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韓国はいま                     かけはし2003.7.28号より

東北アジア労働者民衆連帯の課題

米帝の介入と日本の軍国化に対決し、北の唯一
支配体制と中国の官僚独裁資本主義に抗して


東北アジアめぐる国際政治情勢

 01年のブッシュ政権発足以後、東北アジア地域に対する米国の帝国主義的介入は、00年6月の歴史的南北首脳会談とそれ以降の南北間の協力・交流の拡大、北・日修交交渉の進展など明らかな緊張緩和の局面を突然、北・米対決および米国と周辺国による北韓(北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国)圧迫の局面へと変質させた。
 そのうえ、01年9・11テロ以後、ブッシュの悪の枢軸発言や02年10月の訪北団による北核保有の暴露は北核問題を国際的イシューへと拡大させた。外交的圧迫包囲のほかにも、重油供給の中断、北韓船舶の公海上の拿捕など、実力行使を併行したブッシュ政権によって韓半島(朝鮮半島)は94年の危機に続き、新たな戦争の危機局面へと突入することとなった。
 今年のイラク侵攻以後、多少小康状態に突入したけれども、韓半島で武力衝突の可能性は依然として排除されてはいない。一方、東北ア情勢への介入力を回復したブッシュ政権は問題解決を急ぐ理由がなく、北・米直接対話および交渉による事態解決を希望していた南韓(大韓民国)のノ・ムヒョン政権や日本の小泉政権もまたブッシュとの会談以後、多者間交渉や追加的制裁の方向へと旋回した。こうして北核危機は事態の解決よりは緊張の持続ならびに暴発の可能性の側へとつながっている。
 もちろん、イラク侵攻以後、ブッシュ政権は予想外の短期戦によって急いで終戦を宣言したものの、国内外的に危機に直面している。国内的には大量殺傷武器(大量破壊兵器)の存在や情報操作に関する絶え間のない論難に振り回されており、終戦宣言以後のイラクは米英連合軍の予想とは違って大衆的な反米気分の広がりとともに散発的抵抗やゲリラ戦で対抗しており、いわゆる「民主政府」という名のカイライ政府樹立やイラク植民体制の安定化は事実上、不可能になった。
 その結果、終戦宣言直後のシリアやイランに対する圧迫・脅しの攻勢は、これ以上明白な進展を実現できず、6月初めのG8首脳会談はイラク戦をめぐる帝国主義列強間の亀裂や対立を治癒することもできなかった。もちろん現在の小康局面がどのぐらい持続するかは予想しがたいが、いくつかの面でブッシュ政権が早い時期に、また別の対テロ戦争に乗り出すのはたやすくない状況だ。

主体の状況と政治的困難性

 ともあれブッシュ政権の主導の下に作られた韓半島の危機の局面は、東北ア地域の労働者・民衆運動の政治的対応を要求している。韓半島の危機のほかにも、小泉政権が主導した有事法制の衆議院通過および自衛隊の正規軍への再編計画など、日本の軍国主義化の現象は東北ア地域をいま再び帝国主義列強間の角遂の場へと変貌させているので、この地域の民衆らの下からの連帯は政治的に一層重大になっている。
 日本帝国主義の韓半島強制併合や中国侵略、第2次世界大戦、中国革命、韓国(朝鮮)戦争など20世紀東北アの地政学的激変の中で、この地域の労働者階級と民衆運動は下からの国際連帯の経験を構築できないまま、冷戦的秩序の中で対決・対立そして孤立の秩序を強要された。
 特に中国の毛沢東主席の死亡以後、中国の急速な資本主義的産業化の過程は中国共産党の政治的独占の中で労働者・民衆の政治の空白をもたらし、日本の産業化や自民党の長期執権は労働者階級運動や変革的左派勢力に対する持続的攻勢を通じて変革勢力の事実上の無力化と矮小化の過程のすえ、日本の労働者・民衆運動の周辺化へと帰結した。南北韓の冷戦的対立や対決の構図の歴史、北韓における唯一指導体制の樹立は労働者・民衆政治の歪曲と失踪とをもたらし、南韓の歴代開発独裁政権の極端な反共主義は、一方で労働者・民衆の政治を根元的に封じ込めた。
 だが、南韓の急速な産業化の過程において新たな世代の労働者階級と労働運動の出現は学生や在野を中心とした反独裁民主化闘争の後を継ぎ強力な労働者・民衆運動を生み出した。だがこの運動はいまなお冷戦的遺制の中で国際的・地域的孤立性を克服できずにおり、南北間の対立局面は南韓民衆運動の政治的展望を歪曲している。

