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千葉地裁                      かけはし2003.2.17号より

神社林は公団の所有物でないことがはっきりした

東峰神社裁判第4回公判

 二月三日、千葉地裁で、空港公団が暫定滑走路供用強行のために東峰神社の林を強制伐採(〇一年六月十六日)したことに対する謝罪と現状回復を求めた東峰神社裁判の第四回公判が行われた。この日の公判は、裁判長交代による更新手続きが行われ、原告弁護団が更新意見を展開した。
 弁護団を代表して大口昭彦弁護士は、〇二年十二月一日に発生した暫定滑走路誘導路上でのジェット機同士の接触事故と、今年一月二十七日のジェット機オーバーラン事故を取り上げ、暫定滑走路がいかに欠陥で危険かを明らかにし、「こういった危険な状況が東峰・天神峰部落にも及んでいる。住民たちは一貫して危険であると警告してきたが公団は無視し続けてきた。つまり、被害を前提に供用を強行し続けている」と厳しく糾弾した。
 さらに東峰神社は、部落の共同財産、すなわち総有関係(多数の者が同一の物を共同で所有する場合の一つの形態で各自に持ち分や分割請求権もない)であることや、神社周辺と敷地内の林も当然、神社林であり部落の貴重な財産であったことを強調した。
 大口さんは最後に裁判所に対して、危険で生活破壊が生じている東峰部落の検証の実施、病床中にある石井武さんへの出張事実調べを求めていたが、拒否されたことに抗議した。
 裁判の第二のポイントは、第三回裁判で原告が要求していた公団の「工事実施計画変更認可申請」書類が提出されたことだ。
 公団がしぶしぶ出してきた書類は、神社林の樹木が航空法上の制限物件であると認定したが、「所有者は不明」と記した内容だった。その他の項目にも制限物件が記されていたがすべて墨で真っ黒だ。だが、この書類によって神社林が公団の所有物ではないこと、航空法上、制限物件であるからなんとかしなければならない対象であったことが確定したのである。つまり、神社林が東峰部落の所有物であることを立証すれば公団の不法行為が確定するのだ。以降の裁判は、ここを中心に立証していく闘いに入っていく。
 裁判終了後、弁護士会館で弁護団と原告代表として石井恒司さん、萩原進さん、平野靖識さんが出席し、総括集会が行われた。弁護団は、今後の方針として、神社と神社林が部落の総有であることを立証していくために三里塚周辺の神社の土地、神社林の所有関係を調査し証拠補強していくことや、本件が入会権問題としてあり、法律論から反論していくことを提起した。
 次回、第五回公判は、三月三十一日(月)、午前十時半、千葉地裁民事。東峰裁判勝利に向けて支援・連帯を!       (Y) 


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