| NTTみせしめ、いやがらせ配転を撤回せよ!
かけはし2003.11.24号 |
「本人の選択だ」と開き直るNTT
十一月十二日午前、東京地裁でNTT反リストラ裁判の第1回公判があり、原告が意見陳述を行った。五十歳での退職リストラを拒否した労働者に対する「みせしめ・嫌がらせ配転」の取り消しを求めた裁判で、原告九人のうち、七人が宮城・山形からの単身赴任、二人が首都圏からの長距離通勤だ。(裁判の目的・経過は本紙10月27日号既報)。
裁判は事務的なやり取りの後、原告団長の横澤仁志さんが「私たち九人は配転の無効と現職復帰を訴えるとともに、リストラに苦しむすべての労働者の気持ちを代弁すべく提訴に踏み切りました」と意見を述べた。力強い発言に傍聴席からは拍手が起きた。
被告・会社側の答弁書は、NTT構造改革を説明し、「今回の異動は原告本人が選択したもので、再三にわたり説明したものであるから『報復・みせしめ』ではない」と開き直っている。
原告のほか、地域などから二十人が傍聴した。裁判後の報告会で、東京のNTT労働者は「会社側は、多くの社員が『構造改革』に協力したと言っているが、自発的に選んだのではない、無理やり選択させられた。」と会社のやり方を批判した。
日本最大でかつ超黒字企業NTTでのでたらめなリストラは、あらゆる企業に波及する。この裁判は、リストラに歯止めをかける裁判だ。注目すると同時に、原告を支援しよう。
次回は来年一月十五日午後三時、次々回は二月二十六日午後四時三十分。(N)
不当配転訴訟・横沢仁志原告団長の冒頭意見陳述
退職強要のための違法なリストラは許せない
今回の訴訟に関して原告の意見を陳述いたします。
私たち原告九名のうち七名が宮城県、山形県からの単身赴任、二名は首都圏よりの異職種配転、長距離通勤です。
私たち九名は、現在三つのビルで働いています。金町ビルは「システム体系化プロジェクト」という立派な名前がついていますが、発足以前に既におおよその仕事は出来上がっていて若干色をつけるだけという、ほとんど形式だけの業務です。千住、成増ビルは、光ファイバー商品「Bフレッツ」の外販ですが、エリアだけを指定され、勝手に売って来いという、所謂「飛び込み営業」です。
私の成績が半年でたったの五件。当初の目標であった一人当たり年間五十五件には遠く及びません。「Bフレッツ」は、インターネット等を通じた受注がほとんどであり、およそ飛び込み営業には馴染まない、売れない商品・商法であります。
三つのビルとも、「NTT構造改革」による五〇歳退職・再雇用を拒否した人々でそのほとんどが構成されています。このような職場は、@NTTとNTT労組の合意で、他の労働者から隔離すること、A単身赴任や長距離通勤、異職種配転による“いじめ”で会社の意に沿わない労働者を退職に追い込むことを目的に作られた職場だと思います。
単身赴任の労働者は、家族と切り離され独身寮で一人暮らしをしております。会社の支給する単身赴任手当ては独身寮費とほぼ同額、月一回程度の帰郷旅費では家族の緊急事態や家族が代行できない事柄に対応できず、頻繁に有給休暇と自費支出によって対応しているのが現状です。また、独身者にはこれらの手当ては一切支給されません。
すべての原告が、今までの職場ではベテラン労働者として、自信と誇り、情熱をもって仕事をしてきました。いずれも以前の職種、職場は残存しており、繁忙な職場も少なくありません。どう考えても、以前の職場での仕事を全うすることのほうが、会社事業にとってもプラスであることは全く明らかです。
五〇歳代にして慣れない土地で慣れない営業などの職種をこなしていくことの精神的負担は、極めて大きなものです。父親の不在は家族にとっても大打撃であり、子どもたちにも決していい影響を与えません。五〇代は、多額の住宅ローン等を抱える中、親は老い自分や妻とて病気がちであったり、高校生や大学生や独立前の子どもがいたり、長年住み続けた地域で世話役やボランティアなどの欠くべからざる存在であったり、あと何年後かに迫る慎ましくも豊かな老後を夢見ながら、静かに働き暮らしているのです。一方で賃金三割カット、従わなければ単身赴任という、このような施策をなぜ五〇代の高年者だけが担わねばならないのか、はなはだ疑問であります。
