もどる

                          かけはし2003.9.22号より

パレスチナ人を殺すな!

入植地を撤去し占領地から即時撤退せよ

アラファト追放決定を糾弾しイスラエル大使館に抗議
侵略戦争と暗殺を許さない!


 九月十五日午後二時、東京・一番町のイスラエル大使館に向けて「パレスチナ人を殺すな! アラファトを追放するな! 九・一五緊急行動」が行われた。呼びかけはパレスチナ解放運動連帯や中東問題にかかわってきた有志。
 この日の行動は、九月十一日のイスラエル・シャロン政権の治安閣議がパレスチナ自治政府のアラファト議長を「和平への障害」として排除・追放する決定を下したことに抗議し、緊急に設定されたもの。イスラエルのオルメルト副首相は、この「追放決定」に関して「アラファト議長の殺害も選択肢」と述べ、その無法ぶりを暴露した。
 イラク軍事占領の破綻と軌を一にして、パレスチナ「ロードマップ」構想の崩壊も明らかになってきた。とりわけイスラエル軍によるハマス指導者などへの連日の「暗殺」攻撃は、数多くのパレスチナ民衆を巻き込んだ事実上の「戦争」へとエスカレートしている。またパレスチナのヨルダン川西岸地域にイスラエルが建設している「隔離壁」=「アパルトヘイトの壁」は、パレスチナ人の人権を破壊し、その社会的機能をズタズタに引き裂くものとなっているのだ。
 イスラエル大使館前に集まった三十三人の仲間たちは、イスラエル政府の「アラファト追放」決定を厳しく糾弾し、「壁」の撤去、入植地建設の中止を訴えるとともに、英語やアラビア語でシュプレヒコールを繰り返した。    (K)


駐日イスラエル大使への申し入れ
殺りくと破壊をいますぐ中止せよ

駐日イスラエル大使 イツハク・リオール様
 私たちは今日、やむにやまれぬ気持ちを抱き、有志でここイスラエル大使館前に集まりました。パレスチナ人をもうこれ以上殺さないで下さい。これ以上パレスチナ人の家を破壊しないで下さい。これ以上パレスチナの土地を奪わないで下さい。私たちはもう、パレスチナ人の叫び声や泣き声を聞くことに耐えられません。
 あなたたちは、いつだって自分たちこそが被害者なのだと思い込み、そう主張しています。そうです。パレスチナ人が仕掛けた爆弾によって吹き飛ばされた人々は、それぞれの現場においてはいたましい被害者です。兵役にもついていない、全く無実の子供もいるでしょう。なぜこんな目に遭わなくてはいけないのか? 考えてみて下さい。なぜ、自殺してまであなた方を殺さなければいけないと考えるパレスチナ人が後をたたないのでしょうか?
 それは、あなたたちがパレスチナを占領し続けこパレスチナ人の権利を奪い続けてきたからです。思い出して下さい。パレスチナ人による「自爆テロ」が初めて起きたのは、パレスチナとの一応の和平を決定したオスロ合意に対し、あなた方の政府が公然と違反行為を繰り返したあとのことではなかったでしょうか。新たな入植地を作らないとの合意に反し、入植者を保護し、入植地建設を認める一方で、パレスチナ人の家屋を破壊し、農地を没収し、オリーブの樹を根こそぎにし続けているさなかのことではなかったでしょうか。エルサレムのユダヤ化を進め、エルサレムに住むパレスチナ人を追い出し続けた中でのことではなかったでしょうか。
 今年の春、国際社会の目がイラクに向いている間に、イスラエル政府はパレスチナ西岸地区を囲い込む巨大な壁の建設を進め、一部完成させてしまいました。これは、あなた方が恐れる自爆テロとは全く関係のない、普通のパレスチナ人の生活を奪うものです。小さな村が璧で囲まれ、一方からしか出入りのできない閉鎖的な生活を想像してみて下さい。すでにもう、何時間もかけて迂回して病院に運ばれたために、命を落とした急患が何人も出ていると報道されています。
 あなた方は日々一生懸命に、パレスチナ人の心に反感と憎悪を作り出そうとしている。これでは共存など不可能です。どうかもうこれ以上の殺りくと破壊行為、パレスチナ人への弾圧をやめて下さい。
 私たちは要求します。
bパレスチナ人を殺すな
bパレスチナ人の家屋を破壊するな
b「防御璧」の建設を中止しろ
b占領地からただちに撤退せよ
bアラフアトを追放するな
b兵役拒否者への弾圧をやめろ
 9・15抗議行動参加者



