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「日本郵政公社」が発足――             かけはし2003.4.14号より

何が生じるか、どう闘うか

郵政全労協が全国シンポジウム


 四月一日、「日本郵政公社」が発足した。郵政全労協はこれに先立ち三月三十日、「三・三〇郵政公社を監視する全国シンポジウム」を主催した。会場の大阪(エルおおさか)には二百十人が参加した。

公共サービスの破壊との闘いを

 まず主催者を代表して郵政全労協の棣棠議長が開会あいさつを行った。
 「公社は当面、旧国営事業のサービスを維持して発足することになるが、民営化に向けた営利追求を第一義としたさまざまな施策が矢継ぎ早に押し進められていく中で、今後公共サービスが破壊され、市場化されていくのではないかと思われる。既に投資条項に違反して通過させた老人ホームの経営や海外投資の展開、コンビニとの提携と郵便局のコンビニ化や物流産業への参入などの動きをみれば明らかだ。私たちは『日本郵政公社』に対抗して、社会的有用性のある郵政事業をめざしてさまざまな取り組みを展開してきた。このシンポジウムには全国から百六十九団体から賛同を得ており、職場・地域のみなさんと手を結び闘っていかねばならない」。棣棠さんは、このように公社下で郵政労働運動の展望を切り拓いていく固い決意を表明した。
 次に、山家悠紀夫さん(神戸大学大学院教授)から「小泉改革はどこへ行く〜郵政改革を問う」と題する特別講演が行われた。
 山家さんは小泉改革を真っ向から批判し、こうした流れから「日本郵政公社」から民営化に向かう中で、良質なサービスが削られ、不採算部門が廃止されていくのではないかと指摘した。
 この後、四人のパネリストによるパネルディスカッションが椿茂雄さん(郵政全労協)の司会で行われた。
 パネリストと演題は以下の通り。「郵政公社は民営化の第一歩」(前田純一さん。労働大学講師)、「郵政公社と労働者の闘い」(倉林浩さん。郵政全労協)、「郵政公社と労働者の権利」(森博行さん。弁護士)、「郵政公社と新旧利権構造」(池田実さん。ジャーナリスト)。

郵政改革=公社化の本質は何か

 最初に前田さんは「郵政を外部から監視する立場から郵政改革=公社化の本質は何かを述べたい」として以下のように報告した。
 「公社―民営化の背景には資本のグローバル化と密接につながっている。とりわけ郵政はドイツポストを手本として世界的総合物流企業を目指していると言われている。小口物流と郵便物流の垣根がなくなりつつあるいま、郵便関連事業に出資できるとした『出資条項』によってオランダTNNとの合弁交渉や日通との提携が取りざたされ、国内の物流業者や宅配業者の買収も可能になってきている。郵政の向こう四年間の『中期計画』は、三事業いずれも収入減見通しのため、経費節減が至上命題通り、人件費削減が中心となっている。ドイツポストは九四年、全額政府出資の株式会社に移行したが、経営合理化によって郵政局の閉鎖や労働者の首切り(90年39万人→99年24万人に)が行われた。この際にドイツポストは成果報酬制度を導入し、これを何年も続けたことで多くは自発的に会社を辞めていった、としている。『日本郵政公社』も能力・実績給を取り入れ、査定と差別が拡大するとともに労働強化が進み、働き続けられない環境が醸成されていくだろう」。

迫る大合理化と職場での闘い

 次に倉林さんからは、この間の職場における闘いの状況について報告した。
 「三月十五〜十六日の二日間、郵政全労協は労働相談窓口を全国五カ所で開設した。相談には、@雇い止めされた簡保職場の労働者から、もっと早くやってほしかったA不利益差別されているBいじめを受けているC面接で二週間に一度医者に通っていることで不採用となったD委託労働者だが契約期間が更新されるのか不安、など寄せられ、アドバイスとして管理者や上司の言動を記録しておくこと、労組に加入することで問題を公然化し取り組んでいけることなどを奨めてきた」。
 「また、新集配システム(既に受箱配達は配達ゆうメイトに、小包・書留は正職員に)の実施によって、内務ゆうメイトが解雇され、配達ゆうメイトが新規雇用される事例があった。このシステムは試行段階であり、今後全国化していけば大量の解雇が予想される。生田新総裁は、目一杯生産性を上げ強い公社をつくる、と決意を述べており、営利追求を第一義とした合理化がすすめられ、現在の正職員の削減とパート化を今後、有期雇用労働者を七〇%に、正職員を三〇%としてこれを職制化させる目論見が取りざたされている。予想される諸状況にあって、私たちは有期雇用労働者、短時間労働者の置かれている環境に真摯に目を向け、さらに強く取り組んでいかねばならない」。