NTTは、これまで法人所得ランキング・ベスト五の常連企業であり、〇三年三月期決算では一兆四千億円という史上空前の連結税引き前利益をあげています。その中でリストラによるコスト削減効果はたかだか一千億円程度であると会社自身が試算しています。つまりリストラをやらなくても、一兆三千億円の利益があがったことになり、リストラは全く必要がなかったことを雄弁に物語っています。
このような企業にリストラが必要でしょうか。莫大な利益を上げ続けている企業がリストラをやる、これまでの企業経営の常識をもはなはだしく逸脱したNTT「構造改革」は、その名が示すとおり小泉「構造改革」と連動した施策であります。筆頭株主は政府であり、小泉「構造改革」の一環として、企業経営とは全く無縁の政治的意図のもとに行われたものであると考えます。
「年収三百万時代の到来」と言われています。「痛みを伴う構造改革」の『痛み』とはこのような高失業・低所得社会に他なりません。九四年日経連「新時代の日本的経営」でも、終身雇用制の破壊と大半の労働者を時間給で働く「フリーター」のごとき存在にしてしまうことがうたわれています。超黒字企業NTTのリストラは、他の産業・企業への波及効果は絶大であり、「あのNTTがリストラならうちも……」とあらゆる企業があげてリストラにまい進するリストラ・スパイラル状況を作り出しました。まさに「年収三百万時代」を切り拓く“先兵”の役割を果たす政治的リストラであります。加えて「高年者の雇用の安定等に関する法律」に反し「五〇歳定年制」をなし崩し的に実施しようという脱法行為は、来るべき高齢化社会を真っ暗闇に突き落とすものに他なりません。
上述のように、私たちは九名の配転無効と原職復帰を訴えるとともにリストラに苦しむすべての労働者の気持ちを代弁すべく提訴に踏み切りました。九名の原告とその家族が幸せに暮らせる日々を熱望しつつ、裁判官の皆様の公正な判断を心からお願いする次第であります。
日韓自由貿易協定(FTA)と東アジア経済圏構想を打ち破れ
ヨンデ・マダン2003プレ企画
日韓活動家ワークショップ
新自由主義グローバル化と闘うために
十一月十四日、東京文京区民センターで、ヨンデ・マダンのプレ企画として、「日韓自由貿易協定(FTA)と東アジア経済圏構想にいかに対抗していくのか」をテーマに、日韓活動家ワークショップが開かれた。当初、韓国からは「自由貿易協定・WTO反対国民行動」の共同執行委員長であり、政治組織「労働者の力」代表であるイ・ジョンフェさんが参加する予定であったが、十一月九日の民主労総主催の労働者大会後の弾圧などの事態の深まりの中で参加できなくなり、急きょ「国民行動」のユ・ミヒョンさんが参加することとなった。
報告の最初は、「日韓FTA共同研究会報告書の問題点と今後の対応方向」について、「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーン事務局の土松克典さんが行った。報告の中で土松さんは、「十月に出された日韓FTA共同研究会の報告はWTOがカンクンで失敗したのを受けて、日韓FTAを急ごうとしているのではないか」と指摘。その上で「現状の日韓貿易では、韓国が一〇%の関税をかけている上でも、毎年、韓国が百億ドル強の赤字であり、非関税措置とした場合、日本製品が韓国を制するのではないか。また、一方では、電機・電子、自動車などの先端分野で日韓企業の統廃合が進むのではないか」と報告した。また、「FTAによって、不安定就労者の増加や労働者の権利が益々おびやかされるのではないか」と指摘した。
二つ目の報告は、「韓国FTA反対闘争に韓国労働者民衆はいかに取り組むのか」について、ユ・ミヒョンさんが行った。ユさんは韓国の現状に関連して「韓国はすでにチリとのFTAを決めたが、農民の反対によって国会での承認ができていない。チリのあとは日本、シンガポールへと加速化するだろう」と語り、また最大の問題は「FTAの動きと労働運動弾圧が一体化され、強化されており、労働三権が空洞化されようとしている」と訴えた。
