かけはし重要記事

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日本の参戦を許さない実行委がシンポ         かけはし2002.2.4号より

東ティモールPKO派兵と「人道的介入」めぐって


 一月二十四日、日本の参戦を許さない!実行委(新しい反安保実Y)は、アフガニスタン復興支援国際会議と「人道的介入」という、グローバリゼーションの下での反戦・平和運動にとっての焦眉のテーマに関して早稲田奉仕園で討論会を行った。報告者はアジア太平洋資料センター(PARC)の越田清和さん。
 越田さんは東ティモールでの一九九九年の住民投票とインドネシア国軍と彼らが組織した反独立派による独立派住民への暴虐以後、PARCが東ティモールで行った活動の経験について最初に提起した。
 PARCの東ティモールでの活動の動機は「インドネシア軍による暴虐を何とか止めたい。『人間の楯』ができないか」というところにあり、その背景には「東ティモールの人たちの闘いへの連帯」という問題意識が貫かれていた。そして、予想される自衛隊の東ティモールPKOへの介入を止めさせるために反対の声を上げるだけでなく、「憲法前文・9条」を具体化させた「非軍事的介入」をNGOとして行おうとする意思もあった。また、国連や世界銀行による「復興」計画・活動を監視する意味もこめられていた。
 しかし、東ティモールのNGOが自衛隊派遣に反対する声明を出すなどの動きがあったものの、多国籍軍到着以後にPARCの活動が開始し、国連の東ティモール活動(UNTNET)の枠内で動くことになってしまったことにも規定されて、当初の目標を貫徹できなかったと、越田さんは評価した。
 東ティモールの「復興」計画も、世界銀行があらかじめ報告書を用意してそれを飲むか飲まないかを突きつけるという性格のものであり、NGO側のイニシアティブはきわめて弱いものに止まった。
 このように総括した越田さんは、最上敏樹の『人道的介入』(岩波新書)を引き合いに出しながら、今日の国連などによる「平和構築」論やNGOを利用した「積極的平和主義」論への批判を提起した。
 「最上氏の著書は、ソマリア、ルワンダ、ボスニア、コソボなどの具体例について詳細に言及しているものの東ティモールについてはまったく述べていない。国連の東ティモールへの介入の最大の問題点は、インドネシア国軍が暴力の元凶であるにもかかわらず、結局のところインドネシア政府や国軍と『協力』し、彼らに多くの責任を委ねたところにあったのだが、そこのところが全く無視されている」。
 「最上氏の主張は、悲惨な人道の危機に対して国連をふくむ国際社会の介入とは当然のことというものだが、そこでは『悲惨な状況への介入』ということはあっても、PARCなどにあった歴史的な解放闘争への『連帯主義』的な関与という問題意識は排除されている。現実に『人道援助』活動に参加したNGOの中には東ティモール問題の背景や解放闘争の歴史についての最低限の知識すらないところもあった。国際社会や大国の責任を免罪して、『悲惨な人びと』のために何かができないかということだけでは、国連による上からの『介入主義』と同じ視点になってしまう。『国境を越える医師団』も当初は『連帯主義』的問題意識はあったのだが、現在ではそれは放棄されてしまった」。
 越田さんは続いて、アフガニスタン復興支援会議へのNGO参加拒否問題で焦点になっている「ジャパン・プラットフォーム」へのPARCの関わりについて見解を語った。
 「ジャパン・プラットフォームは二〇〇〇年八月に外務省、経団連と緊急人道支援NGOによって結成されたものだ。外務省は自衛隊が行くまでの『露払い』の役割をNGOが果たすことを期待していた。話題となっているピースウインズの大西さんは、政府からはNGOとして距離を取るという原則を保持してはいたが、参加団体の中には明石康の日本予防外交センターや『難民を助ける会』など、明確に『日の丸NGO』といってよい団体も含まれていた。PARCは当初、NGOがリードして政府の政策に意見を反映させるためにジャパン・ブラットフォームに参加した」。
 「しかしPARCが音頭を取って一度は理事会で確認された『NGO憲章』の文言が、予防外交センターの横やりで棚上げにされた。『日本国憲法前文の精神尊重』とか『地球市民』、『政府の外交政策の道具にはならない』という表現が問題となったのだ。結局PARCは、そうした内部での民主主義が保証されないやり方が横行する中で、ジャパン・プラットフォームから脱退した」。
 こうしてますます「政府に都合の良いNGO」と「悪いNGO」が選別されていく中で、NGOの政治性が問われることになる、と越田さんは強調した。
 越田さんは最後に、アフガニスタンやソマリアなどいわゆる「失敗国家」に対してウォールデン・ベローの言う植民地主義的な「新たな委任統治」(本紙1月21日号6面のウォールデン・ベロー論文参照)が国連と世界銀行などの都合に合わせて構想されていることに危機感を表明し、軍事的介入と一体となった「人道的復興」のキャンペーンに反対する運動が問われていることを訴えた。(K) 

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