| 浜岡2号炉の運転再開強行に怒りの抗議行動 かけはし2003.1.13号より |
十二月二十日、中部電力は今年五月に水漏れ事故を起こして停止していた浜岡原発2号炉(BWR=沸騰水型、八十四万キロワット)の再起動を強行した。一か月後に「営業運転」に入るとされているが、再起動された原子炉は一日後にはフル運転状態に入ってしまうのだ。
昨年十一月、浜岡1号炉で、原子炉のメルトダウンを防ぐ最後の命綱であるECCS(緊急炉心冷却装置)の内径十五センチ、鉄板の厚さが十一ミリもある配管の爆発破断という重大事故が発生した。この爆発(水素爆発)事故の原因は、いまも解明されていない。浜岡2号炉は1号炉と同じ型のために停止し、配管部の形を変える「改良」行ったから大丈夫だとしてこの五月、再起動させたとたんに水漏れ事故を起こして再び停止に追い込まれた。
1号炉は七五年運転開始、2号炉は七八年運転開始の老朽原発である。いつ東海大地震が起きてもおかしくない大地震震源域に立地したボロボロの老朽原発への不安は高まり、周辺の三十二にのぼる自治体から安全対策の抜本的見直しや1・2号炉の廃炉・休炉決議が上がっている。
しかし中部電力は、このような住民の不安を冷笑するように2号炉の運転再開を強行した。原子力安全・保安院は十一月十三日、浜岡町役場で中電の再稼働のための復旧作業について「適切に実施されたことを確認した」と述べ、それをあっさり認めてしまった。
この暴挙に対して十二月二十日午後、浜岡原発止めよう関東ネットワークや、原発止めよう!東京ネットワークなど、首都圏の反原発運動の活動家が、原子力安全・保安院に対して抗議と申し入れの行動を行った。日本山妙法寺の僧侶や国労闘争団の労働者も駆けつけ、ともにビラを配布し、「浜岡2号炉を動かすな!」と訴えた。
正午から霞が関の保安院が入った庁舎前で、横断幕を広げ、ビラを配布し、浜岡2号炉の再起動中止を訴えた。
「気象庁長官が十一月二十六日の記者会見で、東海地震の想定震源域で昨年七月から続いている『ゆっくり地震』について、『東海地震がいつ起きてもおかしくない状況になりつつある』と述べています。阪神大震災をはるかに上回るマグニチュード8クラスの大地震が予想されています。その時、ボロボロの浜岡原発が動いていたらどうなるでしょうか。傷だらけの老朽原発を動かすなんてとんでもない。すぐ廃炉にすべきです」。
「原発の損傷隠しやデータ改ざんは、中部電力でも浜岡1・3号炉行われていたことが発覚しています。現在でも3号炉と4号炉を調査したら、多数のひび割れが発見されています。4号炉のシュラウドでは六十七カ所ものひび割れが見つかっています。ところが中部電力は2号炉をほとんど調べようとしていません。詳しく調べれば調べるほど、ひび割れなどが見つかってしまうからです。取り返しのつかない原子力災害はごめんです」。
午後一時半からは、保安院内で質問書を提出し、回答を求めた。保安院からは検査課の三人が出席した。「事故の原因は究明されたのか。その上で対策が取られているのか」「アメリカの大地震で高速道路が倒れた時、日本の高速道路は絶対倒れないと言っていた。ところが阪神大震災であのように倒れてしまった。もし大地震が来ても大丈夫というなら根拠を示してほしい」という質問に、「絶対大丈夫とは言えないが、対策は一応講じた。うちは検査課かだから、そういうことは審査課に聞いてほしい」という答え。
「東京電力は十七基の原発をすべて止めて、溶接個所を調査しようとしている。調査すればするほどたくさんのひび割れが見つかっている。稼働から二十五年もたって老朽化している浜岡2号炉にひび割れが生じているのは当然だ。すべての溶接個所を調べなくていいのか。東電と同じように中電も調査すべきだ」。
この問いには、「中電はいま原子力委員会で健全性評価の審議をしている段階だ。どうするかはその結果を見てからだ。東電の調査は自主的にやっている」と答える。
「だとしたら、その結果が出るまでは動かさないというのが当たり前ではないか。シュラウドの調査に関する通達は不十分だった。調べればどんどんひび割れが出てくる。運転から十年の4号炉で六十七カ所も見つかった。ずっと古い1号や2号にひび割れがあるのは当然だ。ないというなら証拠を示してほしい」。
保安院の回答。「調べていないところにはないとは言えない」。まさに無責任もここに極まれりといった態度だ。このような投げやりな態度でボロボロの老朽化した原発を傷だらけのままで動かし、地元のみならず日本全体の命を恐るべき危険にさらしているのが原子力安全・保安院であり、電力会社であり、ほとんど審議もなくあっという間に「傷つき原発動かし二法」の可決を強行した小泉政権と与党三党なのだ。 (I) |