極右テロ賛美発言糾弾!石原はただちに辞職せよ

都庁に怒りの緊急抗議行動

 九月十六日、「戦争反対・有事を作るな!市民緊急行動」の呼びかけで、石原都知事の「爆弾テロは当たり前」発言に怒り、石原知事の退陣を求める緊急行動が、新宿の都庁舎内にある「都民のひろば」で行われ、約百人が結集した。緊急の呼びかけにもかかわらず、東京を中心にして、関東他県や全国からも「『爆弾テロは当然』発言は許せません。都知事失格です。発言の撤回と謝罪を要求し、知事の辞職を要求します」という要求書への賛同が寄せられた。
 集会は都庁の管理職やガードマンたちの、「集会は禁止されている」「横断幕やプラカードを出すな」という妨害をはねのけて正午から始まった。
 在日韓国人問題研究所の佐藤信行さん、VAWW―NETジャパンの西野瑠美子さん、弁護士の内田雅敏さんは、石原の相次ぐ外国人や女性への差別発言を糾弾し、北朝鮮への排外主義的キャンペーンにからめた「爆弾テロ奨励」発言に抗議して、石原の退陣を求めた。共産党参院議員の井上美代さん、社民党本部の藤田高景さん、新社会党の江原東京都本部委員長の発言に続いて、ふぇみん婦人民主クラブの赤石千衣子さん、韓統連のソン・セイルさん、日本山妙法寺の武田隆雄さん、亜細亜大学教員の石崎さん、自治市民の福士敬子都議、東京革新懇の高岡さん、市民緊急行動の富山洋子さんたちが次々に石原発言への怒りを表明した。
 「首都の治安」をしきりに主張する石原が「爆弾テロ」を奨励して、都民の安全を脅かしている皮肉な現実を多くの人びとが批判した。
 午後一時からは、参加者の代表が石原慎太郎都知事への辞職要求を知事秘書に手渡した。     (K)


