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超監視社会を許さない!               かけはし2003.7.21号より

私たちは監視されていた!

国会監視カメラの即時運用停止と即時撤去を求める市民の集い

 七月十一日、参議院議員会館で「国会監視カメラの即時運用停止と即時撤去を求める市民の集い」が開かれた。この集会は、今年四月頃から国会周辺に設置され、抗議や陳情や請願に訪れた人々をことごとく撮影し、記録し監視するために設置された違法な監視カメラの撤去を求めて開かれた。
 呼びかけたのは、監視カメラの運用停止と撤去を求める共同声明運動に参加する八つの市民団体(盗聴法に反対する市民連絡会、一矢の会、プライバシー・アクション、監視社会に反対するネットワーク、JCA―NET、日本消費者連盟、平和フォーラム、許すな!憲法改悪・市民連絡会)。会場には、平日の昼間にもかかわらず五十人以上の市民や多数の国会議員が詰めかけ、憲法で保障された国民の請願権の行使まで撮影し威圧する違法な監視カメラの運用停止と撤去を求めることを確認した。集会後は、国会周辺にわかっているだけで二十七カ所設置されている超高性能監視カメラの「見学ツアー」を行った。
最初に、ジャーナリストの小谷洋之さんが報告した(報告要旨別掲)。続いて、社民党衆議院議員の山内恵子さん、民主党衆議院議員の河村たかしさん、全国各地の自動車交通を監視するカメラネットワークであるNシステムを調査し告発し続けてきた浜島望さん、反住基ネットの石村耕治さん、市民緊急行動の高田健さん、NGO非戦ネットの半田隆さん、国民救援会の望月さんなどが発言した。
このなかで石村さんは、「大半の人は『カメラに撮られたって関係ない』と言うだろうが、アメリカでは『9・11』以降、白人多数派以外の黒人、カラード、ヒスパニック、ムスリム少数派の個人情報を権力がつかみ、管理し、抑圧し、排除する体制が作られている」と述べ、超監視社会に向かう動きに対して人権と反差別の立場で闘うべきだ、と述べた。
高田さんは、この間の自衛隊が絡んだ問題についての市民の行動を、防衛庁情報部が調査し記録していると言うことを報告した。昨年末に日出生台日米共同軍事演習反対集会に陸自西部方面隊の松川総監(陸将)が介入し中止を要求すると言う暴挙を糾弾し、防衛庁を訪れた際、さらにこの七月七日のイラク派兵法案反対行動の際、執拗にビデオで参加者の顔を取り続けていた男と周辺の公安警察を追及したところ、公安警察が「われわれの者ではない」と述べて、防衛庁情報部であることを匂わせたのである。
集会後、国会の周りで監視カメラを観察する「見学ツアー」を行った。すると早速、警官が駆けつけてきて、「どんな団体か」「何をしているのか」「どこへいくのか」としつこく聞き出そうとした。超監視社会を許してはならない。(I)

小谷洋之さんの報告から
憲法で保障された請願権を威圧する違法な盗撮カメラ


 国会周辺に二十数基設置されているドーム型監視カメラはパナソニック製で超広角ズーム光学二十二倍、デジタル二百二十倍の回転式。垂直は〇度から一八〇度、水平は三六〇度をカバーし、一秒に最大三〇〇度のスピードで回転し、ターゲットにした特定の人物を追尾することもできる。デジタルだからデータは劣化せず、検索性も高い。カメラ付き高性能コンピュータというべきものだ。
運用上も問題だ。国会周辺は、日本で一番たくさん警察官や警備員が二十四時間いるところで、監視カメラで監視する必然性は全くない。たとえば私が監視カメラを撮影して回っているだけで、何十回も職質された。目的は「記録」することそのものだ。
監視カメラに詳しい高山俊吉弁護士によれば、この監視カメラは肖像権を侵害する憲法違反で、しかも判例に反している。八八年四月一日の東京高裁判決では、犯罪の発生が予測される場所を断続的、自動的に撮影、録画することが許されるためには、犯罪が発生する相当程度の蓋然性があること、そのためにあらかじめ証拠保全しておく必要性と緊急性があること、その撮影と録画が社会通念に照らして相当と認められる方法であること――のすべてが満たされなければならない、としているが、日本一警備員がいる国会周辺はその条件に全く当てはまらない。
プライバシーアクションの石村耕治さん(白鴎大学教員)は次のように言う。「最低でも書店やコンビニのように、監視カメラで撮影しているという表示が必要で、しかも撮影の目的、撮影データの使用方法や保存期間、外部からデータの提供を求められた場合の対応などについての運用規定を定め、それを公開して理解を求める必要がある。それがなければ、ただの違法な盗み撮りカメラにすぎない」。
どうして、何のために設置したのか衆院事務局に取材を申し入れたが、「担当者が席をはずしているので、改めてこちらから連絡する」と言われ、しかもその後全く連絡はない。
(報告要旨。文責編集部)