公社職員の法的地位と労働基本権

 続いて森弁護士は「郵政公社職員の法的地位は、公社法五十条に公社の役員及び職員は国家公務員とする、とあり労働基本権は従前通り制限されているが、公社化によって労働者の賃金の決定権は総裁にあることから争議権や政治的自由の制限は回復されて然るべきだ」と述べ、北海道猿払事件の判決(選挙ポスターを公営掲示場に掲示した行為を政治的行為にあたるとして有罪)や全逓東京中郵事件(争議行為の限定的合憲論)を例に挙げ、ILO条約の勧告を紹介しながら、公務員の労働基本権や政治的自由に対する制限を痛烈に批判した。

公社化で利権構造はむしろ増殖する

 パネリストの最後に池田さんが、公社化されても残り続ける利権の構造を批判し、次のように提起した。
 「新公社の発足で利権構造は変わるのだろうか。一昨年の高祖事件(選挙違反で参院議員を辞職)以来、鳴りをひそめていた全特は公社後初の全特総会をこの五月に開くのだが『組織を強化し特定局長制度を堅持しよう』『地域活動の強化でいまこそ特定局の存在感を示そう』がスローガン化され、政権党との深いパイプが復活されている。また、郵政官僚や労組幹部にまで張りめぐらされた天下りシステムは何ら変わってはいない。むしろ出資条項の採用により天下りファミリー企業の再編成や福祉事業への新たな進出などでその増殖がすすむのではないだろうか」。

今後の運動をどのように進めるのか

 四人のパネリストはそれぞれ意見を述べた後、まとめとして公社発足にあたって、今後どのように運動をすすめていくべきなのか提言した。
 前田さんは「企業内労働から脱皮してほしい。脱皮しない限り公社に対決できないことを肝に銘じて運動を展開してほしい」と訴えた。
 倉林さんは「有期雇用労働者が無権利状態にある中で、他労組も関心を持って対応しようとしている。組合としての均等待遇がなければいけない。また、こうした人たちの抱えている問題を解決していく上で現行の単組の協議体で対応できるのか、あり方について考えていかねばならないと思う」と提起した。
 次に森さんからは「大阪教育合同労組は民間労働者も組織している。民間労働者との共闘とともに混合組合としての組織化を目指してほしい」との提言。
 最後に池田さんは「国家公務員としての意識を拭い去って一民間労働者としての意識変革が必要だ。地域での強みやネットワークを生かして新しい郵便事業はどうあるべきか考えていかねばならない」と問いかけた。

日韓郵便労働者交流集会を開く

 四人の提言を受けて、司会の椿さんから「内部からの告発を含めて外部から監視機構をつくっていかねばならない。市民、利用者と手を結んで地域に開かれた公社、パブリックな郵政を私たち自身の手でつくっていく取り組みに全力をあげていこう」との主催者の決意表明が述べられ、会場からの力のこもった大きな拍手で確認された。
 シンポジウムは最後に、御用労組・韓国逓信労組の民主化を展開している仲間、関西障害者定期刊行物協会の安藤さん、ウィメンズアクトの和田弘子さん、大阪全労協の前田議長、大阪ユニオンネットの馬場さん、日逓不利益変更裁判を闘っている成田さん、中小労組政策ネットの平賀さんからそれぞれ連帯のあいさつを受けた後、団結ガンバロウを三唱した。
 翌三十一日には、日韓郵便労働者交流会が開かれた。韓国では一企業に複数の労組は認められていない。御用逓信労組内の民主派勢力には、逓信労組直選制推進協議会(逓直推)と全国集配員労働者協議会(集労協)がある。ちなみに委員長直選制を実現した韓国鉄道労組は、民主派執行部を選出し、民営化阻止のゼネストを昨年闘い、韓国労総を脱退し民主労総に加入している。この交流は逓直推の朱永斗事務局長を招請して行われ、今後、定期的な交流を維持していくことが決められた。
(中村哲也)



