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第四インターナショナル第15回世界大会決議草案 5  かけはし2002.2.11号より

第四インターナショナルの役割と任務 4


第四インターナショナルの役割と任務(目次)

T この時期の新しい政治サイクルと戦略的任務
U 闘争を支援し、大衆運動の構築を
V 新自由主義を打破し、反資本主義の道へ(以上前号)
W 労働者階級の統一と階級的労働組合運動のために
X 広範な反資本主義的プロレタリア党の建設
Y 新たな青年の急進化
Z 過渡的綱領の再構築
[ われわれの政治的特徴と組織的調整の強化
\ 第四インターナショナルの過去と現在(以上本号)
] 新しい国際主義と新しいインターナショナル

10 新しい国際主義と新しいインターナショナル

(1)歴史において実在したインターナショナルの建設は、大規模な社会的・政治的発展と結びついた新しい任務に対応していた。再組織化のこの新しい政治的局面は、最初から新しい反資本主義的・反帝国主義的インターナショナルの問題を提起する。
 この「新しい国際主義」は、「シアトル」以来勢いよく登場してきた。一連の出来事が、一九八九―九一年の転換点以来それを準備してきたのである。ネオ・サパティスモの登場、第三世界の債務帳消しの長期キャンペーンを出発させたバスティーユアピール、ユーロマーチ、資本主義的グローバリゼーションの諸制度(IMFと世界銀行)に対置した対抗サミットの「連鎖」、「市民社会」(NGOを意味することが多い)が公式サミット(リオの地球サミット、女性会議、社会サミットなど)に対決した一連の諸会議などがそれであった。

(2)一九六〇年代、七〇年代の「国際主義」の時期とは異なり、これは主として連帯運動や、社会的・政治的革命プロセスへの支援ではない。その原動力は、その本性からして国際的な、資本主義の国際化の新段階、その諸政策、その諸機関に対決する抵抗運動からもたらされている。
 現段階において、それは労働運動、民衆運動の伝統的官僚機構の統制からはずれた社会的・政治的諸勢力から生み出された、「新しい」、きわめて正統性を持った社会運動として現れる。それはまた、自らを国際主義的革命組織からは離れたものとして位置づけ、一般的に政党に組み入れられることを拒否する。同時にこの運動は、深く政治的である。この運動は支配階級に反対して、顕著な分極化を刻印してきた。反資本主義的展望と解放への希望の促進。集中的であるとともに分権化した公共スペースの創造――そこでは分析的思考が政治的対決や活動家の関与と結びついている。そこは政治的潮流が事実として存在する領域である。
 われわれは、この新しい運動ぬきに新たな反資本主義的/反帝国主義的インターナショナルに向けた最初の突破口が作られるとは考えられない。それが、来るべき「グローバル」な事件の挑戦にかなうための鮮明化とテストを不可避的にくぐりぬけなければならないとしてもである。

(3)第二に党という問題では、もはや単一の求心的な力学を培養することのできるいかなる「指導国家」も存在しない(ラテンアメリカにとってのキューバもそのような力学を持たない)。複数主義的左翼の、反資本主義的/反帝国主義的組織再編・統合は依然として弱く、非公式のものである。大規模な社会的高揚がないので、階級闘争の新しい段階と格闘するために歴史的惰性や完全に無力な彼らの「政治文化」からぬけだすことは困難である(社会民主主義の左派は弱体である。共産党から生まれたさまざまな潮流は綱領的袋小路に陥っており、依然としてスターリニスト的実践に向かいがちである。そして革命的組織のほとんどは、生来的にセクト主義である)。
 初歩的な前進がなされたのは、何よりも特定の地域、大陸のレベルのものである。ラテンアメリカのサンパウロ・フォーラムは、当初の力学が衰退してしまった。ブラジルPT(労働者党)は引き続き重要性を持っている。ヨーロッパでは反資本主義左翼のそれほど大規模ではない会議が行われ、アジアでも一定の会合がなされている。
 支配階級とプロレタリアートの直接的な激突のみが、自らの生活条件と労働条件を防衛しようとする大衆の闘争のみが、力関係を揺り動かすことができるし、社会的基盤に根づき、新しいインターナショナルを建設することができる活動家を提供するだろう。グローバリゼーションに反対する現在の運動は、希望、参照点、大きな焦点を作りだしてきたが、新しいインターナショナルの原動力を構成するものではない。これは、インターナショナルのためには、いずれにせよ各国的レベルでの反資本主義的/反帝国主義的諸党の発展が必要であるということを意味する。