「8・6ヒロシマ平和へのつどい2003」への参加よびかけ

 有事関連三法が成立し武装自衛隊のイラク派兵法案が上程されるという新たな情勢の中で、五十八回目の広島がやってこようとしています。
 「9・11事態」を利用した「対テロ」アフガン戦争、イラク侵略戦争、そして……。イラン、朝鮮民主主義人民共和国……? ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下が国際法違反として明確な審判を受ける日まで、合州国は『戦争中毒』のままなのか。自からの保有核兵器に対しては全く廃棄への努力を怠り、むしろ小型核兵器の開発、核実験の再開などを進めようとしています。
 これでは、核拡散を食い止めていく道義性はどこにもありません。インド、パキスタン、イスラエルがNPTに入らず、核兵器を保有していることに対して歯止めがないのは当然です。これを変える唯一の突破口は、改めて二〇〇〇年のNPT再検討会議の到達点を振り返り、核保有国が約束を具体的に履行していくことです。五つの『核保有国』が、「保有核兵器の完全廃棄に関する明確な約束」をしたことは、核兵器廃絶に向けた二十世紀の最高の到達点であり、世界の反核世論がこれにこだわり、これを現実化させることが求められています。
 そして日本政府は有事法制を作り、先制攻撃論の「ブッシュ・ドクトリン」に加担する道を選択しました。「あなたは、子どもたちに『戦争ができる国』を残したいのですか?」との問いが爆心地の地中深くから、無数のうめき声となって、聞こえてくるようです。
 こうした中で、今年も「ヒロシマ平和へのつどい」を開催します。いま、〈なぜ「ヒロシマ・ナガサキ」なのか〉あらためて、共に考える場にできればと考えております。当日の参加をお待ちしています。
■日時:8月5日(火)18:00―20:30
■会場:県民文化センター(原爆ドーム近く)
■発言者:日本:田巻一彦さん「市民社会が構想する北東アジアの平和」
■8月5日(火)12:00ピースサイクル広島到着集会(原爆ドーム前)
■8月6日(水) 7:00「市民による平和宣言」配布活動/8:15原爆ドーム前でのダイ・イン/8:30原爆ドーム前でのグラウンド・ゼロのつどい/9:00ピースウォーク(原爆ドーム前〜中国電力)/9:30中国電力本店前での反原発座り込み行動/
8・6ヒロシマ平和へのつどい(代表 湯浅一郎) 事務局:電話&FAX 082-297-7145広島市西区天満町13―1―709久野方
Eメール:
knaruaki@d6.dion.ne.jp http://www.d6.dion.ne.jp/~knaruaki/02index.htm
●原爆遺跡・軍都廣島フィールドワーク2003
ヒロシマが体験した最大の「有事」、その歴史をひも解く。 本当のことを知ろう! いつか来た道。フィールドワーク案内 (1)(3)(4)はホームページでも見られます(http://ww3.enjoy.ne.jp/~simoiti1329)
(1)平和公園内碑巡り
8月5日 午後2時(終了4時)集合:原爆ドーム前 
(2) 米軍岩国基地コース
8月5日 午後2時15分(終了3時45分)  岩国駅前(表口)
(3)広島城周辺徒歩コース
8月6日 午前9時30分から約2時間 原爆ドーム(グランド・ゼロのつどい)辺り
(4) 宇品・比治山方面自動車コース
集合:8月6日 午後1時(終了5時) 広島YMCA2号館ロビー(立町電停下車、北に大きな看板)
