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                          かけはし2003.10.9号より

平和への国際連帯を

グローバリゼーション反対、朝鮮半島・東アジアの平和確立を!


 【大阪】九月二十五日、大阪中之島中央公会堂大ホールで、ヨンデネット大阪(日朝日韓連帯大阪連絡会議)・おおさかユニオンネットワーク呼びかけ、五十七参加団体による実行委員主催の集会が開催され、千人の労働者・市民が集まった。在日韓国・朝鮮の八つの団体が実行委員会に参加した。

韓国民主労総代表団6人が報告

 集会は韓国民主労総全北本部からの六人の代表団を迎え、ヨンデネット事務局の山口さんの司会で進行した。集会は在日団体の青年たちによるサムルノリの演奏で始まり、呼びかけ二団体の共通の代表である馬場徳夫さんがあいさつした。
 この集会は、十六年前に日朝・日韓民衆連帯行動環状線デモとして始まったのがもとで、今回が十七回目。馬場さんは、「韓国民衆の反米闘争、労働者のグローバリゼーション反対の闘いに大いに学び日韓共同の闘いを一層強化しよう」と訴えた。
 この後、参加者の拍手の中を民主労総の代表団六人が会場の後方から登壇した。六人は横断幕を広げ、団長の金さんが連帯のあいさつをした。
 「日本にきて、民衆の生活が苦しいことを知った。韓国でも同じだ。その理由も日本に来てよくわかった。米国をはじめとする超国家資本のためだ。企業の業績が良くなっても民衆の生活の向上にはなかなかつながらない。だから、米国をはじめとした新自由主義を徹底的に批判し闘っていかなければならない。言いたいもう一つのことは北朝鮮のこと。北朝鮮という国は皆さんが思っているほど強い国ではない。人口は日本の五分の一、国土は三分の一、軍事費は十分の一に満たない。しかし米国は北朝鮮をイラク扱いし北朝鮮が脅威だと言っている。米国はフセインからイラク民衆を解放するといってイラクに戦争をしたが、被害を受けたのはイラクの民衆だった。日本と韓国だけでも北朝鮮に対するいじめを止めるように米国に言うべきだ。日本では力のある者がない者を攻撃することをいじめというが、いま北朝鮮に対して行われているのはいじめだ」。
 このように語った金さんは、「日本と韓国の民衆が共同してこの米国の戦争政策と闘い、東アジアの平和をつくりあげ、人間の平等を実現していこう」と訴え、「闘争」という言葉を贈ってあいさつを終えた。
 次に民主労総の他の五人が、労働運動以外の分野で闘っている反米闘争や群山米軍基地反対の闘争、あるいは統一のための闘いなどにふれながら自己紹介した。みんな若くて活気に満ちていた。

在日の諸団体から4つの報告

 続いて、在日の諸団体があいさつした。最初は朝鮮総連大阪府本部国際部長金さん。「〇二年の歴史的な日朝首脳会談に対する期待とは裏腹に、いま、日朝間は膠着状態にある。偏狭なナショナリズムと排外主義が充満する中で、在日朝鮮人の人権が侵害されている。こうした状況はやがて戦争に反対するすべての民衆に向けられるという歴史の教訓を忘れてはいけない。日朝問題は大局的な大所高所から見つめるべきであり、南北共同宣言とピョンヤン宣言の精神に乗っ取ってやっていこう」と訴えた。
 続いて韓統連大阪府本部事務局次長崔さんが登壇。韓統連は、一九七三年に結成されて以来反国家団体とみなされ、祖国訪問が許されていなかったが、長い運動の成果として今年九月、三泊四日の日程でようやく代表三十人の無条件の韓国訪問が認められた。韓国における大規模な反米運動にもかかわらず、米国は韓国軍のイラク派兵を要求してきているが、これに対し韓国民衆は平和運動を闘っている。崔さんは、「韓統連は長年にわたり朝鮮半島の自主的平和統一と訴えてきたが、今後も平和運動に積極的にとりくんでいく」と決意を述べた。
 次に在日韓国民主人権協会共同代表の宋悟さんが登壇した。「拉致問題、核開発問題を口実にして、朝鮮人蔑視が強くなってきている。大阪では、朝鮮人学校生の四人に一人が暴言や暴行を受けたと報告されている。厳しい冷戦体制であったとしても、拉致や核による瀬戸際政策は容認されるものではない。しかし、日本人社会のマイノリティの四人に一人が暴力を受けているという排外主義も異常だ。日本は今後内に閉じこもるのか、アジアの隣人と手を携えて外に向かって開いて行くのかの歴史的な岐路に立っている。日朝国交正常化・日韓の新NGOの交流事業を軸にして、平和と安定に向けた日朝日韓市民のネットワークが求められている。日朝日韓連帯のために闘おう」と訴えた。
 最後に、在日高麗労働者連盟委員長の康さんが登壇。康さんは「小泉首相の突然の北朝鮮訪問には驚き大きな期待を持ったが、その後の状況はそれを裏切るものであった。拉致は国家の犯罪であり決して許すことはできないが、日本マスコミの対応は日本の過去の歴史的過程を無視し、在日同胞への対立をあおっている。朝鮮人学校生に対する暴力、朝鮮総連に対するテロなど信じらない事態である。これに異論を唱えればまるで国策に反する行為であるかのように排除されるという、異常な事態が醸成されており、戦時下を見る思いがする」。こう語った韓さんは、一日も早く日朝国交正常化実現のためにともにがんばりたいと呼びかけた。
 続いて登壇した自治労大阪府本部青年部長の井上さんは、有事法反対で闘ってきたが、これからも青年が発信し、運動を続けていきたいと決意を述べた。全港湾建設支部の真下さんが提案した集会宣言案を全員で確認。行動提起をした「おおさかユニオンネットワーク」事務局長の山原さんは、十月二十一日の10・21集会、米国反戦団体の呼びかけによる10月25日世界一斉行動への参加を呼びかけ集会は終了。この後、民主労総代表団を先頭に米国領事館前を通って中央郵便局前までデモ行進を行った。(T・T)


