かけはし重要記事

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4・18暫定滑走路供用をやめさせよう         かけはし2002.3.11号より

成田空港の暫定滑走路の供用の中止を訴える運動のよびかけ

みなさまの思い思いのメッセージをお寄せください

 一九九九年五月、サッカーのワールドカップ開催に間に合わせるために成田空港に暫定滑走路を建設するという計画が降ってわいたように出てきました。これに対して、私たちは「成田空港の滑走路暫定案を白紙に戻すよう訴えます」という声明をだし、多くの方々から賛同のメッセージをいただきました。政府や空港公団は、これまでの強制収用をちらつかせ強制手段を用いるやり方を反省したはずなのですが、どっこいその本質にさして変化はなかったということなのでしょう。あれから三年、これまでとまったく同じようなやり方で工事は一方的に強行され、民家のすぐ軒先に滑走路が姿を現わし、四月十八日には暫定滑走路の供用が行われるという事態を迎えています。
 このまま暫定滑走路が使用されてしまうならば、滑走路の南端に住む人たちの頭上わずか四十メートルをジェット機が飛びかい、轟音と排気ガスが人や鶏や野菜の上に降りそそぐことになります。人間と生き物の生存を脅かし、人権を踏みにじる暴挙です。
 公共性に名を借りた工事が本当に「公共性」をもつのかということが厳しく問い直されるようになったのも、反対運動が存在したからにほかなりません。成田空港建設には、その緊急性、必要性、公共性のいずれについても、きちんとした説明がなされてきませんでした。そこに、暫定滑走路の見切り発車です。
 私たちは、こうした事態を黙って見過ごすことはどうしてもできません。政府と空港公団のこういうやり方にきっぱり反対し、どうしても声を上げたいのです。政府と空港公団に対して、暫定滑走路の供用を中止することを強く求めたいのです。そして、少数派であったとしても成田の東峰部落で確信をもって人間らしく生きている人たちに、やはり人間らしく生きたいと願う私たちの連帯のメッセージを届けたいのです。
 私たちは、目前に迫っている暫定滑走路の供用を中止させることが簡単にできるとは思いませんが、しかしできるかぎり声をあげ、何らかの行動を起こさずにはいられない気持ちで一杯です。そこで、暫定滑走路の供用の中止を訴える運動の一つとして、供用に反対するメッセージ、現地で生き暮らしている人たちに連帯するメッセージなどをできるかぎり多く発する運動を思い立ちました。この趣旨に賛同してくださる方のメッセージを集め、1冊にまとめて発表したいと考えました。みなさま方のご賛同とご協力、また、お知り合いに幅広く声をかけてくださいますようをお願い申し上げます。
二〇〇二年二月
b呼びかけ人(五十音順)弥永健一(数学者)/上坂喜美/大城雅史(真宗大谷派僧侶)/大島孝一/大沼淳一(海上の森の万博をやめよう愛知県民会議)/大野和興(農業ジャーナリスト)/尾瀬あきら(漫画家)/尾関葉子/金子美登(埼玉県小川町・農業)/鎌田慧(ルポライター)/熊岡路矢(日本国際ボランティアセンター)/越田清和(アジア太平洋資料センター)/佐高信/佐藤真(映画監督)/澤地久枝/設楽清嗣(東京管理職ユニオン書記長)/設楽ヨシ子(婦人民主クラブ)/白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)/高木久仁子(高木仁三郎市民科学基金)/玉光順正(真宗大谷派僧侶)/中村尚司(経済学者)/林廣治(ちば市民ひろば)/林光/針生一郎(評論家)/藤川泰志(調布市・八百屋)/藤原信(森林学)/藤原寿和(ダイオキシン関東ネットワーク)/前田哲男(軍事ジャーナリスト)/前田裕晤(協同センター・労働情報代表)/水原博子(日本消費者連盟)/本橋成一(カメラマン・映画監督)/山口幸夫(原子力資料情報室)/山口雪子(くらしをつくる会)/山口泰子(婦人民主クラブ)/吉川勇一(市民の意見30の会・東京)/ロバート・リケット(研究者)
※なお、メッセージをお寄せくださる場合は、1200字以内でお願いします。また、原稿の送付は手書き原稿でもファックスでも結構ですが、編集上の都合、できればeメールで送っていただければ幸いです。
※本にしますので、発表してもよい名前、団体名を明記してください。匿名でもかまいません。
※原稿の締め切りは、三月十五日です。
原稿送付先:「成田空港の暫定滑走路の供用中止を訴えます」呼びかけ人事務局
〒182-0024 東京都調布市布田2-2-6-103 みさと屋  藤川泰志宛Fax. 0424-87-1742(Tel. 0424-87-1714)eメール:
seimei@pen.co.jp


許さない!  住民の頭上40mをジェット機が飛ぶなんて!