■広島城周辺徒歩コース 順路 明治天皇御用井→広島城の被爆樹ユーカリ等→中国軍管区(第5師団) 地下通信司令部跡→護国神社内「報恩の碑」等→大本営跡→歩兵十一連隊門柱・碑→陸軍幼年学校門柱→中国郵政局(幼年学校炊事室・旧逓信病院階段・慰霊碑・「生ましめんかな」詩碑等
■宇品・比治山方面自動車コース 順路 (日本銀行広島支店)→(白神社・愛宕池)→(平和大通り・移動演劇さくら隊殉難碑等)→(鶴見橋の被爆ヤナギ)→比治山[多聞院鐘楼・郵便局殉難者の碑]→陸軍墓地・放射線影響研究所→旧陸軍被服廠跡→旧軍港宇品港→海員会館前公園[宇品凱旋館・陸軍船舶司令部通称暁部隊跡・「港」の歌碑] →(千暁寺)→(千田廟公園)→日清戦争凱旋碑→(御幸橋・派出所跡)→広島電鉄・被爆電車等→(日本赤十字原爆病院)→(ふりかえりの塔)→土橋町淨国寺[西地方西新町町民慰霊碑・被爆地蔵・無縁墓]
b〈呉と島々の歴史をみてまわる会:主催〉広島湾 スタディ・クルージング 2003〜海から見る! 広島の戦争遺跡と軍事施設〜10回目を迎えるスタディ・クルージング。`間近に見られる基地・自衛艦に圧倒a、`講師の説明に納得aの内容です。呉基地からの自衛艦の海外派遣。有事法の成立…。私たちの暮らしは「平和」に向かっているのか?「有事」に向かっているのか? 現場を見ながら、`これからaについて考えます。皆様の参加をお待ちしています
■実施日時 8月7日(木曜) 9時00分〜15時00分(途中、呉で下船可)
■集合 9時00分 広島県営桟橋(=宇品港)
■行  程 (主な見学地/移動は貸切フェリー)9:20  宇品港〈発〉似島・旧陸軍似島検疫所 江田島・在日アメリカ軍秋月弾薬庫 江田島・海上自衛隊LCAC整備場
 呉・海上自衛隊呉基地 呉・戦艦「大和」建造ドック 11:30頃 呉中央桟橋〈着・発〉午後は、在日米軍の夜間発着訓練(NLP)の移転問題で揺れた大黒神島と岩国基地付近へ。
沖美・大黒神島 岩国・在日アメリカ軍岩国基地 宮島・広島湾要塞鷹ノ巣砲台跡15:00頃 宇品港
呉と島々の歴史をみてまわる会(呉YWCA内)〒737‐0028 広島県呉市幸町3―1電話: 0823―21―2414 FAX: 0823―21―2514 Eメール: krywca@joy.ocn.ne.jp
『2003人の とうろうピースマーク〜NO DU〜』(仮称)ピースマークとNO DUを灯篭(とうろう)で描きます。今年の8月6日、広島に吹く風は何を語っているんだろう。
世界中の多くの人たちの願いもむなしく、イラク戦争はおこされ、劣化ウラン弾(DU)が使われた。
 58年前のヒロシマから、2003年イラクまでどれだけ多くの人が、核の犠牲にされてしまったことか。
 私たちはどんな戦争も望まない。とうろうに祈りを込めて、戦争・核の犠牲になったすべての人々を想って作ろう「とうろうピースマーク」!おこそうよ、ひろしまからの風。
 それは、平和の風。希望の風。
■会場: 広島市中区中央公園
■日時: 8月6日(水) ※大体の予定時間です。
19:00 集合、静かな音楽など
19:30 並んで形をつくります
20:00 空撮(予定)
20:30 とうろう流し〜流れ解散
■よびかけ人: 門田よし子 木下克己  久野成章 さとうしゅういち 下井良昭 竹原陽子 中村俊一 平木薫 藤井純子 松田卓也 松本しんじ 山田和尚(五十音順)■共催: ASIAN SPARK
■協力: OPEN JAPAN 「グローバルピースキャンペーン事務局」
■連絡先:
http://no-du.no-war.jp/
E-mail
:yochio@dream.ocn.ne.jp 
070-5925-0578

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