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第四インター15回世界大会              かけはし2003.6.23号より

決議「エコロジーと社会主義」をめぐる討論から

ミシェル・レヴィ



イギリス支部からの修正案

 第四インターナショナルの歴史上、この大会はエコロジーに関する決議を採択した最初の大会となった。この決議の文書は、約二年前に草案が発表され、第四インターナショナル国際執行委員会(IEC)で詳しく討論され、それに従ってIECが指名した起草委員会によって修正された。@
 大会期間中に関心を持つ代議員によるエコロジー委員会が開かれ、提案された特定の修正案について討論した。
 最も重要な修正案は、国際社会主義グループ(ISG、英国支部)の同志たちが提出したものである。執筆者たちは決議草案に対する対案のつもりであったが、ISGは単に修正案として提出した。この文書の中心的な考え方は、決議が取り扱うべき主要な(唯一ではないにしても)問題は気象変動である、というものである。草案作成者たちにとってはこのテーゼは受け入れられないものであったが、草案作成者たちは温室効果や気象変動を取り上げた決議の部分を強化し、英国支部提出の文書からいくつかの部分を取り入れることに同意した。この文書中の他の意見については有益であり、決議に何らかの形で取り入れることができると考えられた。
 文書による提案はこれが唯一のものであったが、日本の同志から興味深い二ページの意見書「自然に敵対する帝国主義」が出された(訳注:国際主義労働者全国協の同志から提出されたもの)。この文書はエコ社会主義の先駆者ウィリアム・モリスとウラジミール・ベルナドスキーに敬意を払い、ブルジョア・イデオロギーの特徴の一つである技術の全能性の無批判な信頼に対するエルネスト・マンデルの批判を想起している。

決議案の2つの論点から

 大会での討論は、同志ミシェルの冒頭発言で始まった。彼は、革命的マスクス主義的綱領の刷新にとってのエコロジー問題の重要性について主張した。決議案はこの領域におけるわれわれの遅れを克服する最初の試みであり、われわれが直面している問題はますます緊急となり、人類の将来を脅かしている。決議案は、マルクス主義理論のある種の伝統的概念、たとえば「生産力の発展」を、現在のエコロジー的危機の光に照らして再検討することを促している。
 大会提出草案のもう一人の共同編集者である同志ベルナールは、以下の論点を軸にして発言した。
1、労働者の運動は常に生産に対するより大きな管理を要求してきた。エコロジー的闘いは、この要求を透明性という民主的要求にすることによって、補足的な深みを与える。さらに、この要求はもっと複雑な社会的管理の問題をもたらす。なぜなら、それはもはや生産の道具に対する労働者の介入に留まらず、解決すべき矛盾を抱えた住民全体が関わる民主的管理の問題だからである。
2、わが潮流、特に帝国主義諸国におけるわが潮流は、資本主義体制に結びついた「生産力主義的」逸脱に対する挑戦者となり、社会のエコ社会主義的編成の基本的特徴を描いていく必要がある。この大会に提案された文書は、この作業の非常に重要な一歩である。
 発言者の大部分は、文書の全般的精神への同意を表明した(日本の同志によればわれわれの運動を考えると驚くべき出来事である)が、精密化、訂正、あるいは更新(たとえば、オイルタンカー「プレステージ号」事件)が提案された。

いくつかの方向からの批判

 主要な例外は、オランダ支部からの提起であった。ある同志は、草案を放棄して新しい文書を作成するために各支部と広範な協議を行うべきだという提案まで行った。報告者との間で同志的な協議が行われた後、彼女は提案を建設的な方向に修正し、世界大会後にわが運動の国際的なエコロジー・セミナーを開催し、このテーマの深化を継続していくことを提起した。この提起は報告者側に受け入れられた。
 国際委員会はこのセミナーの日程と要項を決定する予定である。別のオランダの同志は、文書の全般的な調子を批判した。とりわけ行動プログラムは、彼から見ると、あまり現実的でない願いごとのリストである。たとえば、原子力発電所の即時停止の提案は、フランスおよびベルギーの七〇%の世帯のエネルギー源を奪うことになる。また、民生用よりさらに危険な軍事用核廃棄物の重要性について注意を向けることを主張した。彼の意見の最後に、すべての技術は本質的に危険をもたらし、万能薬のような技術はあり得ないと述べた。
 エコロジー運動で活動しているフランスの同志は彼に対して、太陽エネルギーの膨大な可能性を強調した。太陽エネルギーは、ただであり、利益を生む商品となり得ないがゆえに資本主義的科学技術では体系的に無視されている。
 多くの参加者が発言した討論テーマの一つは、緑の党の政策であった。ドイツ、インド、北米の一部の同志は、これらの政治勢力の反動的誤りに対してもっと厳しい批判が必要であると主張したが、他の人々は反対に、この潮流に対して橋を開いたままにしておく必要があると考えた。この論争は深められるだろう。現在の慎重なアプローチが維持されることが望ましい。
 一部の同志たちは、この文書が論争的問題、たとえば環境税の問題やもっと質素な生活様式の必要性に対して、立場を取るのを避けていると考えた。英国の同志によれば、代替エネルギーは解決策にならず、人間のエネルギー消費の強制的削減(五〇%)が必要である。彼らの案文では、現在の個別の住宅の代わりに集合的居住形態を採用することによりエネルギーを節約できることまで提起されていた。これらの提案は、決議案作成者側には受け入れられなかった。

