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総 選 挙-戦争反対! 小泉反対! 「構造改革」反対! |
| 「自民か民主か」の選択の枠組みを超える労働者・市民の抵抗の闘いへ |
「保守二大政党制」の成立
十月十日、小泉首相は衆議院を解散した。十月二十八日公示、十一月九日投票で総選挙が行われる。今回の総選挙についてマスコミは「政権を問う選挙」だとふれこんでいる。つまり菅・民主党が小沢・自由党と合流して「新・民主党」を結成したことにより、本格的に「政権交代」を現実の射程に入れた一票が投じられるようになったというわけだ。十月十一日付の朝日新聞社説の見出しは「これは面白くなった――政権選択の選挙へ」であり、同日の毎日新聞の一面トップ見出しは「政権 自民軸か民主軸か」である。
朝日新聞社説は「日本は、二大政党制の下で政権交代が普通の時代に入っていけるのかどうか、その試金石となる選挙である。自民党の長期支配の弊害を打ち破り、政治に緊張感を取り戻すのか、それとも、自民党を変えるという小泉政権になお信を置くのか」と、明らかに民主党主軸政権の樹立に期待を寄せている。毎日新聞の十月十一日付社説も「マニフェスト」という政策綱領を打ち出した民主党を高く評価し、今回の総選挙を「マニフェスト選挙」と位置づけた。
しかし菅と小沢の新・民主党と自民党との対抗は、事実上の保守二大政党制の成立を意味している。民主党の政策綱領の内容は、「自立した個としての責任」の名において新自由主義的な民営化・規制緩和をいっそう促進し、労働者・市民の権利剥奪、公的福祉の解
体を推し進めること、そして「論憲から創憲へ」の名において憲法改悪の道筋を確定し、「有事危機管理」国家体制を「市民」の名で築き上げようとするものにほかならない。
民主党のマニフェストでは経済、年金、郵政民営化、治安対策などの面で自民党との基本的な相違はない。「道路公団の廃止、大都市以外の高速道路の無料化」で自民党との区別を強調し、「イラク特措法にもとづくイラク派兵は行わない」といった点での「リベラル平和」色を押し出すといったニュアンスの差があるにすぎない。
しかし同時に民主党は「国連決議に基づいて多国籍軍派遣が決まった場合は自衛隊を参加させる」ことをも明らかにしており、それは小泉政権が目指している「恒久的派兵法」の枠組みといささかも対立するものではない。こうした安保・外交政策における民主党の立場には、自民党の一部「海外派兵慎重派」以上に「軍事的国際貢献」=「グローバル戦争への参加」を積極的に進めていこうとする傾向がにじみ出ている。そして民主党の選挙ポスターには「つよい日本をつくる」と大書されている。
戦争と新自由主義構造改革
九月の自民党総裁選で、参院橋本派(青木派)などとのご都合主義的ブロックによって圧勝した小泉首相は、国家主義右翼の若手ホープと目されている安倍晋三を幹事長に据え、主要閣僚を改憲右派勢力と新自由主義的「構造改革」路線の推進者で固める人事(石破防衛庁長官と竹中経済財政・金融相の留任)によって総選挙に臨んだ。
十月十日に決まった自民党の「政権公約」は、七つの「宣言」とそれを具体化した十の項目から成っている。七つの「宣言」とは@「日本の未来を守ります」A「日本の安全を守ります」B「行政のムダをはぶき、簡素で効率的な政府を目指します」C「思い切って経済を活性化します」D「国の基本を見直します」E「国益に沿った外交を展開します」F「自民党が日本を変えます」。
この「宣言」の中で「日本の安全を守ります」とは「五年間で不法滞在外国人を半減」することであり、「国の基本を見直します」とは二〇〇五年に自民党の「憲法改正草案」をまとめる、というものだ。そして「簡素で効率的な政府」とは二〇〇五年の道路公団民営化、二〇〇七年の郵政民営化をその内容としている。
