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                          かけはし2003.9.22号より

WTO閣僚会議をつぶせ!

新自由主義と戦争に反対して世界同時行動


 九月十三日、東京・芝公園で「NO WAR! NO WTO! グローバル・ピース・マーチ」が実行委によって行われ、七百五十人(主催者発表)が参加した。
 九月十〜十四日、メキシコ・カンクンで新自由主義と資本のグローバル化を押し進めるWTO(世界貿易機構)閣僚会議が行われる。この会議に反対する世界の社会運動団体やNGOは、十三日に「経済のグローバリゼーションと戦争政策」に抗する国際同時行動を行おうと呼びかけた。日本でもATTACジャパン、各農民団体、全労協、日本消費者連盟、ピースボート、許すな!憲法改悪・市民連絡会、日韓ネットなど各戦線で闘う仲間たちは、この呼びかけに応え実行委を組織し、「NO WAR! NO WTO!」を合い言葉に準備してきた。
 すでにカンクン現地では、十日、WTOの農業破壊に抗議して「農民と食糧主権のための」国際農民マーチが展開された。会場周辺は、鉄条網が張り巡らされ、何カ所も検問が引かれ、道路の閉鎖状態も続いている。だが世界各地から駆けつけた農民、労働者、市民たちは、当局の厳しい弾圧をはねのけて一万人がデモを行った。閣僚会議会場に向かうデモの途中で、韓国農業経営者中央連合会の前会長イ・ギョンヘさんが抗議の自殺という事態も発生した。イさんの葬儀は、WTOに対する抗議の意志も含めて世界農民葬として行われる。

「市場の暴力に反対しよう!」

 集会は、このようなカンクン現地の闘いと連動して行われた。公園内では十一のテントが張られ、実行委参加団体のさまざまな企画の出店が出て、交流が始まっていた。オープニングは、炎天下をはね返す、小倉祇園太鼓の巴会の和太鼓が披露された。
 集会の司会は、ピースボートの山本奈美さんとジョアンナさん。集会冒頭、十日、カンクン現地で抗議自殺したイ・ギョンヘさんへの黙祷を行い、WTO反対運動の拡大を参加者全体で誓い合った。
 ミューズ分会の反戦歌の演奏後、基調報告を大野和興さん(脱WTO草の根キャンペーン実行委員会)が行った。大野さんは、「経済のグローバリゼーションが軍事のグローバリゼーションを生み出した。暮らしの危機と平和の危機、この足もとにある危機に対して世界の人々が、もう一つの世界を求めて立ち上がっている。WTOが押し進める地球規模に膨らんだ市場の暴力に反対していこう。人々のグローバリゼーションを作り上げていこう。世界のうねりの一翼としてこの集会を成功させていこう」と訴えた。

グローバル戦争に反対する闘い

 反戦平和アピールのコーナーに入り、ダグラス・ラミスさん(APAジャパン)は、「アメリカは、この二年間、国際法を変えようとしている。自国の利害にもとづいて先制攻撃する権利、海外で勝手に逮捕する権利を行使し、逮捕した人間を非人権状態のままにおいている。これは『帝国』だ。イラクに大量破壊兵器がなかったようにブッシュのウソが次々と明らかになり、イラクに駐留する米兵の死亡が増えていることに国民が怒りだしている。そういう意味で反戦運動は、これからだと思います」と強調した。
 続いて、弘田しずえさん(カトリック正義と平和協議会)は、メキシコの先住民族運動サパティスタ民族解放軍マルコス副司令官からの「下からのグローバル化は、反抗、希望、創造性、知性、イマジネーション、命、記憶、全ての人がそこに自分の場を見いだす世界をもたらす。民主主義、自由、正義のある世界を」という9・13世界連帯アピールを紹介した(6面掲載)。
 熊岡路矢さん(日本国際ボランティアセンター)は、「イラク・アフガニスタン・パレスティナ」と題して、この間のイラク現地活動の報告を行い、「米英が言ってきたことが、いかにインチキなものだったかはっきりした。米軍は、自分たちを守るのがせい一杯で民衆の生活を混乱させている。医療、衛生状態が悪化している。イラク戦争は間違っていた。米英などの不当な占領を一日も早く止めるべきだ。そして人道支援を強化していこう」と強調した。

