もどる

                           かけはし2004.01.19号

厳しい冬を生きぬくぞ!

03-04山谷越年越冬闘争

石原都政の「公園一掃計画」と「飼い殺し飯場」を許さず

 十二月二十八日の昼から年明けの一月五日の早朝まで、今年も山谷越年越冬闘争が都立城北福祉センター改め財団法人城北労働・福祉センター前の路上で行われた。
 今年の越冬では、年々増加する野宿者とともに、上野などから仕事に出ている現役の飯場労働者と出会い、労働者を食い物にする悪質な業者、とりわけ昨年、三人の労働者を殺害しキャンプ場に埋めていたことが発覚した朝日建設で働いたことがある被害労働者と出会い、賃金不払いなどの争議を闘い、そのことの社会化をも含めて、野宿をせざるを得ない労働者が生み出されてくる構造そのものと対決していく闘いの端緒をかちとっていくものとして取り組まれた。さらにこの間、明らかになった東京都の「公園一掃計画」との闘いを打ち出して、九日間を闘い抜いていった。
 石原都知事の鶴の一声で始まったという「公園一掃計画」は、今冬から三年間でブルーシートのテントを一掃すると言う計画で、正式名称は「路上生活者対策事業の拡充(実施案)」。テント生活者は「生活費は賄えているが住宅費の負担は困難」として約二千件の都営住宅や、民間のアパートを都が借り上げ、二年間低額で提供するというもので、上野公園、隅田公園、戸山公園、代々木公園など野宿者の多い公園から実施していくとしている。
 しかし、「生活費は賄えている」というがこの間、山谷争議団・反失実が上野や隅田川で行ったアンケート調査でも月の収入は三万円以下が大多数であり、その中身も空き缶集めや、山谷の高齢者特別就労などで月に一回程度仕事に行けるといったもの。本来なら当然、適用しなければならない生活保護の基準から見てもはるかに低収入であり、民間のアパートなどに移ってこれまでの仕事が続けられるかも疑問である。
 この計画では今冬からの「新規流入」阻止をうたっており、公園からの野宿者排除のための計画であることは明確である。
 東京都は越年時の山谷対策として大井になぎさ寮という宿泊施設を今年も設けたが、昨年よりも受付日を一日減らして二日とし、締めつけを強化してきた。あくまで山谷対策であるという建て前であるため、面接では山谷の地理などの質問が行われ、うまく答えられないと排除される。一日目の面接ではじかれたある仲間は、質問に答えられないと「はいじゃあ、また明日」と言われて返されたと憤慨していた。
 二十八日の昼に突入した越冬では、センター前に次々とカンパ物資や燃料に使うパレット、布団などが運び込まれ、テントが作られ、夕食の準備が行われる。この間、毎週日曜日の炊き出しにお米のカンパを寄せてくれている長野県茅野市社会福祉協議会の人々も応援に訪れ、労働者とともに炊き出しの準備に汗を流した。三里塚からの野菜、横浜・芝浦の各と場労組からの肉のカンパも届く。
 越冬中は朝晩の炊き出し、上野や隅田川、浅草へのパトロールなどの活動とともに、隅田川・なぎさ寮・センター前・上野での餅つきや、水族館劇場の路上芝居「ひぼたんお竜」、センター前での映画上映会などさまざまな企画が行われた。また月一回のペースで続いている隅田川医療相談会も越年期間中の四日に行われた。
 越冬実では上野での手配業者リストを書いた看板を用意してセンター前に設置し、餅つきなどのイベントに帯行したが、この看板の前には常に人垣が出来、労働者からはさまざまな情報が寄せられた。
 朝日建設のほかにも多くの労働者を食い物にする「飼い殺し飯場」の存在が浮かび上がってきた。飯場に一カ月入って出てきた時には七百五十円しかもらえなかったとか、全く賃金をもらっていないといった話がごろごろある。
 「七千円の二千円引き」という契約で、飯場に入ったとする、一日の賃金が七千円で、宿泊費や食事が二千円という意味だが、飯場にいても毎日仕事に行けるとは限らない。「今日は仕事がない」と言われれば収入はなく二千円だけが引かれていくことになる。加えて飯場でたばこやビール、ワンカップなどを買い、後で精算すると法外な金額がついている。このようなやり方で賃金を払わない業者が多数存在している。
 さらに、朝日建設の被害労働者の証言をもとに、越冬中にも若干の調査活動を行ったところ、朝日建設グループは未だにその企業活動をやめてはいないこと、予想外にその規模が大きいこと、なども分かってきた。一月十八日の日雇全協総決起集会の後、午後から朝日建設争議の元請け、中受けとの団体交渉が予定されている。
 多くの人々の山谷・野宿労働者の闘いへの支援を訴えると同時に、新自由主義グローバリゼーションの最も端的なそして過酷な現れとも言えるこの朝日建設問題への注目と支援を呼びかけたい。      (板)


