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                         かけはし2003.10.13号より

ヨーロッパ反資本主義左翼会議が04年6月欧州議会選挙に向けて声明

第6回ヨーロッパ反資本主義左翼会議


                         〈アテネ 03年6月9日〜10日〉

 EUは、統一軍を持つ超国家的帝国主義国家への道へさらに踏み込みつつある。共産党は崩壊状態に陥り、社会民主主義は新自由主義と戦争政策への全面的屈服を深めている。以下は、ヨーロッパ反資本主義左翼会議に結集し、ヨーロッパ全域で労働者人民の現実的オルタナティブ勢力として登場しつつある革命的・戦闘的左翼勢力が、来年六月の欧州議会選挙を統一した勢力で闘うことに向けた声明である。



 イラクにおける戦争に対する抵抗は、世界的規模で未曾有の大衆的動員を引き起こした。世界資本主義の現在の不安定、国際的な経済不況、欧州連合国家形成のプロセス、そして労働者階級・青年・女性・移民やその他の人々に対する社会的攻撃の新しい波が、新たな大衆的闘争をもたらすだろう。それらは労働運動と社会的運動および左翼政党の内部で、全面的な政治的明確化のプロセスを促進するだろう。
 次の十二カ月間に、ヨーロッパ支配階級は欧州連合を超国家的帝国主義国家として強化するために必死の努力を行うだろう。社会民主主義政党は、「競争力」の名のもとに労働人民に仕事、賃金、年金、住宅、教育、医療、労働者の権利の新たな切り下げを「納得」させるために、今一度重要な役割を演じるだろう。また彼らは、民主的権利や自由や亡命の権利の「犠牲」を受け入れ、軍事にもっと支出し、欧州「軍」を構築する必要があると主張するだろう。
 ヨーロッパ反資本主義左翼は、この新たな新自由主義的波に対決する動員の先頭に立ち、二〇〇四年六月選挙に参加するだろう。われわれは、新自由主義を戦争に結びつけている鉄鎖を砕きたい。大規模な社会的攻撃の新しい波を準備する戦争に結び付けている鉄鎖を砕きたい。グローバル資本主義の核心である鉄鎖を砕きたい。
 イラクにおける戦争は歴史的出来事であった。それは米国政府(およびその同盟国)に率いられたグローバル資本主義と新しい国際的社会運動の初めての全地球的な正面衝突であった。アメリカ帝国主義の新しい戦略は、非理性的なものや偶発的なものであるどころか、「無制限の戦争」に集中し、資本主義的グローバリゼーションの高まりとそれがもたらす矛盾の激化を押さえ込む必要性に直接結びついたものである。
 これらの矛盾には次のようなものがある。すなわち、市場の支配のはめを外した拡大、労働者がやっと勝ち取った権利の系統的破棄を含む経済的および制度的機能の規制緩和、金融資本および生産資本の国境を越えた集中と移動、資本主義国家間の公然たる階層制、全地球的規模および各地域および国内での社会的不平等の未曾有の激化などである。
 その結果、ソ連崩壊以降解き放たれ悪化している帝国主義間矛盾を新しい方法で統制することが必要になった。なぜなら、伝統的に社会的民衆的運動に枠をはめ、社会的爆発に流路を与えてきたあらゆる制度が正統性と統制力を失ったからである。その結果が、爆発寸前の経済と全般的不安定である。米国の優位は種々のレベル(軍事、経済、通貨、政治、イデオロギー、文化)できわめて一方的であるが、米国の力の途方もない拡大自体が不安定の増大要因になっている。
 (ベルギーの支持を受けた)フランス政府とドイツ政府の「意外な」反対が、しばしの間NATOの機能を妨げ、(ロシアと中国の助けを借りて)安全保障理事会におけるブッシュとブレアのイニシアティブを阻止することに成功した。彼らの反対は、はるかな歴史的要因や偶発的な政党政治や個人的野心に還元するにはあまりにも強力で、あまりにもよく考え抜かれ、協力して行われたものであった。
 EUの重要セクターからの反対は、西側資本主義内の矛盾の復活と強まりに直接結びついている。当然ながら、これらの矛盾はやはり、大西洋をはさんだ帝国主義間協定、米国の無敵の優位性と超国家的国家形成中のEUの困難によって押さえられている。しかし、貿易関係を含めてますます系統的に単独行動主義的になっている米国の戦略は、米欧関係に大きな影響を与えている。
 過去五年間のWTOの枠内での経済的対立は、外交的空気を変化させた。貿易量と特に外国直接投資額から見た「大西洋にまたがる経済」の未曾有の成長は矛盾した影響を与えている。大西洋をはさんだ統合の強化は、また大西洋の両側と世界中のいたるところでの競争の激化を刺激した。
