家族などから寄せられた切実な訴えが紹介された。さっぽろピースアクションからは、北海道全域から部隊が派遣される事態に応えて、全道の自衛隊派兵反対運動を結ぶ「北海道ピースネット」の立ち上げが報告された。
 市内中心部から駐屯地ゲート前までのデモ行進では、「占領軍への参加を許すな」「米英軍はイラクから出て行け」「参戦阻止」「戦争協力を拒否しよう」とシュプレヒコールをあげていった。
 また、この日は同時にゲート前において、「改憲阻止!労働者市民実」などの有志による抗議行動が展開され、ほぼ半日にわたる闘いで、派兵阻止の声を一般隊員にも届けとばかりにたたきつけた。地元の川村シンリツ・エオリパック・アイヌさんや若者有志も現場に合流。旭川駐屯地がアイヌ民族の土地を収奪しながら建設されてきた歴史をふまえれば、侵略戦争への荷担は二重に許し難い。
 北海道からのイラク自衛隊派兵を阻止しよう。(N)


陸上自衛隊北部総監部を「人間の鎖」で包囲
さっぽろピースアクションなど

 【札幌】クリスマスを目前に控えた十二月二十日、さっぽろピースアクションなどによる呼びかけで、札幌の陸上自衛隊北部方面総監部を包囲する、「人間の鎖」行動が取り組まれ、六百人の派兵反対の声が、自衛隊基地を取り囲んだ。
 「人間のくさりで自衛隊をつなぎとめよう」というアピールのもとで、自衛隊員やその家族への「平和のメッセージ」を事前に募集し、当日総監に手渡すというパフォーマンスが、この日のひとつのメイン。
 午後一時過ぎ。ゲート前から左右に向かって、手をつないだり、横断幕やリボンを広げながら、どんどんと「くさり」が長く延びていく。市街地からは離れているが、市内の幹線道路のひとつ石山通りに面した総監部前は車の通りも多く、ドライバーたちは何事かと注目していく。
 参加者がすべて「くさり」で繋がったとき、残念ながら「包囲」は出来なかったが、石山通りに面した基地の表側は、「派兵反対」「自衛隊をイラクへ送らない!」というメッセージで完全に覆い尽くされた。
 ここで、ゲート前にサンタクロースに扮した花崎皋平さんが登場。総監にメッセージを手渡し、派兵中止を求める申し入れを行った。「サンタからのプレゼント」だそうである。
 しばらく悶着の後、制服を着た「しかるべき」自衛隊員が、やや困惑しながらこれに対応。メッセージを総監に手渡すことが確認された。
 今後も連続行動が予定されている。派兵反対の声をさらに高めていこう。(N)


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