十の項目には「国際平和協力のための基本法制定」という名目での「恒常的派兵法」制定、教育基本法の改悪、警察官の抜本的増員、〇四年の次期通常国会での「国民保護法制」の整備、防衛庁の「防衛省」への格上げなどの治安対策・軍事強化がうたわれており、憲法改悪のための「国会法改正」「憲法改正国民投票法」の成立も強調されている。そして「世界貿易機関(WTO)とFTA(自由貿易協定)を推進」とか「海外からの直接投資拡大を推進し、五年間で倍増」といった資本の新自由主義的グローバリゼーションに対応した諸施策も明記されている。
もちろん「郵政民営化」問題については、青木参院幹事長などの郵政利権にしがみついた「民営化反対」論者の意向を受けて、「二〇〇七年民営化」を宣言しながら、それを具体化した十の項目の中では「郵政事業を〇七年四月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的議論を行い、〇四年秋頃までに結論を得る」というきわめてあいまいな「玉虫色」の集約がなされていることにも注意しなければならない。
しかし、この「政権公約」では、新自由主義的「構造改革」による市場万能論的「弱肉強食」の「競争社会」イデオロギーを振りまいて労働者・市民への犠牲を促進し、それが作りだす経済的・社会的不安を憲法、教育基本法の改悪や「強い国家」という排外主義的強権政治の方向に誘導する方向がかつてなく明瞭に押し出されているのであ
る。北朝鮮・金正日独裁体制の拉致犯罪と「核開発」宣言が、そのために全面的に利用されている。
そしてブッシュの「グローバル戦争」と小泉政権のそれへの無条件加担・参戦の方向は、「イラク特措法」の中で否応なく促進されることになる。選挙戦渦中でのブッシュ訪日と年内自衛隊派兵、数千億円にのぼるとされる「戦費負担」の確約は、「恒常的派兵国家」「戦争国家」への道に拍車をかけるものである。
抵抗の共同闘争を広げよう
大失業と不安定雇用、深刻きわまる財政危機の下での賃金切り下げ、労働条件の徹底的押し下げと超長時間無権利労働の強制、そして福祉・年金の切り捨ては、大多数の労働者・市民の生活にいっそうの犠牲を強制している。過労死、労働災害の頻発、年間三万人以上に及ぶ中高年層などの自殺は、その端的な例証である。
こうした累積する社会不安を背景に、有事法制の整備と「国際的責務」を名目とした海外派兵の常態化、憲法改悪のコースは「日本が生きていく」ために不可欠なものとして当然視され、それを批判する勢力は、国会内部においては極小化している。
われわれは、今春のイラク反戦運動の中で垣間見た新たな抵抗への可能性を押し広げるために全力を傾けなければならない。国際的な反グローバリゼーション運動の発展の中で、新自由主義的「構造改革」に対決し、生活と権利の防衛、平和と人権と公正と民主主義を求める新たな価値観=「もう一つの世界」をめざす運動の萌芽を大きく成長させていくために労働者・市民の力を集中しなければならない。
生活と権利を破壊する新自由主義と憲法改悪・戦争国家への道を競い合う「自民主軸か民主主軸か」の支配階級によって作られた構図を打ち破り、労働者・市民にとっての政治的スペースを広げていくための投票を!
われわれは共産、社民ならびに戦争国家への道と福祉破壊に対決する無所属候補、とりわけ東京21区(立川市、日野市、昭島市)の川田悦子候補(前職)への投票を呼びかける。共産、社民両党の立場が、失業・福祉切り捨てとと戦争国家への道に対する労働者・市
民の闘いを築き上げていく上で、きわめて不十分なものであることは明らかである。しかし、今回の総選挙を通じて、小泉「構造改革」路線に反対し、自衛隊イラク派兵と有事法制、憲法改悪の道に対する明確な批判を表明し、広範な共同闘争の土台を組織していくことが何よりも重要なのである。
そして総選挙のただなかで準備されている自衛隊イラク派兵、戦費供出に対する反撃の行動を呼びかけていかなければならない。総選挙公示直前の十月二十五日、米英軍のイラク占領と自衛隊派兵に反対する国際行動を全国で成功させよう。総選挙の中で、戦争と新自由主義的グローバリゼーションに反対する訴えを拡大しよう!
(10月14日 平井純一)
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