七百人がキャンドル手に平和と友情の人文字
九月十七日、日朝首脳会談で北朝鮮金正日体制が日本人を拉致した国家犯罪を認め、国交正常化に向けた日朝ピョンヤン宣言が出されてから一年のこの日、ピース・ナウ・コリア・ジャパンの呼びかけで、ブッシュ政権の戦争政策や金正日政権の核開発に反対して、東京・明治公園に十代から三十代の青年を中心に七百人が集まった。
七百人は一人一人が手にしたキャンドルで、東アジアの十四億人に届くように、英語で「リブ・トゥギャザー」、ハングルで「オッケドンム」(肩を組む親しい友になろう)、漢字で「友」の文字とピースマークを作った。光を落とした公園のなかに「朝鮮半島と東アジアに平和を」という平和へのメッセージがくっきりと浮かび上がった。
この行動は、ピースボート、在日コリアン連合、アジアン・スパーク、日韓市民スクウェア、ウリパラム、チャンス!ポノポノ、〈日本│在日│韓国〉ユースフォーラム・ジャパンが呼びかけ団体となって作られたピース・ナウ・コリア・ジャパンによる「9・17ピース人文字実行委員会」によって主催された。韓国からも、韓国青年連合会や参与連帯平和軍縮センターなどから賛同と連帯のメッセージが届けられた。
東京朝鮮歌舞団、朴保バンド、シンガーソングライターの星野ゆかさんのライブをはさみ、漫画家の石坂啓さん、ルポライターの姜誠さん、翻訳家の池田香代子さん、放送大学教員の高橋和夫さん、東大教員の姜尚中さんが、ブッシュ政権とそれに追随する小泉政権の戦争政策や金正日政権の核開発と拉致への怒りや驚き、日本に広がる排外主義への不安、そして東アジアの人々が本当に肩を組んで何としても平和を作り出したいといういう思いを次々に語った。
午後八時三十分、参加者がそれぞれキャンドルの入った紙コップを手に、受付の際に受け取った番号順に並び、平和への人文字を作った。公園を照らしていた照明が消され、東アジアの人々に向けた「オッケドンム!」「友」とピースマークの人文字が静かに浮かび上がった。
最後はウリパラムのチャンゴ演奏で、「オッケドンム」の言葉どおり、会場全体が一体となって踊り、ともに平和を作り出す思いを共有した。 (I)
日朝ピョンヤン宣言から1年
朝鮮半島の平和と日朝国交正常化めざす集い
九月十七日、東京・文京区民センターで「日朝平壤宣言から一年―朝鮮半島の平和と日朝国交正常化をめざす集い」が実行委主催で行われ、二百人が参加した。集会では、二つのメイン報告のほか、さまざまな運動戦線から貴重な報告を受けた。
まず、主催者を代表して渡辺健樹さん(日韓民衆連帯全国ネット)は「拉致問題以降、北朝鮮バッシングが続いてきた。日朝の国交正常化をもって、両国の課題を解決すべきだ。朝鮮半島を再び戦場にしてはならない。過去の植民地支配を真に清算させよう」と訴えた。
メイン報告として、まずジャーナリストの松尾高志さんが、「朝鮮半島危機」の平和的解決と日朝国交正常化について、以下のように行った。
「朝鮮半島情勢は、六者会談に見られるように関係各国の事情が深く絡まっているので、きわめて複雑だが、情勢の基本には、ブッシュ政権の対テロ戦争がある。昨年の小泉・金正日会談の成立、北朝鮮の核問題、六者会談などの動きも米のアフガン―イラク戦争の圧力が反映された。米政権の「内部対立」はあるが、新しい戦争計画の立案など、戦争の危機は依然として存在している。小泉政権は「対話と圧力」を政策の基本としている。すべての当事者は@戦争をしないA核を持たないB朝鮮半島の自主的平和的統一を尊重すること。それが北東アジアの平和につながる。その上で、日本政府は、戦後補償を実施しなければならない」。
メイン報告の二つ目は、「戦後補償運動と日朝国交正常化」について、「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの西野瑠美子さんが行った。
報告は、板門店での北朝鮮兵士へのインタビューや石原都知事の極右テロ激励発言を糾弾する行動、国連人権委員会などでの軍隊慰安婦の苦闘などを紹介しながらのものとなった。報告の中で西野さんは、昨年のピョンヤン宣言では「経済援助」のために過去の問題がいとも簡単にクリアーされてしまい、戦後補償運動はハシゴを外されてしまった思いがあった。現在、言論をめぐる朝鮮バッシングは草の根的にやられている。拉致問題は許せない。「しかし」ではなくて「だからこそ」過去の問題を解決しなければならない。軍隊慰安婦をはじめ多くの人たちが傷つけられたまま放置されている。日朝国交正常化は、まやかしの謝罪、まやかしの経済協力では必ず破産する――と訴えた。
集会は、「ソウルからピョンヤンまで」と「花」を合唱し、後半の各運動戦線からの発言に入った。
「民族学校差別撤廃をめざす立場から」は、「日本政府のアジア系民族学校への差別の実態が報告された。とりわけ、日本と正式の国交のない朝鮮系、台湾などの学校が大学受験などをめぐって厳しい状況に置かれていて、過去からの植民地問題と深く関係している」と訴えがあった。
「イラク反戦運動に取り組んでいる中から」は、「ともに生きること。それは言葉の上ではなくて、国家との闘いを進めてゆくこと。そのことが私たちと朝鮮半島の人々との関係を変えていける。信頼関係を発展させていける。イラクに自衛隊を派遣させてはならない。米英軍を一日も早く撤退させる。米英への戦争犯罪そして小泉の犯罪を追及しよう」と、9・27集会への参加を訴えた。
「反グローバリゼーションの視点から」は、カンクンWTO会談の失敗は全世界の反グローバリゼーション闘争の勝利だとした上で、ブッシュの戦争政策とグローバリゼーションの経済政策が、一体のものであることが指摘された。