 このようにして、二つの政治的戦略的転換が、同じ瞬間に同じ理由でおこなわれた。アメリカ帝国主義は、「共産主義の危険」が消滅した結果として、外交政策の方向を転換した。すなわち、ヨーロッパとの緊密な連合は、米国のグローバル支配の再強化より優先順位が低くなった。現在のヨーロッパとの同盟においては、米国は自分自身の利益に基づいて基本原則を設定している(イラクに対する戦争が最も顕著な例である)。時を同じくして、欧州連合の経済的力学(ユーロ、単一市場の強化、東方への拡大)が、超国家的国家機構の核心を備えることに向かってEUを駆り立てている。米国の優位に挑戦することなしに、EUは力関係を変えるような新しい均衡を追い求めているのである。この力学は摩擦や部分的対立やさらに鋭い矛盾をはらんでいる。
 ヨーロッパ支配階級にとって不可欠の道具である超国家的国家の形成は、アメリカ帝国主義の直接的な影響とEUの(主要)メンバー国の異種混合的性格に直面している。しかし、主要な障害は、実質的な正統性あるいは広範な社会的基盤の欠如である。
 半権威主義的国家を確立し(特に米国との)国際競争に耐えるために、EUは「福祉国家」の解体と第三世界の再植民地化を進めている。このことが民衆の抵抗、とりわけ労働者階級と青年からの抵抗を増大させている。ヨーロッパは、グローバルな社会的対決の震源地となっている。
 このことが示されたのは、数か国の政府を揺るがせた巨大な反戦運動の動員であった。複数の政府(英国、スペイン、イタリア)がこの戦争を支持して米国の後についた。彼らは巨大な抗議と動員の波という報いを受けた。他の政府(フランス、ドイツ、ベルギー)は「戦争反対」の姿勢をとり、米国からはっきりと距離をとった。彼らは平和主義的、民主的、社会的、人道主義的、「国際主義的」帝国主義を演じ、新しい制度とルールを持った新しい世界秩序に関心を示した。彼らの目標は二つある。一つは世界世論を勝ち取り米国に迫ること、もう一つは国内世論を勝ち取り、新自由主義的政策を推進しやすくすることである。
 グローバル資本主義の新自由主義的政策は戦争に導いた。今日、戦争は反社会的政策の新たな波に導いている。同時に、「戦争の政治」が依然として進められようとしている。急進的左翼は、この資本主義的帝国主義的戦略を拒否する。急進的左翼は三つの挑戦課題に直面している。
 @ 反戦運動は、戦争終結以降部分的に退潮している。反戦運動は戦争を阻止することができなかった。しかし、その戦闘性、巨大なデモストレーション、社会に対する影響力は、活動家層の範囲をはるかに超えていた。反戦運動は、最近の選挙で決定的影響を及ぼさなかったとしても(たとえばイタリアやスペイン)、政治生活の主要要因となった。
 中東情勢、特にイラクの情勢は非常に不安定である。イスラエル政府はパレスチナ人民に対する戦争を継続しており、パレスチナの占領を続けている。米国は、中東全体を自己の支配下に置くという目標を放棄しておらず、イランおよびシリアに脅威を与え、この地域の民衆的抵抗運動の破壊を呼びかけている。また、いわゆる「テロに対する戦争」も、人種主義を広範に刺激し、ヨーロッパの色々な国で黒人、ムスリム、アラブ人、アジア人コミュニティへの直接的脅威をもたらしている。EU諸国政府がイラク戦争にどんな立場をとったとしても、亡命の権利と民主的権利の攻撃においてはすべて統一して米国と同盟している。
 われわれはブッシュ政権による新たな脅威や軍事介入の可能性を排除することはできない。各国および全大陸的に反戦活動を定期的に継続し、反戦運動と反人種主義的動員を結びつけることが重要である。実際に新しい政治的世代が社会的運動の先頭を占めているが、青年の大衆的参加が、闘争の新しいサイクルと階級闘争の強化にとって重要な要素になっている。
 A 戦争の後、「社会的問題」が現在政治的闘争の中心問題になっている。これは政府の攻撃と職場レベルにおける資本家の攻撃のおかげである。EUは同じ政策を追及しており、「リスボン合意」に基づいて次の三点に関する直接攻撃を進めている。
(a) 年金制度の解体と(部分的)民営化、公的に管理されている巨額の基金の移転。これはEUの他の優先課題、すなわち大資本に有利なように金融市場を統一し拡大することに関連している。
(b) いわゆる「労働市場改革」。雇用、余剰人員、労働時間、賃金支払い、社会保険などの権利の規制緩和である。これは、労働者階級の団結にとって決定的に重要な共通の枠組を破壊する企てである。現在、改革者たちはドイツに照準を合わせている。
(c) 資本家たちは現在の力関係の下で大量の余剰人員、劇的な賃金切り下げ、スピードアップ、労働の搾取強化が可能であると考えている。したがって賃金労働者は大衆的なデモストレーションと動員でこれに応え、フランス、イタリア、オーストリア、ドイツ、スペイン、ポルトガルでは数十年来最も強力なゼネストで応えた。これは階級闘争の正真正銘の「ヨーロッパ化」である。同じ問題をめぐって同じ目標と同じ解決策を提出し、同じ動員の形態をとった事実上同時的な闘争であった。