つぶせ!小泉政権 やめろ!イラク戦争
労基法大改革にNO!
国会審議の山場を前に中央行動


 四月二日、「つぶせ!小泉政権 やめろ!イラク戦争 戦争も雇用破壊も許さない! こんな解雇ルールはいらない! 4・2中央行動」が行われた。

小泉政権が大改悪案を国会提出

 三月七日、小泉政権は労働者の強い反対を押し切って労基法と労働者派遣法の大改悪案を閣議決定し、国会に提出した。それは@労働者の権利を定めた法律である労基法に「使用者は解雇できる」と使用者の解雇権を明記するA有期雇用労働の契約期間を原則三年に、高度専門職は五年に延長するB企画業務型裁量労働性の手続き要件を緩和し、対象を拡大するC派遣対象業務を製造業や社会福祉施設の医療業務に拡大し、派遣期間を延長する――などである。
 そのねらいは、正社員を解雇しやすくして首切りを押し進め、無権利で首切りが容易な有期雇用労働者や派遣労働者に置き換えること、ホワイトカラー労働者のサービス残業を合法化し、過労死労働を強制することだ。
 それは資本のグローバリゼーションの進行の中で、労働運動が長い闘いで営々としてかちとってきた労働者の基本的権利を根こそぎにし、労働者の命を削らせることで大資本が生き残ろうとするものにほかならない。それはまた、ILO(国際労働機関)が体現する労働者の権利の国際標準を破壊しようとする、許し難い反動的暴挙である。
 この中央行動は、五月に最大の山場を迎える改悪法案の国会審議を前にして、大きな闘いのうねりを作り出すとともに、三月二十日に開始されたブッシュ・ブレア・小泉のイラク侵略戦争に反対する労働者の闘いの意志を示すために取り組まれた。

国会内外の力を総結集する闘いへ

 朝から降り続く冷たい雨の中、午前中から午後五時まで、日産本社や郵政公社などに対する抗議と申し入れ、有楽町マリオン前での労基法改悪に反対する宣伝行動、衆院議員面会所での集会、厚生労働省に対する申し入れなどの行動を行い、午後六時半からは日比谷野外音楽堂で中央集会が開かれた。
 集会では最初に、主催者を代表して柚木康子さん(均等法ネットワーク、全石油昭和シェル労組)があいさつに立ち、「ブッシュ政権のイラク戦争と小泉政権の戦争支持、小泉構造改革と労基法大改悪を許さない闘いを」とアピール。
 国会から石井えい子さん(民主党衆議院議員)、小沢和秋さん(共産党衆議院議員)、大脇雅子さん(社民党衆議院議員)が連帯あいさつに立ち、それぞれイラク侵略戦争と小泉政権の戦争支持政策を厳しく糾弾し、第二次大戦後に闘い取ってきた労働者の権利を根こそぎに破壊しようとする労基法大改悪を絶対に許さず、国会の中と外で闘い抜こうと訴えた。
 続いて日本労働弁護団幹事長の鴨田哲郎さんが、労基法・派遣法改悪のねらいについて報告、労働団体から、全労連の寺間誠治さん、全労協の藤崎良三さんが闘いのアピールを行った。

