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編集発行 日本共産青年同盟青年戦線編集委      かけはし2003.2.10号より

資本と軍事のグローバル化と闘おう

『青年戦線』161号 400円

 〇三年度の発行第一号。昨年闘われたデモ写真の数々が緑色の表紙を飾っている。米帝は「ブッシュドクトリン」なる超米国中心主義のもと、イラク侵略戦争を着々と準備し、日本政府はインド洋にイージス艦を派遣した。労働者市民のねばり強い闘いによってストップさせられてきた「有事三法案」の成立への執念を、小泉政権は今通常国会において再燃させている。
 横浜・寿町での寄せ場学習会に参加した仲間は、野宿者への偏見を打破しようと訴え、来日したジョゼ・ボベさんの講演を聴いた仲間は「資本主義に未来はない」と確信した。
 暫定滑走路供用の強行によって、農民が追い込まれ、部落が破壊されようとしているのは、三里塚だけの光景ではない。「新農業基本法」で切り捨てられる日本の農業は、同時にWTO体制下で市場万能主義の波にさらされている。コストと効率優先の農作物生産は、人間の健康と生態系を破壊しつくす。今こそ「底辺への競争はNO!」。
 労働現場では今、「正社員」という言葉が死語になりつつある。派遣社員や労組未組織の過酷な職場実態が、仲間たちの学習座談会によって明らかにされている。アジ連公開講座報告は、彦坂諦さんによる軍隊論である。「普通の若者」の人格を徹底的に破壊して兵を造り上げる教育がわかりやすく分析されている。
 映画紹介の特撮シリーズも興味深い。さらに青年論、「差別語」論と論考が続く。「拉致問題」をめぐる論争については、ある職場でのやりとりが再現されている。
 仕事で中国を訪れた仲間は、現地からメールで寄稿した。この「中国紀行」は、滞在中開かれた共産党第十六回大会を前後する同僚の生活ぶりや、都市・町中の雰囲気を生き生きとユーモラスに書き綴っている。筆者の微妙な立場が行間ににじみ出ている苦心のリポートだ。
 闘う主体の力量がますます問われる厳しい時代である。本紙は不定期発行ではあるが、闘いの報告を成果として確認し、運動の糧にしようと試みている。資本と軍事のグローバリズムに対決する闘いを、個々に分断された青年のさまざまな幅や未熟さをも共有し、彼らの当然の危機感や正義感や使命感を発掘する、ねばり強い共同作業から始めよう。すでに十万人の侵略兵力が、イラクを包囲し戦闘準備を整えている。この戦争に反対する「1・18」東京日比谷行動は、七千人のデモ隊が都心にあふれ出た。いまこそ国際的な反戦闘争のうねりを実現しよう。       (S)


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