排外主義をあおる石原の極右テロ奨励発言許すな


 九月十日、外務省の田中均外務審議官の自宅に、ポットの中にガスボンベを入れ、リード線でヒーター、タイマー、乾電池とつながった時限発火物が発見された。この件については「国賊討伐隊」と名乗る団体から「犯行声明」がマスコミに送られた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との外交折衝の外務省側窓口となっていた田中審議官は、右派メディアなどから「売国奴」などと罵られ、排外主義的バッシングの対象となっていた。この田中審議官宅への「発火物」事件は、福岡、新潟などでの朝鮮総連関係施設への同様の「時限発火物」事件と同一の手口だと見られている。
 同日、自民党総裁選に出馬した亀井静香前政調会長を応援するため名古屋で街頭演説を行っていた石原慎太郎東京都知事は、亀井の「北朝鮮に経済制裁を」という訴えの後を受けて「田中均というやつ、今度爆弾しかけられてあったり前の話だ」と右翼の「爆弾テロ」を肯定・奨励する発言を行った。
 翌九月十一日、石原は東京都内で亀井応援演説に再び立ち、前日を上回る「テロ肯定」発言を繰り返した。
 「私はこの男(田中外務審議官)が爆弾仕掛けられて当然だと言いました。……彼がそういう目に遭う当然のいきさつがあるんじゃないですか」「国民が怒って、その怒りがつまってつまって、高まってああいう形になる。これはね、私は否めないと思いますよ」と。
 「テロ奨励」発言への批判の中で九月十二日に都庁内で定例記者会見を行った石原は、発言の「撤回」も「訂正」も行わないと明言し、外務省の対北朝鮮外交を批判して、今回の田中審議官宅テロ事件を「良識ある国民の不満、怒りだ。それが異様な形で表れたのはあってはならないことだろうが、今までの外務省の言動を見れば、あり得てむべなるかな」と言い放った。石原は、先月の記者会見で「昭和維新の歌」(一九三二年五・一五事件で犬養首相を射殺した青年将校のリーダー・三上卓が作詩し、今でも右翼街宣車の定番ソング)を披露し、この日の記者会見でも一九六〇年に浅沼社会党委員長を刺殺した右翼の山口二矢の名を「親しげに口にした」(朝日、9月13日社説)という。
 われわれは、石原のこうした犯罪的なテロ容認発言を絶対に許さず、石原の即時辞職を求めるものである。石原は「不法入国した『三国人』が災害の際に暴動を起こす」との排外主義・差別発言を行って、「防災」を名目にした自衛隊の治安出動訓練を強行してきた。石原は「生殖能力を失った『ばばあ』が生きていることは人類にとって最大の災厄」などいう女性差別を公言してきた。彼は八月十五日の「靖国参拝」を毎年のように続け、天皇制日本帝国主義のアジア侵略を正当化するとともに、核武装や北朝鮮への先制攻撃をアジってきた極右デマゴーグである。
 こうした差別発言は、それだけで政治家としての地位を永久に剥奪されるべきものである。日本国憲法の「廃棄」を主張し、平和・人権・民主主義に敵意を燃やす石原は、まさに語の正確な意味で「ファシスト」としての呼称を与えられてしかるべきである。
 しかしわれわれは、ことが石原だけではないことに注目しなければならない。三百万票を超える得票と七割を超える空前の得票率で今春の東京都知事選で再選された石原は、世論調査では次期首相として「期待」される人物のトップを独走している。
 政府閣僚や自民党首脳は、石原の「テロ容認・奨励」発言を「不適切」として批判せざるをえなかった。しかし「発言に至った思いは理解しないでもない」(片山総務相)との発言に見られるように、根っこにおいて石原と思いを共有する意見も多い。総裁選で石原の応援を受けた亀井は「国民はむしろ田中がけしからんということで受け止めているのではないか」と石原発言を擁護した。そして東京都議会は共産党や福士敬子都議らを除けば、圧倒的に石原「翼賛」派で占められている。
 「テロ容認・奨励」への形式的な批判と一体となって、石原発言は「北朝鮮への経済制裁の発動」という排外主義的な強硬論をいっそう強める役割を果たしている。「都民の声」を受け付ける東京都生活文科局に九月十一日朝から十二日午後五時までに寄せられた意見では、石原発言「賛成」三百九十六件、「反対」三百八十三件と「賛成」が「反対」を上回っている。
 ここにはもちろん右翼の側からの組織的な「賛成」「激励」があることは間違いないだろう。しかしわれわれは底流として、今日の政治・社会への不安と不満を強権的国家主義に託そうとする動きが発展していることを過小評価してはならない。
 メディアは石原発言をいっせいに批判した。しかしそのメディア自身が、小泉や石原の憲法改悪・戦争国家体制づくりの主張を煽ってきたことの責任が問われなければならないのだ。
 石原は都知事を即時辞任せよ、という訴えを拡大するとともに、北朝鮮への排外主義・差別主義に満ちあふれた「経済制裁・戦争」キャンペーンを打ち砕くこと、そして自衛隊イラク派兵と「国民保護法」制定・「有事法」発動、憲法改悪を阻止するために全力を上げよう。(9月16日 純)


もどる

Back