韓日の左派に問われる課題

 冷戦的秩序が終息するとともにイデオロギー的対立の構図は解消されているが、東北ア地域の新たな秩序は依然として新たに創出されなければならない何ものかであって、この過程に適合してこの地域の民衆運動の再活性化と、この地域の人々の間での新たな国際連帯の秩序は今後の地域情勢において極めて重要な意味を持っている。
 だが北韓の孤立主義的唯一支配体制や中国の絶妙な資本主義・一党独裁の同居体制は韓中日民衆の連帯を阻む障害物として働いている。北韓や中国の官僚主義的党・国家独裁体制は本質的に、この地域の労働者・民衆闘争の政治的対案となることはできず、むしろこの地域内の労働者・民衆運動の発展と階級政治の進展に障害物として作動している。
 したがって北韓や中国における労働者・民衆の政治の歪曲と、それに伴った連帯すべき主体の不在は、地域内の民衆連帯の決定的限界であり、ジレンマとして働く。もちろん、過去に冷戦的論理にそった連帯は存在したけれども、その当時の数多くの問題のほかにも、ベルリンの壁崩壊以後の変化した情勢の中で新たな突破口を求められないまま、自国の問題にとらわれている。
 しかし、まさにこのような条件が新たな東北アの労働者・民衆の連帯が突破しなければならない構造的与件なのだ。現実的に中国や北韓において対案的労働者・民衆の政治の主体が不在という条件にあって、一次的に主体形成は南韓と日本の労働者・民衆運動の課題として残されている。そしてこれらもまた、いまのところ新たな連帯の秩序のための戦略的展望や具体的実践の指針を明確化できずにいる。
 もちろん、日本と韓国の民衆運動は地理的近接性にもかかわらず、イデオロギー的・政治的差異や運動発展の偏差、在日朝鮮人、総連を含む北韓問題などによって、個別的交流の水準を超える国際連帯を発展させられないことが骨身にしみる厳しい現実であり、これを克服することは決して簡単な問題ではない。
 これとは対照的に政治的課題は、むしろあまりにも明白だ。東北ア地域に対する米国の帝国主義的介入に対する地域内の全民衆闘争の組織化が、まさにそれだ。日本や韓国で過去数十年間、多様な形態の反帝・反戦闘争の経験が存在する。問題は、これが具体的情勢の中で戦略的・戦術的成果をあげつつ発展してきたのか、だ。これについての答えは不幸なことに現在までのところ否定的だが、これもまた東北アの左派たちが突破しなければならない地点でもあるのだ。
 現情勢の中でブッシュ政権の帝国主義的介入に対抗する韓日労働者・民衆運動の反戦反帝闘争国際連帯戦線構築の課題は当面する緊急の課題であり、今後この闘争をアジア全域に拡大するための橋頭堡でもある。もちろん反世界化運動や反戦運動を通じて広がっている全地球的レベルの反帝国主義・反資本主義運動のひとつの構成部分となるだろう。
 したがってこのような国際的・地域的脈絡において、すでに存在している多様な水準の個別的連帯またはネットワークを飛び越える組織形式と展望の具体化は韓国と日本の左派にとって緊急にして重要な課題として提起されている。(「労働者の力」第34号、03年7月5日付、ウォン・ヨンス、「労働者の力」会員)


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