国籍を超えて団結する労働者の闘い

 NGO・市民団体からは、移住労働者と連帯する全国ネットワークの渡辺共同代表と日韓投資協定NO!緊急キャンペーンの土松さんが連帯のあいさつ。
 渡辺さんは、「戦争で真っ先に弾圧されるのは外国人、労働法制大改悪はこれまで外国人労働者に行われてきたやりたい放題を日本人労働者にも広げようとするものだ。多民族・多文化が共生できる社会をめざそう」と訴えた。
 土松さんは、小泉政権とノムヒョン政権との間で日韓自由貿易協定を作るための協議が進められており、その中に労働運動弾圧や民営化などが盛り込まれようとしていることを報告、四月十八日に韓国民主労総代表を招いて開催される「日韓自由貿易協定反対」の集会への参加を訴えた。
 非正規労働者・争議組合からは、いすゞ自動車の下請け切り捨てと解雇に反対する闘いを勝利的に押し進め全組合員の職場確保を勝ち取りつつある全造船関東地協ヤサカ分会、国鉄分割民営化・不当解雇と対決する闘いを不屈に押し進める国労闘争団が決意表明を行った。
 全国一般なんぶの高須裕彦さんが、当面する国会闘争や反戦運動について行動提起。イラク戦争反対特別決議と集会アピールを採択し、全統一労組の鳥井一平さんのデモ指示、神奈川シティユニオンの角元美千子さんの音頭で団結がんばろうを三唱し、五つの梃団に別れて国会への請願デモに出発した。    (I)



止めよう! 暫定滑走路 住民追い出しを許さない! 東峰現地行動へ
主催 三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会


 国土交通省・空港公団が昨年4月18日に暫定滑走路供用を強行してから約1年がたちました。そして、なりふり構わず供用を開始したが故の事故が起きています。
 昨年12月1日には飛行機同士が接触事故を起こし、今年1月27日には離着陸機が70メートルのオーバーラン事故を起こしました。東峰神社まであと50メートルという所で辛うじて止まりました。これらは大惨事につながりかねない重大事故です。そして、このような事故は構造的欠陥ゆえの事故であり、今後もいくらでも起きる可能性があります。
 暫定滑走路供用は移転を拒否して空港反対を闘い抜く東峰・天神峰の農民を追い出すために、村の中に誘導路を通し、農家の頭上40メートルに飛行機を飛ばすという暴挙です。
 住民は朝6時過ぎから、夜11時前まで離着陸機の轟音下での生活を強いられています。それも1年を通じて365日休みなしにです。飛行機があまりの低空で進入してくるため、飛行機の翼が起こす圧風で建物の瓦がずれて落下するという事態も起きています。
 黒野匡彦公団総裁は事故について「滑走路が長ければ防げたかもしれない。2180メートルで供用を開始したことや、使用している飛行機の大きさについて見直すつもりはない」と開き直っています。
 黒野は昨年7月に公団総裁に就任後、暫定滑走路の北側延長案を出し、2500メートルを完成させてジャンボジェット機を飛ばすという計画を明らかにしました。しかし、東峰住民の不退転の決意と、新設しなければならない誘導路の用地確保が困難なこと、騒音被害が拡大する北側住民の反発などにあい、その計画は破綻に追い込まれました。
 公団は昨年12月に、二期用地内に権利を持つ一坪共有者を相手に補償金と引き換えに土地を渡せと千葉地裁に提訴しました。強制収用という手段を失った公団は、民事裁判で土地を奪取しようというのです。
 さらに公団は昨年末、東峰住民をまとめて移転させようと地区の東半分全体を貨物基地にする構想を打ち出しました。
 東峰住民は、「東峰区の村としての存在を消滅させようとするもの」で「思いつきとしてさえ許されるものではない」と1月30日、公団に抗議の申し入れを行いました。計画地には元県有林の林があり、50数年前の開拓当初から農民が入会地として利用してきました。また、水源涵養林として地域の農業には欠かせないものです。
 これらの攻撃は公団が2004年民営化に向けて、今のうちに国家権力を使ってやれるだけのことをやっておこうという策動です。公団のこうした悪辣な住民追い出し策動に抗して、東峰住民は断固として農業、生活を守って闘い抜いています。

イラク戦争反対! 三里塚空港の軍事利用を許さない!

