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「もう一つの世界は可能だ!」第2回世界社会フォーラムに参加して
                           
かけはし2002.2.18号より

8万人の熱い国際連帯のなか、
ポルトアレグレ市中を駆け回った6日間



二百十の民族と百八十六の言語

 二〇〇三年第三回世界社会フォーラムは再度ポルトアレグレ。二〇〇四年にインドで…
 二〇〇二年一月三十一日から二月五日までブラジル・ポルトアレグレで開催された、世界社会フォーラムは、昨年を倍する参加者、参加国を持って開催された。公式記録によれば、八万人の参加者(一日だけの参加含む)、公式登録者一万五千二百三十人、このうち代表を派遣した組織は四千九百九(参加国は百五十二カ国)。多数動員した主な国別参加者は、ブラジル六千五百人、イタリア九百七十九人、アルゼンチン九百二十四人、フランス六百八十二人、ウルグアイ四百六十五人、アメリカ四百六人などである。
 二百十の民族と百八十六の言語という参加者の多様性があり、アジアからは、韓国、フィリピン、インドネシア、アチェ、東チモール、パキスタン、インド、スリランカ、日本であった(前号報告したアフガニスタン女性は、パキスタン女性)。
 国連関係では、ILOの組織的参加があり、国会議員・閣僚では、フランスから閣僚六人が参加。フランスは経済フォーラムよりも世界フォーラムへの参加閣僚が多かった。にもかかわらず、イラクへの米英軍の爆撃があり、フランス大統領がその攻撃を支持したために、フランス共産党出身マリージョージ・バフェット女性閣僚(青年スポーツ相)は、パイ投げ攻撃の被害者となり、今フォーラムのエピソードの一つとなった。
 同じくフランスから来たフランスの農民連盟ジョゼ・ボベは、今回ブラジルに入国できたが、地方の農場・倒産争議工場を回っていてフォーラムには顔を見せなかった。入国できたというのは、昨年のフォーラム期間中、郊外にある米モンサント社実験農場にMST(土地なき農業労働者運動)の仲間とともに突入し、遺伝子転換作物を引き抜いた件で、フォーラム最終日から二十四時間以内の国外退去処分を受けていたからだ。
 しかし、彼は、一九九九年のフランス南部のマクドナルド店襲撃事件に対し、懲役三カ月の刑を受け、それに服するため、フォーラム最終日に帰国した。同氏は、Attacジャパンの招待で、今年十一月来日する予定である。

実践的連帯こそ今問われている

 フォーラムの報道については、二千四百人(四十八カ国)のジャーナリスト、四百六十七新聞社と百九十三雑誌社、百八十八ラジオ局、百十六テレビ局、七百八十人(三十三カ国)のフリージャーナリストがかけつけ、日本の関係では、NHKや「赤旗」メキシコ支局などが取材に来ていた。赤旗の記者は、Attac日本のワークショップにまで来て、参加者の多くに取材をしていた。
 同時に持たれた青年キャンプには、一万一千六百人の若者が参加しており、フォーラム全体で昨年同様、若い人や女性の数がとても多かった。驚いたのは、リオデジャネイロに日本から観光に来ていた女性が、観光よりポルトアレグレの世界フォーラムの方がおもしろそうと、青年キャンプを利用してフォーラムに現れたことだ。この若い女性は、Attacジャパン主催の日本の現況(国鉄・郵政・NTTの労働組合の闘いと女性・移住労働者の闘い)を分析するワークショップにも参加してくれた。
 このワークショップについては、フィリピンやドイツなどの参加者が、積極的に質問やコメントを寄せており、まさに一般的な労働組合運動の報告ではなく、国際的交流の下で、新自由主義的攻撃との闘争の具体的方法論と、その方向性が討論されなければならない(例えば、オランダ方式やワークシェアリングの吟味、反失業闘争と失業者自身による互助支援運動・労組の労働者供給事業の実践、移住労働者や女性労働者の闘いの発展・国際交流など)。
 この点は、後日、Attacジャパンへのカナダ・ラジオ局取材に同行してみてはっきり感じられた。カナダの取材者は、日本の現況を大まかに説明された後、「そのようなことは今、カナダを含め、どの国でも、アメリカですら起こっていることだ。問題は、それとどう闘っているのか教えてほしい」と聞かれた。
 まさに、世界で問われていることはこのことだ。闘う国労闘争団が、「四党合意」を乗り越え闘うためには、既存の労働組合運動では、もはや対応できないこと。いまささやかれている国労分裂後の全労協の危機を見すえた闘うナショナルセンター再建の方針を生み出さなければならないし、同時に、Attacジャパンのあり方も、この闘いと一体のものとして取り組まれなければならないことを強く感じた。