また、韓国における反対運動が「各部分での利害を反映させるレベルの限界を越えて、全体としての反対の論理を獲得することが必要」だとした上で、「世界的な不平等と貧困の拡大と軍事化の進行が一体的であり、反戦運動と反グローバリゼーションの結合が重要であり、特に東アジアでの日韓の資本拡大と対抗する日韓民衆の責任は大きい」と指摘した。
報告の最後は、「カンクンWTO会議決裂と加速するFTA交渉への対抗戦略」について、脱WTO草の根キャンペーン・ATTAC・JAPAN事務局長の田中徹二さんが行った。田中さんは自由貿易協定の先がけとなった北米自由貿易協定を例に上げてその問題点を指摘し、「FTAでは投資家・企業の保護を優先することで労働運動や消費者運動を無力化させようとする圧力が生まれる」と語り、今後は「アジア民衆との連帯、特に小規模農民の連帯を作りだすことが重要だ」と訴えた。
報告を受けて、会場からはアジア農民の置かれている現実と農民連帯の重要性や、日本での分割民営化闘争をアジア規模でいかに教訓化できるかなど、各分野から積極的な意見が出された。また、来年一月に予定されているインド・ムンバイでの世界社会フォーラムで日韓が連帯・共同を深めてゆくことも確認された。(R)
ヨンデ・マダン2003
日韓働く連帯と交流の集い
日韓働く連帯と交流の集い―ヨンデ・マダン2003が十一月十五日、東京荒川の町屋文化センターで行われた。集いは、韓国ゲストの講演、二本のビデオの上映、そしてチャンゴや歌まで飛び出す多彩なものとなり、百人を超える参加者の一体感をつくりだした。
集いのオープニングは、この日の日中にチャンゴ教室に参加していた人たちを含めた「ウリト+チャンゴ教室参加者」によるプンムルだ。その後、主催者あいさつを行った全国一般全国協中央執行委員長の中岡さんは「新自由主義と対決しない限り、労働者の未来はない。集いを日韓民衆の共同の闘いの一歩として行う」とアピールした。
続いて、日本からも多くの労働者が参加した韓国民主労総主催の11・9労働者大会のビデオの上映が始まる。労働運動弾圧に抗議して自殺する労働者が相次ぐ中で、「これ以上、死ぬな!」と大きく書かれた演壇の前には、ソウル市庁舎前広場を埋めつくす五万人の労働者が結集している。そして道いっぱいに広がったデモ、夜の火炎ビン闘争と、労働者大会の状況が生々しく伝わってくる。
韓国ゲストの講演は、「自由貿易協定・WTO反対国民行動」のユ・ミヒョンさんが行った。ユさんはまず、メキシコ・カンクンでのWTO反対闘争における二百人の韓国闘争団の闘いを報告。
「韓国の農民は、輸入自由化反対!の立場で、これは韓国の農業を守れ!ということで、他の国の農民がどのようなスローガンを掲げているのか興味がなかった。しかし、農民同士を対立させて、一方で多国籍企業が世界の農業を破壊して農民を追いつめているということが分かってきた」
「また韓国の労働者の中には、『韓国の労働者のことでたいへんなのに、なぜWTO反対までやらなければいけないのか』『関税が撤廃されれば、韓国の自動車がもっと売れるのではないか』とまで言う人もいたが、WTOとの闘いは労働者の生存権と結びついた問題であり、世界の民衆とともに闘わなければならないということを教えてくれた」。
二本目のビデオ上映は、十月二十八日に和解した韓国シチズンの闘いの記録である。工場を占拠し、馬山でデモや宣伝をする一方で、日本での闘いや馬山での労使交渉などが映し出される。集いは、日中に行われた韓国音楽教室参加者の指導で、「チョレ ノドンジャ(鉄の労働者)」を大合唱。最後に反戦反差別荒川実行委と脱WTO草の根キャンペーン、ATTACジャパンから連帯のアピールを受けて、日韓民衆連帯のさらなる前進をめざして今年のヨンデ・マダンは終了した。 (R)
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