  
新宿連絡会越年越冬闘争

生きられる「屋根と仕事」をかちとる対策の実現めざして

 〇三年十二月二十八日〜〇四年一月四日、新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議は、新宿中央公園を拠点に、「10度目の冬を共に!」というスローガンを掲げ、八日間にわたる越年・越冬闘争を行った。
 二十八日の突入集会には、六百人以上の仲間たちが参加した。連絡会の仲間たちは、「皆で支えあって年を越そうと新宿越年の取り組みは十年前から始まった。この一週間、新宿中央公園ポケットパークは仲間の拠り所であり、緊急時の避難場所でもある。おおいに活用しよう」、「仲間の力を社会に示し、行政の責任をあぶり出し、新たな有効な屋根と仕事に結びつく対策を引き寄せるためにも、この年末年始、俺たち自身の力で仲間の命を守れることを今年も証明していこう」などと次々と元気よくアピールした。さらに医療スタッフ、パトロールスタッフ、炊き出し・食事スタッフなどから決意表明が続いた。
 連絡会は、中央公園ポケットパークに本部テント、緊急医療テント、資材・物資テントを張り、山谷越年越冬闘争を展開している仲間たちとともに、山谷の城北労働・福祉センター前で連日の炊き出しを行い、新宿に運搬した。新宿の分だけで十七釜、約九百食の配布体制を維持した。野宿者運動の成果として、全国各地から食物、衣服などさまざまなカンパが届いた。なかでも長野の仲間たちからは、大量の米、野沢菜漬けが送られた。
 さらに、新宿駅、高田馬場駅などの夜間、深夜パトロールを取り組んだ。緊急医療テントには、医療スタッフが待機し、二十四時間稼働した。三十日と四日の夜には、ボランティアの医師たちによる医療相談会コーナーを開設し、仲間たちの体調を聞きながら、ていねいなアドバイスが行われた。暖冬のせいもあって、テントからの救急入院はゼロだった。仲間の命を団結の力によって守りぬいたのである。
 たとえ暖冬だとはいえ、夜の寒さは厳しい。だけど仲間たちはそんなプレッシャーを蹴飛ばすように、三十一日の夜には音楽と唄の演奏、年末年越しまつり、カラオケ大会、年越しそばと新春乾杯を打ち抜いた。
 四日のまとめ集会では、連絡会の各スタッフから越年越冬闘争をやり抜いたことを確認するアピール。さらに、明日からの対行政福祉行動、医療サービス、就労獲得にむけた取り組みなどの紹介が行われた。
 今後も支援・連帯を行っていこう。     (Y)
 【新宿連絡会の連絡先 物資等カンパ送り先】東京都台東区日本堤一│二五│一一 山谷労働者福祉会館気付 090│3818│3450
 www.tokyohomeless.com 



横浜・寿で30次越冬闘争

地域の力を結集し多くの出会いとさまざまな成果をかちとる

 【神奈川】今年も横浜・寿では第三十次寿越冬闘争が闘われた。十二月二十七日には生活館四階で越冬突入集会を行い、各地区パト団体、医療班、炊き出し担当、聞き取り活動担当から決意表明や、と場労組、県共闘などから支援のエールが送られた。
 今年の越冬は公園内プレハブの収容人員を減らし、同時にドヤ対応を増やすという方式で横浜市は取り組んでいる。それによって自治管理体制は縮小したともいえるのだが、炊き出しのほうは毎日千五百食近くの配食を数え、弁当配りも行われた。炊き出し、医療などは通年で越冬実行委員会を組織し、町内の活動を維持してきた仲間たちがその底力を発揮して今年も乗り切った。
 交流学習会は原発での被曝労働とイラクへの劣化ウラン弾投下、朝日建設虐殺事件の追及など多岐なテーマを扱って、プレハブの仲間と支援の仲間が交流を深めるという成果もあった。また、人民パトロール、炊き出し、清掃などの活動には例年通り、プレハブ宿泊の仲間が積極的に参加し、泊り込みで参加した学生、宿泊所に入所している仲間なども加わり十日間にわたる自治管理を貫徹することができた。
 人民パトロールは横浜駅、関内、寿町内のほか、横浜市内の金沢区、港北区といった訪問活動が始まったばかりの地域を重点的に担当し、毎晩二百〜三百人の仲間と出会った。そのほか神奈川県内では川崎で第十次越冬が行われ、正月中に生活保護申請を受けさせるという成果もかちとられた。藤沢、小田原などでも通年パトロール団体の仲間が路上で年越しをともにする炊き出しなどを行った。
 寿町内では二〇〇三年六月に従来の一時宿泊所から移行する形で、横浜市の自立支援施設「はまかぜ」がスタートした。常勤就労支援を眼目に二百人あまりの定員を有する大施設だが、来次越冬から今次プレハブの定員分をはまかぜの中に吸収してプレハブ越冬に終止符が打たれる可能性もある。
 そこで焦点化されるのは、ドヤでの独居も不可能であり、施設での集団生活にも適応困難と判断された仲間の行方である。越冬闘争自体は行政から「社会生活に適応しない」とらく印を押された仲間とともにある。そして、餅つきなど冬まつりの継続、緊急医療の確保という点からも、路上の仲間が集う場として越冬闘争は発展的に取り組まれる必要がある。
 東京都は十二月、大公園のテント撤去と借り上げアパートへの転居をセットにした施策を明らかにしたが、このように居宅保護と引き換えの追い出しは、神奈川県内でも施策に先行して徐々に増えている。国のホームレス支援法基本方針を受けて各自治体が出してくる実施計画にも公園、道路からの排除ばかりが盛り込まれる可能性が高い。
 自立支援施設、デイサービスの拡充、二種事業宿泊所の増加などによって屋根を確保する仲間が増えたといっても、都市雑業を含めた仕事からの排除、野宿場所からの排除を阻止しないことには仲間たちが地域に安心して定着することはとても覚束ない。そのような事情が見通される上での居宅等保護は単なる追い出しよりも悪質だといえる。
 朝日建設での虐殺事件の追及も始まり、自衛隊のイラク派兵、小泉の靖国参拝など、新年早々、予断を許さない状況の中で、一人の仲間の野たれ死を出さないためのたたかいは新自由主義グローバリゼーションの支配に抵抗するための重要な一翼を担っている。今年、二〇〇四年も野宿生活者を衣食住、仕事から排除しようとする勢力に強烈な反撃を見舞っていこう。 (海)


もどる

Back