| 共産党・社民党の後退を乗り超える新しい抵抗の政治的軸を作る挑戦を |
四月二十七日、統一地方選の後半戦として全国の一般市区町村長・議員選挙が行われた。合わせて国政の四補選も行われた。国政の四補選では衆院東京6区で民主党の小宮山洋子候補が自民党に勝利した以外は、自民党ならびに保守系無所属が勝利した。また市区町村議員選挙では、四月十三日の道府県議員選挙・政令指定都市の市議選挙と同様に、共産党、社民党の大幅な後退が目立った。
共産党を例に取れば、四年前に比べて市区議選では千百七十六議席から千七十議席と百六議席の減、町村議選挙でも九百四十六議席から九百四十三議席と三議席の減である(いずれも推薦候補をふくむ)。その結果、共産党議員のいない「空白区」は今回六市六十八町十三村で克服されたが、新たに「空白区」となったのが十四市三十七町十二村に上る。つまり市議に限って言えば「空白区」は増えてしまったのである(「赤旗」4月29日付)。この数字は公明党の道府県議・市区町村議候補二千百二十一人が全員当選したことと対照的である。
社民党も、市議選で三分の一に激減させた前回よりもさらに五十五人の減となった。
共産党の後退は、道府県議・政令指定都市選挙の時と同様に、大都市部で著しい。東京の区議・市議選では共産党の当選者は前回の二百二十四人から今回の二百一人と二十三人の後退である(自民党は三百五人で十二人減、公明党は二百七十二人で六人増、民主党は百八人で一人増、生活者ネットが四十七人で四人増、社民党は三十人で九人減、自由党は十五人で六人増)。
イラク戦争や有事法制に反対し、福祉切り捨てに反対してきた共産党や社民党の後退は、ブッシュのイラク侵略戦争や小泉政権の「侵略戦争支持」への広範な反対世論と反戦運動の広がりにもかかわらず、それが「戦後革新」を代表してきた共産・社民両党への投票には結びつかなかったことを意味する。新しい平和運動の流れを共産・社民両党は獲得できなかったのである。
こうした厳しい状況の中にあって、沖縄の宜野湾市長選で同市内にある普天間基地の「県内移設」反対を正面に押し出した革新統一候補の伊波洋一氏が保守系候補との一騎討ちで接戦を勝ち抜いたことは、今後の名護新基地建設反対運動など在沖米軍基地に反対する運動にとって重要な意義がある。伊波新市長は記者会見で、住宅地上空の米軍機の飛行制限を求めて、米国内での裁判も考えると述べた(「沖縄タイムス」4月28日夕刊)。
われわれは、イラク侵略戦争と有事法制に反対し、小泉政権の新自由主義的構造改革路線を批判する候補への投票を呼びかけ(本紙3月31日号)、可能な限り各地の選挙運動に関わってきた。全体として無所属「市民派」候補は、道府県議選挙・市区町村議選挙でも健闘し、一定の前進を勝ち取ることができた。
しかし統一地方選全体の政治的結果は、新自由主義的グローバリゼーションと結びついた新しい戦争の時代に立ち向かうオルタナティブな左派潮流形成の闘いが、いまだきわめて初歩的で弱体な現実にあることを改めてわれわれに突きつけている。共産党・社民党の後退を乗り越える新しい抵抗の政治的軸を打ち立て、反グローバリゼーション運動とイラク反戦運動に表現された可能性を、多元的で民主主義的で国際主義的な左派の政治主体へと結実させていくための意識的な挑戦を続けよう。(5月4日 純)
静岡 県議選、市町村長と議員選挙で空港反対派が健闘
かちとった成果と可能性を生かそう
【静岡】イラク戦争に反対する多く行動が取り組まれ、「平成の大合併」で住民をおき去りにした論議が進む中、統一地方選の結果は、静岡県議会(定数78)の構成に大きな変化を作り出した。それは改選前まで共産党四議席を除く七十四議席が(自民党から無所属を含め)知事与党であったものが、共産党の一議席減にもかかわらず、県政の最大の課題である静岡空港建設の是非からみれば、知事与党に与しない議員が六議席に躍進したことである。
