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パンフ紹介 ダニエル・ベンサイド著――新時代社 400円                                   かけはし2003.3.3号より

『新しいインターナショナリズム』

復活し始めた国際的抵抗・連帯・希望
 「世界は売り物ではない!」「オルタナティブな世界は可能だ!」「もう一つの世界は可能だ!」。九九年十二月、アメリカ・シアトルで開かれたWTO(世界貿易機関)総会は、このように叫ぶ数万のデモ隊に包囲された。全世界を多国籍企業の思いのままに支配しようとするWTOに抗議するために、南北中央アメリカから、ヨーロッパから、アジアから、オセアニアから、そしてアフリカから、まさに世界中から、エコロジー運動、人権擁護運動、債務帳消し運動、農民運動、先住民族運動、女性運動、労働運動の活動家が押し寄せた。その闘いによって、WTO会議そのものが中止に追い込まれてしまった。
 それは、全世界の労働者人民に「底辺への競争」を押しつけ、環境も雇用も生活も人権も破壊する新自由主義的グローバリゼーションに反対する運動が、新たな攻勢の時代の突破口を切り開いた瞬間だった。
 そしてそれ以降、ニース、プラハ、イエーテボリ、ジェノバ、ブリュッセル、バルセロナ、モンテレー、ケベック、ジュネーブ、ワシントン、バンコク、メルボルン、ダカールなど、WTOやIMF―世界銀行の理事会やG8首脳会談やダボス経済フォーラムやEU理事会が開かれたすべての都市で、「オルタナティブな世界は可能だ!」「もう一つの世界は可能だ!」という同じスローガンが叫ばれ、新自由主義グローバリゼーションに反対する数万、数十万の大規模な闘いが、果敢に展開され続けている。
 そしてブラジル・ポルトアレグレでは、変革への新たな希望に満ちたこのスローガンのもとに、二〇〇一年、二年、三年と連続して、世界百数十カ国から千を超える社会運動団体が総結集し、やはり数万人の規模で世界社会フォーラムが開かれている。それは、多国籍資本の支配と新自由主義に反対する新しいインターナショナリズムの始まりを告げるものである。そして〇一年の九・一一テロと報復戦争の開始以降は、新自由主義グローバリゼーション反対とグローバル戦争反対がより一層、意識的に結合されることになった。
 この新しいインターナショナリズムは、世界社会主義革命運動の新しいサイクルが始まる予兆である。第四インター・フランス支部の同志ダニエル・ベンサイドは、その予兆を現実のものにするための希望に満ちた闘いを、ともに担おうと訴えている。

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