| 来日5カ月の闘いを含む280余日の闘い かけはし2003.11.10号 |
新自由主義グローバリゼーション 許さぬ国際連帯をさらに大きく!
中国大連への企業移転による会社側の一方的な廃業決定に抵抗して闘争を展開していた韓国シチズン労組(民主労総―全国金属産業労連)は、十月二十八日、韓国馬山において使用者側である滑リ国シチズンと廃業に関する協定書に調印した。こうして韓国シチズン労組の、シチズン本社との交渉のために来日して闘った五カ月間を含む、二百八十余日の闘いは終了することとなった。
協定書の調印後、韓国シチズン労組は「不当廃業撤回闘争を終えるにあたって」とする記者会見文を発表した(別掲)。
韓国シチズン労組はこの会見文の中で、調印後、会社側が組合員に対して公式に謝罪の意を明らかにしたこと――告訴、告発を取り下げて、会社側は拘禁者(八月に逮捕されて、懲役八カ月の実刑判決を受けている朴成姫労組委員長、また逮捕状が出ている二人の組合員)の釈放嘆願書などを提出すること――廃業事態解決のための解決金の支給などの具体的な成果をかちとったことを明らかにした。
また会見文は、「工場の再稼動と雇用保障の要求」を実現することはできなかったが、自由貿易地域で労組との同意なき一方的な廃業撤収をさせなかった成果は、外資系企業への大きな圧力をつくりだしたことを明らかにした。
今回の協定書の調印にあたり、緊急に開かれた「韓国シチズン労組を応援する会」(九月二十六日に日本の労組、市民運動などによって結成)の支援代表者会議で、韓国シチズン労組のキム・ギソン副委員長は、経過報告を行った。
「二百数十日間の工場占拠闘争が、国家権力の重大な介入の危機に直面する中で、今回の協定書の賛否を問う労組員全員の投票を行い、協定書の受け入れを決定した。それは組合員たちの生活と団結を守るためのギリギリの選択であった」。
また、来日して闘う女性労組員たちの中から発言した三人は次のように熱い思いを語った。
「家族と長い間いっしょにいられなかったが、こうして合意ができたのも支援があったからこそだと思う。韓国に帰っても支援のことは忘れない。みなさんに出会ったことが本当にすばらしいことでした」。
「私たちはここで勝利したと思います。支援のおかげで、私たちの闘いはさびしくはなかった。私たちだけの力では勝利することはできなかったと思う。韓国に帰ってもこの思いは決して忘れません」。
「応援する会」は、協定書の調印後も会社側がどの程度これを順守するのか分からない状況があるので、完全に協定内容が実施されるまで「会」を維持することを確認した。
労働者の生きる権利を踏みにじり、一方的に企業の廃業などを行う「渡り鳥」企業の横暴に抵抗して闘った韓国シチズン労組と、日韓労働者民衆連帯の成果の上に、新自由主義・グローバリズムと闘う国際的な連帯運動のうねりをさらに大きく作りだしてゆくことが問われている。 (R)
韓国シチズン労組の不当廃業撤回闘争を終えるにあたって
韓国シチズン労組
1、韓国シチズン労組は十月二十八日、会社側と廃業に関する協定書に調印することで、二百八十余日の闘争を終えます。この協定書で、会社は廃業決定により困難が生じた点に遺憾を表示しました。また、双方は民事上の告訴告発を取り下げ、使用側は拘束者の釈放嘆願書を即刻提出するようにし、追加的な法的提訴はしないことになりました。また会社は廃業事態解決のために一定額の解決金を組合員に支給することにしました。労組は協定書締結後、数日以内に事業場から撤収することにしました。使用側の李年宰社長とサトウ副社長は調印式後、組合員に公式に謝罪の意を明らかにしました。
2、去る一月二十二日、韓国シチズン労組は会社側の一方的な廃業に抗議して闘争を始めました。四月三十日、座り込みの現場にチンピラと公権力が押し入ってくると、組合員が全身で防ぎきったということもありました。この事件で、八月十三日、朴成姫委員長が業務妨害嫌疑で拘束されてしまいました。しかし、労組はこれに屈することなく、金属産業連盟の助けを受けて日本に四回にわたり闘争団を送り、廃業の不当性を知らせ、事態解決に努力しました。この過程で全統一労働組合など、日本の労働、社会団体から多大な助力を受けました。
3、韓国シチズン労働組合の組合員は、労組委員長の職権調印による廃業決定を不服とし、弛むことなく闘争を続けてきました。われわれは、労働部、自由貿易地域管理院、日本領事館、大統領府などで集会を開き、私たちの主張を知らせてきました。組合員のほとんどが中年の女性で、困難も少なくありませんでしたが、私たちの要求は正しく、必ず勝てるという固い信念があったからこそ動揺することなく闘争を進めることができました。およそ二百八十日の間、困難で険しい道でしたが、組合員すべてが団結して戦ってきたことは大きな誇りです。
4、今日の闘争を終わらせる時まで、助力をいただいた地域の多くの労働組合と社会団体、日本の労働社会団体に深く感謝を申し上げます。われわれは工場の再稼働と雇用保障を要求してきましたが、私たちの要求をすべて勝ち取ることができずに終わることになった点は残念です。しかし、韓国シチズン労組の闘争により、輸出地域で労働組合を動員した一方的な廃業はもう二度とできなくなりました。組合員の同意のない資本撤収を試みる外資企業に警鐘を鳴らした契機になるものと考えます。