「北朝鮮人道支援に取り組んでいる中から」は、孤児院に粉ミルクを送る運動をしているが、そのほとんどがマンギョンボン号で送られており、マンギョンボ
ン号が人道支援の命綱となっていることが指摘された。その上で「北の独裁政権を支援すべきでないという主張があるが、いま世界的援助がなくなれば、北朝鮮の弱者が危機的な状態になる。拉致問題で主張されている論理は、『日本人は助けるが、朝鮮人は死んでもいい』ということであり、これは人道上の罪を重ねていくことだ」との訴えがあった。
「反天皇制運動の立場から」は、皇室外交や各国首脳の会談などでの、過去の戦争問題などへの天皇の発言が持つ政治的な意味についての指摘があり、「4・29昭和の日」変更に反対する運動への協力を訴えた。
「在日韓国・朝鮮人の立場から」は、日朝が国交正常化にむけて対話してゆくことが、朝鮮バッシングそのものの歯止めになるはずだし、それが日米関係にも連動してゆくはずだ。拉致問題もこうしたなかで解決されるゆくだろうと発言があった。
集会はさらに、「北東アジアに非核・平和の確立を!日朝国交正常化を求める10・9集会」実行委からの連帯のあいさつを受け、また「この日の集会と同時刻に明治公園でキャンドル人文字を実現したピーナスウ・コリア―ジャパンと、沖縄からの連帯のメッセージを受けた。そして、最後に「集会アピール」を確認した。 (R)
第8回東峰神社裁判--
空港公団のごう慢な「和解」案に反対同盟が反論
九月二十二日、千葉地裁で第八回東峰神社裁判が行われ、原告・東峰部落を代表して石井恒司さん、小泉英政さん、萩原進さんが出廷した。
二〇〇一年六月十六日、空港公団は、暫定滑走路供用のために飛行の障害に当たるとして東峰神社の立ち木を抜き打ち伐採した。公団は、「神社の土地の所有権は空港公団にあり、そこにある立ち木も公団の所有物である」という暴論をもって自己正当化した。東峰地区住民は、このような公団の暴挙に対して神社境内地の所有権は東峰地区にあることを認め、伐採した神社林を原状に戻すことなどを求めて裁判を起こした。
被告公団は、原告の主張に対して、神社の土地の所有権や総有関係、入会権の成立を真っ向から否定してきた。とりわけ第六回裁判で公団側弁護団は、入会権に対して「徳川封建体制からの遺制」にすぎないなどと歴史的に立証されてきた法理論を無視した無茶苦茶な主張を展開してきた。
公団の和解案と反対同盟の反論
ところが第七回裁判で公団は、突如、和解提案を行ってきた。和解案は、「一、神社の土地の所有権は公団にあることを認めろ 二、そのうえで神社用地の使用権を認める 三、樹木の再植栽については、相談しながら対応する 四、謝罪公示・慰謝料の支払いは、別途協議する」という内容だ。
これは、従来通り、「自分の土地に生えている木を切って、何が悪いんだ」という傲慢な態度を改めることなく、また、神社の土地は東峰部落住民の総有関係が成立しているにもかかわらず否定し続けたままである。公団は「神社の使用権を認める」などと言っているが、すでに東峰住民たちによって神社を守り、維持し、管理してきた。これだけでも権利関係は成立している。公団は、こういう現状を追認したにすぎないのである。
このような公団の和解案に対して原告は、第八回裁判で「本件の根幹に関わる土地所有権に関して、公団の和解案は到底納得しがたい」「東峰神社の土地は、部落の総有財産である」と厳しく反論していった。
また、原告弁護団は、横堀墓地裁判・千葉地裁判決、入会権法理論などを原告主張を強化するために裁判所に提出した。横堀墓地裁判は、横堀反対同盟の熱田一さん、下山久信さんなどが原告として「墓地所有権の移転登記手続き」を求めた裁判である。判決において「大正末期に横堀部落の入会権として成立した」「墓地は部落の共有財産である」と明記している。この判決は、公団の入会権消滅論に対して有効な反論事実である。公団は、「民法が明治時代に施行されて以来、それ以降、入会権は成立しない」などと主張してきたが、この横堀墓地裁判判決の一九九七年九月の時点で裁判所も認めているではないか。このように公団の論理展開の有効性は、ほとんどないと言える。突如とした和解案の提起も、このような強引な公団の主張に勝ち目がないとするあせりに満ちた現れなのである。
マスコミによる反対派への攻撃
そのあせりの延長において公団は、またしてもマスコミを動員して、東峰部落住民に真っ向から敵対するキャンペーンを開始した。読売新聞は、「公団が22日に和解案提示 不調なら「『北側延伸』も」(9月20日)、「農家、結論先送りか 推進派と消極派、足並み乱れ」(9月21日)などと報道した。公団は、第八回裁判を前にして「和解に応じなければ北側延伸でジャンボジェット機を飛ばすぞ」「東峰部落住民は、足並みが乱れているぞ」などと、でっち上げ、原告住民に対する悪質ないやがらせ、分断策動を行ってきた。このような公団・読売新聞が一体となった東峰神社裁判闘争への敵対を許さない。
なお裁判所は、次回公判日を決めず、「進行協議」を設定した。公団和解案に対して今回の裁判で原告は和解条件を提出した。原告和解条件に対して被告・公団の対応が、この協議で検討される。いずれにしても公団の態度が全く変わらないと予測することができる。東峰神社裁判の勝利に向けて、さらなる全国的な支援を行っていこう。(Y)
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