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戦争をいますぐやめろ!               かけはし2003.4.7号より

これ以上の虐殺をとめるため米英軍を即時撤退させよう!

ブッシュ・ブレアを怒りの反戦デモで包囲しよう

 アメリカ、イギリスのイラク侵略戦争は、ブッシュとブレア両政権・軍部の楽観的思惑とは異なり「長期戦」の様相を深めつつある。それとともに戦争は、ますます凄惨な民衆虐殺を引き起こしている。連日のバグダッドなどへの猛爆は、一般市民の死傷者を増加させている。
 首都バグダッドだけをとっても、三月二十六日にはシャアブ地区の市場への空爆で少なくとも十五人が死亡、二十八日にはマンスールの住宅街へのミサイル攻撃で八人が死亡、同日にはアッシュウラ地区の市場へのミサイル攻撃で五十人以上が死亡した。三月二十九
日にもバグダッド近くの農場への爆撃によって子ども十一人をふくむ二十人が死亡した。
 これは「誤爆」なのだろうか。そうではない。「衝撃と恐怖作戦」という昼夜を分かたぬ大量爆撃は、アメリカの言うようにサダム・フセイン政権の政・軍中枢だけを狙ったものではなく、一般民衆に「衝撃と恐怖」を引き起こす無差別爆撃である。一般市民の虐殺は、この米英軍の作戦が必然的に引き起こしたものなのである。
 このような無差別爆撃による一般市民の死者は、アメリカの民間団体「イラク・ボディ・カウント」によれば、三月三十一日現在で最小の場合でも四百三十三人に上っている。それだけではない。米英両軍は劣化ウラン弾、クラスター爆弾、さらに「バンカーバスター」のような大量殺傷兵器を使用していることを認めている。それでも米軍当局は、「劣化ウラン弾の人体への影響は攻撃対象の極めて近くにいる場合だけ」「劣化ウラン弾とがんの発生などの関係は科学的に立証されていない」と居直り続けている。
 戦争が米英の当初の思惑通りに進まず、イラク軍や市民の抵抗によって侵略軍が苦境におちいればおちいるほど、焦りに駆られた米英両軍がいっそうの無差別大量虐殺の手段を行使することが予想される。三月三十一日には、イラク中部ナジャフの検問所で「停止命令を無視した」という理由でワゴン車に米兵が発砲し、女性と子ども七人を殺害するという事件も起きた。
 これ以上の破壊と虐殺を直ちに止めさせよう。それはただグローバルな反戦運動の広がりによってこそ可能なのだ。
 三月二十日の空爆開始の直後から、全世界では数十万の大規模な行動が毎週続けられている。戦争を今すぐ止めろ! 米英両軍は撤退せよ!の訴えをいっそう拡大しよう。これ以上の虐殺を阻止すること――それは、まさに時間との闘いである。
 日本でも一月十八日の「ワールド・ピース・ナウ」実行委員会の日比谷集会以後、はじめてデモに参加する若者たち、二十年・三十年ぶりに参加する「団塊の世代」や高齢者をふくめて、新しい平和運動のうねりが集会のたびごとに高まってきた。「ブッシュの戦争に反対する」ために結集した人びとの批判と怒りは、同時にこの戦争を支持している小泉政権にいっそう向かうようになっている。
 川口外相は、国連のアナン事務総長が「新決議がないままの米英のイラク攻撃には疑問が残る」と批判したことへの見解を問われ、「アナン事務総長に安保理決議の有権的解釈をする権限はない」と言い放った(3月24日、衆院予算委)。
 米英軍の攻撃によって民間人の死者が続出していることに対して、福田官房長官は三月二十七日の記者会見で「(米英軍は)極力そういうことを避けるよう注意しながらやっているが、注意をしても避けられないことはあり得る。イラクのミサイルが、一般住宅の近
くに配置されているという事情もある」と述べ、一般市民の被害はやむを得ないと、あくまでも米英を弁護した。イラクの市民が殺されているのはイラク軍の責任だ、というのだ。こうした小泉内閣の虐殺容認の主張を許すわけにはいかない。
 米英のイラク侵略戦争を無条件に支持してきた小泉政権は、一方では「戦後のイラク復興・支援」や多国籍軍占領下でのイラクにおける「治安維持」を名目にした新法案の上程を検討する一方、昨年から、継続審議のままになっている有事3法案=戦争法案を、「北朝鮮のミサイルが日本を狙っている」というデマゴギーを煽りながら成立させるための動きを強めている。
 こうした流れの中で、石破防衛庁長官は三月二十七日の衆院安全保障委員会で「自衛隊が敵基地を攻撃する能力を持つことは検討に値する」と述べ、従来の政府見解を大きく踏み出して「先制攻撃」につながる態度を表明している。
 小泉政権は、四月八日にも去年の臨時国会に提出した「修正案」を与党3党の共同提案で委員会に付託し、四月中旬にも衆院を可決させ、早期に有事3法案を成立させる方針を打ち出した。
 「戦争反対、有事法案を廃案へ!市民緊急行動」が呼びかけている四月十二日の「イラク攻撃を止めよう国際共同行動」集会(仮称:坂本町公園〔地下鉄東西線茅場町駅下車〕、午後1時結集、1時半デモ出発)に続き、イラク反戦の闘いを全国各地で作り上げるとともに、有事法制反対・廃案をめざす行動を! 四月八日正午から衆議院第二議員会館第一会議室で、市民緊急行動、平和を実現するキリスト者ネット、平和をつくり出す宗教者ネットの呼びかけで「有事法案を廃案に、STOP!イラク戦争 緊急院内集会が開かれ
る。
 ブッシュ・ブレアの戦争に反対し、小泉内閣の有事法案成立の目論見を打ち砕くためにさらにいっそうのエネルギーを集中しよう!  
  (4月1日 平井純一)

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