一昨年、空港の是非を住民投票で決めるよう求めた二十七万の署名に対して、知事は「住民投票の結果に従う」と公約しながら、知事選当選の直後、約束を反故にし県議会が条例請求を否決した経過があった。これは明らかに県民の多数が空港不要としている県民合意のない事業であって、民意と県議会の構成とが全くかけ離れた状態にあることを示すものであった。これが、今回大きく変ったことによって「土地収用」手続き開始を公表した知事と県当局の強権発動に対して、世論と一体となった反撃に、きわめて強力な足場を作り出したのである。
静岡県がこれまでのように、バブル時代の構図を引きずりムダな公共事業を強行していけば県財政破綻は確実であり、県民福祉の切り捨てが進み、県民生活破壊の深刻化は避けようがない。県議選静岡市選挙区で勝利した松谷清県議を先頭に、空港建設「土地収用」攻撃をはねかえす闘い(それは激しい攻防にむかうだろう)を強力に進めていかなければならない。空港反対勢力のすべてが一丸となって、ますます奮闘することが求められている。
統一地方選後半、市町村長と議員選挙においては市民・住民の立場に立って行政をチェックし、提案と発言を続けてきた闘う議員候補が健闘し、ほぼ現状を維持した。もちろん、これらの候補者の全員が空港反対を中心的に主張したわけではないが、こぞって静岡県政と各自治体の改革とを結びつけて闘いぬいたことにかわりはない。
この闘いの中でも、空港予定地に接し、空路直下となる吉田町長選において、空港推進派の現町長を完敗させたことと町議選での空港反対派の議席増(16人中3人)は特別に大きな成果と言うべきである。吉田町長選の結果、空港に関係する地元自治体首長の劇的な勝利は、公然と空港反対を主張するしないにかかわらず、知事石川と県当局は予期しない脅威、最悪の事態出現とみなすだろう。
また、今回の統一地方選は小泉政権路線につき従う自治体のあり方を問うものであったし、労働者・市民にとっては既存の枠組みから自立した政治勢力をいかに作り、結集させるかが問われた。このわれわれの挑戦は部分的で、わずかな成果を手にしたにすぎない。しかし、社民党、共産党が得票と議席を減らす中で、小さな成果ではあっても新しい可能性を最大限に生かし、育てていかなければならない。 (S)
関西 市民運動派の大きな成果と厳しい試練
共産、社民は後退の流れ
【大阪】統一地方選前半では、尾辻かな子さん(大阪府議・堺市)や稲村かずみさん(兵庫県議・尼崎市)の当選を勝ち取るなどして比較的順調に滑り出した「虹と緑」や無所属市民派関係の選挙闘争も、後半戦では少し厳しいものになった。
堺市で尾辻かな子さんと協力関係を結んだ四人の市議候補のうち田中丈悦さんと山中優子さんは当選したが、堺市民ネットなどで積極的な活動をしてきた小仲久雄さんや小堀清次さんは当選を果たせなかった。また関西共同行動などでも協力して活動してきた泉大津市の高橋登さん(現職)は、たった九票差で次点になってしまい、西宮市の竹林信幸さんも届かなかった。
しかし、高槻市では二十五歳の野々宮あいさんが二位で高位当選し、門真市の戸田久和さんはトップ当選した。また豊中市では、新人の坂本保子さんや現職の市村さんが当選を果たし、住基ネット反対運動に積極的に関わっている寝屋川市の吉本弘子さんも当選した。高石市では堺市との合併に反対の市長が生まれ、合併反対の市議も高位当選した。
共産党は全国的傾向と同じく、関西でも議席を減らし、社民党は後退の流れを逆転させられなかった。 (H)
福島 郡山市議選で駒崎ゆき子さんが再選
県議選では共産党が3減
【福島】四月十三日の県議会議員選挙は、五八%と言う低投票率の中、前回五議席を獲得し交渉会派となっていた共産党は現職二人と新人一人が落選(県都福島市で二十年ぶりに議席を失い)、二議席となってしまった。社民党は前回大幅に減らした三議席で現状維持。自民党系が二代目や身代わり候補を含め、従来からの地盤・看板・かばん選挙をすすめ議席を増加させた。この結果は、原発政策等において推進派の巻き返しを招く状況を生み出している。