 小泉政権はアメリカ・ブッシュのイラク攻撃―イラク人民虐殺戦争に無条件の支持を表明し、イージス艦派遣をはじめとする軍事的支援も行い戦争に加担しています。国内においては有事法制の成立をめざし、戦争国家体制を構築しようとしています。
 三里塚空港もPKOゴラン高原派兵の出撃拠点として、すでに15波にわたって自衛隊員が飛び立っています。有事の際には三里塚空港も米軍の最大の空輸拠点として使用が目論まれており、そのためにも空港の拡張・整備は不可欠のものとなっているのです。暫定滑走路使用停止・空港反対の闘いは、反戦・反安保の闘いとの関連からも極めて重大な課題となっています。
 侵略と戦争に反対する世界の人民と連帯し、不屈に闘い続ける三里塚・東峰農民と連帯し、東峰現地に結集し、共に闘おうではありませんか!

止めよう!暫定滑走路
住民追い出しを許さない!
日時  5 月 11日(日)午後1時
場所 東峰共同出荷場(京成東成田駅からタクシーか、徒歩で40分)
主催 三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会
東京都千代田区三崎町2-2-13-502 じゃがいもの会気付D03-3261-1128
三里塚現地連絡先 山崎方D&FAX 0479―78―0039



第5回東峰神社裁判――
「部落総有は歴史的事実」――原告側が詳しく立証


 三月三十一日、千葉地裁で第五回東峰神社裁判が行われ、弁護団とともに東峰部落を代表して石井恒二さん、島村昭治さん、萩原進さんが出廷した。
 第五回裁判は、東峰神社の土地の所有権が公団にあるという手前勝手な主張に対して、原告が反論補強のための準備書面を裁判に提出した。公団は、一九六一年十二月十三日に神社の土地名義が東峰部落区長である寺田増之助から淺沼輝男に移り、二〇〇一年六月十五日に空港公団に所有権が移転したと主張している。
 原告は以下のように反論していった。第一に、歴史的事実は、神社の土地は寺田区長から部落に寄贈されたものであり、部落の共同財産として管理されてきた。これを総有関係(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で、各自に持ち分や分割請求権もない)と言い、社殿・鳥居・植林した神社林などの物件も部落の総有である。だから土地所有の所有形態は入会権として成立している。
 第二に、仮に寺田が土地を部落に贈与しなくても、土地の利用権については部落にあることは歴史的事実であるとして具体的に反論した。つまり、東峰部落が存するかぎり神社のような共同の施設の運用を目的とするような土地については、強い利用権が成立し、これを「共有の性質を有しない入会権」と言う。また、入会的な所有形態の場合、土地所有権を確認する登記がなくても対抗できるのが慣例となってきたのである。
 すでに公団は、暫定滑走路工事強行のために「工事実施計画変更認可申請」書類を国土交通省に提出したが、その中の「制限表面物件一覧表」で神社の土地について、「当該物件の所有者、その他の権限を有する所有者不明」と明記し、その後に「(淺沼輝男)」と書いている書類を提出している。この書類だけを見ても、「所有者不明」と言わざるをえず、わざわざ「(淺沼輝男)」とカッコをつけなければならないところに神社が東峰部落の総有関係であることを逆に証明してしまっている。
 第三に、当然、神社の樹木の所有権も東峰部落にある。仮に贈与ではなく、土地所有権がなくても、利用権という権限を持って樹木を植栽しているわけだから勝手に切ることは違法だと反証した。
 さらに、反論書面では、暫定滑走路における接触事故(〇二年十二月一日)、オーバーラン事故(〇三年一月二十七日)、暫定滑走路が危険と隣り合せの欠陥空港を証明する新聞報道記事を提出した。
 裁判後の集会で東峰神社裁判カンパ運動への協力が原告から訴えられた。東峰部落住民の闘いに連帯し、暫定滑走路の使用中止と、この裁判の勝利(@東峰神社の土地の所有権が部落にあることの確認A伐採した立ち木等を伐採以前の状態にもどすことB公団による謝罪文の交付C謝罪文の新聞掲載D慰謝料請求)を勝ち取っていこう。第六回裁判は、五月十九日、午前十時半、千葉地裁。(Y)

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