三里塚・東峰に集まろう

4・18暫定滑走路供用をやめさせよう


 国土交通省―空港公団による成田空港「暫定滑走路」の供用開始が4月18日に迫っています。この「公共事業」ほど悪質で危険な人権侵害、生活権破壊はありません。この滑走路は、そこに離着陸するジェット機が住民の頭上わずか40メートルを飛ぶという想像を絶するしろものだからです。それも年間65000回、毎日180回、朝6時から夜の11時まで、というひどさです。
 電車のガード下よりひどい騒音、衝撃、排気ガスが、この土地―東峰、天神峰の住民たちを襲おうとしています。人々の健康、野菜栽培や養鶏、食品加工などの営農、生産活動が重大な脅威にさらされることは言うまでもないことです。
 この暴挙に対して住民である石井紀子さんは「一番機が飛んだら出て行くだろうという魂胆が丸見えで、ますます負けられない気持ちになります」と語り、石井武さんは「4月18日の供用開始は絶対に許せない。絶対に飛ばさせない闘いに全国から集まってほしい」と呼びかけています。
 一方の空港公団総裁は暫定滑走路完工式で、暫定滑走路が地域住民と「同じ気持ち、目線に立つ考え方」で、「民主主義的な方法で完成した」と公言しています。どこが民主的で、住民の気持ち、目線に立っているのでしょうか。しかも国側が典拠するはずの「航空法」は空港施設のあり方について「離着陸で他人の利益を害してはならない」と定めており、暫定滑走路は法理にさえ明らかに反しているではありませんか。この官僚の嘘は誰にでもわかることです。
 近年日本でも諫早湾潮止め堤防や長良川河口堰のような公共的効果がなく住民生活を破壊するだけのビッグプロジェクトへの批判が高まり、住民の生活権が擁護されるようになって来ました。このような時代の流れの転換を好ましく考える人は多いでしょう。そして、それを戦後の日本に定着させてきた端緒こそ、成田空港建設でなく農業生活を守ることを選んだ三里塚の農民たちの運動でした。その農民、住民たちの側にある正しさは「敵」である国側も口に出して認めざるを得ず、「謝罪」まで何度もしてきたほどです。これは立場を超えた確定事実ということです。ですから今回の暫定滑走路供用強行は、日本の民衆と「官」との関係の前向きの推移を何十年分も巻き戻そうとする反動的な攻撃です。許すわけには行きません。
 米軍の戦争を支えるPKO法、周辺事態法などを作り、民意に逆らって憲法に反する海外派兵を繰り返してきた代々の日本政府は、成田空港を自衛隊の出撃基地のように使ってきました。外国船を公海上で銃撃、撃沈してしまうほど戦争好きな小泉政権は今また東チモールに、これまで以上に大人数の自衛隊を成田から出兵させようとしています。そして、その渦中に強行されようとしているのが、民意蹂躙、住民叩き出しの暫定滑走路供用なのです。住民の利益を尊重し生活権を守る暫定滑走路供用反対の活動は、日本を戦争に引きずり込むことを拒否することでもあり重要です。
 地元住民の呼びかけに答え暫定滑走路を使わせないために、私たちは3月21日東峰に集まることを呼びかけます。この行動をステップとして4月18日以降の暫定滑走路供用阻止の闘いへ進みましょう。(三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会のビラから転載)
b主催 三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会
b日時・場所 3月21日(木・休日)1時 成田市東峰・東峰出荷場
b連絡先 東京都千代田区三崎町2-2-13-502じゃがいもの会気付  電話は現地=労活評・山崎方@0479(78)0039
b交通案内
京成東成田駅下車して東成田発千葉交通バス(12時55分発「和田化学」行きで 「新田」下車徒歩10分で到着)

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