5、たとえ私達の闘争が終わるとしても、私たちの闘争が輸出地域労働者たちの権益を守るための小さな元肥にしていただきたいと思います。われわれは今後も朴成姫委員長の釈放と、残る二人の手配者が全員自由な身になるまで努力を続けます。これまで助けをいただいた皆様に深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。以上
二〇〇三年十月二十八日
国労北海道が分裂
旭川地本を軸に闘う執行部確立を
十月二十六日、国労北海道本部(約六百人)が分裂し、組合員約三百人が脱退し、北海道鉄産労(約千三百人)と合流し「JR北海道労働組合」を結成した。この脱退対象者からは、JR貨物、闘争団(四党合意賛成派も含めて)、革同、さらに旭川地区本部の組合員は除外されているという。国労本部は十月十日、北海道エリア本部及び同エリア内の全地区本部・全支部・全分会の執行権を停止した。
この脱退の中心となったのは北海道本部佐藤書記長、札幌地区本部藤原書記長、釧路地区本部岩下委員長、青函地区本部澤田委員長であるが、今年の全国大会で集約発言をした寺内前本部書記長は、この分裂行動を「労働組合として当たり前の運動を作る行動であり、私も同じ気持ちを持ち続けていた」(十月十五日、「組合員の皆さんへ」から)として、自らも首謀者の一員であることを明らかにし脱退した。
今回は脱退に致らなかったが、道本部委員長も札幌地区本部委員長も、大会前から国労破壊と脱退オルグの中心人物であったことが彼らの文書・声明は明らかにしている。とりわけ、寺内・佐藤は九月の第七十一回定期大会で闘争団二十二人の統制処分を答申した査問委員会を構成する副議長、委員のメンバーである。
この点からも査問委員会答申は無効であり、臨大を開催し統制処分は撤回すべきであるという鉄建公団訴訟原告団の主張は当然である。旧三役が提案した闘争団切り捨てを基軸とした全国大会運動方針も改められるべきである。
また、新執行部が統制処分を維持しようとするなら新執行部も今回の脱退グループと同列に置かれてしかるべきである。
脱落グループは、分裂に踏み込んだ理由を九月定期大会への失望としているが、闘争団の切捨て、JR連合への合流は現国労主流の方針であり、当然こうした動きは九州、四国、盛岡、東京のチャレンジグループに連動することになる。革同が外されたのは革同だからであるが、彼らは単一組織としての国労は維持すべきとの立場であり、各エリアごとにJR連合に加盟すべきとのチャレンジグループとの乖離は大きい。
国労本部は全面的な執行権停止ではなく、旭川地本を中心に国労北海道の再建に取り組むべきである。まず闘う執行部の確立で分裂に立ち向かおう。(岸本 豊)
石原都知事の韓国・朝鮮人や中国人への差別暴言を許すな
「日の丸・君が代」反対市民ネットが抗議
十月二十八日、石原慎太郎東京都知事は「北朝鮮に拉致された日本人を救出する全国協議会(「救う会」)・東京」が主催した集会の講演で、一九一〇年の「日韓併合」について「彼ら(朝鮮人)の総意で選んだこと」「彼らの先祖の責任」と発言した。さらに十月三十一日の記者会見では、この発言について「国際機関でだれも日本を誹謗する者はなかった」「欧米に比べれば、日本の植民地主義はまだ人道的、人間的だった」と居直った。
さらに石原は記者の質問に対して「かつて朴正煕と一緒に酒を飲んだ時、彼は日本の植民地統治のおかげで学校にも行くことができ、そのおかげで私も大統領になれた、と言っていた。君たちは歴史を知らない」などと傲然と語った。軍事的脅迫による韓国併合、朝鮮人民の抵抗運動に対する残虐な弾圧、土地の取り上げと天皇崇拝や日本語使用の強制、強制連行と「創氏改名」――こうした歴史的事実を抹殺し、暴力による植民地支配を「朝鮮人の先祖の責任」に仕立て上げる石原暴言に対して、韓国・北朝鮮の政府と民衆、「在日」の人びとからただちに批判の声が上がっているのは当然である。
しかし石原のこうした発言はまだまだ続き、十一月一日に鹿児島で行った衆院選の応援演説で、中国の有人ロケット打ち上げ成功にふれ「中国人は無知だから『アイヤー』と喜んでいる」と述べたという。
九月に行われた石原都知事の外務省田中審議官宅への右翼による「爆弾テロ」奨励発言に続く今回の一連の朝鮮・韓国人や中国人への憎悪と蔑視に満ちた発言は、きわめて意図的で悪質きわまるものである。右翼国家主義者としての地金をむき出しにして日本帝国主義の侵略・植民地支配の歴史的事実を改ざんする石原都知事の主張は、「日本人の誇り」を取り戻せという「戦争国家体制」作りを促す言論の広がりを背景にしてなされている。
石原発言を糾弾する街頭宣伝
十一月三日、「日の丸・君が代」強制に反対する市民運動ネットワークは、午前十一時から有楽町マリオン前で石原発言を糾弾する街頭アピール行動を十五人で行った。緊急の呼びかけに応えて集まった仲間たちは、石原都知事の暴言を厳しく批判するとともに、東京都教育委員会の「日の丸・君が代」強制に向けた暴走と教職員への処分乱発、日教組や多摩教組に対する銃弾の打ち込みといった右翼テロを糾弾する訴えをかわるがわる行い、チラシを配付した。
さらに石原都知事への抗議の行動を拡大しよう。(K)
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