 今や、ヨーロッパ的闘争、全ヨーロッパ的調整会議の組織化、ヨーロッパ・ゼネラルストライキが日程に上っている。簡単に言えば、われわれはこれまで以上に新しい活発で戦闘的な全ヨーロッパ的労働組合勢力を必要としている。これに対して各国労働組合連合とETUCの官僚機構はこの展望を妨害し、よく知られている欧州連合「ビジネス・サミット」(二〇〇〇年三月)の「リスボン合意」に結び付いている。
 B 超国家的帝国主義的EU国家の核心に向かおうとするブルジョアジーの企てに対決するには、ヨーロッパ的オルタナティブの必要性はもはや避けて通れない。ヨーロッパ急進左翼は、この討論と綱領の作成に関して遅れをとっている。
 EUはその決定を強制している。すなわち、国内法の六〇%がEUの決定を実施している。欧州軍事力が行動に移されようとしている。欧州中央銀行が通貨政策に対して最高権力を行使している。EU法(EU「指令」)が国内立法に取って代わっている。
 しかし、これに対してヨーロッパ社会フォーラム(ESF)に組織されている新しいヨーロッパ社会運動の一部は、無理解や躊躇や無関心からEUの制度を相手にしようとしていない。欧州諮問会議、作成中の憲法、政府間会議が浮かび上がっている中で、われわれはもっと系統的でもっと協調した政治的反撃を緊急に作り出し、ヨーロッパの反資本主義的オルタナティブを提出する必要がある。
 EUは二〇〇四年六月の欧州選挙を利用して、北極から地中海まで、大西洋からロシア国境までの巨大なEU政治、メディア、宣伝作戦を展開しようとしている。その目標は、民衆的基盤と実質的な正統性を勝ち取ることである。それは社会運動と労働組合運動の復活を中立化し、それらを帝国主義ヨーロッパ権力に従う路線に追い込むために不可欠である。
 ヨーロッパ社会民主主義はすでにその戦闘姿勢を「リスボン精神」の中に定めている。すなわち、まず(「アメリカの脅威」に直面している)ヨーロッパ資本主義を強化し、緊縮政策の新しいラウンドを受け入れ、いつか後日に社会的前進を再出発させるというものである。EUは米国に代わるオルタナティブ、平和的、社会的、人道主義的、「国際主義的」な、等々のオルタナティブになると想定されている。この新しいイデオロギーは、EU国家にとって安定した政治的錨を回復することを意味する。
 しかし、社会民主主義政党の歴史的な存在の危機は元に戻すことはできないものである。このことは、彼らがすでに労働運動に対するヘゲモニーを失ったとか、一時的な、純粋に選挙における復活を果たす可能性を排除するものではない。しかし、現在の資本主義の条件の中での、イデオロギー的、綱領的、政治的、あるいは組織的レベルでの社会民主主義の純粋の再構築となるであろう。それだけでなく、このプロセスは国ごとに、範囲、深さとテンポが非常に不均等なものになるだろう(労働党とSPD〈ドイツ社民党〉やイタリアのDS〈左翼民主党〉を、また同じベルギーのワロンSP〈社会党〉とフラマンSPを比べてみよ)。
 ヨーロッパ反資本主義左翼(EACL)は、独立した急進的反資本主義潮流として、社会的、政治的闘争および選挙闘争に参加する。しかし、われわれはもっと広い空間に向って拡大するテコとなる二つの要素を見失うことはない。第一の要素は、広い範囲と深さにわたる政治的明確化の一時期に入っていることである。最近数年間の急進化のプロセスは、政治と選挙の境界を後退させ始めた。
 伝統的政党はあまり動いていないかもしれないが、選挙民は動いている。それだけでなく、戦争、社会的問題や労働者の世界の毎日の生活が激変を引き起こしている。社会民主主義の軍国主義的新自由主義的方向性が意識の大衆的高揚をもたらした。そのような政府に参加している社会党や他の左翼政党は、一般に高い代償を支払った!
 第二の要素は、「グローバルな正義」(「ノー・グローバル」)運動の巨大な動員と戦争反対の民衆の決起が、伝統的労働者運動の官僚機構の外部で、多くの場合中央官僚機構に反対して、急進的(社会的および政治的)左翼勢力によって開始され、組織され、方向付けられたことである。官僚たちは最初はそれらの運動を信認せず犯罪者扱いしたが、今や内部で影響力を得るためにそれらに参加しようとしている。これによって広範な統一戦線活動の道が開かれ、急進的左翼にとって領域と政治的影響が拡大することになった。
 これらのすべてが、EACLが街頭と闘争の中に存在すべき理由である。また、われわれは、あらゆるところで二〇〇四年欧州選挙のキャンペーンに参加するだろう。このコンテストへの参加は、社会運動の巨大なエネルギーと約束を政治的領域で実現するための、また社会自由主義的改良主義勢力に対する政治的明確化を鮮明にするための重要な要素である。