町中を駆けめぐった6日間

 フォーラムの方は、全体で八百のワークショップ、百三十五人のパネリストの構成で企画され、これだけの規模のため街中の大きな施設・ホテルを利用して持たれた。昨年は主要会議がリオ・グレンデ・ド・スル州(以下RSと略)キリスト教大学PUCで開かれていたので、公共バスなど利用していくことができたが、今年の場合タクシーを使う場合も多くなった。
 これにより、意図的な道の間違えによる運賃の過剰請求の例が多くなったが、実は、フォーラム期間限定の臨時タクシー運転手がものすごく多かったことから、善意で解釈すれば行き先がわからない故のトラブルも多かった。まさに参加者・タクシー運転手含め、文字通り、町中を駆けめぐった六日間であった。
 同時に、重要な証言や屋外コンサートのライブなどはRS州テレビ局が生中継で放送しており、実はホテルにいてもフォーラムに参加できてしまうことも多かった。中でも、高齢のPT(労働者党)財政部長マリア・コンセイシャオ・タヴァレスの証言はテレビで見ることができたが、今秋大統領選挙に向けたPTの団結を謳う歴史的大演説であり、圧巻であった。私は、あえて彼女をマリア様と命名した(詳細次号)。
 会議の期間中、注目されたのは、昨年に続きコロンビア・プラン反対行動のアピールもあったが、何よりパレスチナ(六人参加)連帯行動とアルゼンチンでの対外債務取り消しを求める闘争への共鳴・支持・連帯の声であった。前号にも記したが、PUC校内では、連日のようにパレスチナ連帯デモが「ブッシュ!シャロン!テロリスト!アサシン(暗殺者)!」と叫びながら繰り広げられていた。

沢山の仕事が待っている!

 さらに、デモといえば、フォーラム期間中の二月四日夕方から、ALCA協定反対・再協議を求める二万人のデモンストレーションが持たれた。これは、NAFTA(北米自由貿易協定)とメルコスール(南米共同市場協定)が統合され、アメリカ州自由貿易地域協定(ALCA=FTAA)として実施されようとしていることに反対し、再協議を求める行動であった。この協定の現実は、当日まかれたビラの絵に端的に表現されている(アメリカが南米大陸を吸い取っている絵)。
 フォーラム全体で最低限、確認されたことは、@対外債務の取り消しを求めることA9・11の攻撃を強く非難することBテロ戦争での一般市民の虐殺を非難することC国際的協定におけるアメリカの単独孤立主義に反対することDIMFを国連のような機構に改革することE多国籍企業を防衛するWTOドーハ受諾について再協議することFALCA(アメリカ州自由貿易地域協定)設立反対、再協議することG金融資本活動を規制するための税制を創ることH世界の民衆闘争と連帯すること――。
 そして、フォーラム主催国際委員会の討論の末、二〇〇三年第三回世界社会フォーラムは再々度ブラジル・ポルトアレグレで開催し、二〇〇四年にインド、二〇〇五年アフリカで開催することが決定された。フォーラムの全体を印象を言えば、昨年は「アナザー・ワールド・イズ・ポシブル(新しい世界は可能だ)」だったが、今年は、それに一言付け加わった。すなわち、「バット・イッツ・テイクス・ア・ロット・オブ・ワーク(それには沢山の仕事をすることが必要だ)」と。ブラジル国内の政党や労働組合・市民団体にとって、今フォーラム以降、すべては今年十月のブラジル大統領選、州知事選、国会議員選へと集約されていくようだ。(つづく)(林 のぼる)


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