運動の現場から「脱WTO宣言」

 ピースライブが寿、新谷のり子さんから行われた後、脱WTOアピールに移った。
 佐久間智子さんは、「カンクン閣僚会議で何が話し合われているか」と題して、WTOのシステムと野望を批判した。
 胤森なお子さん(グローバル・ヴィレッジ)は、オルタナティブとしてのフェアトレード(貿易を通じた途上国への国際協力、自立・支援)を提起した。
 中村和夫さん(自然にやさしい農業を考える会、ドコモ鉄塔と闘う郡山農民)は、農業破壊を進める日本農政とWTO批判。ドコモ企業のもうけのために一方的に野原に鉄塔建設を強行したことを糾弾し、ともに生活を守るために闘うことを呼びかけた。
 農民運動全国連合会は、「多国籍企業の横暴によって農業破壊が深まり、WTOの競争激化に向けたルール下で食糧自給の低下、不安定化、食の安全の危機が進行している。WTO協定の改定、国際環境・食の安全のためのルールを実現していこう」と連帯アピールした。
 次に、秋本陽子さん(ATTACジャパン)が韓国の全国民衆連帯と自由貿易協定・WTO反対国民運動(KoPA)の連帯アピールを紹介。
 さらに特別アピールとして、久保田祐子さん(日本有機農業研究会)が、茨城県谷和原村での遺伝子組み換え大豆刈り取り・埋め込み闘争について報告した。韓国シチズン労組は、シチズン資本が中国への工場移転で韓国工場を一方的に閉鎖した暴挙に抗議し、来日して続けている闘争について報告し、支援と連帯を訴えた。
 集会終了後、銀座から東京駅に向かってマーチが出発し、街頭の人々に「NO WAR! NO WTO!」とシュプレヒコールを行っていった。(Y)


WTOと戦争に反対!

全世界の行動に連帯しATTAC関西がデモ


 【大阪】WTOと戦争に反対する九・一三世界同時行動の一環として、大阪でもアタック関西の主催で集会とデモが行われた。
 午後一時から中之島剣先公園で集会が始まった。司会の喜多幡さんが、カンクンを始め全世界でWTO反対の行動が展開されており、とくに農民が激しい抵抗を行っていること、タイ、インドをはじめアジアで新自由主義的グローバリゼーション反対の運動の連携が始まっていることを指摘し、今日の行動をそれに連動する日本での運動の出発点にすること、九・十月の反戦運動の高揚の第一歩とすることを提起した。
 次にアタック関西グループ代表の杉村さんがフランスおよびヨーロッパの運動の状況についてホットな報告をした。反グローバリゼーションの運動が反戦運動と密接に結びついていること、WTO反対の運動が、これからあらゆる分野で日常的な問題をめぐって展開されなければならないと指摘し、そのためにアタックが多くの人々を結集して運動を進めていく必要があることを提起した。
 このあと、九月四日の集会に続いて、フォーク歌手の豊田勇造さんのライブ。反戦をテーマにした自作の歌を、トークを交えながら披露した。二年前の九・一一の後に作った歌や、沖縄、タイなど各地でのさまざまな人とのふれあいの中で生まれた歌だった。
 演奏の合間に、参加者からの発言を受けた。韓国の労働運動活動家のキム・ヨンコンさんは、カンクンでのWTO反対デモの中で抗議自殺を遂げた韓国の農民の行動に触れて、WTO農業交渉が韓国農民にとって死活の問題であることを訴えた。アタック関西グループ事務局の寺本さんは、アタックとAPWSL(アジア太平洋労働者連帯会議)で来年一月のインド・ムンバイでの第四回世界社会フォーラムへの参加に向けて準備を始めていることを報告した。
 この日の行動はアタック関西としては初めての屋外の集会・デモであり、また、関西では(おそらく)初めてのWTO反対のデモだった。参加者が三十人弱と期待外れだったが、逆に、アタックのこれからの課題が明確になったとも言えるだろう。集会の後、「グローバル・ピース・アクション」と合流して大阪市役所前から大阪駅前までWTO反対を訴えてデモを行った。        (K)