 第一に、われわれは独自の政治的アイデンティティと独自の綱領を作成する。それはこの十五年から二十年にわたる経験に基づいてわれわれを明確に区別するものになるだろう。
b帝国主義戦争反対、NATOからの即時脱退
bEU軍およびEU軍国主義反対
b社会自由主義政策反対、社会自由主義政府への参加反対
bいわゆる「反テロリスト」政策反対、この政策は民主的政治的権利に対する攻撃をもたらし(スペインは合法的に国家の被選挙機関の中に大衆的に存在していた政党であるエリ・バタズナを非合法化した)、闘争と運動を犯罪者扱いし、特に移民と黒人の闘争や運動を犯罪者扱いする。
b大資本のEU反対、反社会的反民主的憲法(草案)絶対反対。
 この力学は、体系的なものであるがゆえに、限定された対策で阻止することはできない。優先順位を根本的に変える必要がある。すなわち、住民大衆の社会的必要を大資本の利潤より優先しなければならない。
 われわれのオルタナティブ・プログラムは、ボスたちのプログラムと同じぐらい単純で、分かりやすく、明確に定義される。すなわち、フルタイムの安定した仕事、まともな賃金、すべての人に(失業、病気、障害、または引退時の)生活できる代替所得、収入減や労働強化をともなわなず補償雇用をともなった労働時間の根本的短縮、すべて良質の、住宅、教育および職業訓練および健康管理の権利、および公共輸送手段へのアクセス、である。
 これらの政治的社会的権利は、すべての労働者、先住民と移民、男と女に対して平等である。これらの実現には、公共サービスの根本的拡大、国家予算(税制度を含む)の配分し直しによる社会支出の劇的増加、資本から労働への富と所得の根本的再分配が必要である。この目的のために、私有財産を管理し必要な場合は没収して社会的公共財産に変えるために必要なあらゆる反資本主義的手段が取られなければならない。もう一つのヨーロッパは可能である。すなわち、社会的、民主的、平等主義的、エコロジー的、国際主義的な、社会主義ヨーロッパである。
 第二に、EACLは単に証人となるだけでは満足しない。各国で可能な限り、大資本の政党と社会民主主義――どちらもグローバル資本主義の新自由主義的政策と結びついている――および彼らと協力している他の左翼政党を打ち負かすために、同盟や選挙ブロックを形成しようとする。
 第三に、EACLは反資本主義的社会主義的オルタナティブのために政治の旗を高く掲げて活発でダイナミックなキャンペーンを行う。EACLは二〇〇三年十一月にパリで開催される予定の第七回EACL会議にヨーロッパ「マニフェスト」を発表する。EACLは、PRC(共産主義再建党)が提案している「オルタナティブ・ヨーロッパのための諮問会議」のイニシアティブを支持する。
(インターナショナル・ビューポイント03年9月号)


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