論争をさらに進めるために

 他の提案、訂正、修正が、草案作成者側に受け入れられた。
 レバノン、エクアドル、フィリピンの同志たちからは、資本主義的多国籍企業が南の諸国にもたらす環境的損害を強調すべきことが提案された。多国籍企業は森林を破壊し、中枢諸国で禁止されている殺虫剤を周辺諸国に輸出し、産業廃棄物や核廃棄物を南に輸出している。これらについて北の諸国の世論に知らせる必要がある。また資本主義企業、特に製薬会社の生物海賊行為を非難する必要がある。かれらは先住民の伝統的知識を横領し特許を取っている。
 エクアドルおよびインドの同志たちは、貧しい農民国や先住民が燃料の樹木を集めることにより森林を破壊していると非難することは誤りであると述べた。多国籍企業による破壊と闘うことによって環境を守り人類全体の自然遺産の守護者の役割を果たしているのは、アマゾンやインドの先住民コミュニティである。
 スペインの同志は、以下の諸点を軸にして、われわれの労働組合介入に適合したエコロジー・プログラムを定式化することの必要性を主張した。
1、労働者の健康と環境の関係。有毒な生産は、労働者にとっても自然にとっても危険である。
2、非公害技術を強制するための、生産に対する労働者の管理。
3、仕事創出政策としての、工業、輸送、農業のエコロジー的再転換。これは原子力発電所や兵器工場の既存の仕事を保証することを意味するのでなく、生産の再構築が必要な場合でもすべての人々に仕事を保証することを意味する。
 イタリアの同志は、水の問題に関する要求を含めるべきであると求めた。水の問題は北(スペイン)と南(ボリビア)の両方の国々で大衆的社会的闘争の課題になっており、重要な問題である。これは水源の民営化(私有化)と汚染の両方に対する闘いの問題である。グローバルな正義の運動にとって重要な問題であり、すでに水に関する世界フォーラムにおいて最初の表現形態が出現している。
 ギリシャの同志は、都市環境の問題に関する項を追加することを提案した。都市空間の劣化の中での公共サービスの民営化の役割、都市の無秩序な拡大、緑の空間の消滅と道路やハイウェイによる森林の破壊。
 ドイツおよびバスクの同志は、草案は戦争、特にイラクやユーゴなどに対する帝国主義的軍隊派遣による環境破壊の問題を強調しているが、軍事的核廃棄物が引き起こしている膨大な問題を考慮に入れる必要があると主張した。
 報告者は、まとめの中で、いくつかの批判に応えるとともに、決議案「エコロジーと社会主義」が論争を閉じることを目指しているのではなく、論争をさらに進めることを目指すものであることを再度強調し、これは一つのプロセスの終わりでなく始まりであると述べた。修正された文書は、反対一、棄権一のほとんど全会一致で承認された。
 注@  革命的共産主義者同盟(LCR、第四インターナショナルフランス支部)エコロジー委員会の同志ベルナール、ローランおよびミシェル・レヴィ(大会での報告者)が、決議案の作成および修正の集約の責任を引き受けた。(「IV」03年5月号)