(4)第三に、「トロツキズム」を起源とし、あるいは「トロツキズム」にアイデンティティーを持ついくつかの潮流の中で大きな発展がなされた。第四インターナショナルをふくむこれらの組織はすべて、分析、方針、活動のレベルで新しい世界情勢に適切に応えるために大きな努力を払わなければなかった。
 間に合って、良好な条件においてそれに応えようとする能力は、これらすべての潮流の連続性に影響を与えた。今日、「トロツキズム」を起源とし、「トロツキズム」にアイデンティティーを持つグループには、非常な多様性が存在している。一部は比較的凝縮力を持った国際組織を維持しており、一部は一国的、あるいは連合的組織に分裂した。このことは、旧「マオイスト」組織にはよりいっそうあてはまる。
 綱領、あるいは革命的労働者運動の過去の時期に顔を向けた政治の名の下での、そして組織の経歴の防衛に基づいた「トロツキスト」あるいは旧マオイストの統一は、組織的再編あるいは合同にとっていかなる意味でも役には立たない。マルクス主義と社会主義革命へのアイデンティティーを伴った組織間の友好関係は、今日と将来の諸闘争、現実の運動、任務との関係ににおいてのみ意味を持つことができる。
 われわれは、こうした三つの国際主義的な政治的・組織的発展の共存を見ることができる。この状況は一つの時期全体を通じて継続しうる。

(5)第四インターナショナルとしてのわれわれの任務は、大衆的影響力を備えた新しい国際主義的で複数主義的で革命的な活動家勢力の形成という展望を持って、世界的な規模での労働者運動、社会運動、民衆運動の巨大な再組織化に貢献することである。
 これは、いかなる意味でもわれわれの組織の弱体化あるいは解消を意味するものではない。まったく逆である。われわれは、他の国際的革命潮流と競争しそれを打ち負かすためではなく、できるかぎり新しい勢力の建設に貢献するために自らの組織を強化することを望んでいる。この展望は、不可避的に政治的経験と鮮明化の長期のプロセスをくぐりぬけることを意味する。

(6)われわれは、この中間的時期全体を通じて二つのレベルでの応答に貢献するだろう。
 第一に、グローバリゼーションに反対する運動や労働運動、他の社会運動の中で、われわれは綱領的・政治的討論に参加しつつ、闘争と動員における「統一戦線」のために闘い、運動を創出しそれを堅固なものにするために闘う。われわれは、それぞれの個別の目標をめぐって、国際主義的で反資本主義的な大衆運動の形成を支持する。
 第二に、党のレベルにおいて、われわれは各地域、各大陸の具体的情勢に依拠しつつ、反資本主義的政治勢力による共同活動を積極的に推進するだろう。それはさまざまな形態を取りうる。革命的左翼の間では、われわれが現在の世界情勢、主要な方針、任務を共有する他の潮流との相互的会合を行い、また内部会議や大衆集会に参加することを通じて、より体系的で全般的な対話にたずさわるだろう。われわれに対していかなる責任も課さず、いかなる要求もせず、われわれの側からも責任を求めたり要求をしたりせずに、われわれの内部会議に参加して顕著な友好関係が生まれるような諸組織を招請する。

(7)われわれの指導部の機能について。第四インターナショナルの役割は以前の時期に比べて控えめなものになるように見えるかもしれないが、次に述べるような任務を果たすことを目指したインターナショナル指導部の構造を強化するという大きな活動が求められている。
 近年のわれわれの経験に基づく規約改正は首尾一貫した基礎を提供する。それは、中央指導機関、国際委員会(IC)で進められているオープンで批判的な討論と、活動の調整のための行動的中心である執行ビューロー(EB)の役割の双方にとって有利なものとなるだろう。
 国際委員会(旧国際執行委員会)は、対置される立場を抱えて進行中の討論の重心としての役割を果たし続けなければならない。この討論は、規約が各国支部の自治を体系化し、国際委員会多数派が採択した立場を取り上げる上でもはやいかなる義務も各国支部に課さない以上、いっそう自由なものになる。そして、われわれに対するいかなる組織的責任も果たすことなく討論に参加する外部の組織が国際委員会に出席することを通じて、それはいっそうオープンなものになる。
 執行ビューローは、日常的な運営、財政、出版、内外のコンタクトといった点での指導部であるとともに、各国組織との、あるいは各国組織間の、そして諸組織のカードルとのより強力な連携を築くという重要な任務を持つことになる。これは、任務の詳細な追求、イニシアティブ、調整、諸問題への公的立場といった形態を取るだろう。
 執行ビューローにとって、それはまず第一に各国支部の指導部に統合されている同志をふくむビューローを強化するために、いくつかの各国支部の状態の健全化から利益を得ることを意味する(地理的な近接のため、とりわけヨーロッパ諸国)。
 さらに執行ビューローは、一部はヨーロッパのレベルで、一部はより明確にインターナショナルのレベルで活動する構造を建設し、強化しなければならない(職場の闘い、反グローバリゼーション運動、女性運動、青年運動、草の根運動)。
 グローバル化した資本主義の地域的/大陸的次元の展開に従って、われわれは具体的諸条件に対応した活動の構造を熟考しなければならない(ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア)。国家的構造としてのEUの発展という条件の下で、特殊にヨーロッパ的任務は、EU的枠組みによって強制される増幅した必要性に応えるために、現存する機関(ヨーロッパ政治局と書記局)の比重とリズムの増大を通じて真のヨーロッパ指導部を打ち立てることである。われわれの目標は、第四インターナショナルの真のヨーロッパ的な統一した介入である。
 こうした構造はすべて、同時に調整的役割、イニシアティブを発揮する役割、そして今日の多くのグローバルな問題を集団的・政治的に具体化する役割を果たすべきである。それらは、各国組織の発展と建設、支部指導部間の連携の強化を可能にするものでなければならない。    (完)                


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