イラク占領やめろ! 自衛隊派兵許すな! 
ヒロシマ・ピースパレード

  
 【広島】九月二十八日、有事立法はイケン(違憲)!広島県市民連絡会などが呼びかけた、「イラク占領やめろ!自衛隊派兵許すな! 9・28ヒロシマ・ピースパレード」は百二十人の結集だった。
 午後二時、原爆ドーム前で集会が開かれた。進行は、ピースウォーカーズの玉谷由美さんと全交の奥原弘美さん。情勢評価を含めた主催者あいさつを「イケンの会」共同代表の横原由紀夫さんが行った。県内の各地域と県外を含む各グループからのアピールとして、平和を求める市民のつどい・三原の池田さん、平和を考える市民の会(三次)の実国さん、ピースリンクの湯浅さん、憲法を守れ、有事法制の発動を許すな! 共同センターの泉さん、有事法制を考える市民の会(廿日市市)の橋本さん、ピースウォーカーズの木下さん、グローバル・ピース・アクション(大阪)の田村さんがそれぞれ発言をした。
 湯浅さんは、「補給艦の燃料がイラク戦争にも使用された問題がまったく議論されていない中で、テロ対策特別措置法の延長が進行している事態」を糾弾し、「自衛官はイラクで人を殺すために入隊したわけではない、と思っているはずだ」と訴えた。教科書ネットのバンドグループ、K―ネットによる歌に続いて、集会決議を採択した。
 続いて、広島瀬戸内新聞主筆の左党周一さんの説明でピースパレードに移った。定番のシュプレヒコールと若者主体のラップ調のコールと歌によるアピールで、注目度はかなりのものだった。
 デモの後、国際刑事裁判所を活用し、イラク戦争を裁こうと訴えているクリスチャン・シェラーさん、新社会党の栗原君子さん、ピースサイクル・郵政中国労組の山広さんのアピールを受け、湯浅さんと横原さんの発言でしめた。
 アフガン戦争二年の十月八日は、平和船団でのアピール、十三日・十四日はニュージーランド元国防副長官の講演会、ブッシュ来日時の十八日・十九日は、街頭行動、十月二十六日は、再度の結集と、選挙モードの中、大衆運動の強化を確認しあった。   (K)


「テロ特措法」延長とイラク派兵に反対し緊急院内集会
ブッシュ来日への手みやげにさせるな

 九月二十九日午後二時から、衆議院第2議員会館で「自衛隊をイラクに行かせない! 米軍のイラク占領に資金を出すな! 『テロ対策特措法』延長反対! 九・二九緊急院内集会」が開催され、百二十人が参加した。呼びかけは、平和を実現するキリスト者ネット、平和をつくり出す宗教者ネット、戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動の三団体。
 この緊急院内集会は、九月二十六日に招集された臨時国会で、テロ対策特措法の二年延長が画策されていることに抗議するものである。今回の臨時国会は「解散モード」に突入する中で、十一月に期限が切れる「テロ特措法」の二年間延長だけは何がなんでも成立させ、アメリカの「対テロ戦争」を支援するとともに、十月十七日に来日するブッシュ米大統領への「手みやげ」にしようとしている。テロ特措法の二年延長は、自衛隊イラク派兵と一兆円とも取り沙汰されているイラク占領費用捻出の前提条件でもある。
 呼びかけ三団体を代表して宗教者ネットの木津上人(日本山妙法寺)があいさつした後、作家・精神科医であり、この間「老人党」を立ち上げて大きな反響をよんでいる、なだいなださんが発言した。
 なだいなださんは、今春のワールドピースナウのデモの意義を高く評価するとともに、「一人一人が自分の手作りのゼッケンなどを付けて国会の前に突如数万の規模で現れ、警察の規制を突破する国会包囲ができないものか」と「夢」を語った。そして「老人党」結成の意味について、「今の日本は目的地の設定をしないカーナビの指示に従って迷走している車のようなものだ。老人にはこの国をもう少しましなものにして次世代に渡す義務がある」と述べ、戦争と憲法改悪、福祉破壊に走る小泉政権を、おだやかな、しかし厳しい口調で批判した。
 続いて、この集会に参加した国会議員の訴え。井上哲士参院議員(共産党)、福島瑞穂参院議員(社民党)、又吉征治参院議員(社民党)、小泉親司参院議員(共産党)がそれぞれイラク派兵に反対する決意を表明した。
 続いて藤田祐幸さん(慶応大助教授)が五〜六月にバグダッドを訪れて劣化ウラン弾の調査を行った結果について、パネルを使いながら説明した。藤田さんは人口密集地に対して米軍が行った劣化ウラン弾攻撃は、まさに「サイレント・ジェノサイド」(沈黙の大虐殺)「サイレント・エスニッククレンジング」(沈黙の民族浄化)だと批判し、いま必要なことは自衛隊の派兵ではなく被爆者の治療だと強調した。
 続いて、市民緊急行動、陸・海・空・港湾労組二十団体、平和フォーラムなどからテロ特措法延長と自衛隊イラク派兵に反対し、ブッシュとラムズフェルドの訪日・訪韓に反対する訴えが行われた。
 総選挙の中で自民党も民主党もイラク派兵問題を争点から外そうとしているが、労働者・市民こそが「自衛隊をイラクに送るな、殺すな、殺されるな」の世論を作り上げようとそれぞれが力ををこめて発言した。        (K)


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