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新刊案内『WTO支配下の日本農業』 編集発行 横堀団結小屋維持会400円                           かけはし2003.3.3号より

三里塚からのオルタナティブ

 二月十四日から十六日までの三日間WTO非公式ミニ閣僚会議が東京で行われた。新聞報道によれば、各分野での交渉は具体的進展がなく「対立解けぬまま閉幕」したようである。
 朝日新聞は十七日付け朝刊の特集記事で「政府はコメ問題ばかり」の見出しで「経産省が工業製品の関税引き下げなどで自由化促進を唱えても、農業問題で守勢に回れば、途上国への説得力は乏しい」「官僚が自民党農林族の顔色をうかがいながら交渉を進める点も相変わらずだ」と、コメ・農産物輸入自由化に反対するものは抵抗勢力、自民党農林族と一体であるかのような報道を行っている。このような報道は、問題を改革勢力VS抵抗勢力という誤った図式に切り縮め本質を人々の前から覆い隠してしまう。
 十六日の反WTOデモで、私たちは「密室で世界のルールをきめるな!」と非公式会議が行われている帝国ホテルに向かってシュプレヒコールをあげた。密室で世界のルールを決めさせないためには、まず何がおこっているのかを、誰が何をたくらんでいるのかを知らなければいけない。
 ここ数年、国内農政は規制緩和政策のもとWTO体制に対応するために急激に変化している。これらの政策が国内農業に何をもたらしたのか、私たちは知らなければならない。そして理解しなければならない。規制緩和で利益を得るのは誰なのか?コメ輸入自由化の行き着く先は何なのか?
 横堀部落反対同盟下山久信さんの講演「WTO支配下の日本農業 三里塚からのオルタナティブ」は、WTOと農業問題を学習する格好の入門パンフレットである。
 下山さんは一章「規制緩和で農業は」で減反廃止・輸入自由化は、食料主権の放棄であり、農業育成と食糧確保に対する国の責任放棄でしかないことを、具体的数字をあげて指摘している。二章「戦後農政の総決算」では、危機にさらされている家族農業の実態を指摘し、規制緩和の名のもとにさまざまな企業が農業に群がり利益を得ようとしている実態を批判。そして三章「日本農業の未来は」では、遺伝子組み換え作物の危険性、中国産有機野菜、オルタナティブとしての小泉英政さんの先駆的な取り組みなど多岐にわたり論じ「国民自信が食べ物の問題・農業の問題を自分のこととして考えるべき」と結んでいる。
 この間の「農と食」に関する論評の大部分が、消費者の立場から書かれているのに対し、下山さんの話は生産者のリアリズムに貫かれており、現場を知る者の迫力に満ちている。
 「有機農業の畑に公共性がある」ことを実感し反対同盟に連帯する闘いは、WTO体制に対する闘いでもある。有機農業の畑を守り、空港反対を貫く創意工夫に満ちた闘いを、反対同盟と全国の仲間とともに作り出すために、私たちは国内農業が直面する問題を知らなければならない。これは三里塚と反グローバリゼーション運動に取り組むための必読のパンフレットである。
(横堀団結小屋維持会事務局 矢野薫)
 この小冊子は、全国集会前日の〇二年十一月十六日に三里塚・横堀休憩所案山子亭で行われた講演をまとめたものです。お求めは横堀団結小屋維持会
E-mail:kz-tsuji@nifty.ne.jpまで。模索舎でも販売しています。新時代社でも取り扱っています。

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