京都でも「グローバル・ピース・マーチ」行動
ATTAC京都が呼びかけ

 【京都】九月十三日、WTOカンクン会議にあわせた世界同時行動に呼応して、京都市内で「グローバル・ピース・マーチ」が行われた。ATTAC京都の若者たちが中心となった実行委員会が呼びかけた。当日の参加は四十人ほどだったが、この日に向けて募集された、平和で公正で民主的な「もうひとつの世界」への願いやアイディアをハンカチに絵や言葉で表現してもらおうという「ハンカチ・ピース・メッセージ」は、およそ百枚集まった。
 マーチの出発に先だってリレートークが行われ、参加者それぞれが、平和への思いやWTOのめざす世界像の不当性について訴えた。また、同時に行われている東京や大阪、広島の取り組みからの連帯メッセージが紹介された。
 その後、マーチに出発、ピース・メッセージの書かれたハンカチを掲げ、ハンドマイクで経済のグローバル化と戦争のグローバル化に反対を訴えながら、繁華街を行進した。
 マーチ終了後の集会では、参加者がかかわっている各種運動(コトパンジャン・ダム裁判支援の運動、来年二月の京都市長選挙に無党派候補を擁立しようという運動、産業廃棄物の不法投機の問題に取り組む運動など)からのアピール、歌、ハンカチを持っての記念撮影が行われた。
 当日の行動への参加人数がそれほど多くなかったとはいえ、京都において、WTO会議にあわせた行動が行われたことの意義は決して小さくはない。イラク反戦運動を通じて生まれた幅広い共同をうけつぎつつ、反戦の課題を明確に反グローバリゼーションの課題と結びつけて提起したという点で、重要な意義をもっていると言える。この秋の一連の闘争の出発点として、貴重な成果が得られたといえるだろう。(S)



カンクンWTO閣僚会議は破綻した
ウォールデン・ベロー

 WTO(世界貿易機構)の第五回閣僚会議が劇的な形で破綻した。先進国と発展途上国の間の非和解的な対立が、カンクン会議を失敗させるための一年半に及ぶグローバルなキャンペーンの仕上げの一筆を描いた。カンクン・コンベンション・センターには、このキャンペーンに参加した多くの団体のメンバーが集まり、三十三カ国による「グリーンルーム」(密室会談)がシンガポール・イシュー[新規議題]をめぐる紛糾のために決裂し、閣僚会議の議長であるメキシコのルイス・エルネスト・デルベスが閣僚会議の閉会を宣言したという知らせに総立ちになり、歓呼の声を上げた。
 ある会議出席者によると、韓国とACP(アフリカ、カリブ、太平洋)諸国が会議にとどめを刺した。韓国は、「シンガポール・イシューを一括とせず政府調達と貿易促進に関する交渉から始めて最終的には投資および競争に関する交渉へと進む」という妥協案を拒否した。一方、ACP諸国はドーハ宣言によって求められている交渉開始のための「明確なコンセンサス」がないことを理由に、どの問題に関する交渉にも反対した。
 しかし、この対立は五日間にわたる先進国と発展途上国の間の多くの問題をめぐる対立(最も激しい対立は農業と新規議題をめぐるものだった)の頂点にすぎない。発展途上国の代表は一斉に、米国とEUの頑なな態度が会議を失敗させたと非難した。市民社会を代表する人たちは、「悪い協定よりも協定がないほうがいい」と主張し、閣僚会議の失敗は発展途上世界の人々にとっては勝利であると述べた。
 九月十四日、カンクン・コンベンション・センターより

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