市町村選挙のうち郡山市議選では、前回初議席を得た無所属市民派の駒崎ゆき子候補が、二二〇五票を獲得して再選を飾った。投票率は五二%、投票総数が前回より八千票以上減る中で、前回獲得票から五九三票を上積みしての勝利であった。
保守系は、「地元」、業者を手堅くまとめ、また、公明党が得票を着実に増加させている一方社民党は四議席を維持したものの得票数は大幅に減、共産党は得票数増で三議席を維持した。 (N)
東京東部 江東区議選で中村まさ子さんが3選
保守系増大の中で問われる今後
【東京東部】四月二十七日、東京江東区議会選挙が行われ、「市民の声・江東」の中村まさ子さんが二九二五票で当選した。江東ユニオンをはじめ、東水労、清掃労組などの支援を受けて初立候補の前田かおるさんは一五六七票で残念ながら及ばなかった。今回の江東区議選は四十四の定数に対して、六十二人が立候補するという大激戦であった。中村さんは六価クロムの不法投棄に対する闘いや反戦運動などの活動を行いながら、開かれた区政の実現(政務調査費の報告書に領収書添付を、予算・決算委員会の公開)、福祉の充実をめざして選挙活動を行った。中村さんは前回より得票を伸ばして、十七位で当選した。
自民党、共産党、民主党、旧社会党系無所属が議席を減らし、これまで議席のなかった柿沢弘治派(元外務大臣・衆院議員、長男が都議)や自由党が複数議席を獲得した。生活者ネットも初めて議席を獲得した。
自民党は選挙のたびに議席を減らしている。旧来の町会ぐるみ選挙も力を落としてきているのは明らかだが、それに変わる政治の仕組みも登場しきれていない。今回も大勢の新人・無所属候補が立ったがほとんどが敗北した。旧社会党系議員はついに一人となった。民主党は派閥抗争、スキャンダルや暴力事件で離党、引退があり一議席となった。「市民の声・江東」も前回に続き、複数候補の立候補であったが複数議席獲得はならなかった。保守傾向の増大の中で、いかに闘うかが問われている。 (M)
荒川区議選でせの喜代さんが再選
情報公開・市民参加型区政へ
【東京東部】四月二十七日に投票が行われた統一地方選後半戦・荒川区議会議員選挙で、無所属市民派のせの喜代さんが堂々第三位で快勝し、再選を果たした。
今回は二期目。前回のデビュー選では、新人ながら地元東日暮里での市民運動の経験を生かし自民・公明に次ぐ第四位で当選。議員活動を開始した。「子育て・環境・市民参加の街づくり」を掲げて四年間、精力的に区内を歩いた。公約でもあった平和展は毎年開かれ、空襲被災地での慰霊祭も定着した。区内で行なわれる行事にも積極的に参加し、政策を訴えた。
今回は定数二削減の三十二議席。新人も多数立ち激戦だったが、前回より六十六票上積みした二五四五票で第三位に躍進した。選挙戦ではとりわけ、障害者・高齢者たちの手応えを感じたという。四年間の実績が区民に広く支持され、確実に票に結びついた。情報公開・市民参加型の区政へ、せのさんのさらなる活躍が期待される。 (S)
北区議選で古沢くみ子さん3選
問われる労働戦線の調整機能
【東京北部】統一地方選の後半である特別区の区長・区議会議員選挙が行われた。各区とも定数が二人ほど削減される中で、市民派、護憲派にとっては厳しい選挙戦となった。「憲法を生活、地域の中へ」「イラク戦争反対」「有事法制反対」など懸命の訴えが展開された。北区では古沢くみ子さん(無所属)が三期目に挑戦、再選を果たした。豊島区では、かい葉子さん(社民党公認)が初挑戦、当選には至らなかったものの次回につながる手ごたえを感じる選挙戦となった。板橋区では、かわむら寿子さん(新社会党公認)が落選となったが強烈な護憲派として登場し奮戦した。
労働戦線では、全労協がFAX通信(内部通達)で各地の護憲派を擁立して闘うことを通達されたが、北部ではどこからも提携も共闘も呼びかけられることなく各単産、組合、個人が概ね民主党から社民党、新社会党の幅で取り組むレベルに終始した。調整機能の不在は深刻である。 (H)
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