フランス
「あえて非合法闘争を展開する」
WTOとの全面対決をかかげた農民連盟大会
                         フランソワ・デュヴァル


 四月一五日と一六日にヴァンドローム(ロワール・エ・シェール県)の大会に集まった農民連盟の組合員は、複数の農民組合が存在しているという現実を見直そうとしている政府の意向を弾劾した。
 四月にヴァンドロームで開かれた農民連盟の大会は、農民連盟が長年、擁護してきた「農民の農業」計画をめぐって綱領の討論を距離をおいて考え、深める機会となった。
 それは組合内の論争であると同時に今日的論争でもあった。なぜなら、二〇〇三年はWTO(世界貿易機関)の交渉とPAC(共通農業政策)との中間に位置する決定的な年になるはずであるからである。「農民の農業」計画は、「地区から全世界に至るまで、各国の法律や規制からWTOに至るまで、全世界至るところで無制限、無条件に農民を市場に従わせるために、工業であるか商業であるかに関わりなく農民をそのもとに統合したいと望んでいる資本主義的圧力を、農民は受けている」とする現状認識に基礎をおいている。
 農民連盟はこのような展望を退けて、農業活動の特殊な性格を防衛することにあくまでもこだわる。農業活動の特殊性は、現在の商品的側面の枠外で、「基本的要求を満たすことを目的とするとともに」、「また共有の資産を構成する非商品的なものをも生産する」ものなのである。

グローバル化による農家の消滅

 この数十年来、フランスの農業は、「グローバリゼーション」と名づけられた集中化、専門化、産業化の強力な運動に従わされてきた。この種の農業はますます多くの投資を必要とする。それは、農業経営の資本主義的集約化に向けた積極政策を生み出したが、結果としてそれと並行して、農家の消滅、借金漬け、伝承可能性の大きな困難をも作り出してきた。
 より全般的には、競争の激化は、一貫したダンピング政策によって激化させられた農産物価格の下落を引き起こした。その結果、「多数の農民が自分の収入額を上回る助成金を受け取る」という奇妙な現象が生れてきた。実際、この補助金制度はとりわけ不当である。なぜなら、少数の大農業経営者層が補助金の重要部分を自分のものにしているからである。
 それ以外の多くの農家にとって、収入はそれ以後、実際の農業活動から切り離されたものになってしまい、その結果、「食物を生産するという農民の仕事は、そのいっさいの意味と尊厳を失ってしまうのである」。それとは反対に、農民連盟は、「農業従事者一人当たり上限」付きの援助という原則と「報われる価格」の原則を擁護している。

あえて非合法の活動を展開する

 農民連盟にとって、自営農は、農村地帯において雇用と公共サービスの維持に寄与するものなのである。それは伝承がより容易であり、環境をより尊重した生産を実施する。自営農の維持を保障するには、土地利用、生産に対する援助や権利、社会的保護から自営農を排除している現行基準を見直さなければならない。そして、とりわけ、自立政策を再考する必要がある。今日、援助を受けている農家戸数が減少しているのに、農家への公的援助がたえず増大しているのである。根本的に、農民組合にとって、この矛盾からの脱出口は、「自営農への直接的な財政支援」を行い、財産権よりも土地利用の優先を確認することである。
 農民連盟が、生命についての特許権や野外での遺伝子組み換え食物栽培試験に反対し、借金返済の猶予の継続を支持しているとすれば、それは、「これらの政策が、大規模な種子業者や他の苗床業者のグループの利益のために、農民のノウハウを強奪・詐取する巨大な試みであるからだ」。
 この闘いの緊急性とそれがもつ決定的な意味を前にして、農民連盟の組合員は、「あえて非合法の活動」をしなければならないという点で合意した。これは、農民連盟の要求が「市民と消費者の多数」に実際に承認されているという確実な事実があるがゆえになされた選択である。
 より全般的には、農民連盟は、農業者だけの利害を考える同業組合主義を退け、「農業者だけの枠を超えたもっとずっと広範な社会の運動を展開する」必要があることを改めて確認するよう強く望んできた。たとえ、農民組合としての日常の活動が農民個人、あるいは農民集団を防衛することであっても、そうなのである。
 このような決意が、農民連盟に対する農民世界を超えた支持を実際にもたらすだけの価値をもたらしているのかもしれない。もしそうだとすれば、そのために、農民連盟は権力の攻撃の的になっているのである。右翼は、実際、「多数派農民組合が有利になるよう強盗作戦を行う」ために、農民組合の資金調達規則を変更することによってその財政に打撃を与えたがっているように思われる。
 シラク政権は、確かにFNSEA(全国農業経営者連盟、フランス最大の農民団体)との間の長い提携の伝統をもっている。これは、圧倒的多数の農民がこの三〇年来、犠牲になるという伝統である。農民連盟に打撃を与え続けている弾圧――ジョゼ・ボヴェと他の活動家はいぜんとして禁固の危険にさらされている――に反対する闘いにさらに、今日、複数の農民組合の存在を守るための闘いが加わった。
(「ルージュ」03年5月1日)


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